今週おすすめの新作 : 【Oceans Ate Alaska - Disparity】【The Callous Daoboys - Celebrity Therapist】【Miss May I - Curse of Existence】

 

すっかりブルータル・デスメタルの主流スタイルとなったスラミング・ブルータル・デスメタル。もはやブラストビートで突進し続けテクニカルなリフを詰め込んだサウンドは希少種となっている。ただ、スラミング・スタイルが主流となったことで、デスコアやビートダウン・ハードコアとの結びつきが深まったことは、ブルータル・デスメタル全体の活性化にとって良いことだと思う。クラシックなブルータル・デスメタルが好きな方には少し寂しい状況かと思うが、この流れに乗って世界各地でブルータルなサウンドが盛り上がるのが一番大切だ。

 

自著『ブルータルデスメタルガイドブック』の中でスラミングとはどのようなものなのかについて書いているが、ありがたいことになかなか手に入りづらい状況で購入できない方も多いと聞く。またの機会にスラミングについて解説するが、今回紹介する5枚を聴けば、自ずとそれがなんなのか、そしてその魅力や特徴はなんなのかが掴めるはずだ。

 

そして、このサイトの読者の皆さんで「こんなのも良かったよ」というオススメがあれば、ぜひコメントで紹介してみて下さい。

 

 

Gutrectomy 『Manifestation Of Human Suffering』

出身地 : ドイツ
▶︎https://gutrectomy.bandcamp.com/album/manifestation-of-human-suffering

衝撃的だったデビュー・アルバム『Slampocalypse』から5年。その間、EP『Slaughter the Innocent』のリリースや、SLAM WORLDWIDEを通じシングルを発表し続けており、シーンにおいての存在感はずっとあった。新たにベーシストLouis Weber、ドラマーSimon Wernertが加入してからのGutrectomyは、Simonの高いドラミング・スキルによってスラムパートへの導入部分のリズム・パターンがバラエティ豊かになったように感じる。ビートダウンしてからも重量感のあるリフの上を転がるようにハイピッチ・スネアを差し込んだり、アクセントとなるシンバルワークによって、各楽曲に新たな個性を与えてくれる。天性のリフ・センスでモッシーに展開し続ける本作、一押しは「Scorched Earth (ft. Dustin Mitchell of Filth)」、「Cranial Excavation」、「Apocalyptic Squirt Tsunami」の3曲。

 

 

Analepsy 『Quiescence』

出身地 : ポルトガル
▶︎https://analepsy.bandcamp.com/album/quiescence

Gutrectomyと並んで、ワールドワイドな人気を誇るAnalepsyのセカンド・アルバム。前作『Atrocities from Beyond』発表後、私が運営するRNR TOURSで来日ツアーも果たし、数少ない現代スラム・リスナーが各地公演に訪れていたのは嬉しかった。当時のメンバー全員がナイスガイで、ツアーも素晴らしい思い出になっている。残念ながらAnalepsyのリーダーでありMiasma RecordsのオーナーMarco Martins以外のメンバーが本作前に脱退。新体制で制作された本作は、デスメタリックな魅力を改めて追求し、自身が鳴らしてきたスラミング・ブルータル・デスメタルに注入したような仕上がりで、個人的にはAnalepsy史上最高傑作。引き締まったサウンド・プロダクションによって殺傷能力を増したスラムリフは、しっかりデスメタリック。ビートダウン・ハードコア・リスナーには受けないかもしれないが、メタル・リスナーのスラム入門アルバムとして今後その重要度が高まってくる可能性がある。

 

 

 

Kraanium & Existential Dissipation – Polymorphic Chamber of Human Consumption

出身地 : ノルウェー/カナダ
▶︎https://www.youtube.com/watch?v=iL_k6V5Vndc

北欧スラム・キング Kraaniumとカナディアン・スラム・カルト、Existential Dissipationのスプリットは、Existential DissipationのボーカルだったBob Shawの遺作。BobはCuffなどマニアックなスラムバンドで活躍し、シーンの人気者だった。両者共に血生臭いブルータル・デスメタルをベースにダイナミックなスラムリフを刻み続けていくスタイルで、現代スラムの礎とも言えるクラシック感がある。GutrectomyやAnalepsyといった正統派とは違うデスメタルの荒々しさを味わうには最適な作品と言えるだろう。それにしてもこの作品で聴けるBobのボーカル、すでに人間味がなく良い意味で不気味だ。

 

 

 

Peeling Flesh 『Human Pudding』

出身地 : アメリカ・オクラホマ州
▶︎https://viletapesrecords.bandcamp.com/album/human-pudding

2021年結成、スラム・シーンの超新星Peeling Fleshのデビュー・アルバム。昨年発表したEP『Slamaholics Mixtape』でシーンの話題をかっさらった彼ら、ドラマーはVile Impregnationでも活躍する23歳のJoe Pelleter、そしてAberrant Constructのメンバーもいるというから聴く前からどんなに凶悪なスラムか想像出来る。ヴィジュアルを見る限り、ノリはビートダウン・ハードコアやデスコアっぽく、ボーカルのDamonteal Harrisに関してはヒップホップ的なヴァイブスもある。しかしアートワークやリフから滲み出てくる強烈なブルータルさは本物で、かなりディープなブルータルデスメタルの世界観を理解していないと表現できないツボを押さえている。RIFF CULT的には上半期スラムはPeeling Fleshがダントツでナンバーワン。

 

 

Vile Impregnation 『SLAVE』

出身地 : アメリカ・テキサス州/オクラホマ州/アリゾナ州
▶︎https://realityfade.bandcamp.com/album/slave

2009年からスタートしたVile Impregnationであるが、すでにオリジナルメンバーは脱退済み。現体制で動き出したのは2016年ごろからになる。それぞれにいくつものサイドプロジェクトを持つ若きミュージシャンらが集結、Devour the Unbornなどで知られるJosh、InfantectomyのTriston、そしてPeeling FleshをはじめStranguledにも在籍したJosephのトリオ体制で、かなりマニアックなことをやっている。いわゆる溺死系と言われるガテラルで、ゴアグラインド/ゴアノイズ的な面白さもありつつ、基本はスラムリフを刻み続けていく無慈悲なスタイル。個人的なツボとしてライブメインでなく、音源制作に重きを置いたバンドが好きで、このバンドはロゴから楽曲スタイルからツボにハマる要素がたっぷり。若干のシンフォニックなアレンジも全然良くないが良い。

 

 

 

いかがでしたでしょうか?すでに聴いたものもあったと思いますが、最後の2枚はまだチェックしていないという人もいるかと思います。マニアックなバンドをたくさん知っているとか、いち早く新譜をチェックしていることは関係なく、自分のお気に入りのスラミング・スタイルのバンドがどんな影響があるのか、どんなシーンに属しているのか、どんなメンバーがいるのか、そういうところをもっと知っていくことを極めていけば、さらにディグが楽しくなると思います。この記事はコメントが出来るので、みなさんのおすすめがあればぜひ書き込んでみてください。

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