ゴアグラインド (Goregrind) 2023年の年間ベスト・アルバム

2023年のゴアグラインドの最も大きなハイライトは、やはり『ゴアグラインド・ガイドブック: 究極のエロ・グロ・おバカ音楽』という書籍が出版されたことでしょう。メタルの中の最もアンダーグラウンドな音楽であり、これをカラーで出版したパブリブは凄い……。あんな死体やこんな死体が大型書店に並んでるなんて本当に異常事態! こんな風に書籍にまとめられるほど、充実した歴史があるのは間違いない事実ですし、日々新しいゴアグラインドの音楽が生まれています。私はデイリーワークとしてBandcampのGoregrindタグを追いかけており、2023年に気になった作品をお気に入りに登録して、気が向いたら聴いてるみたいな感じでリリース作品をチェックしてました。その中でもその楽曲、そしてアートワーク、バンド名にピンときたものを中心にレビュー、と言うか感想文を書いてみました。本当に何もすることがない人はぜひ読んでみてください!

 

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▶︎First Days Of Humanity 『The Analysis of Burnt Human Remains』

アリゾナ州フェニックスを拠点に活動するLast Days of Humanityフォロワーの中で最も力のあるFirst Days of Humanity。今年は単独作4枚にOphthalmomyiasisとのスプリット1枚をリリースを相変わらずアクティヴな一年でした。これまでバンド名に由来した人類の起源をテーマにしたものが多かったが、次第にゴアっぽくなってきて (完全にネタ切れだと思います) 、本作は思いっきり死体ジャケ。タイトルも「焼死した人間の分析」でかっ飛ばしてます。ゴアグラインド・クラシックな長ったらしいイントロを含む楽曲を挟みながらも基本的にはハイピッチ・ブラストビートで全力疾走、ノイズまみれのリフ (?) に溺死ボーカルが炸裂。「Found Decomposing with Fresh Discoloration」とか「Mutilating Lesions Differentiated from Leprosy」なんかは構成も凝ってて面白い。結構聴いてたアルバム。最高!

First Day of Humanity、過去の作品Bandcampから若干消えたりしてるので、ダウンロードしておきたい人は早めにしといたほうがいいかも。

 

▶︎Before Days of Humanity 『Molten Lava Corpse』

コロラド州デンバーから新たな「〜Days of Humaniry」系プロジェクト、その名もBefore Days of Humanityが登場! 爆速系ハイピッチ・ブラスト&溺死ボーカル・スタイルの新たな形容詞になりつつあったんですが、グラインドコア/ハードコア・パンクなスタイルでグルーヴィに展開する正統派。この作品は3曲入りのEPで、リリースのほとんどがスプリットとかコンピレーション。ハイペースなリリースが続いていて、2024年1月には読み方の分からないエクスペリメンタル・ゴアノイズ「վադրիպլեգիա!」とのスプリットも出るそう。このվադրիպլեգիա!はめちゃくちゃなんだけど、結構良いかも。精神分裂系。

 

▶︎Reptile 『う​~​ん​。​。​人​間』

基本的にBandcampのゴアグラインド・タグをデイリーチェックするというのが私のゴアグラインドのディグり方なんですが、このアルバム・タイトル見て名作を確信してしまった。日本人なのかなと思ったら、アメリカ・オハイオを拠点にしているとのことで、この作品以外なんの情報もないので気になりすぎてます……。曲は結構聴きやすい正統派。粘っこいリフにライオンみたいなグロウルでちょこっと展開して最後ブラストビートみたいな、お手本みたいなアルバム。全然ポンコツ感なく聴けた一枚。もっとポンコツ期待してたけど…

 

▶︎Gruesome Bodyparts Autopsy 『Autopsia Horrible con un Desastre Anat​​​ó​mico』

チリのスラミング・ゴアグラインド・プロジェクト、Gruesome Bodyparts Autopsyの8曲入りEP。かなり凄くて、一斗缶スネアにしてるんですか?って聴きたくなるくらい痛烈なハイピッチ・スネアがスラミング/ブルータル・デスメタルばりに丁寧に打ち込みされてて、リフも凝ってます。溺死系ボーカルをもっと炸裂させたらとは思うけど、全編通して暗黒感貫いてて、久々にファニー要素皆無で勝負してるソロ・プロジェクトでグッと来ました。そしてジャケ、2010年代インターネット・ゴアグラインド勃興期を彷彿とさせてくれてそれも良い。「Queso De Cabeza Humano 」って曲だけでもぜひ聴いてもらいたい。

 

▶︎Putricine 『Putricine』

アメリカ・メリーランドの4人組スラミング・ゴアグラインド・バンド、Putricineのセルフ・タイトル・アルバム。今時アメリカからバンド形態でゴアグラインドって相当気合い入ってないと存在しないからかなりレアな存在。Sanguisugaboggの成功例もあるし、オールドスクール・デスメタル+スラミング/ビートダウンの形式がもっと出てくればとは思ってたんですが、彼らはその流れ感じますね。ただメジャーなメタル・レーベルが飛びつくかといったら、そこまで可能性は感じないかも。もう少しそのタイプが出てきて小さいながらもシーンが出来れば変わっていくのかな。

 

▶︎Organic Brain Disorder 『Gruesome Acts Of A Deranged Mind』

イギリスを拠点とし、Syphilitic Abortion、Dead Fetus Collection、Flax!!!のメンバーによって結成されたOrganic Brain Disorder。チェコの名門Bizarre Leprousからのリリースということで、アートワークも気合い入ってます。連続殺人犯の実話にインスパイアされた楽曲は、打ち込みのドラミングが絶妙にチープなのが最高で、高校生のころにタイムスリップしちゃう。2000年代後半、インターネット・ゴアグラインドはこんなのばっかだったよ。

 

▶︎Painful Artistic Sexy Torturing Angel 『Evil Pyon Pyon Dead』

『デプレッシヴ・スイサイダル・ブラックメタル・ガイドブック』を執筆した長谷部氏が在籍しているというゴアグラインド・ユニット。2023年は『Painful Artistic Sexy Torturing Angel』という作品もリリースしているが、ジャケ的にこっちの方に食いついてしまった。アニメゴアというわけではないみたいで、そういうイントロもなく、しかもゴアグラインドにしてはリフはデス・ブラックな感じで面白い。bandcampにも「なんてこった!ゴアをやろうとしたら、デスメタルみたくなっちゃった!!」って書いてあるし本人たちもそう思ってたみたいだ笑 ガンガンかましてほしい!

 

▶︎Bowel Leakage 『Deathning Grind』

ベラルーシのワンマン・ゴアグラインド・プロジェクト。久々に名前を聴いたなーと思って過去の作品チェックしてたら、単独作は2014年の『Harvest Of Nauseating Remnants』以来。よく名前覚えてたなっていう自分の記憶力にびっくりした。かなり作り込まれたリフの展開が今のハードコアっぽい感じもする。曲によっては完全にゴアではないものもあり。Dead Infectionの「Gory Inspiration」のピュアすぎるカバーはかなり熱い。

 

▶︎Mutated Sex Organ 『Abyss of Flesh』

NUNSLAUGHTER、BLOODTUSK、FROM THE HELLMOUTHに在籍するNoahとTO DUST、GRAVE PLAGUEのJoeからなるアメリカ・クリーヴランドのゴアグラインダー、Mutated Sex Organのフル・アルバム。ユニットらしく息の合ったグルーヴはゴアグラインドにしてはややプログレッシヴだが、特段ききずらさとかは感じない、むしろフックになってて面白い。やっぱちゃんとドラマーいると迫力が全然違う!チープな打ち込みゴアばかり聴いててはダメだな。

 

▶︎Morgue Tar 『Morgue Tar』

アメリカ・テキサスのゴアグラインド・ユニット、Morgue Tar。2022年にリリースしたアルバムは2022年ゴアグラインドの名盤としてレビューしたのは記憶に新しい。本作は12分にも及ぶオープニング・トラック「Blight of Denigrative Evocation 」で幕を開ける。物々しいイントロから始まるスラッジ・ドゥームの影響を受けたゴア・サウンドは、ヴォミット・ノイズ的アプローチと腐臭漂うダウナーなリフ、シンプルな打ち込みドラムをじわりじわりと展開していく。意外とスローなアプローチに挑戦するゴアグラインド・バンドはいなかったし、彼らが非常にクリエイティヴな存在であることが感じられる。そのほかの楽曲も5分、6分とイントロのストーリーありきのゴア。これはこれで新しいし面白いコンセプチュアル・ゴアグラインド。Surrogate Recordsから盤が出るそうだ。

このアーティスト写真。怖過ぎる。

 

▶︎Cobblestoning 『Hyperbobilious Explication of Amaranthine Pestilential Astronomicolon』

イングランド・リーズのゴアグラインド・ユニット、Cobblestoningのデビュー・アルバム。この長過ぎるアルバム・タイトルを直訳してみると「アマランサス疫病アストロノミコロンのハイパーボビリウス解説」。なんのことだか全くわからない……。ただメンバークレジットらしき表記には「Crohn’s Disease and inflamed gastrointestinal tract (クローン病と消化器官炎症)とあり、内臓の炎症とか狭窄がテーマなのかな?アートワークからが人間のどの部分の炎症なのかはちょっと分かりかねるが。私自身クローン病なので、日常で目にする自身の内視鏡画像や病名が楽曲名にあると親近感あります。内容はかなり正統派で短いSEから細かくテンポチェンジしながら予測不能なゴアを展開。

このバンド・ロゴのバックの画像はおそらく内臓で内視鏡の画像だと思う。メンバーがクローン病で自分の内視鏡画像を使ってるんだったらめちゃくちゃ評価したい。

 

▶︎Murder Rape Amputate 『The Ramifications Of Doubled Abominations』

ゴアグラインドの聖地、チェコ・オストラヴァを拠点に活動する4人組Murder Rape Amputate (殺人・レイプ・切断) という最低最悪なバンド名を持つ彼らのセカンド・アルバム。レザーマスクを被った悪趣味殺人鬼4人組というコンセプトでアーティスト写真も凝っている。それなのにMidjourneyで適当に作ったジャケが本当に勿体無いですね……。もっとめちゃくちゃな死体ジャケじゃないと!Midjourneyで作られたようなアートワークって2022年くらいからちょこちょこ見かけるけど、個人的に好きではないです。曲は今時珍しいフル・バンドのゴアグラインドということもあり迫力十分、凝ったSEから時折スラムの影響も感じさせつつ、終始生臭い。

衝撃的なアーティスト写真!!!

 

▶︎Rancid Stench 『Human Decay』

イングランドのD-BEAT GOREを自称するRancid Stenchのデビュー作。ゴアグラインダーの中でもアートワークからサウンドがパッと分かってしまう人はどのくらいいるだろうか。『Human Decay』というタイトルや腐敗してボロボロになった白骨、両橋に並べられた埃を被った頭蓋骨……。ここからギターのディストーションはカラカラに乾いたノイジー・リフとオールドスクール・デスメタル、つまりは初期Carcassの腐乱臭漂うスタイルであるということが分かる。実際聴いてみたら全くその通りで、本当に無駄な能力が年々身についてしまっていることを実感。「Meat Grinder」という曲のストレートさはゴアノイズばっかり聴いてると欲してきますし、このへなちょこ感が好きな方は必ずいるはず。

 

▶︎Lipoma 『Odes to Suffering』

今年、ナンバーワン・ゴアグラインドにこの『Ode to Suffering』をピックアップしている世界のゴアグラインダーは結構多いと見ている。Lipomaはその名前とうんこみたいなロゴが印象的でここ数年、よく見かけるし精力的に活動しているプロジェクトの一つ。そしてLipomaはゴアグラインドにブラックメタルのメロディを持ち込んで相当革新的なことをやっているのが評価されているのだろう。かなり作り込まれたメロディック/ブラックなリフにゲボゲボゴアボーカルが意外とマッチしている。これはジャケがイボイボ病人じゃなければ、もっと聴いて欲しいなと言いやすいけど、ジャケがイボイボ病人すぎてオススメしにくいですね、、、。ちなみにこのイボイボ病人は有名で、Slund / Maggot Bathのスプリットにも使われてて見覚えありました。見覚えあるって言う自分に嫌気がさすね。「この死体、どっかでみたことある!」。

Lipomaがインスタで『ゴアグラインド・ガイドブック』に自分が掲載されていることにかなり感動してました。

 

▶︎MRSA 『Perioperative Death: Its Implications and Management』

テネシー州ノックスビルのワンマン・パソロジカル・ゴアグラインダーMRSAのセカンド・アルバム。ちなみにデビュー・アルバムが2023年11月、同月に出てますね。内容はそこまで変わらないですが、やっぱり病院ジャケは最高です。Dead Infectionの『SURGICAL DISEMBOWELMENT』を超える病院内ジャケは30年経っても出てこないですが、これはそれに匹敵するインパクトがありますね。ここにあっただろうベッドはどこへいってしまったのか、血痕や投げ捨てられたビニールの手袋や散乱している医療器具……。いったいこの写真はどこで撮影されたものなのか……。この不気味なシチュエーションを表すかのようなダークで地味なゴアグラインドがまるで廃病院の死体安置所から響き渡ってくるかのようなエコーをまとって炸裂してます。打ち込みドラムのチープさもこれくらいがちょうどいいですね。打ち込みって分かるし、明らかに人力でない無機質さが良い。結構印象に残った作品だし、度々聴きたくなる。

 

▶︎Anime Aliens 『Never Had a Problem Waiting on a Good Thing』

カリフォルニア・サクラメントの馬鹿三人集、Anime Aliensのどうしようもないアルバム。アメリカにいったことある人とか暮らしたことがある人なら分かると思いますが、本当に筋金入りの馬鹿って存在してて、面白くもない冗談とか仲間内にしかわからないミームで笑い続けてる人が一定数いるんですけど、アメリカはそういう人がどうしてかゴアグラインドやるんですよ。昔、50 Ways To Kill Meっていうワンマン・ゴアというかメロディとかも打ち込みのMidi-Grindみたいなのをやってたプロジェクトがあったんですが、そいつのホームページが自分のちんこの画像を100枚くらいいろんな角度から撮影したのをアップしてたり、街のあちこちでお尻出して、とにかく酒とドラッグをかましまくってる狂人がいて、本当にやばいと慄いた覚えがあります。ちなみにそのホームページが残念ながら消えてしまったようなんですが、50 Ways To Kill Me気になった人いたら、下の動画チェックしてみてください。

さてAnime Aliensですが、まずこのジャケですね。レントゲン写真と見たことのないファミコンのキャラクター、金の腕時計。どういう思考回路でこの3つを同じアートワークに、そしてこのように配置しようと考えたんでしょうか。さっぱり理解できない。楽曲もAnal Cunt的なショートカット・ゴアグラインド、それをもっと乱雑にしたようなものに最後にヒップホップのイントロを毎回組み込んでくるっていう意味不明なこだわりを見せています。ここで紹介しなければ、誰も聴かないかも。でも、僕はこういう音楽が好きなんだよな……。

 

▶︎Gastroesophageoneurocardiolaryngopulmonogastrohepatoneurodermatotracheobronchocolitis & Atherosclerosis 『Split』

インドネシアのヴォミット・ノイズ、Gastroesophageoneurocardiolaryngopulmonogastrohepatoneurodermatotracheobronchocolitisと、正体不明のAtherosclerosisによるスプリット作。このアートワークは一見するとなんなのかよく分からないんですが、これはあり得ないくらいに肥大し腐敗した目玉ですね。だとしてもこんなふうに引っこ抜こうとしなくてもいいのでは……まあ本人は死んでるのかな。でも目玉ってこんなふうになるのかな?Gastroesophageoneurocardiolaryngopulmonogastrohepatoneurodermatotracheobronchocolitisは割とダイナミックなヴォミット・ノイズでそれなりに聴いてて面白さありますが、Atherosclerosisは不思議なミニマル感が妙に心地良い。打ち込みのブラストビートにヴォミット・ノイズだけってのがシンプル。これはこれで独立して面白い音楽だと思うなあ。環境音楽のゴア・バージョンとして有りな気がする。

 

▶︎Fecal Decay & Luigi Destroyer 『Split』

ジャケが最高!絶対アメリカ人だろと思ったら、案の定アメリカ・ジョージアのワンマン・ゴアグラインドだった。うんこの津波が押し寄せた部屋のど真ん中にこっちを見つめる死体。せめて二つのバンドのロゴのサイズ感とかカラーとか統一しようとは思わなかったのだろうか。常人を寄せ付けないこのスプリット・アルバムなんですが、実は内容がかなり良くて、スラミング・グルーヴを通過した打ち込みゴアグラインドで、グルーヴィーグラインドとかって言うタグで広まってる音楽のどちらの旨みもしっかり凝縮したスタイルでかなり最高。スラミング・ビートダウンとか聴いてる人でうんこと死体好きだよって方はぜひ聴いてみてほしい。Fecal Decayのスプリット相手であるLuigi Destroyerはマジでしょーもないうんこのカスみたいな曲でそれも最高!

 

▶︎Chlamydia Trachomatis Milked From A Severely Enlarged Pustulated Scrotal Edema, Liquified Mess Of Corpse Fluids Dripping From A Grocery Store Dumpster, Renal Hydronephrosis​ & Intestinal Suppuration 『4 Ways Of Sickening Surgical Perversion』

アメリカ・オハイオのパソロジカル・ヴォミット・ノイズ・プロジェクト、Chlamydia Trachomatis Milked From A Severely Enlarged Pustulated Scrotal Edemaの呼びかけによって集まった3組との4 Wayスプリット。Liquified Mess Of Corpse Fluids Dripping From A Grocery Store Dumpsterは3487曲を1トラックにまとめた楽曲を提供 (2:33秒しかないが)、Renal Hydronephrosisもヴォミット・ノイズ、Intestinal Suppurationはこの中で一番まともで、トラック毎にタイトルも付いてます。ベースレス、ハイピッチ・スネアの打ち込みが気持ちいいですね。これでもマトモに聴こえる不思議。

 

▶︎Onee-san The Exterminator And The Lustful Yandere With Big Oppai 『My Waifu Is A serial Cunt​-​Killer』

インドネシア・パランカラヤを拠点に活動するワンマン・ゴアノイズ・プロジェクト、Onee-san The Exterminator And The Lustful Yandere With Big Oppaiのデビュー・アルバム。「お姉さん」、「ビッグおっぱい」という強烈な言葉がバンド名になったアニメ・ゴアノイズ。ゴアノイズはバンド名やロゴ勝負的なところがありますが、Onee-san The Exterminator And The Lustful Yandere With Big Oppaiは完全にバンド名だけでこのリストに掲載されています笑 2019年に制作に取り掛かり、なんとこのアルバムを作るのに4年もかかったというのだから逆の意味で驚き! それだけ強い制作意欲があったのでしょう。全編打ち込み、リフの輪郭がぼやけまくって何をやっているのかはさっぱり分からない! ただそれがゴアノイズ。このバンド名だけで年間ベスト入りは確実でした。

 

Onee-san The Exterminator And The Lustful Yandere With Big Oppaiのロゴ。

 

 

ゴアグラインド 2022年の名盤10選

2022年にリリースされたゴアグラインド (Goregrind) の作品の中からRIFF CULTが名盤をピックアップし、アルバムレビューしました。ExhumedやGronibardといった90年代から活動するベテラン・バンドから、デビュー・アルバムをリリースしたばかりのバンド、日本国内から世界中あらゆる場所で活動するアーティストをピックアップしています。お気に入りを見つけて下さい!

 

シングルのみのリリースやレビューしていないバンドの中から選んだものは「All New Goregrind」というYouTubeプレイリストにまとめていますので下記からチェックしてみて下さい。そしてパブリブから田上智之さん著『ゴアグラインド・ガイドブック』が来年1月に発売されますのでこちらもポチッと予約しておきましょう。

 

 

▶︎関連記事

2021年のゴアグラインド 年間ベストアルバム

 

 

Exhumed 『To The Dead』

3年振り通算9枚目のスタジオ・アルバム。本作はボーカル/ギターMatt Harvery、ボーカル/ベースRoss Sewage、Deeds of Fleshにも在籍するドラマーMike Hamilton、GruesomeのギタリストSebastian Phillipsというラインナップでレコーディングされ、プロデューサーはコロンビア出身のAlejandro Corredorが手掛けている。先行シングルとして公開され、ミュージックビデオにもなっている「Drained of Color」では血濡れたデスグラインドを緩急豊かに疾走させ、隠すことの出来ないゴアメタルの腐臭が立ち込める。変わらぬ魅力詰まった一枚。

 

▶︎Metal Archives

 

 

Gut Explosion 『Gut to the Future』

東京を拠点に活動するパーティ・ゴアグラインド・バンド、Gut Explosionのデビュー作。お揃いのジャージとフェイスマスクを被ったヴィジュアルからも気合の入ったファニー・メタル志向が伝わってくる。SpasmGutalaxといったグルーヴィ・ゴアグラインドを彷彿とさせ、「Hard Gore」といった楽曲からも分かるようにニューヨーク・ハードコアを思わせるタフなリフも垣間見える。日本のメタルフェスに出たら会場がブチあがっちゃう可能性もあるので、刺激を欲しているプロモーターはブッキングして下さい。

 

▶︎Twitter

 

 

GRONIBARD 『Regarde les hommes sucer』

1998年から活動を続けるフレンチ・ゴアカルト、Gronibardの14年振りとなるサード・アルバム。Season of Mistからのリリースというのが驚きであるが、ゴアグラインドも彼らのようなスタイルはアートっぽさもあって、オーバーグラウンド・メタルシーンにおいては重宝されるのかもしれない。聴く人によっては全く受け付けられない気抜けたボーカル・スタイルが良くも悪くも絶大なインパクトを誇るが、ドゥーミーなゴアグラインドの演奏スキルは高い。

 

▶︎Metal Archives

 

 

Putrefaction Sets In 『Repugnant Inception Of Decomposing Paroxysm』

2018年、ゴアグラインド・スーパースター達によって結成された。Lymphatic PhiegmのボーカリストAndré Luiz、General SurgeryのギタリストUrban SkyttとベーシストGlemm Sykes、Expurgoのギター/ボーカルPhilipe BelisárioとドラマーAnderson Oliveiraの5人体制で活動をスタート。デビュー・アルバムとなる本作は、何から何まで初期Carcassからの絶大な影響を感じさせるオールドスクール・ゴアグラインドに仕上がっており、時折差し込まれるドゥーミー/スラッジなリフはリバイバルするデスメタル・シーンでも受けそう。特にGeneral Surgeryファンにオススメ。Carcass以降のパソロジカル・ゴアグラインドを現代に繋いできた巨匠らによるパンチの効いた一枚。

 

 

▶︎Metal Archives

 

 

Pharmacist 『Flourishing Extremities On Unspoiled Mental Grounds』

Crash Syndromのギター/ボーカルとして知られるKyrylo Stefanskyiによるオールドスクール・パソロジカル・ゴアグラインド/デスメタル・プロジェクト、Pharmacistのセカンド・アルバム。2020年に始まってからEP、スプリット作品を連発、国際的な注目度を集める中リリースされた本作は、Carcass直系のゴアグラインドの中に、ヘヴィメタルやハードロックのエレメンツを捩じ込んだ快作で、「Corpus Sonica」は最も評価されるべきアルバムからのキラーチューン。

 

▶︎Metal Archives

 

 

Morgue Tar 『Immersed In Mortiferous Enmities』

テキサス州オースティンを拠点に活動するMorgue Tarのデビュー・アルバム。何もない部屋に蛆虫だけが蠢くミニマルなアートワークと遠目で見ると蜘蛛の巣にしか見えないロゴが得体の知れない不気味さを醸し出している。Last Days of HumanityがD-BEATとクロスオーバーしたかのようなドライヴ感たっぷりのゴアグラインドは、人間が溺れてから溺死するまでのドキュメントかのようなボーカルと混ざり合いながら駆け抜けていく。この手のバンドは曲名勝負みたいなところがありますが、曲名がないのもMorgue Tarなら一周回ってアリだなと思わせてくれる。

 

▶︎Bandcamp

 

 

Guineapig 『Parasite』

イタリア・ローマを拠点に活動する正統派ゴアグラインド/デスメタル・トリオのセカンド・アルバム。過去にDisgorge (Italy) にも在籍し現在はUltimo Mondo Cannibaleを兼任するギター/ボーカルFra、元Bestial Devastationのベース/ボーカルAlessioとドラマーGiancarloのトリオ編成で、本作はSpikerot Recordsからリリースされた。死体やエログロといったゴアグラインドの象徴的なヴィジュアルは排除。サウンド直球勝負の清々しさは評価すべきだ。ヘヴィにチューニングされたリフはメロディアスであるが、溺死ボーカルを随所で発動しおどろおどろしい雰囲気が漂う。

 

▶︎Metal Archives

 

 

Phyllomedusa 『Wretching At The Sight Of The Pregnant』

メリーランド在住、孤高のゴアグラインド職人Big Frogによるソロ・プロジェクト。名前の「Phyllomedusa」はネコメガエルを意味する。カエルだけをテーマに年間40、50枚の音源をリリースし続ける多作っぷりで、彼の名前をインターネット・コミュニティで見ない日はない。2010年代からインターネット・ミーム的に登場したゴアノイズ的サウンドで、正直聴いて感動するとか盛り上がるとか、そういう音楽ではない。自称Frognoiseと呼ばれるサウンドにカエル要素があるとすれば、ボーカルのゴボゴボとした質感だけでこれはVomitnoiseと呼ばれるゴアノイズのサブジャンルの一つとしてすでに存在している。ただそういう細かい指摘とか、音楽的に優れているとかは全く重要でなく、ゴアグラインドというエンターテイメントの中で新しい文化としてたった一人でFrognoiseをやってることが重要で、このアルバムをレビューしている今現在も彼は何か作っているはずだ。ゴアグラインドを楽しんでいる人はPhyllomedusaの存在意義を理解出来るだろう。

 

▶︎Discogs

 

 

First Days Of Humanity 『Bone Hut』

2019年にスタートしたLast Days of Humanityのパロディ・プロジェクト、First Days of Humanityの何十枚目か不明であるが2022年にリリースされた一枚。そのプロジェクト名から人類が誕生した最初の日にちなみ、原始人やその時代をテーマにしたアートワークや楽曲名がずらりと並ぶ。だからなのか、ゴアグラインドのじめっとしたサウンドスケープではなく、どこか乾いたパソロジカルな雰囲気もあり、意外とサウンド面で評価出来る部分が多い。「Regurgitating Chunks of Mammoth (マンモスの塊の再利用)」という楽曲も無理やりゴアテーマに落とし込んだマンモスの肉塊が最新技術でプルプルと蠢き、再び生命が宿るような躍動感あるグルーヴが感じられる (気がする)。

 

▶︎Discogs

 

 

Last Cheeseburgers of Humanity 『Last Cheeseburgers of Humanity』

アリゾナ在住のTapoとJacksによるゴアノイズ・ユニット、Last Cheeseburgers of Humanityのデビュー作。First Days of Humanityが打ち出した「〜Days of Humanity」というパロディ。Middle Days of Humanityが登場したことで終わったかと思いきや、全く意味不明な形でパロディの勢いを加速させてきた。ありとあらゆるチーズバーガーを並べたアートワークは何だかゴアっぽさがあるが、「これをみてお腹が空くが、実際は動物の死体を焼いた塊なんだ」というメッセージを感じるような感じないような……。サウンドはLast Days of Humanity伝説のアルバム『Putrefaction In Progress』とか『The Xtc Of Swallowing L.D.O.H. Feaces』のようなライオンがボーカルをやっているようなゴアグラインド〜ゴアノイズ。来年はいったいどんな「Last 〜 of Humanity」が誕生するのか楽しみだ。

 

▶︎Bandcamp

 

 

 

ゴアグラインド 2021年の名盤 TOP9

Vile Impregnation 、最恐下劣ガテラルまみれのスラム問題作! 『SLAVE』リリース!

 

VILE IMPREGNATION : テキサス、オクラホマ、アリゾナに点在するスラミング・ブルータル・デスメタル・ミュージシャンらによるプロジェクト、Vile Impregnatinが、ニューアルバム『SLAVE』をReality Fade Recordsからリリースしました。この作品は、Slam Worldwideにてフル視聴が可能です。

 

かなり強烈なガテラルが終始炸裂。何人かボーカルがいて、ゴアグラインド、グラインドコア、スラミング、などなどアンダーグラウンド・メタルの下劣なガテラル・スクリームが炸裂し続けます。正直それに特化しすぎていて、他のポイントが見つかりません…… 。とにかくスラミング・ブルータル・デスメタルをがっつり喰らいたいという人におすすめの作品!

 

Facebook: https://facebook.com/vileimpregnation
Instagram: https://instagram.com/vileimpregnation

 

RIFF CULT : Spotifyプレイリスト「All New Technical/Brutal Death Metal」

 

RIFF CULT : YouTubeプレイリスト「All New Technical Death Metal」

80年代後期から90年代半ばにかけてリリースされたゴアグラインドの名作テープをまとめた動画「Goregrind Early Years」登場

 

ゴアグラインド シーンの最新リリースなどの情報を配信しているYouTubeチャンネル「Gore Grinder」が、1987年から1995年にかけて発表されたゴアグラインドの名作デモテープをまとめたコンピレーション・ビデオ「Goregrind Early Years – The Demo Tapes (1987 – 1995)」を公開しました。

 

Carcassにはじまり、 Impetigo、General Surgery、Dead Infection、ExhumedからLast Days of Humanityまで、現代まで語り継がれているゴアグラインドの有名バンドの初期サウンド、久々に聴くと痺れますね。特にGeneral Surgeryは30年以上前にこんなやばいリフ刻んでいたのかと思うと驚き。

 

https://www.youtube.com/c/GoreGrinder/about

Atoll、ゴアグラインドとブルータル・デスメタルを融合した新作EP『Prepuce』リリース

 

Atoll : アリゾナ州フェニックスのブルータル・デスメタル・バンド、Atoll (アトル)が、Unique Leader Recordsとの契約後、初となる音源 EP『Prepuce』をリリースしました。

 

 

これまでGhastly Music、Gore House Productionsとアンダーグラウンドなブルータルデスメタル・レーベルから3枚のアルバムをリリースしてきた彼ら。持ち前のファニーなテイストをスラミング・スタイルに持ち込み、グルーヴィにそしてブルータルに仕上げたサウンドで本作を制作。オープニング・トラックの「Cirhosis for Dinner」はサンプリングも随所に組み込んでおり、アングラ臭が凄まじい。

 

ゴアグラインド好きにも受けるだろうAtoll、Unique Leader Recordsと契約したというのが信じられないが、これからどんな活動を展開していくのか、非常に楽しみだ。

 

Piggy : 悪臭放つグルーヴィ・ゴアグラウンド 新作『Superfiesta』リリース!

 

Piggy : チリの首都サンティアゴを拠点に活動するグルーヴィー・ゴアグラインドバンド、Piggyがセカンドアルバム『Superfiesta』をBizarre Leprous Productionからリリースしました。Gutalax直系のグルーヴィー・ゴアグラインドはチープながらも心地良い。

 

ピッグ・スクイールが強烈というよりは、意味不明なサンプリングがカオス。うんこ、おしっこ大量噴射。

 

ゴアグラインド 2021年の名盤 TOP9

 

数十年、ゴアグラインドをウォッチしていますがやはりベテラン勢が元気だ。今年はLast Days of Humanity、Spasm、Gutalax、Intestinal Disgorgeと名の知れたゴアグラインド・バンド達がアルバムをリリースし、個人的にも一時期過去の作品を引っ張り出して聴いたりリバイバルしていました。ゴアノイズ系もGORENOISE SUCKSなどオンライン上に点在するゴアノイズを統括する存在がいたり、YouTubeチャンネルGore Grinderが最新作をピックアップしバンドもシェアするなど一つの拠点になっている。ベテランから新しいプロジェクトまで、サウンドのクオリティとかは無視して”刺激的だったもの”を中心にピックアップしてみました。若干汚い、グロいアートワークもあるので、苦手な方は目を細めて呼んで下さい笑

 

 

第9位 : Intestinal Disgorge – Scat Blast
Link : https://intestinaldisgorge.bandcamp.com/album/scat-blast

 

1996年から活動するテキサス州サンアントニオのゴアグラインド・レジェンド、Intestinal Disgorgeの新作。でっかいうんこに勇ましさを感じるアートワークはもちろんYouTubeではモザイク必須。どうやらいくつか別にジャケットが存在するようですが、見ない方がいいと思います……。さて肝心の内容ですが、このアルバムからギタリスト不在、ベーシストが3人いるという意味不明なメンバーラインナップで録音されており、嘘かと思いきや本当にギターレスで様々なベースラインが交差しています。ドラムは結構かっこいいんですが、ボーカルは20年間「キャー」しか言ってないですね。たまにはメロディアスに歌いたいとか思わないんでしょうか…..。ゴアグラインドも20年続けると誰かに尊敬されたりするので、何事も継続が大事です。色々言いましたが、普通にかっこいいアルバムです。

 

 

第8位 : Columbine Carcass – Columbine Carcass
Link : https://columbinecarcass666.bandcamp.com/album/columbine-carcass

 

ジョージア州アトランタを拠点に活動するゴアグラインド・ユニット、Columbine Carcassのセルフ・タイトル作。バンド名はもちろんコロンバイン高校銃乱射事件に由来しており、アートワークは射殺されたエリック・ハリスとディラン・クレボルドの有名な写真。ゴアグラインドは刺激的な死体の写真のコラージュなどが多いが、あまり殺人事件をコンセプトに楽曲制作からアートワークに至るまで一貫性のあるものは少ない。集中力のない音楽なので、そうした作品をゴアグラインドで作り込むという文化がない。彼らも楽曲までは事件に関するものではないにしろ、数ある凶悪事件などをテーマにしたアルバムやプロジェクトがもっとあってもいいと感じられた一枚。サウンドも個人的には良いと思える雰囲気があって、雑にプログラミングされたドラムの上をゴミみたいなディストーションが適当にかかったリフを錯乱状態の人間が弾いてるのが最高。

 

 

第7位 : Putrid Stu – Amidst an Anal​-​Analgesic Assembly
Link : https://putridstu.bandcamp.com/album/amidst-an-anal-analgesic-assembly

 

オハイオ州デイトンを拠点に活動するワンマン・ハイスピードブラスティング・ゴアグラインド・プロジェクト、Purtid Stuの新作。本作はドラマーにタイのブラスティング・ブルータルデスメタルバンドEcchymosisのPolwachが参加している。とにかくスネアのハイピッチ具合が強烈で、スネアじゃなくて空き缶を叩いているのではないか疑惑があります。1曲あたり10秒程度が平均で最後の「Crohn’s Last Breath」のみ1分というショートカット具合も良いですね。アートワークはモザイク入ってますがアルバムを買うと無修正版が見られます。

 

 

第6位 : Retching Pus – Smears of Red Stool
Link : https://retchingpusgore.bandcamp.com/album/smears-of-red-stool

 

ニューヨークを拠点に活動するワンマン・ゴアグラインド・プロジェクトの2021年2作目。割とゴーリー・グルーヴもあり、ギリギリObscene Extreme出れる感じのサウンドではありますが、基本的に雪崩の如く崩壊し続けるノイジー・ブラストビート炸裂系ゴアグラインドを展開。IllustlatorとかPhotoshopというソフトに頼らず切り貼りしてスキャンしたアートワークが最高です。ゴアグラインドはやっぱりショートカットで演奏技術を習得する根気がない人間にぴったりの音楽。ゴアグラインドの人間性の特徴が滲み出た一枚。

 

 

第5位 : Labia Meat Mud Flap – Labia Meat Salad
Link : https://gorenoisesucks.bandcamp.com/album/labia-meat-salad

 

出身国不明、ですがおそらくアメリカ拠点のぽんこつサイバー/ゴアグラインド・ユニット、Labia meat Mud FlapのGORENOISE SUCKSから出た本作。Windows XP直系フリー打ち込みソフトで作られたかのようなトラックは2000年代後期、ゴアグラインドを夢中でディグっていた時に多発していたKOTS周辺のゴア〜ニンテンドーコアの趣が感じられて懐かしい気持ちになります。どこで見つけてきたのか不思議になってしまう意味不明なサンプリングSEを長々と冒頭に持ってくるのも最高です。全く次作に期待とかしてませんが、こういう作品を年間10枚位出し続けて欲しいですね。

 

 

第4位 : First Days of Humanity – Mineralized
Link : https://firstdaysofhumanity.bandcamp.com/

2019年結成、アリゾナ州フェニックスを拠点に活動するワンマン・ゴアグラインド・プロジェクト、First Days of Humanityの最新作。活動スタートからハイペースでリリースを続けていて、一体これが何作目なのかは本人にしか分からないでしょう……。バンド名はもちろんLast Days of Humanityからきていて、そのサウンドもハイスピード・ブラストに雪崩の如く襲いかかるノイジーなリフ、そして下水道ボーカルが乗ってくる溺死系ゴアグラインド。目新しいことは何一つしていないが、ハイペースなリリース、一貫したアートワーク、Last Days of Humanityへのリスペクト、それらがただただ素晴らしい。来年は何作出るだろうか。

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=3pIcizZGZvA

第3位 : Spasm – Mystery of Obsession
Link : https://rottenrollrex.bandcamp.com/album/mystery-of-obsession

 

2000年代初頭から活動するチェコのゴアグラインド・トリオの4年振り6枚目のフルアルバム。Gutalaxの先輩にあたる彼ら、アートワークが楽曲にファニーな要素は少なく、どちらかというとSMネタが多いポルノ・ゴアグラインドの系譜にあります。本作も歪んだ性癖をテーマに2分に満たないゴアグラインド曲をノンストップで繰り広げていく。曲名がかなり最悪で、「Masturbation Never Breaks Your Heart」、「Garlic Sperman」、「Harvest of Cocks」、「Pussy is The Most Effective Tool of Love」などなど常人には考えられないタイトルばかり。

 

 

第2位 : Last Days of Humanity – Horrific Compositions of Decomposition
Link : https://rottenrollrex.bandcamp.com/album/horrific-compositions-of-decomposition

 

1989年から活動するオランダ出身のゴアグラインド・レジェンド、Last Days of Humanityの再結成後初となるフルアルバム。2006年にリリースしたアルバム『Putrefaction In Progress』は、後のゴアグラインド・シーンの典例とも言えるサウンドで大きな影響をもたらしたものの、バンドは解散してしまった。2010年に復帰後はスプリット作品などのリリースをマイペースに続け、なんと本作が15年振りのフルアルバムとなる。もう少し話題になるべきだったが、大々的なプロモーションを全く行わなかったのと、ファンが期待していた生臭いアートワークではなく、インターネットで使い古されたホラー画像のアートワークが不評だったのが原因でアルバムが出たことに気づいていない人も多いかもしれない。これがれっきとしたニューアルバムなのかどうか、そのサウンドだけでは区別がつかないという人が多いのも原因でしょうね…。解散直前のハイピッチ・スネアが音速で駆け抜けていくスタイルではなく、初期のバンド・サウンドへと回帰。『Putrefaction in Progress』のイメージが強すぎて若干の違和感があると思いますが、総じてピュアなオールドスクール・ゴアグラインド。最高のアルバムだと思います。

 

 

第1位 : Gutalax – The Shitpendables
Link : https://rottenrollrex.bandcamp.com/album/the-shitpendables

 

チェコを代表するゴアグラインドバンド、Gutalaxの6年振りとなるアルバムは、お馴染みのRotten Roll Rexからリリースされた。Obscene Extremeの目玉バンドとして知られる彼ら、コンセプトは結成当時からブレることなく”うんこ”です。10年以上うんこへの情熱を絶やすことなく続け、ミュージックビデオやアートワークに至るまでうんこがべっとり、さらにはステージに簡易トイレまで設置してしまうからその徹底っぷりは凄まじい。彼らはゴアグラインドのファニーな要素の完璧さに加え、曲もかなり良くて、おそらくソングライティングを担当しているメンバーはハードコア/メタルコア/デスコアを通過していると思われます。ソリッドでキャッチーなリフワークにピッグ・スクイールがバウンシーにのせてきます。

 

 

ゴアグラインド 2022年の名盤10選

General Surgery : 血みどろゴアグラインド・レジェンド、新作『 A Legendary Death』リリース!

 

General Surgery : スウェーデンを拠点に活動するゴアグラインド・レジェンド、General Surgeryが新作『A Legendary Death』をリリースしました。血みどろのアーティスト写真から一転、マスクをした大人っぽいアーティスト写真にチェンジしていますがそのサウンドは変わらず生臭いゴアグラインド!

 

Gutalax : うんこメタル界のスーパースター、4年振りの新作『The Shitpendables』リリース!

 

Gutalax : チェコ/クジェムジェを拠点に活動するグルーヴィー・ゴアグラウンドバンド、Gutalaxが4年振りのニューアルバム『The Shitpendables』をRotten Roll Rexからリリースしました。一曲目からおならが炸裂しまくるGutalaxワールド全開で最高なんですが、普通にグルーヴィーなのでビートダウン/デスコアファンにも知って欲しいバンドです。何気にゴアラッパー、Sodoma Gomoraがフィーチャーしてたりするのも面白いですね! ゴアグラインド・ゴッドRompepropのカバーも。

 

Last Days of Humanity がニューアルバム『Horrific Compositions of Decomposition』をリリース!

オランダを拠点に活動するゴアグラインド・ゴッド、Last Days of Humanityがニューアルバム『Horrific Compositions of Decomposition』をRotten Roll Rexから本日3月1日にリリースしました。

 

https://www.facebook.com/lastdaysofhumanity

Middle Days Of HumanityがニューEP『Holy Inquisition』をリリース!

 

Last Days of Humanity直系のハイスピード・ゴアグラインドをプレイするブラジルのバンド”Middle Days of Humanity”が登場! ニューEP『Holy Inquisition』をリリースしました。そういえば、彼らの他にFirst Day of Humanityというのもいますね笑