Underoath : 1997年からフロリダ州タンパを拠点に活動するメタルコア/ポストハードコアバンド、Underoathが前作『Erase Me』からおよそ3年10ヶ月振りとなる通算9枚目のスタジオ・アルバム『Voyeurist』をFearless Recordsからリリースしました。
2015年に再結成。そこからメンバーチェンジもなくドラム/ボーカリストAaron Gillespie、キーボーディスト/プログラマーChristopher Dudley、ギタリストのTimothy McTagueとSpencer Chamberlain、ベーシストGrant Brandell、リード・ボーカリストSpencer Chamberlainの6人で活動を続けている。
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本作はプロデューサーにThe AlmostのドラマーであるJJ Revellを起用。ギタリストのTimothy、キーボーディストChristopher、ドラマーAaronと共にプロダクション、エンジニアリングを行い、ミックスはChad Howatが担当した。
第1弾先行シングルとして発表された「Damn Excuses」は2021年7月14日に公開された。ファンからはこれまでのUnderoathのキャリアを全て詰め込んだ傑作と称され、既に2021年時点で本作が「2022年のベスト・メタルコア/ポストハードコアアルバムだ」との声も上がった。ダイナミックかつヘヴィなリフが独特な空気感の中を漂うように刻まれていく展開美は芸術的と言えるだろう。
第2弾先行シングルとして発表された「Hallelujah」は、2021年8月4日に公開された。彼らの名作『Define the Great Line』を彷彿とさせるという声も多く、個人的にはそれら彼らの代表作で見せたカオスが時を経て整理され、『Erase Me』、『Voyeurist』として形になってきているようにも感じる。現在のメタルコアシーンのひとつの潮流とも言えるオルタナティヴな香りは元々Underoathがもっていてシーンの中で育んできたものであったように思うし、なんだかんだ初期から大きなスタイルチェンジをしないままその時代の音を鳴らしてきたというのは凄いことだと思う。
2021年9月22日に公開された第3弾先行シングル「Pneumonia」は、アルバムの中でも異彩を放つ7分超えの大作で、ギタリストTimothyが父を亡くしたことにインスパイアされ、制作が行われたという。ポストロック、シューゲイズ、オルタナティヴロック、メロディック・ハードコアなど様々な音楽からの影響を感じながらもUnderoathのサウンドデザインで仕上げられた崇高なサウンドは、アルバムのエンディングにふさわしい一曲。ダークでありながら深みのある歌詞も素晴らしい。
2021年10月27日に公開された第4弾先行シングル「Cycle」はミュージックビデオにもなっており、トラップメタル/オルタナティヴラッパーとして活躍するGhostemaneとのコラボ曲。それだけでもキャッチとしては成立してますが、普通に曲が良すぎます。前作『Erase Me』と比べると、こちらの方が古参ファンは嬉しい仕上がりかもしれませんね。
2021年12月9日に最後の先行シングルとして発表された「Numb」は、名作『They’re Only Chasing Safety』のアップデート・バージョンとバンドは話す。ここまで公開されたシングルを聴き返してみれば分かるように、バンドがキャリアを通じて培ったヘヴィネスを再構築したような作品になっている。アルバムリリースと同時に公開された「I’m Pretty Sure I’m Out Of Luck And Have No Friends」をはじめとする他の楽曲も現代的でありながら、どこか懐かしさを感じる。
Times Square. UØ. Wow. @spotify showing all the love and we feel it. Life is wild. pic.twitter.com/dG1kwOzZav
— Underoath (@UnderoathBand) January 15, 2022
タイムズスクエアをジャックした気合の入ったプロモーションもあり、再びシーンにおけるUnderoathの存在感が強まることが期待できる作品だ。ぜひじっくりと聴き込んでもらいたい。