Lorna ShoreのボーカリストWill Ramos、その素顔とは? 音楽、バンド、猫、車、日本までファンの質問に答える

Lorna Shoreのボーカリストとして、現代デスコアを代表する存在の一人となったWill Ramos。圧倒的なスクリームやグロウル、ステージ上での存在感が注目される一方、本人のYouTubeチャンネルでは、そのイメージとはかなり違った親しみやすいキャラクターを見ることができる。

動画「ANSWERING YOUR INSTAGRAM QUESTIONS」では、Instagramでファンから募集した質問にWillが次々と回答。好きな音楽、共演してみたいアーティスト、Lorna Shoreの名前の由来、ツアー中のボーカル管理、日本で楽しみにしていること、車、ゲーム、猫、さらには自分が人生で最も大切にしているものまで、かなり幅広い話題に触れている。

質問の中にはかなりくだらないものもあり、本人もジョークを交えながら答えている。しかし全体を通して見ると、Will Ramosがどのような音楽から影響を受け、現在どんなことを大切にしながらLorna Shoreを続けているのか、その人物像が意外なほどよく見えてくる。

参考動画 : https://www.youtube.com/watch?v=EpUd2v-1KKo

 

Oli Sykes、Sleep Token、In Flames――Will Ramosが共演したい5組

音楽ファンとして特に興味深いのが、「コラボレーションしてみたい5組」を聞かれた場面だ。

Willが挙げたのは、The Band CAMINO、Still Woozy、Bring Me The HorizonのOli Sykes、In Flames、そしてSleep Token。現在のLorna Shoreからイメージしやすい名前もあれば、かなり意外なものも含まれている。

Oli Sykesについては迷う様子もなく名前を挙げ、In FlamesについてはボーカリストAnders Fridénへの強い愛情を理由にしている。そして最後にSleep Tokenを選び、「Sleep Tokenが好きじゃない人なんている?」という感覚で話している。

この回答だけでも、Willの音楽趣味がデスコアだけに閉じていないことが分かる。

The Band CAMINOのようなポップ/オルタナティヴ寄りのバンドや、Still Woozyのようなインディー・ポップ系のアーティストまで候補に含まれている。Lorna Shoreで聴かせる極端なボーカルだけを見ていると想像しにくいが、Will自身はかなり広い範囲の音楽に興味を持っている。

 

特別なアルバムはIn Flames『A Sense of Purpose』

「人生の中で特別なアルバム、あるいは楽曲は?」という質問に対し、Willが選んだのはIn Flamesの『A Sense of Purpose』だった。理由も非常にシンプルで、アルバム全体のリフが素晴らしく、自分にとって最高の作品だからだと話している。

共演したい相手としてIn FlamesとAnders Fridénを挙げていたことを考えても、Willの中でIn Flamesがかなり重要な存在であることが分かる。

Lorna Shoreの現在の音楽は、シンフォニック・ブラックメタル的なスケール感とデスコアを組み合わせたスタイルで知られている。しかしWill個人のルーツを追うと、メロディック・デスメタルを含む幅広いヘヴィ・ミュージックから影響を受けてきたことが見えてくる。

 

初めて行ったメタルライブはMotionless In White

Willが初めて足を運んだメタルのライブは、ニュージャージーのStarland Ballroomで観たMotionless In Whiteだったという。時期について本人は2010年か2011年頃だったと記憶している。

現在ではLorna Shoreとして世界各地の巨大なフェスティバルへ出演するWillだが、そのスタート地点には、他の多くのメタルファンと同じように「好きなバンドをライブハウスへ観に行く」という経験があった。

さらに高校時代には髪をストレートにし、巨大な前髪を作ったいわゆるscene kid的な髪型もしていたという。本人は現在振り返って「あれはひどかった」と笑っているが、その後髪を伸ばし、自身のカーリーヘアを生かしながら現在のスタイルへ変化していった。

Will Ramosという人物も、突然現在の姿で現れたわけではない。2000年代後半から2010年代初頭のメタルコア/sceneカルチャーを通ってきた世代の一人だ。

 

ラテン系の家庭ではメタルを嫌がられていた

現在ではメタルを仕事にしているWillだが、家族が最初からその文化を歓迎していたわけではなかった。「ラテン系の家庭でメタルを聴いていて、家族から変な目で見られなかった?」という質問には、即座に「もちろん」と回答。家族からはメタルも、ピアスも、タトゥーも好まれていなかったと冗談交じりに振り返っている。

現在のWillは、巨大な耳のピアスやタトゥーを含めて視覚的にも非常に特徴的なフロントマンだ。しかし、それらも最初から周囲に受け入れられていたわけではない。scene kidとして髪を伸ばし、メタルへ入り込み、ピアスを増やしていった若者が、そのまま自身の好きな文化を突き詰めた結果として現在のWill Ramosがいる。

 

なぜ音楽が好きなのか――「自分自身を外へ出せる」

「なぜ音楽が好きなのか」という非常にシンプルな質問には、Willの価値観がよく表れている。

本人にとって音楽は、人間が自分自身を外へ表現するための最も優れた方法の一つだという。人によっては絵を描くかもしれない。しかし自分は絵が得意ではない。だからこそ音楽という表現方法に惹かれている。

Lorna Shoreの音楽は一聴すると非常に劇的で、巨大なオーケストレーション、極端なスクリーム、ブラックメタル的な雰囲気など、多くの要素が重なっている。しかしWill自身の考え方はもっと単純だ。音楽は、自分の中にあるものを外へ出すための方法。技術そのものよりも、まず表現することが中心にある。

 

スクリームやグロウルを発見した場所は「シャワー」

現在のWillは、エクストリーム・ボーカルの技術について解説する動画にも多数出演し、その発声方法自体が研究されるほどの存在になった。しかし「どうやって自分がスクリームやグロウルをできることに気付いた?」という質問への回答は、非常に素朴だ。

長年、シャワーの中で叫んだりグロウルしたりしていた。それだけだったという。最初から専門的なトレーニングを受けて現在の発声へ辿り着いたわけではなく、好きだから繰り返していたところから始まっている。

Lorna Shore加入後、「To The Hellfire」をはじめとする楽曲でWillのボーカルは世界的に注目されるようになったが、その原点は自宅のシャワーで何度も声を試していた若者だった。

 

ツアー中は「飲まない、吸わない」

一方、現在はプロのボーカリストとして、自分の声を維持することにもかなり気を使っている。

「ツアーはどんな感じ? どうやって声をケアしている?」という質問にWillがまず答えたのは、ツアー中はパーティーをしないということだった。若い頃には飲んだり遊んだりすることも格好いいと思っていた。しかし翌日に声の状態が悪くなる経験を重ね、現在はツアー中に酒を飲まず、喫煙もしないという。

ステージ上では人間離れした声を出しているように聞こえるが、そのパフォーマンスを毎晩維持するには、むしろかなり地味な自己管理が必要になる。極端なボーカルほど「力任せ」というイメージを持たれやすい。しかし、連日のライブを成立させるためには、ステージ外でどれだけ余計な負担を避けられるかも重要になる。

なお、動画内では喫煙と声帯についてWill自身の説明もあるが、これは本人の経験に基づいた発言であり、医学的な解説としてではなく、本人がツアー中に避けている理由として受け取るべきだろう。

 

Lorna Shoreの今後について「とにかく続けていきたい」

「Lorna Shoreの次は?」という質問に対して、Willは巨大な計画を語ることはなかった。

むしろ「とにかく何とか続けている」という非常に現実的な言葉を使っている。ファンが音楽を聴いてくれる限り、自分たちは曲を作り続け、世界中でライブを続ける。それが答えだった。Lorna Shoreほど急速に規模を拡大したバンドであれば、「さらに上へ」「次はもっと巨大な場所へ」といった話になっても不思議ではない。

しかしWillの言葉から感じられるのは、成功を当然のものとして扱っていない姿勢だ。

音楽を作れることも、ツアーへ出られることも、聴いてくれる人がいるから成立している。その状態を維持できる限り続けたいという、かなりシンプルな考え方をしている。

 

日本で楽しみにしているのは、やはりラーメン

日本についての質問も登場する。

「日本でコンサート以外に何を楽しみにしている?」と聞かれたWillの回答は、ほとんど迷うことなく「ラーメン」だった。実は少し前の質問でも、好きなファストフードを聞かれてラーメンと回答している。

本人も「ラーメンをファストフードと呼んでいいのか分からない」と話しながら、それでも好きな食べ物として挙げている。

デスコア、巨大なステージ、極端なボーカルといった話が続く中、日本について聞かれた瞬間に話題がラーメンへ着地するあたりも、この動画のWillらしいところだ。

 

ドリフトにハマったきっかけは、一度助手席に乗ったこと

音楽以外でWillがかなり夢中になっているものが車だ。

以前Volkswagen GTIに乗っていたことから、現在のGolf Rを選んだことも話しているほか、好きな車としてクラシックなPorsche 911を挙げている。中でも大きな趣味になったのがドリフトだった。

友人に誘われてサーキットへ行き、ドリフト車の助手席へ乗せてもらったところ、それがあまりにも強烈な経験だった。そして約2週間後には、自分のドリフト用車両を購入していたという。

Willの話を追っていると、何かを好きになるとかなり深く入り込むタイプであることが分かる。メタルも、ボーカルも、車も同じだ。興味を持ったら眺めているだけでは終わらず、自分でやってみる。

 

Minecraft、猫、ネズミ――ステージ外ではかなり普通の人

Willが現在好きなゲームとして挙げているのはMinecraft。

子供にも勧めたいほど好きだと話し、ゲームの中で回路などを自然に学べる点まで熱弁している。猫について聞かれれば「猫が大好きだから」と即答し、ネズミについても小さな手がかわいいと熱弁する。さらに自身のRat Clubというブランド/コミュニティのルーツについても説明している。

パンデミック中、友人のフォトグラファーが家に閉じ込められている人々を撮影する企画を行っていた際、以前バンド活動用に購入していたフード付きのローブをルームメイト全員で着て写真を撮影。それが「Order of the Rats」へ発展し、最終的にRat Clubという現在のブランドへつながっていったという。

Lorna ShoreでのWillだけを見れば、怪物的な声を持つデスコア・ボーカリストという印象が強い。しかし本人のチャンネルを見ると、そのイメージとの差はかなり大きい。猫が好きで、Minecraftを遊び、車に夢中になり、ラーメンを食べたがり、友人とくだらないことをする。そのギャップも、Will Ramosという人物が多くのファンから親しまれている理由の一つなのだろう。

 

最後に語った「人生で最も大切なもの」

動画終盤で、かなり本質的な質問が出てくる。

「人生において最も大切にしている価値は何か?」

Willの答えは、音楽でもLorna Shoreでも成功でもなかった。

友人や家族との近い関係。

自分が人生の中で作ってきた人間関係こそ、最も重要なものだと答えている。この答えを聞いたあとで動画全体を振り返ると、Willの人物像が少し分かりやすくなる。

音楽について話すときも、単に成功したいというより「自分を表現できること」を大切にしている。Lorna Shoreについても、巨大な目標を掲げるのではなく、ファンが聴いてくれる限り音楽を作り続けたいと話す。ゲームも、一人で勝つことより友人と遊ぶためのものとして楽しむ。Rat Clubの始まりも、ルームメイトや友人との遊びだった。そして最後に残るのが、人との関係だ。

 

“モンスター・ボーカリスト”の外側にいるWill Ramos

Will Ramosについて語るとき、どうしても最初に話題になるのは声だ。

「To The Hellfire」で世界中を驚かせた極端なボーカル。低音、ハイ・スクリーム、さまざまな特殊発声。Lorna Shoreが世界規模へ成長したことで、その技術はさらに大きな注目を集めるようになった。しかし今回のQ&Aで見えてくるのは、それとは別のWill Ramosだ。

In Flamesを愛し、Oli SykesやSleep Tokenと共演してみたいと思い、scene kidだった過去を笑い、ツアーでは声を守るため酒やタバコから距離を置く。日本へ行けばラーメンを食べたい。ゲームも車も猫も好き。そして人生で最も大切なのは、友人と家族との関係だと考えている。

極端な音楽を作っているからといって、本人まで常に極端である必要はない。むしろWill Ramosの魅力は、ステージ上で聞かせる異常なボーカルと、その外側にいる非常に親しみやすい人間との落差にもあるのだろう。

Lorna Shoreの音楽だけでは見えないWill Ramosを知るうえで、このQ&Aはかなり面白い映像になっている。

 

参照元動画

Will Ramos「ANSWERING YOUR INSTAGRAM QUESTIONS」
https://www.youtube.com/watch?v=EpUd2v-1KKo

>あなたのバンド、世界に広めます。

あなたのバンド、世界に広めます。

RIFF CULTのホームページやSNSへのアクセスは月合計50万PV以上あり、日本在住のメタル・リスナーが24時間265日アクセスしています。ニュース出し、インタビュー、ライブレポートなどRIFF CULTがサポート出来ることは様々。まずは一度メールにてご連絡下さい!

CTR IMG

RIFF CULTをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む