Future Palace – Run
▶︎https://futurepalace.lnk.to/run
1. Paradise
2. Dead Inside
3. Flames
4. Locked
5. Heads Up
6. Sleep Tight
7. Defeating Gravity
8. Roses
9. Wounds
10. A World in Tears
11. Loco Loco
12. Fever
ドイツを拠点に活動する女性ボーカル・ポストハードコア・バンド、Future Palace (フューチャー・パレス) が、ニューアルバム『Run』をArising Empireからリリースしました。2020年にリリースしたアルバム『Escape』以来、2年振りのセカンド・アルバムで、同時に収録曲「Dead Inside」のミュージックビデオが公開されている。
この記事では、Future Palaceのバイオグラフィを振り返りながら、アルバムについて考察していく。
Future Palaceは2018年の暮れにシンガーのMaria Lessing、ギタリストのManuel Kohlert、ドラマーのJohannes Frenzelによって結成された。 結成のきっかけは、元々ManuelとJohannesが所属していたバンドのフィーチャリング・パートのレコーディングにMariaを迎えたこと。元のバンドが解散、新しいボーカルを探していたManuelはMariaの歌声を思い出し、声をかけたことがFuture Palaceの始まりだという。3人はWatsAppグループを「Future Palace (未来の城)」と名付けて作成しディスカッション、最終的にこのグループ名をバンド名にし、2019年3月26日、ファーストシングル「Maybe」をリリース。同年8月にベルリンとハンブルクで初ライブも行っている。翌年3月にはArising Empireとの契約を発表し、2020年9月18日にデビュー・アルバム『Escape』をリリース。このアルバムは大きな話題となり、日本でも多くのリスナーがFuture Palaceに夢中になった。
Future Palace最大の魅力は、ボーカリストMaria Lessingの持つ歌声だ。滑らかで艶のあるクリーン・ヴォイスに、パワフルなスクリーム、シャウト。ミュージックビデオでは様々な衣装とメイクアップに身を包み、楽曲の世界観を巧みに表現する。
彼女/彼らが所属するArising Empireといえば、ヨーロッパのポストハードコアのトップに君臨するレーベルであり、IMMINENCE、AVIANA、THE OKLAHOMA KIDなどといった今の時代を代表するバンドらが所属。Future Palaceも既にArising Empireを代表するバンドと肩を並べるほどの人気を誇り、「Defeating Gravity」では、ポストハードコアの枠をこえ、オルタナティヴ・ロックへも通ずるポテンシャルを見せている。現に彼女/彼らはBring Me The HorizonやPVRISといったアーティストに影響を受けていると公言している。
アルバムのオープニング・トラックで、昨年11月にミュージックビデオとして発表された「Paradise」からは、中期Bring Me The Horizonの疾走感、ダークで煌びやかなサウンド・デザインを感じずにはいられない。Mariaのボーカルはもちろん、Manuel、Johannesのソング・ライティングもセンス抜群だ。2022年のポスト・ハードコアを代表する作品になるだろう『Run』の快進撃はこれから始まる。
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