12月は2022年の【年間ベスト・アルバム】記事をジャンル毎に投稿していきます!

2022年にリリースされたブルータル・デスメタルの中から、下半期にリリースされた名盤を年間ベストとしてレビューしました。上半期はあまり良い作品に出会えませんでしたが、下半期はリリースラッシュで毎週のように素晴らしい作品を聴くことが出来ました。前編、後編と合わせて読んでみて下さい。

 

2022年にリリースされたブルータル・デスメタルの良曲をまとめたYouTubeプレイリスト

 

RIFF CULTのSpotifyにて「All New Brutal & Tech Death Metal」のプレイリストを公開中。ぜひお気に入りに追加して下さい。

 

 

Crypt Rot – An Ancient Summoning

イングランド・ウェールズを拠点に活動するCrypt Rotのデビュー・アルバム。同郷のDry Cough Recordsからリリースされ、フィジカルはBrutal Mindから発表されている。ここ数年でメキメキと実力を付けてきたドラマーJustin Wallischは、Between the KillingsやMaimed、Necessary Death、Severed Headshopなどを兼任しておりUKブルータル・シーンで今後キーマンになりそうな人物。ギターとベースを兼任するTom HughesはMaimedでもJustinとタッグを組んでいる。

 

ロゴが良い

 

ボーカルKyleを加えたトリオ編成で制作された本作は、キャッチーなスラムリフが豊かなグルーヴを生み出し、タイトなドラミングがドライヴする。これだけ聞くとスラミングなのかと思うだろうが、楽曲群はどれもピュアなブルータル・デスメタルに近い美的感覚を持ってして仕上がっていると言えるだろう。「UKのPathology」とでも言うべき純なブルデスの魅力が感じられる。タイトルトラック「An Ancient Summoning」はガテラル唱法において優秀な楽曲でもある。

 

 

Guttural Disease – The Foreseen Deadline

インドネシア・西ジャワ州の州都バンドンを拠点に活動するGuttural Diseaseのファースト・アルバム。結成は2011年と中堅の域にあるバンドであるが、2020年にギタリスト、ベーシストが加わり5人体制となったことで活動が本格化。Brutal Mindの猛プッシュもあり、リリース前から何かとよくその名を目にしてきた。

 

Guttural Disease

 

ドラムのサウンド・プロダクションから察するに、Disgorgeの影響が強くドライなスネアのいぶし銀の響きがなんとも心地良い。オールドスクールなリフも時折スラムしつつ、初期Deeds of Flesh的なギターワークもあり面白い。クラシックなブルデスを現代に鳴らす貴重な存在。

 

 

Sermon of Mockery – Crippler Crossface Murder Suicide

 

Mortal Decayのボーカリスト John Paoline とウクライナ在住のミュージシャンらからなるニュー・バンド、Sermon Of MockeryのデビューEP。2022年はウクライナにとって非常に辛い年であったが、意外にもジャンル問わずメタル・シーンが完全にストップしてしまうことはなかった (作品自体は戦争が始まる前に作られていたのかも)。

 

ロゴが素晴らしい

 

キーウ在住のドラマー Lev Kurgansky はPosthumous Blasphemer、Disarticulating Extinguishment、Ezophagothomia、Fleshgoreなどにも在籍した経歴があり、その腕はお墨付き。意外にもJohnはMortal Decay一筋だったこともあり、テイストの違うサウンド上でのガテラルは新鮮。リミッターの外れたドラミングは素晴らしく、このドラムが聴きたくて何度も聴いた一枚。アートワークは最高のJohn Zig。

 

 

Gargling – Depraved Ingestion Of Cranial Discharge

とにかくこの強烈なアートワークに衝撃を受けた。ここまでエネルギッシュな嘔吐にフォーカスした作品は見たことがない。このジャケだけで今年のベスト・アルバムは間違いないと確信したが、内容も素晴らしかった。2019年にCarbonized InnocentsやCryptophthalmosなどに在籍するMax RiveraとBrutal Scat、Fetid Bowel Infestation、NecrogasmのHarry Morganによって立ち上げられ、Maxは全ての楽器をこなし、Harryがボーカルを務めている。タイのEccymosisをはじめ、New Standard Elite直系とも言える雪崩系のドラミングが時折スラムパートを交えながら突進、猛獣のようなガテラルが何重にも重なっていく爽快感がたまらない。

 

 

Congenital Anomalies – Systematic Violence

チェコ・プラハを拠点に活動するCongenital Anomaliesの通算3枚目・フルアルバム。Lord of the Sick Recordingsのリリースでスラミング・ブルータル・デスメタル・バンドとして知られるが、どちらかと言うとDying Fetus直系のグルーヴィー・ブルータル・デスメタルと言ったスタイル。突出した個性はないものの、単純明快な楽曲構成、ブラスト一辺倒ではなくしっかりとグルーヴ重視のリフとドラミングが良い塩梅で組み込まれている。もちろんスラムパートもガッツリあるが、Congenital Anomaliesの魅力はどちらかと言うとスラムへ接続するまでの展開にあるように聴こえる。

 

 

Antropofagus – Origin

イタリア・ジェノヴァの重鎮、Antropofagus の5年振り通算4枚目のフル・アルバム。”Meatgrinder”を名乗るギタリストFrancesco Montesanti以外にオリジナル・メンバーはおらず、皆それぞれにいくつものバンドを掛け持ちしており、実質Meatgrinderのバンドと言えるだろう。本作からボーカリストにDevangelicの Paolo Chiti が加入。ブルータル・デスメタル・シーンを代表するドラマー Brutal Dave のマシーンのように正確なドラミングの上でしっかりとデスメタリックなボーカルが際立っている。繊細なメロディの輝きを微細に捉えながらも力強いリフで牽引していくMeatgrinderの確かな技術に圧倒される。グルーヴや転調など、そういったことが一旦置いておいて、芸術作品としてじっくりと聴き込むべき一枚。

 

 

Insect Inside – Into Impending Apotheosis

ロシアン・ブルータル・デスメタルの有名人達によって2017年に結成されたInsect Inside。昨年、デビュー・アルバム『The First Shining of New Genus』をリリースしているので、名前を聴いたことがあるというブルータル・デスメタル・リスナーは多いかもしれない。

 

Disfigurement of Flesh、Morphogenetic Malformation、Traumatomyと錚々たるバンドでドラムを務めるDaniil Sementsovの叩き出す個性的なグルーヴは輪郭をどんどんぼかしながら時にテクニカルに疾走。もう一つ彼らの特筆すべき点はEmbodiment Elimination、Equivokeなどに在籍するギタリストMikhail Lukoyanovのギターワーク。微細にエディットしたことで生まれるグルーヴを爆発させながらInsect Insideの世界観を演出する。アートワークもDisgorgeの『Parallels of Infinite Torture』を彷彿とさせる色味、構図で狙いが感じられる。

 

 

Vomit Forth – Seething Malevolence

アメリカ・コネチカットの新鋭、Vomit Forthのデビュー・アルバムはCentury Media Recordsからと言うことで、ブルータル・デスメタルというより、さらに広域のデスメタル・シーンに向けてアプローチされている。2018年結成、メンバーそれぞれに輝かしいキャリアがあるわけでなく、このタイプのバンドがCentury Media Recordsからデビューというのだから、やはりどこか引っ掛かる個性がある。

Sanguisugaboggのようなオールドスクール・デスメタルとスラミング・ブルータル・デスメタルがクロスオーバーして発生したデスメタル・ヘッズの為のビートダウン・メタルを鳴らし、その魅力はライブ映像のフロアの盛り上がり方を見るとよく分かる。Internal Bleedingのスラム成分が現代版にアップデートされたかのようなサウンドは希少価値が高い。

 

 

Excrescence – Inescapable Anatomical Deterioration

2020年にワシントン州タコマで結成されたニュー・バンド。New Standard Elite からのリリースということで、そのサウンドはなんとなく想像することが出来るだろう。もはやグルーヴを成さない強烈なブラストビートが音速で駆け抜けていき、ノイズの壁となって押し寄せてくるリフも完全にリミッターが振り切れてしまっている。彼らが面白いのは、他のNew Standard Eliteのバンドがノンストップで駆け抜けていくのに対し、しっかりとブレイクダウンやスラムパートを挿入しているところだ。ここまでやっていいのかと他を圧倒する、エクストリームな一枚。

 

 

Between The Killings – Reflection Of Murder

ベテラン揃いの新鋭バンド、Between The Killings のデビュー・アルバムはComatose Musicから。LividityやDeadenで活躍したギタリストVon Young を筆頭に、Necessary DeathやMaimedのベースIanとドラムJustinのコンビらが安定感のあるブルータル・ビートを生み出していく。スラムベースでありつつも幾度も急加速し、砂塵の如くグルーヴを巻き上げていく。不気味なメロディからは血が滴り落ちるかのような殺気が立っており、Between The Killingsサウンドを不気味に仕立てる。現代スラムはちょっとコッテリ過ぎる、というブルータル・デスメタル・リスナーには耳馴染みの良い一枚だろう。

 

 

 

ブルータル・デスメタル 2022年の名盤 (後編)

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