Shadow of Intent : コネチカット州を拠点に活動するシンフォニック・デスコアバンド、Shadow of Intentが2019年にリリースしたアルバム『Melancholy』から3年振りとなる通算4枚目のスタジオ・アルバム『Elegy』をリリースしました。ギター/キーボード/ボーカルを担当するChris Wisemanがプロデュース/レコーディング・エンジニアリングを担当し、ドラムのエンジニアリングはCarson SlovakとGrant McFarlandが手掛けている。ミックス/マスタリングはChristian Donaldsonによって施され、アートワークはブルータルデスメタル/テクニカルデスメタルシーンではお馴染みのPär Olofssonによって描かれている。
前作でドラムを担当したAnthony Baroneが脱退し、新たにAbigail Williamsにも在籍し多くのメタルバンドでドラムを兼任するBryce Butlerが加入。オリジナルメンバーであるボーカリストBen Duerr、コンポーザーとして活躍するギタリストChris Wiseman、2018年加入のベース/ボーカルAndrew Moniasの4人体制でアルバム制作が行われた。
昨年7月31日に第1弾先行シングル/ミュージックビデオとして発表された「Intensified Genocide」は、モダンなデスメタルからの影響を受けたこれまでのShadow of Intentにしてはシンプルな楽曲であったが、しっかりとシンフォニックなオーケストレーションが味わうことができ、また耳に残るバウンシーなリフ、そしてボーカルの掛け合いが肝になっている。古くからShadow of Intentを追いかけてきたファンにとってもたまらない仕上がりであったし、より多方面のメタルリスナー、例えばシンフォニックメタルであったり、モダン・デスメタル/メロディックデスメタルファンからも評価を得た。
新加入のBryceのプレイスルーも印象的だった。Abigail Williamsなどシンフォニック系のメタルコア/デスコアバンドと数多く仕事をしてきた彼らしいプレイは特にダイナミックなシンバルワークと正確なキックに魅力がある。そして何よりも楽しそうに笑顔でプレイするのが良い。これがとても良い!
アルバムのリードトラックとも言える「From Ruin… We Rise」のミュージックビデオは2021年10月2日に公開され、現在までに57万回再生を記録。サウンドにマッチしたビデオ・ディレクションもさることながら、華麗にテンポチェンジしながらShadow of Intentらしさを雄大に表現、聴きやすさもあって2022年のデスコア、特にシンフォニック/ブラッケンド系の中で大活躍する姿が目に浮かぶ。
アルバムの中で「From Ruin… We Rise」と同等の注目を集めたのがWhitechapelのシンガーPhil Bozemanをフィーチャーした「Where Millions Have Come To Die」だろう。こちらは2021年10月30日に公開されており、Phil含む5人が最大限のパワーを発揮した一曲と言える。テクニカルなドラミング、Chrisのギター&オーケストレーション・アイデアの引き出しの多さ、BenとPhilのボーカルの存在感、全てにおいてShadow of Intentがネクストレベルになったことを証明していると言えるだろう。
ここ日本でも高い人気を誇るShadow of Intent。アルバム制作時のエピソードなどを語った「The Making of Elegy」シリーズが彼らのYouTubeチャンネルで公開されているのでぜひチェックしてもらいたい。