Worm Shepherd : マサチューセッツ州ブロックトンを拠点に2020年から活動するブラッケンド・デスコアバンドWorm Shepherdのセカンドアルバム『Ritual Hymns』が2022年1月14日にUnique Leader Recordsからリリースされました。
結成から僅か2年ではあるものの、Unique Leader Recordsと契約しセカンドアルバムをリリースしたというのは驚異的なスピード出世と言えるだろう。ボーカリストDevin Duarte、ギタリストのBrandon Cooper、Ryan Ibarra、Tre Purdue、そしてドラマーLeo Worrell McClainというベースレス、トリプルギターの5人体制を取る彼らは、2020年の20月にSlam Worldwideから公開した「ACCURSED」のミュージックビデオで人気に火が付いた。ブラックメタルに振り切った世界観、そしてサウンドからはDrown In Sulphurに近い雰囲気を感じるが、Worm Shepherdの方が洗練されているように感じますね。
アルバムのタイトルトラックでありオープニングを飾る「Ritual Hymns」のミュージックビデオは2021年10月14日に公開され、現在までに7万回再生を記録。Lorna ShoreやMental Crueltyに近いサウンドであることは間違いないが、彼らがブラックメタルのエッセンスを組み込んだデスコアであれば、Worm Shepherdはデスコアのエッセンスを組み込んだブラックメタル、と言いたくなる感性を感じる。
2021年11月16日に公開された「Chalice Ov Rebirth」のリリックビデオからは、彼らがブラックメタルバンドとしても高い魅力を持っていることが感じられるだろう。ちょうど2022年1月14日に同じタイミングでリリースされたShadow of Intent、Enterprise Earth、Fit For An Autopsyと聴き比べてみるとその違いは歴然。ブラッケンド・デスコアもそのクロスオーバーの割合でここまで変化があり、違った可能性を持っているのは面白いことだと思います。
2021年12月24日に公開された「The River Ov Knives」は、最も早いLorna Shoreフォロワー的なサウンドで結構バズるかと思ったのですが、現在までの再生回数は4万回程度。クリスマスイヴの公開というのもあって、他に話題を取られてしまったように感じますが、楽曲の完成度は非常に高く、驚きを感じながら聴くことが出来ると思います。
ブラッケンド・デスコアが想像以上に多様な可能性を持っていることを証明したWorm Shepherdの功績は大きいですし、彼らがさらにステップアップしていくこと、特にブラックメタルからのリスナーを取り込むことに成功すればでかいと思います。