今週おすすめの新作 : 【Oceans Ate Alaska - Disparity】【The Callous Daoboys - Celebrity Therapist】【Miss May I - Curse of Existence】

 

2022年にリリースされたメタルコアのアルバム、EPの中から、RIFF CULTがピックアップするオススメの名盤を10枚選び、アルバムレビューしてみました (プログレッシヴ・メタルコアは別枠で投稿予定) 。もし皆さんのおすすめがあれば、是非コメント欄に書き込んでみて下さい!

 

 

Secrets 『The Collapse』

ポイント : Secrets史上最重量級のリフとRichardのクリーンとのコンビネーション
▶︎https://velocity.lnk.to/collapse

何度も来日公演を行っていることから、ここ日本でも抜群の人気を誇るSecrets。Velocity Recordsへと移籍し、前作『Secrets』から4年振りのリリースとなった通算5枚目のフル・アルバムは、Secrets史上最もヘヴィなリフとRichardのクリーン・ヴォイスのコンビネーションが心地良い一枚となっている。

Secrets最大の魅力とも言える「WadeのスクリームとRichardのクリーン・ヴォイスのコンビネーション」は、2010年代初頭のメタルコア/ポストハードコア黄金期を象徴するものであり、Rise Recordsからリリースされたデビュー・アルバムからサード・アルバムまでの人気の高さがそれを象徴している。2018年に正式加入したギタリストConnor Braniganの存在は、Secretsを現代的なメタルコアのヘヴィネスへアップデートさせ、本作で華開いたと言えるだろう。

先行シングルとして発表された「Parasite」は、デスコアへも接近するかのような重厚なリフが組み込まれており衝撃を受けたファンも多いだろう。ミュージックビデオにもなっている「The Collapse」や「Get Outta My Head」は過去と今を繋ぐ楽曲としてアルバムのキーになっている。再びシーンのトップに躍り出た彼ら、新作を引っ提げたジャパンツアーの開催が待たれる。

 

 

 

Motionless In White – Scoring the End of the World

ポイント : 多彩なゲストによって浮かび上がる新たなMotionless In Whiteの魅力
▶︎https://motionlessinwhite.lnk.to/STEOTW

 

独特の存在感を放つペンシルバニアのMotionless In White (モーションレス・イン・ホワイト) の通算6枚目となるフル・アルバムは、2019年にリリースした前作『Disguise』よりもコンセプチュアルであり、まるで映画のような世界観で聴くものを引き込む超大作だ。Bullet For My ValentineやIce Nine Kills、A Day To Rememberを手掛けたDrew Fulkによるプロデュースで、新たにバンドへ加入したVinny MauroとJustin Morrowにとってはデビュー作となる。

この作品には多くのゲストが参加しており、Knocked LooseのBryan Garris、Cradle of FilthのLindsay Schoolcraft、BeartoothのCaleb Shomo、そしてMick GordonがMotionless In Whiteのフィルターを通じ個性を発揮している。バンドの元々の持ち味といえば、そのヴィジュアルからもわかるようにゴシック・メタルやインダストリアル・メタルを通過したメタルコア・サウンド。多彩なゲストによってそれらは異なる輝きを放っている。

RIFF CULTとしてピックアップしたいのはもちろんBryan参加の「Slaughterhouse」。デスコア、ビートダウン・ハードコアをルーツとした強烈なブレイクダウンが搭載された楽曲によって、クリスのクリーン・パートが鮮明に浮かび上がり耳に残る。そのほかにも「Meltdown」といったヘヴィでインダストリアルな楽曲も面白い。シーンのトップに君臨するバンドとして、確実に爪痕を残した傑作と言えるだろう。

 

 

 

Memphis May Fire 『Remade In Misery』

ポイント : メタルコア・キングに相応しいエレガントなサウンド・デザイン
▶︎https://riserecords.lnk.to/MMF

 

約1年をかけ、丁寧にプロモーションされたきたテキサスのメタルコア・レジェンド、Memphis May Fire (メンフィス・メイ・ファイヤー) 4年振り通算7枚目のニューアルバムは、2012年にリリースされた彼らの代表作『Challenger』に肩を並べる堂々たる快作となった。

「Blood & Water」からは変わらぬRise Records系メタルコア/ポスト・ハードコアの香りが漂い、どこか懐かしい気持ちにもなる。バンドのギタリストKellen McGregorによってプロデュースされていることから、あらゆる楽曲にアルバムのキーとなるリフが組み込まれており存在感を見せる。彼らのサウンドから漂うアメリカン・ロックのルーツはやはり、このKellen McGregorにあると言えるだろう。Memphis May Fireが他のメタルコア/ポスト・ハードコアにない、言葉では言い表せない個性はここにあると感じる。Kellenのリフにフォーカスしてアルバムを聴いてみるのも新しい発見があるはずだ。

「Make Believe」のようなメタルコア・バラードは、後期Memphis May Fireが得意としてきたスタイルで、『Remade In Misery』においてもアルバムにハリを持たせてくれる。王者の貫禄、といえば簡単ではあるが、その貫禄が出る理由をたっぷりと詰め込んだ最新作、聴くたびに味わい深くなっていく。

 

 

 

Hollow Front 『The Price Of Dreaming』

ポイント : スタイリッシュに鳴る新世代メタルコア・サウンド
▶︎https://unfd.lnk.to/ThePriceOfDreaming

ミシガン州グランドラピッズを拠点とするメタルコア・バンド、Hollow Front (ホロー・フロント) が、UNFDと契約してリリースしたセカンド・アルバム『The Price Of Dreaming』は、Memphis May FireやSecretsが好きなら絶対にチェックしておきたい2022年上半期のメタルコア傑作だ。

2020年にアルバム『Loose Threads』をリリース、ポテンシャルの高さは耳の早いリスナーの間で話題になっていたが、ここまで化けるとは想像もしていなかった。一聴すると、Memphis May FireやSecretsといった2010年代メタルコア/ポスト・ハードコア・サウンドをベースにしたバンドとだけ感じる人もいるかもしれないが、至る所に現代的なエレメンツが散りばめられている。プログレッシヴ・メタルコアの浮遊感はバンド・グルーヴを豊かに、そしてバウンシーに仕上げHollow FrontにあってMemphis May Fireにない魅力と言える。そして全体的に漂うメロディック・ハードコア/ポスト・ハードコアの刹那はHollow Frontをスタイリッシュに魅せている。全ての楽曲が必聴級であるが、「Running Away」は非常にHollow Frontの魅力の根源とも言えるサウンドが分かりやすく伝わってくると思う。

 

 

 

Northlane 『Obsidian』

ポイント : プログレッシヴ・メタルコアを大きく発展させた挑戦作
▶︎https://northlane.bfan.link/obsidian

すでにキャリア13年を誇るNorthlaneの3年振り通算6枚目のスタジオ・アルバムは、UNFDを離れ独立してリリースされた。自身のレーベルBelieveを持ち、プロデュースに至るまで自分たちだけで作り上げたこの作品は、「プログレッシヴ・メタルコアのNorthlane」という既存認識を捨て去り、「Northlaneサウンド」を作り上げた重要作と言えるだろう。

近年、バンドのギタリストであるJon Deileyの存在感は強まっており、彼が作り出すエレクトロニックなアレンジが高く評価されてきた。アルバムのタイトルトラック「Obsidian」を聴いてみれば、エレクトロニックなアレンジが楽曲の肝となっていることが分かるだろう。それは時にMeshuggahやAnimals As Leaders、Vildhjartaにも接近するプログレッシヴ感に溢れており、アートワークのインダストリアルな雰囲気にもマッチしている。「Dark Solitaire」や「Nova」といった楽曲も新しいNorthlaneの魅力がたっぷりと感じられる良曲。これからどんなバンドになっていくのか、楽しみになってくる本作、2022年にリリースされたことは後々重要になってきそう。

 

 

 

Wolves At The Gate 『Eulogies』

ポイント : クリスチャン・メタルコアの典例とも言える美しいリード・パート
▶︎https://watg.ffm.to/eulogies

オハイオのクリスチャン・メタルコア・バンド、Wolves At The Gate の通算5枚目となるフル・アルバムは、変わらずSolid State Recordsからリリースされた。日本ではあまりクリスチャンであることで他のバンドと区別することはほとんどないが、クリスチャン・チャートなどが存在するアメリカではクリスチャンでああること、そうでないことは重要な要素だ。クリスチャンだから聴かないとか、クリスチャンだから聴くという文化がある中で、「彼らはまるでクリスチャンでなかったけど、彼らが好きだからクリスチャンになる」というきっかけにすらなりそうなほど、素晴らしいメタルコアを本作で鳴らしている。

今年1月にリリースされた先行シングル&ミュージックビデオ「Lights & Fire」は、シンガロングを促すコーラス・ワークを携えたキラーチューン、この時点で今年のアルバムは素晴らしいものになると確信した人も多いはず。オルタナティヴ・ロックの香り感じた「Lights & Fire」とは違い、ストレートなメタルコア鳴らす「Shadows」もアルバムにおいてリードトラック級の仕上がりと言える。

 

 

 

InVisions 『Deadlock』

ポイント : イングランドらしさ溢れるBenのボーカル
▶︎https://bfan.link/iV-Deadlock

2016年の結成からサード・アルバムとなる本作まで、彼らの存在は「ダークホース」的ポジションで、アンダーグラウンド・メタルコア・シーンで注目を集めてきた。イングランドで静かに育まれたInVisionsサウンドは、本作でグッと本格的なものになったように思う。「Annihilist」や「Half Life」あたりは、同郷のトップバンドWhile She SleepsやArchitectsを彷彿とさせる。サウンドもそうだが、かなりの影響を受けていると感じるのはボーカリストBenの歌い方がArchitectsのSam Carterを彷彿とさせるからだろう。

 

 

 

Sable Hills 『DUALITY』

ポイント : Sable Hillsの美的感覚を巧みに表現した快作
▶︎https://linktr.ee/sablehills

『Embers』から約3年。精力的なライブ活動で着実にステップアップを遂げた彼らのセカンド・アルバムは、活動当初から誇示してきたSable Hillsサウンドに磨きをかけストレートに表現した快作だ。

モダンなメロディック・デスメタル、メタルコアのエレメンツというのは、日本のメタルコアにおいてはSailing Before The Windを筆頭に、日本メタルコアの美学のひとつのようにして育まれてきた。特にSable Hillsはドメスティックなメタルシーンと幅広くクロスオーバーしながら、自身のスタイルに磨きを掛け、コロナ禍であってもその成長を止めなかった。

The Black Dahlia MurderやDevilDriver、Unearthなどを手掛けたMark Lewisがプロデュースを手掛けた本作は、稲妻のようなリードが楽曲を牽引するようにして展開、ライブ・パフォーマンスではお馴染みとなったヘッドバンギングを誘うようにグルーヴを司るKeitaとUedaの存在も大きい。この夏、この作品を引っ提げた「DUALITY」TOURをはじめとする国内外のライブで、ボーカルTakuyaが躍動する姿も目に浮かぶ、壮大なスケールを持つ一枚、必聴です。

 

 

 

Monument of A Memory 『Harmony In Absolution』

ポイント : 惜しいところはあるがポテンシャルは十分

▶︎https://www.monumentofamemory.com/

Lorna Shore加入前のWill Ramosが在籍したことで知られるニュージャージーのメタルコア・バンド、Monument of A Memoryのデビューアルバム。これまでのシングル、EPでこのバンドが持つポテンシャルというところは非常に評価されてきたと思う。新体制となってもそれは変わっていないし、オープニング・トラックの「Atrophy」を聴けば彼らに才能があることは確信に変わるだろう。

オリエンタルなアレンジも絶妙でMonument of A Memoryのスタイルに合っていると思う。ただ、欠点をあげるとすればサウンド・プロダクション。キックとベースが潰れてしまっているのが残念で、もちろんここはメタルコア・リスナーひとりひとりに好きなサウンドがあることは分かるが、リマスタリングすれば格段に良くなり、グッとバンドを取り巻く環境もよくなっていくはず。

 

 

 

A Sense of Purpose 『All the Grief Was Gone』

一言 : プログレッシヴ・メタルコア、ブレイク候補一番手

▶︎https://open.spotify.com/album/3gRhSHB8N8BOFykunKSZUr?si=Oe9fvzDdQ4CD0bsc11vHpw&nd=1

オハイオ州クリーヴランドのプログレッシヴ・メタルコア・バンド、A Sence of Purposeの7曲入りアルバム (EP?) 、これが非常に素晴らしかった。ポストハードコアとしても優秀だし、プログレッシヴ・メタルコアとしても非常に高いポテンシャルがあると感じられることが、実は広い目でみると「どっちつかず」のようになってしまい、いまいち存在感がアピールできないことってあると思うのですが (プラス、A Sence of Purposeというバンド名はIn Flamesのアルバムタイトルと同じでメロディック・デスメタルっぽさを感じる人もいると思う)、彼らはいい線いってると思います。

この作品のリードトラックは「WSTE AWAY」で、プログレッシヴ・メタルコアの中にBring Me The Horizonを思わせるオルタナティヴ・メタルコアの要素も交えているのが印象的。アルバム、良いレーベルから出せばブレイク間違いなし。

 

 

 

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