USデスコア・バンド、Chelsea Grin がニュー・アルバム『Suffer in Heaven』をリリースしました。2022年にリリースされた『Suffer in Hell』に次ぐダブル・アルバムの第2弾。
Chelsea Grinは、2010年にアルバム『Desolation of Eden』でシーンに登場すると、それまでのデスコアをさらにヘヴィなものへとアップデート。2010年代中期にかけて盛り上がったダウンテンポ・スタイルのデスコアの礎として現代でもその存在は特別なものだ。
そんなChelsea Grinにとって2022年の『Suffer in Hell』、2023年の『Suffer in Heaven』のダブル・アルバムは、キーだったメンバーが抜け、新たな布陣で制作されている。2010年代のデスコア・シーンのキーとして活躍したバンドのフロントマンであったAlex Koehlerが、2018年にアルコール依存症を含むメンタルヘルスの問題によってバンドを脱退、Alexと同様、ドラム/ボーカルとしてバンドの中心メンバーとして存在感を見せつけていたPablo Viverosが一時的にバンドを離脱している。Chelsea Grinサウンドの2つの重要な個性を失ったものの、この『Suffer in Hell』、『Suffer in Heaven』は様々なメディアで高い評価を受けている。
高い評価を受けている理由のひとつに新たに加入したTom Barberが現代メタル、特にデスコア、メタルコア・シーンにおいて高いカリスマ性を持っていることが挙げられる。TomはChelsea Grinの他にニューメタルコア・プロジェクトDarko USのメンバーであり、過去にはLorna Shoreにも在籍していたシンガー。Alexとはそのキャラクターは異なるが、Tom参加後初のアルバム『Eternal Nightmare』でChelsea Grinサウンドとの親和性の高さを見せつけた。特にブラストビート・パートなどを取り入れ、ブラッケンド・デスコアにも近いサウンドにおけるTomのボーカルのフィット感は素晴らしい。Pablo Viverosの穴を埋めるセッション・ドラマーには、Glass HandsのNathan Pearsonが参加しており、こちらも文句なしと言えるだろう。
『Suffer in Heaven』は『Suffer in Hell』よりも、これまでのChelsea Grinが鳴らし続けてきた独自性を随所に散りばめつつ、Tomを新しいChelsea Grinのフロントマンとして迎え、新時代のChelsea Grinを作っていくという気概を感じさせてくれる。ミュージックビデオにもなっている「Fathomless Maw」はどこか「Playing with Fire」を彷彿とさせるキャッチーさを持ちながら、Tomのスクリームを生かしたファストなフレーズをエンディングに差し込んでいる。「Yhorm The Giant」から「Sing To The Grave」の流れは、『Suffer in Hell』から『Suffer in Heaven』の流れの中で最もエキサイティングな高揚感に溢れている。
2023年のChelsea Grinに溢れている空気感が明るくて良い。Tom Barberのカリスマ性がこのバンドとして発揮されるのはとても楽しみだし、Darko USとの棲み分けをどうしていくかをファンに注視させることは、デスコアとニューメタルコアの未来にとっても明るい。
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