Josh “Baby J” Miller、Chelsea GrinのTom Barberによるニューメタルコア・サイドプロジェクト、Darko USは新曲「Pale Tongue」のミュージックビデオを公開しました。

『ブルータルデスメタルガイドブック』を出版したのが2016年の10月だっただろうか、そこからも日課としてブルータルデスメタルを追いかけ続けてなんと4年が経過した。RIFF CULTを立ち上げたのも本を出版したのがキッカケだったし、今もこうして発信を続けられているのは嬉しい。
一時期はほぼRIFF CULTを動かしてなかった (RNR TOURSでのツアー活動に忙殺されていた)時期もあったが、コロナウイルスでツアーがストップしたことをキッカケにもう一度本腰を入れて動かしてみることにした。やっぱり新しい音楽を聴くのは面白いし、RNR TOURSが再開出来た時にもRIFF CULTを動かし続けられるように自分の中でしっかりルーティーンを作らなければいけないね。
さて、前置きが長くなったが、今年も世界中からブルータルデスメタル・アルバムがリリースされ、新しいバンドも入れば意外な復活もありで面白かった。良い意味でも悪い意味でもスラム系がぐっと盛り上がりをみせ、デスコアやメタルコアにまで影響を与え始めているのは面白いなと思う。それに対して昔ながらもハイスピード・ブラスト系は地味な存在になったが、もともとブルデスってそういうのが面白いし好きだったから特に気持ち的に変わらずいろんなものを聴いた。
ある程度新しいバンドもベテランもチェックしたつもりだが、もしかしたらチェックしきれてないものもあったかもしれない。EPも多く、リストに入れようとおもったがアルバムに絞ってランク付けしてみた。(Drippedとか入れたかったなあ) まだ聴いてない作品などあれば、ストリーミングでチェックしてみて欲しい。それでは、ランキングをご覧ください! (第10位〜第1位まで)
アメリカ/ウィスコンシン州を拠点に活動するワンマン・ブルータルデスメタルプロジェクトPutrid Pileの新作は、前作『Paraphiliac Perversions』から4年振りとなった6枚目フルレングスで、Sevared Recordsからのリリース。
Sevared Recordsも数量限定リリースが増え、他のブルータルデスメタル・レーベルに比べ勢力は落ちてきたもののまだまだ元気。Putrid PileはSevared Recordsからリリースを続けている数少ないアーティストで、地味に2020年がプロジェクトスタートから20周年であった。前作から大きくスタイルチェンジする事もなく、淡々と自身のブルータリティを表現し続けている点だけでも評価に値するし、オープニングトラックの「Death Waits for No One」では、唐突なテンポチェンジを繰り返しながらもバウンシーなグルーヴはキープ、リフワークもメロディアスで面白いしガテラルもハイセンス。「Bonedigger」みたいな打ち込み感丸出しのB級さも個人的には好きだったりする。
2009年に活動休止、2016年に復帰したマサチューセッツ/ボストンのブルデス・レジェンドGoratoryの新作は、前作『Rice on Suede』からなんと16年振りとなる4枚目フルレングスで、リリースはイタリアのEverlasting Spew Recordsから発売された。
有名ミュージシャンのテクニカルすぎるアイデアのはけ口みたいなバンドで、Job For a CowboyやDespised Iconで活躍するギタリストAlanやDeeds of Flesh、Pillory、Cytolysisなどで大忙しのドラマーDarrenが在籍している。彼ら以外の2人はSexcrementというバンドのメンバーで腕前はもちろん凄まじい。特徴的なのは強烈なスラップベースで、テクニカルなブルータルフレーズに絡み付いていく。ヴィジュアルイメージからは想像もつかないテクニックがたまらない1枚。
ペンシルバニア州ピッツバーグを拠点に活動する5人組Post Mortal Possessionのセカンドアルバムは、Lord of the Sick Recordingsからのリリース。
2018年リリースの前作『Perpetual Descent』から大きな路線変更はないが、ぐっとサウンドプロダクションが向上し、楽曲もソリッドな仕上がりになっている。全体的にもっさりとしたスラムっぽい雰囲気ではあるが、Jakeのボーカルワークが強烈でディープなガテラルでサウンドを血生臭いものにしてくれている。Jakeのボーカルに加え、Nickのドラムもよく、デスメタリック。地味な存在だが、若くしてこの手のサウンドをプレイ出来るのは凄い。
オランダ/アムステルダムを拠点に、前身バンドNocturnal Silenceから数えて26年のキャリアを誇る大ベテランDisavowedの13年振りとなる3枚目フルレングス。
オリジナルメンバーである元ドラマーRobbert (Pyaemia、Nocturnal Silenceでプレイ)の怪我を理由に2005年に脱退。以降はサポートメンバーを入れながらも活動は継続していたが、アルバム制作には至らなかった。長年のブランクを感じさせないパワフルなブルータリティは、アグレッシヴに転調しながらも粘着質なグルーヴィ・リフを携えて疾走し続ける。
1993年ニューヨークで結成されたブルータルデスメタルバンドAfterbirthのセカンドフルアルバムは、Unique Leader Recordsから前作『The Time Traveler’s Dilemma』から3年振りのリリース。
95年の休止後、2016年にボーカリストWill Smithが加入するまで20年以上のブランクというのはなかなか珍しい。架空の古代文明をテーマにソングライティングを行うようになってからはアイデアが湧き上がってくるのか、セカンドアルバムも3年という短い期間で完成させており、そのサウンドもアンシエントなメロディワークをメイン・エレメンツに独自の世界観を生み出すことに成功している。アートワークも含め、Afterbirthらしさを持っているし、今後も継続的に制作活動を続けて欲しい。
ノースキャロライナ州ヴァージニアを拠点に活動するハイスピード・ブルータルデスメタルバンドVituperateのデビューアルバム。
もともとデモ音源がアンダーグラウンドシーンで話題となり、New Standard Eliteと契約している。メンバーはそれぞれにプロジェクトを抱えており、Scatology Secretionなど今年アルバムを出したプロジェクトもある。メンバーらが抱えるプロジェクトの中でもVituperateは特にスピード感重視で、まさに工事現場のような轟音が鳴り響き、リフの輪郭も曖昧。いわばハーシュノイズのようなエナジーに溢れる1枚。
アメリカ/ミネソタを拠点に結成され、現在はアメリカ/カナダのメンバーが在籍するベテランIncinerateの新作は、前作『Eradicating Terrestrial Species』から5年振りとなる4枚目フルレングス。
リリースは前作同様Comatose Musicが手掛けている。2018年にDeeds of FleshやSevered Saviorで活躍したギタリストJared Deaverが加入。JaredとTedのツインギター体制になってからは初の作品で、2020年12月現在では脱退しているがDisfiguring the GoddessやMalevolent Creation、Insidious Decrepancyでドラムを担当したPhil Cancillaが本作でその腕前を披露している。スラムとまではいかないが、ピュアなリフグルーヴを要に非常にシンプルでノリやすいブルータルデスメタルをプレイ。Internal Bleedingファンは気に入るとおもいます。
イタリアを拠点に活動するブルータルデスメタルバンドDevangelicの新作は、前作『Phlegethon』から3年振りのリリースとなる3枚目フルレングス。
Comatose MusicからWillowtip Recordsへと移籍してリリースされ、プロデューサーにはDecrepit BirthやFleshgod Apocalypseを手掛けたStefano Morabitoを起用。サウンドプロダクションもソリッドかつダイナミックな仕上がりとなっている。同郷のSeptycal Gorgeを彷彿とさせるダークなテクニカルフレーズも多く、誤解を恐れずに言えばDisgorge的な雰囲気があるようにも感じる。ここ数年、Devangelicは大/中規模フェスティバルへの出演やツアーなど、ヨーロッパを中心にファンベースを拡大しており、ブルータルデスメタルシーンにおける重要度は高くなっている。
前作『Munching the Rotten』から15年振りとなるArsebreedの新作は、Brutal Mindからのリリース。
ツイン・ボーカル体制を取り、2人共Disavowedのメンバーだ (RobbeとJoel)。この2人のボーカルワークはハイピッチ/ローピッチを使い分けるような従来のツイン・ボーカルスタイルではなく、共にローをベースとしたボーカルスタイルなのが面白い。緊張感のあるオールドスクールなブルータルデスメタルは、ウジムシのようにうねるチェーンソーリフとソリッドなベースライン、そしてデスメタリックなギターソロが残忍なグルーヴを生み出している。Disavowedと一緒で、特に何か目新しいことをしているわけではないが、クラシックなブルータルデスメタルとして素晴らしい作品。
トルコを拠点とするブルータルデスメタルバンドMolested Divinityのセカンドアルバム。
前作『Desolated Realms Through Iniquity』から2年振りのリリースとなる本作は、アンダーグラウンド・ブルータルデスメタルの巣窟New Standard Eliteが発売元。レコーディングエンジニアリンク/マスタリングは同郷のOzan Yildirimが担当。彼はDrain of ImpurityやMolested Divinityのメンバーが在籍するRaven Woodsも手掛けており、バンドとも親交の厚い人物。前作とジャケットが酷似していて、最初再発かと思ったが、しっかり新作でした。New Standard Eliteらしさといえばそのスピードでしょうか。
ブレイクダウン皆無のノンストップ・ブラストビートを叩き込むドラマーBerkの腕前は確か。特にスネアの鳴り、随所で拍をずらしながらブラスティング・グルーヴをうねり出す感じとかは、かなりマニアックなブルータル・ドラミングの手法。Emreのギターワークも残忍としか言いようもない無慈悲さに溢れていてたまらない。昨今はスラム勢の勢い、そして人気が凄まじくこうしたブラスティング・ブルータルデスメタルはすっかり地味な存在になってしまったが、彼らをはじめ、同郷のCenotaph辺りは変わらずスピード重視で安心。堂々の2020年ブルータルデスメタル・ナンバーワンアルバム。
12月11日にニューシングル「Can’t Force The Love」をリリースデンマーク/コペンハーゲン出身のポストハードコアバンド、Siamese (サイアミーズ) にインタビューを行いました!ポストハードコアファンは是非彼らのニューシングルをチェックしながら、インタビューを読んでみて下さい!
Interviewer & Translater : Waki & Shin
Answer : Mirza Radonjica (Singer from Siamese)
Instagram : https://www.instagram.com/siamese_band/
Facebook : https://www.facebook.com/siamesedk
New Single ‘’Can’t Force The Love’’ : https://www.youtube.com/watch?v=qb1nwhkGNWU
Spotify : https://open.spotify.com/artist/0Hx4gv3eoiodtu6XYHF1X0?si=MI43Twy2TNCtj8kmQkKfmA
2020年はコロナウイルスの流行で、世界中の音楽シーンが大きく変わってしまいました。あなたのバンド、そしてあなた自身にとって2020年はどのような年でしたか?
日本のファンの皆さんこんにちは!コロナウイルスの感染拡大はまだ良くならないし、Siameseではツアーを始め多くのスケジュールがキャンセルされてしまったけど、その時間を使って2021年や2022年にプレイする新しい曲を作ったりする事が出来たよ。
コロナウイルスの流行で、多くの国では自粛などが行われました。ライブ活動が出来ない間、あなたのバンドが行った活動について教えてください。
コペンハーゲンでソールドアウトのライブをして、シングルを2曲リリースしたよ。これは来年リリースを予定しているアルバムにも収録される予定なんだ。
今年一番聴いたアルバムを5つ挙げて下さい!
Slaves – To Better Days
Bring Me The Horizon – Post Human: Survival Error
Sleep Token – Sundowning (Deluxe)
Intervals – Circadian
Pvris – Use Me
映画やドキュメンタリー、Youtube、ポッドキャスト、本などで今年何か気になったものはありますか?
Industry on HBO – very cool show
Podcast “Philosophize This” on spotify
The Mandalorian – Disney+
Danish movie “Druk”which probably will win an Oscar this year.
最後に、2021年はあなたのバンド、そしてあなた自身にとってどのような年になる事を願いますか?
また世界ツアーを出来ることを祈るよ。現状、3つのツアーがすでに決まっていて、無事に開催される事を願っている。また日本にも戻って、ファンのみんなに会えたらいいな。いつも日本に行く時はとても楽しい時間を過ごしているよ!そして私の家族と愛犬が健康であることを願っているよ。
RNR TOURSで来日経験のあるポストハードコアバンド、Outline in ColorのギタリストMichael Skaggsにインタビューを行いました! 2020年は様々なアーティストとコラボし、ソロアーティストとしても活躍。来年の展望はいかに…
Answer : Michael Skaggs(Outline In Color)
Facebook : www.Facebook.com/OutlineInColor
Instagram : www.Instagram.com/OutlineInColor
YouTube : www.Youtube.com/OutlineInColor
Spotify : https://open.spotify.com/artist/6drAKOLWO1vzBrdmJmg5SE?si=vm8ZlsU0ScyQYjKQRQPfmg
2020年はコロナウイルスの流行で、世界中の音楽シーンが大きく変わってしまいました。あなたのバンド、そしてあなた自身にとって2020年はどのような年でしたか?
2020年はみんなにとってもクレイジーな年だったね。偶然だけど、このパンデミックの前の2月にレコーディングをしてたんだ。初めのロックダウンの時には『Imposter Syndrome』のパート1と2のレコーディングが終わっていて、その後はすぐツアーをする予定だったんだけど、ほとんどが出来なくなってしまったね。
コロナウイルスの流行で、多くの国では自粛などが行われました。ライブ活動が出来ない間、あなたのバンドが行った活動について教えてください。
クリエイティブな場所で2、3ヶ月を過ごしたおかげで1年を通して音楽に打ち込むことができたよ。コラボをしたりやカバーをしたり……。あとは、3枚目のEPのアイデアを出すことに専念してたね!ツアーを再開する前に出来るだけ多くのコンテンツを制作することに時間をかけていて、コロナウイルスが終息に迎えばツアーを続けたいと思うよ!それからオンラインのライブも企画中なんだ。是非バンドのページをフォローして詳細が出したいチェックしてね!
今年一番聴いたアルバムを5つ挙げて下さい!
VRSTY – Cloud City EP
Kingdom Of Giants – Passengers
Slaves – To Better Days
Picturesque – Do you Feel O.K.
Bring Me The Horizon – Post Human: Survival Horror
映画やドキュメンタリー、YouTube、ポッドキャスト、本などで今年ハマったものは何ですか?
個人的には自分の歌唱力を高めることに専念したよ。YouTubeのJacob’s Academy(ボーカルのトレーニングチャンネル)を使って練習をしたり、ランダムにプレイリストをかけて自分が歌える限り歌ってるね笑 他には旅行の動画なども好きで、特にNas Daily(有名なYoutuber)や、ドキュメンタリー系で有名なViceなどを観てるよ。心が休まるような旅行の動画から暗いテーマのドキュメンタリーまで色んなジャンルを見るかな。
最後に、2021年はあなたのバンド、そしてあなた自身にとってどのような年になる事を願いますか?
まず、2021年は皆さんにとっていい年になる事を願っているよ。今年は例外だとは思うけど、俺は強く思うことで現実になると信じているんだ。だからしっかりと考えて行動することでポジティブの考えが現実になって来年、再来年と続けるよう頑張っていくよ!
このバンドとしては沢山の音楽が2021年に出来ると思うよ!
『Imposter Syndrome Part 2』ではAndrew Baylis、Joey Bradford (The Used)、Jack Fowler (Sleeping With Sirens)が何曲か作曲に携わっているんだけど、早めにシェア出来るように頑張るよ!コロナウイルスが収束してツアーがまた出来るぐらい安全になったらするよ。慎重でかつ楽観的に考えていくかな!
『デスコア・ガイドブック』を執筆してからも、デスコアシーンにおけるトレンドは日々変わり続けている。今年はここ数年の中では比較的シーンに大きな動きはなかったように感じたが、それもデスコアというシーンが一度確立され、安定期に入ったからだと思う。幅広いメタルシーンの中においても異端的な存在感は消え、ヘヴィでグルーヴィな新しいメタルとして受け入れられているのも事実だし、商業的に成功しているバンドも多い。
Suicide Silenceが再びデスコアサウンドに戻ったこと、Thy Art is MurderやChelsea Grinもシングルリリースがあったし、水面下でWhitechapelも動いていたし、むこう数十年はデスコアというジャンルに終わりはこないだろうと思う。言葉を選ばずに言うならば地味な作品が多かったが、高い技術とポテンシャルは他のどのジャンルよりもあるように思う。今回ピックアップした作品の中には一概にデスコアにカテゴライズするには難しいものもあるが、2021年以降のデスコアの流れを作っていく作品であるということからピックアップしている。まだ聴いていないものがあれば、ぜひ年末年始に聴き込んで欲しい。
2020年のデスコアをまとめたYouTubeプレイリストは上記からチェック!
オーストラリア/ブリズベンを拠点に活動するデスコアバンド、Aversions Crownの前作『Zenocide』から3年振りのリリースとなった4枚目フルレングス。
リリースはNuclear Blast。リードトラック「The Soil」や「Paradigm」はこのアルバムのサウンドを象徴する楽曲で、ハイスピードなブラストビートを主体としながら、バウンシーなパートをここぞというところでのみ挟んでいく。シンプルにブラッケンド・デスコアの良さを味わう事が出来るし、Nuclear Blastからのリリースという事で、幅広いメタルリスナーにもリーチできるポテンシャルを持っているように感じる。
アメリカ/メリーランドを拠点に活動するAlukahのデビューアルバムはStay Sick Recordings (現Modern Empire Music)からリリースされた。
一聴するとデスコアというよりはプログレッシヴなデスメタルに聴こえるかもしれないが、AlukahサウンドのベースになっているのはThy Art is MurderやDespised Iconといったスケールの大きなデスコアグルーヴを持つバンドらであるように感じる。プログレッシヴなエレメンツが非常に存在感があり、他のバンドにはない魅力である。いきなりNuclear Blastみたいなメタルのメジャーレーベルと契約しそうな雰囲気がある。
前作『Flesh Coffin』から3年振りのリリースとなった3枚目フルレングス。Outerloop RecordsからCentury Media Recordsへと移籍、ボーカルにSigns Of The SwarmのCJが加入して制作された事もあり、大きな注目を集めた。
リリース直前にボーカリストCJを取り巻く女性問題があった事からアルバムがリリースされるかも怪しい状況になっていたが、彼をクビにしてまで彼のボーカルが入った作品をリリースしたバンドの英断を尊重してリストに入れました。ボーカルを評価対象から外したとしても、この作品はデスコアの未来に強い影響をもたらす事は間違いないし、AdamとAndrewのギターワークはメタルコアシーンを見渡してもハイセンスである。現在はWill Ramosが新たなボーカリストとして加入しているので、このアルバムを引っさげたツアー活動も2021年には開始していいと思う。というか、するべきだ。Lorna Shoreは今止まってはいけない重要なバンドなのだから。
アメリカ/ミネソタを拠点に活動するReflectionsの復活作。前作『The Color Clear』をeOne/Good Fight Musicから2015年にリリースしてから活動は止まってしまっていたものの、2019年末から再び動き出し、アンダーグラウンドのデスコアリスナー達が大興奮していたのは印象的だった。
アートワークやトラックのタイトルからひしひしと感じるReflectionsのダークな世界観は健在で、スウェーデンのHumanity’s Last Breathといったダークさとは違う、”アメリカン・ダークデスコア”と形容したくなるサウンドをアルバムでは淡々を繰り広げていく。The Last Ten Seconds of LifeやOceano辺りの系譜にありながら、更にENDのようなヘヴィネスを兼ね備えたこの作品は、メジャーのメタルシーンにはリーチしないものの、アンダーグラウンドではむこう数年は強い影響を与えるものになる事は間違いない。
オランダ/ロッテルダムを拠点に活動するDistantのセカンドアルバム (EPにカテゴライズされている場合もあり)。彼らがUnique Leader Recordsと契約したことにはかなり驚いたが、今ではレーベルの中でも高い人気を誇るバンドであるし、玄人向けっぽいサウンドプロダクションでありながらも、ツボはしっかりあって、バウンシー。
アメリカ/フロリダを拠点に活動するBodysnatcherの前作『Death Of Me』から3年振りとなるセカンドアルバム。リリースはStay Sick Recordings (現Modern Empire Music)からで、これを執筆している2020年12月現在、eOneへと移籍している。
この大きな移籍からも分かるように本作以降、彼らの注目度は右肩上がりであり、ハードコアからデスコア、そしてメタルコアまで幅広く評価を得ている。メタルコアやハードコアに言える事だが、年々ヘヴィさが増し、デスコアとの境界線が曖昧になってきている。Bodysnatcherもそういう意味でデスコアとは言い切れないサウンドである事は間違いないが、デスコアがデスメタル+メタルコアをブレンドしたサウンド、という事からすでに脱却していて、メタル要素がなくてもデスコアになり得るという事を証明してくれているようにも思う。2021年はeOneからおそらく何かリリースがあるはずなので、どういうサウンドを鳴らすか楽しみだ。
前作『Gravebloom』から3年振りのリリースとなったアメリカ/マサチューセッツ出身のベテランによる9枚目フルレングス。本作の前にリリースされたEP『It Comes In Waves』は、ブラックメタル/ドゥームメタルに振り切った作風でThe Acacia Strainファンからは賛否両論ありましたが、本作からの先行シングル群はしっかりとThe Acacia Strainらしさ溢れるヴァイオレントなデスメタリック・ハードコアを鳴らし、シーンの期待を膨らませた。
Rise Recordsとの契約からすでに8年が経過し、デスコア/ハードコアというジャンルのくくりからは外れ、The Acacia Strainでしかないというようなサウンドを作る事に注力してきたように思う。そんな中でも本作は、すでにベテランとして確固たる地位を確立しながらも、ハードコアのヘヴィネスを追求する姿勢には脱帽。もちろんデスコアとして聴いても素晴らしく、ソリッドなサウンドプロダクションが主流の現行シーンには感じるものがたくさん見つかる作品だ。
デンマーク/コペンハーゲンを拠点に活動するデスコアバンドCabalの前作『Mark of Rot』から2年振りとなるセカンドアルバム。引き続きLong Branch Recordsがリリースを手掛けている。
RNR TOURSで来日も手掛け、そのライブパフォーマンスはデスコア・メインストリームのレジェンド達と比べてもひけをとらないポテンシャルを感じた。ダウンテンポ・デスコアというイメージを持っているリスナーも多いと思うが、Thy Art is MurderやFit For An Autopsy周辺に近いキャッチーなグルーヴがベースになっているのでかなり聴きやすいと思う。アルバムタイトルトラックでもある「Drag Me Down」はミュージックビデオも素晴らしいので一度観て欲しい。ゲームの「Dead By Daylight」的な世界観がバンドのヴィジュアルイメージにあってますね!
イギリス/マンチェスターを拠点に活動するバンドIngestedの新作は、前作『The Level Above Human』から2年振りのリリースとなった5枚目フルレングス。ブルータルデスメタルバンドとしてではなく、ブルータルデスコアとしてIngestedを聴くのは、Unique Leader Records契約以前にSiege of Amida Recordsから聴いてたのもあるし、今のUnique Leader RecordsにいるSigns of the SwarmやDistant辺りと聴き比べているというのがある。
さて本作は、「Impending Dominance」のようなブルータルなものもあれば、「Another Breath」のようにミッドテンポでスケール感のあるデスメタリックな楽曲もあり、これまでにはないアプローチもあり聴きごたえがある。『The Architect of Extinction』あたりのアルバムが好きならやや物足りなさもあるかもしれないが、聴くたびによくなるスルメ盤なので是非聴き込んでみてほしい。
2017年にリリースされた『Halfway Human』以来、3年振りとなるWithin The Ruinsの6枚目フルレングス。アメリカ/マサチューセッツ拠点のベテランで、本作はボーカリストに新しくSilence The MessengerのSteve Tinnonが加入してからは初となるアルバムだ。
発表されてから間もないが、紛れもなく2020年のベスト・デスコアアルバムで文句なし。とにかくJoeのギターが凄まじく、微細にエディットしたDjentlyなリフワークに加えて、初期のカオティックなタッピングも若干回帰している感じがして懐かしい気持ちになった。アルバムタイトルトラック「Black Heart」はもちろん、「Deliverance」「Devil in Me」と強烈なリードトラックが目白押し。このアルバムを聴く前は、今年はデスコアの年間ベスト書かなくてもいいかなというくらいに思ってしまってたんですが、これをナンバーワンとして評価する為に気合を入れて1年を振り返ってみました。
「GOSTRAIGHT 2020」各種サブスクはこちらから!
ミュージックビデオ撮影の思い出などは聞かせてください。
YU : 場所は静岡某所。朝5時に現場入りだったから、夜中に東京を出発して、ちょっとぶらぶらしたりしつつ、撮影しました。現場に着いてからいろいろとアイデアが湧いてきて、最初なんか、刀を使ったりしたよね?笑
Yuta : うん、全部カットになったけど笑
本当ですか?笑 それはどんなシーンだったんですか?
Yuta : 撮影で使える部屋に、ひとつ和室があって、小道具として模造刀が置いてあって。ちょっとこれ使ってみようって事でいろいろ撮ったんだけど、ミュージックビデオの雰囲気に合わなくて、お蔵入り笑
そんなシーンがあったとは笑 ミュージックビデオのコンセプトは企画段階からあったと思いますが、どんな事を表現しようとしましたか?
Yuta : リアルタイムな歌詞だから、PRAISEもリアルタイムな状況で表現できる事に挑戦しようと思いました。楽曲にはギターも入ってるけど、現状ギタリスト不在というバンド体制もそのままミュージックビデオに落とし込んでいます。Aoriの存在も、DTMを使って曲を作り上げていったところを表現できるように別シーンを使って撮影しました。PRAISEの今の状況が伝わるように。
新しい部分と変わらない部分、意識したことは?
Yuta : もともと「GOSTRAIGHT」が持っていた印象もどこかで残したいと思っていて、サビはほとんど変えずに、それ以外のところを変えてみたり。
Aori : 若干、リフの部分は変えているけど、刻みのイメージは一緒だね。
YU : 間取りはそのままで、リフォームしましたみたいな!
PRAISEの歌詞世界の中心にもなっているSNSを取り巻く人の影の部分。それを「GOSTRIGHT 2020」で新しく表現したいと思ったのは何故か、歌詞を書くにあたって影響を受けた事件や出来事はありますか?
Yuta : コロナウイルスの流行があって、SNSでもこれまで気にならなかった部分が見えてしまうようになりました。これは、自分達だけの感情ではないと思っていて、普段音楽を聴かない人も、ライブハウスに遊びにくる人も、なんとなく同じだと思う。嫌でも目についてしまう、見なきゃいいのに気になってしまう事。歌詞の中にもあるけど、誰かが逮捕されたとか、当事者には分からない事なのに見えてきてしまう事。そこをテーマにして曲を書いてみたかった。
この曲を届けたいと思う人は?
Yuta : 同じように考えている人がいるだろうと思う。こうしたSNSのダークな部分に対して、そうじゃないだろって。でもそれをSNSに書くだけじゃ変わらないんじゃないかって思うから、PRAISEとして音楽という形で発信しようと。それを受け取ってもらえたら。
ファンのみなさんの反応は気になりますか?
Yuta : もちろん、でもなんか、あまりリアクションに影響を受けすぎないようにしていますが、やっぱり気になってみてしまいますね。「そうそう、それが伝えたかったんだよ」ってうれしくなる事もあるし。
YU : 「これは道徳の教材にするべきだ」って書いている人もいたね笑
YouTubeのコメント欄も見てますか?
Yuta : メンバー全員、それぞれに反応はチェックしていて、うれしいコメントもありますね。良い事ばっかり書かれている訳じゃなくて、「なんか微妙だな」って反応がある事も含めて、嬉しいというか。PRAISEとしては、そういう反応も含めて形にしていってやるぞって思ってるかな。
YU : ファンのみんながコメントしてくれるのは、本当にありがたいよね。中にはPRAISEが嫌いなのにコメントする人もいるのは事実だけど、それに対して「わざわざありがとう」って思えるくらいかも。
Yuta : そこから得られる事も多いしね、「ああ、確かにそうだよな」みたいな。今まではそういうコメントに対してイライラしていたし、SNSでのくだらないトラブルも目に付いていたけれど、最近はそういうのもなくなった。そんな事にエネルギーを使っている事がもったいないとすら、思うようになれている。ライブを観せたいともね。
PRAISEのファンの中には、ギタリスト不在のミュージックビデオをみて、これからどうなっていくんだろうと気になっている方も多いと思いますが、何か伝えられる事はありますか?
jorge : けっこう気にさせてしまっているよね……。
Yuta : ひとつ言えるのは、まだまだPRAISEは終わらないよって事。次のステップに向けて準備している事もたくさんあって、実は新メンバーも決まっているんだ。だから、期待して待っててもらえたら嬉しいな。コロナウイルスの流行によって、音楽やライブシーンから離れてしまった人も少なからずいて、今までライブにもよく遊びに来てたけど、足が遠のいている人もいると思うし。その人たちがまたライブシーンに戻ってきて、「やっぱ、PRAISEやばいな」って思ってもらえる自信がある。
YU : 音楽リスナーだけじゃなくて、この自粛期間にバンドが解散したり、メンバーが脱退したり、音楽業界からいなくなった人もいる。それが良いとか悪いとかではないけどね。
Yuta : 最近思うのが、何かを続けていく勇気とか、何かから離れて新しい事に挑戦する勇気、どちらもとても大切な事だと思うよね。僕らはPRAISEを続けて、またたくさんのファンの前でライブがしたい、前よりも大きなステージでガンガンライブしていきたい気持ちに溢れている。
新メンバーについて、言える範囲でどんな可能性があるメンバーですか?
jorge : 新しいメンバーもPRAISEにはいない個性を持ったメンバー。いろんな個性が集まるPRAISEにとって、「これも新しいTOKYO MIXTUREだ」って思ってもらえるはず。新メンバーの出身地も含めて、面白い可能性があると思ってもらえるよ。東京っていろんな場所からいろんな人が集まる場所、いろんな人がいる東京って、MIXTUREぽいよね。
Aori : そうだね、TOKYO MIXTUREとしてもっと深みが出てくる気がする。
Yuta : 元通りになる事は出来ないけど、もっとよくしていける。もう一度盛り上げようぜって、思うね。聴く人もやる人も。
【RELEASE情報】
明日12月9日(水)より「GOSTRAIGHT 2020」のサブスク配信決定!下記より各サービスでのリンクをご確認下さいhttps://t.co/Zm8KYItBLw#PRAISE#TOKYOMIXTURE#TWILIGHTRECORDS pic.twitter.com/j96CcPBKSp
— PRAISE (@PRAISE_jpn) December 8, 2020
【MEDIA情報】
「GOSTRAIGHT 2020」リリースに伴い、@riffcult にてPRAISEのインタビューを公開!今回は前編となります。
是非ご覧下さい!https://t.co/nBzlh6Xnbr— PRAISE (@PRAISE_jpn) December 9, 2020
「GOSTRAIGHT 2020」各種サブスクはこちらから!
ミュージックビデオ撮影の思い出などは聞かせてください。
YU : 場所は静岡某所。朝5時に現場入りだったから、夜中に東京を出発して、ちょっとぶらぶらしたりしつつ、撮影しました。現場に着いてからいろいろとアイデアが湧いてきて、最初なんか、刀を使ったりしたよね?笑
Yuta : うん、全部カットになったけど笑
本当ですか?笑 それはどんなシーンだったんですか?
Yuta : 撮影で使える部屋に、ひとつ和室があって、小道具として模造刀が置いてあって。ちょっとこれ使ってみようって事でいろいろ撮ったんだけど、ミュージックビデオの雰囲気に合わなくて、お蔵入り笑
そんなシーンがあったとは笑 ミュージックビデオのコンセプトは企画段階からあったと思いますが、どんな事を表現しようとしましたか?
Yuta : リアルタイムな歌詞だから、PRAISEもリアルタイムな状況で表現できる事に挑戦しようと思いました。楽曲にはギターも入ってるけど、現状ギタリスト不在というバンド体制もそのままミュージックビデオに落とし込んでいます。Aoriの存在も、DTMを使って曲を作り上げていったところを表現できるように別シーンを使って撮影しました。PRAISEの今の状況が伝わるように。
新しい部分と変わらない部分、意識したことは?
Yuta : もともと「GOSTRAIGHT」が持っていた印象もどこかで残したいと思っていて、サビはほとんど変えずに、それ以外のところを変えてみたり。
Aori : 若干、リフの部分は変えているけど、刻みのイメージは一緒だね。
YU : 間取りはそのままで、リフォームしましたみたいな!
PRAISEの歌詞世界の中心にもなっているSNSを取り巻く人の影の部分。それを「GOSTRIGHT 2020」で新しく表現したいと思ったのは何故か、歌詞を書くにあたって影響を受けた事件や出来事はありますか?
Yuta : コロナウイルスの流行があって、SNSでもこれまで気にならなかった部分が見えてしまうようになりました。これは、自分達だけの感情ではないと思っていて、普段音楽を聴かない人も、ライブハウスに遊びにくる人も、なんとなく同じだと思う。嫌でも目についてしまう、見なきゃいいのに気になってしまう事。歌詞の中にもあるけど、誰かが逮捕されたとか、当事者には分からない事なのに見えてきてしまう事。そこをテーマにして曲を書いてみたかった。
この曲を届けたいと思う人は?
Yuta : 同じように考えている人がいるだろうと思う。こうしたSNSのダークな部分に対して、そうじゃないだろって。でもそれをSNSに書くだけじゃ変わらないんじゃないかって思うから、PRAISEとして音楽という形で発信しようと。それを受け取ってもらえたら。
ファンのみなさんの反応は気になりますか?
Yuta : もちろん、でもなんか、あまりリアクションに影響を受けすぎないようにしていますが、やっぱり気になってみてしまいますね。「そうそう、それが伝えたかったんだよ」ってうれしくなる事もあるし。
YU : 「これは道徳の教材にするべきだ」って書いている人もいたね笑
YouTubeのコメント欄も見てますか?
Yuta : メンバー全員、それぞれに反応はチェックしていて、うれしいコメントもありますね。良い事ばっかり書かれている訳じゃなくて、「なんか微妙だな」って反応がある事も含めて、嬉しいというか。PRAISEとしては、そういう反応も含めて形にしていってやるぞって思ってるかな。
YU : ファンのみんながコメントしてくれるのは、本当にありがたいよね。中にはPRAISEが嫌いなのにコメントする人もいるのは事実だけど、それに対して「わざわざありがとう」って思えるくらいかも。
Yuta : そこから得られる事も多いしね、「ああ、確かにそうだよな」みたいな。今まではそういうコメントに対してイライラしていたし、SNSでのくだらないトラブルも目に付いていたけれど、最近はそういうのもなくなった。そんな事にエネルギーを使っている事がもったいないとすら、思うようになれている。ライブを観せたいともね。
PRAISEのファンの中には、ギタリスト不在のミュージックビデオをみて、これからどうなっていくんだろうと気になっている方も多いと思いますが、何か伝えられる事はありますか?
jorge : けっこう気にさせてしまっているよね……。
Yuta : ひとつ言えるのは、まだまだPRAISEは終わらないよって事。次のステップに向けて準備している事もたくさんあって、実は新メンバーも決まっているんだ。だから、期待して待っててもらえたら嬉しいな。コロナウイルスの流行によって、音楽やライブシーンから離れてしまった人も少なからずいて、今までライブにもよく遊びに来てたけど、足が遠のいている人もいると思うし。その人たちがまたライブシーンに戻ってきて、「やっぱ、PRAISEやばいな」って思ってもらえる自信がある。
YU : 音楽リスナーだけじゃなくて、この自粛期間にバンドが解散したり、メンバーが脱退したり、音楽業界からいなくなった人もいる。それが良いとか悪いとかではないけどね。
Yuta : 最近思うのが、何かを続けていく勇気とか、何かから離れて新しい事に挑戦する勇気、どちらもとても大切な事だと思うよね。僕らはPRAISEを続けて、またたくさんのファンの前でライブがしたい、前よりも大きなステージでガンガンライブしていきたい気持ちに溢れている。
新メンバーについて、言える範囲でどんな可能性があるメンバーですか?
jorge : 新しいメンバーもPRAISEにはいない個性を持ったメンバー。いろんな個性が集まるPRAISEにとって、「これも新しいTOKYO MIXTUREだ」って思ってもらえるはず。新メンバーの出身地も含めて、面白い可能性があると思ってもらえるよ。東京っていろんな場所からいろんな人が集まる場所、いろんな人がいる東京って、MIXTUREぽいよね。
Aori : そうだね、TOKYO MIXTUREとしてもっと深みが出てくる気がする。
Yuta : 元通りになる事は出来ないけど、もっとよくしていける。もう一度盛り上げようぜって、思うね。聴く人もやる人も。
【RELEASE情報】
明日12月9日(水)より「GOSTRAIGHT 2020」のサブスク配信決定!下記より各サービスでのリンクをご確認下さいhttps://t.co/Zm8KYItBLw#PRAISE#TOKYOMIXTURE#TWILIGHTRECORDS pic.twitter.com/j96CcPBKSp
— PRAISE (@PRAISE_jpn) December 8, 2020
【MEDIA情報】
「GOSTRAIGHT 2020」リリースに伴い、@riffcult にてPRAISEのインタビューを公開!今回は前編となります。
是非ご覧下さい!https://t.co/nBzlh6Xnbr— PRAISE (@PRAISE_jpn) December 9, 2020
Loathe – I Let It in and It Took Everything
前作『The Cold Sun』から3年振りのリリースとなったセカンドアルバム。2019年にはCrystal Lake主催のTrue North Festivalで来日し、RNR TOURSで日本全国をツアーし、話題をかっさらった。(残念ながらTrue North Festivalは台風の影響で中止となってしまった)
来日時、Loatheのライブを観た人なら分かると思うが、彼らの圧倒的なライブ・パフォーマンスの衝撃は凄まじかった。来日公演でも本作に収録されている楽曲のいくつかをプレイしていたが、ジャンルという枠を超えたLoatheサウンドで圧倒した。
アルバムという形で聴けば、Loatheの芸術性をじっくりと味わう事が出来るだろう。彼らのサウンドを表現する時に必ず引き合いに出されるDeftonesの存在も、正直考えなくてもいいと個人的には思う。Deftonesも今年アルバム『Ohms』をリリースし、年間ベストチャートでもよく見かけるが、DeftonesよりLoatheを聴いてくれとすら思う。そのくらい突出した存在感を持っている。
少し落ち着いて、このアルバムの楽曲群を見つめつつ、整理していこう。リードトラックとして発表された「Aggressive Evolution」によって、このアルバムは混沌としたヘヴィサウンドによって幕を開ける。この楽曲は「Gored」他、Loatheサウンドの根底にあるパワフルなスタイルを味わう事が出来る。「Two-Way Mirror」もアルバムのリードトラックに対するブレイク的な役割も担っているが、これもひとつリードトラックとして存在感を持っているから凄い。シューゲイズとメタルコアのクロスオーバー、と表現するには無理があるが、Loatheが挑戦している事は2020年代のメタルコアシーンを未来を予感させるものであり、これからフォロワーも生まれだしてくると思う。この作品については、これから数年は強い影響力を持つだろうし、Loathe自身もこのアルバムに囚われてしまうだろう。ただ、それをも超越した活動を展開していくだろうし、期待もある。今年、このアルバムに出会えてとても興奮したし、救われた部分も多かった。RNR TOURSとして彼らの再来日を手掛けたいのはもちろん、日本であればSuggestionsあたりにこの影響が及んでいると思うので、Loatheファンはチェックしてほしい。とにかく衝撃的な1枚だった。
01. Theme
02. Aggressive Evolution
03. Broken Vision Rhythm
04. Two-Way Mirror
05. 451 Days
06. New Faces In The Dark
07. Red Room
08. Screaming
09. Is It Really You?
10. Gored
11. Heavy Is The Head That Falls With The Weight Of A Thousand Thoughts
12. A Sad Cartoon
13. A Sad Cartoon (Reprise)
14. I Let It In And It Took Everything…
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Make Them Suffer – How To Survive A Funeral
前作『Worlds Apart』から3年振りのリリースとなった4枚目フルレングス。オーストラリアでは2000年代後半から頭角を現し、2012年にアルバム『Neverbloom』をRoadrunner Recordsから発表して以来、オーストラリアのメタルコアシーンを牽引し続けてきた、いわばオージー・ラウドのオリジネイターであり孤高の存在であり続けてきたMake Them Suffer。”シンフォニック・デスコア”というジャンルにとらわれる事なく制作された本作は、数十年のキャリアを経て、新しいMake Them Sufferサウンドを世界に打ち出した挑戦作と言える。
Make Them Sufferの魅力といえば、クリーンボーカル/キーボードを兼任するBooka Nileの存在だろう。本作は彼女のキーボードによるオーケストレーション的アレンジがサウンドに奥行きを持たせ、サウンドの核となっている事は言うまでもない。リードトラック「Erase Me」でもその存在感は抜群で、ブラストビートを挟みつつグルーヴィでエモーショナルなメタルコア・トラックをMake Them Suffer的に仕立ててくれている。
アルバムタイトルの『How To Survive A Funeral』も今のMake Them Sufferが表現するサウンドや世界観、ヴィジュアルイメージにマッチしている。このタイミングでワールドツアーをしていたら、間違いなく世界中のメタルコアシーンに与える影響は凄まじかっただろう。今後もオーストラリアのメタルシーンを牽引していくであろう存在感を見せつけた力強い1枚。
Step One
Falling Ashes
Bones
Drown With Me
Erase Me
Soul Decay
Fake Your Own Death
How To Survive A Funeral
The Attendant
That’s Just Life
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Breakdowns At Tiffany’s – Eternal Lords
前作『Gravity』から3年振りのリリースとなる3枚目フルレングス。メタルの土壌がしっかりとしたドイツの地で、レーベルに所属せずに活動を続ける彼ら。世界中にはそうした選択を取りながらもメジャーフィールドに負けない人気を持つバンドもたくさんいて、彼らも世界中に強力なファンベースを持つバンドのひとつと言えるだろう。
サウンドプロダクションに関しては、D.I.Y.メタルコアのスタンダードとも言えるレベルであるが、やはりソングライティングにおいて抜群のセンスを持っているように感じる。イントロ開けのオープニングトラック「Collapse」は、2010年代中期を思わせるメランコリックなメロディとの相性が良い激情系メタルコア・グルーヴがたまらない1曲で、続く「Animals」も同じく素晴らしい。2000年代後半からポストハードコア〜メタルコアまで追いかけているリスナーにはBreakdowns At Tiffany’sは2020年においてとても貴重な存在なのかもしれない。お世辞抜きで今年かなり聴いたし、需要があれば来日に向けて動きたいなと思う。
Thrones
Collapse
Animals
Tremors
Cold Sweat
Two Thousand Fears
Messenger
Into The Abyss
Eternal Lords
8643
Domestic Horrors
A Serpent’s Tongue
Unraveled
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Alpha Wolf – A Quiet Place to Die
前作『Mono』から3年振りのリリースとなるセカンドアルバム。SharpTone Recordsとの契約後 (オーストラリアではGreyscale Recordsに所属のまま)、EP『Fault』を発表し、華々しくワールドワイド・デビューを飾った彼ら。RNR TOURSでの来日公演も大成功に収め、今メタルコア、特にニューメタルとクロスオーバーするニューメタルコアと呼ばれるサウンドの中ではトップをひた走る存在であると言えるでしょう。
ローの効いたリフを鋭く刻みながら、ニューメタル譲りのエレクトロニックなアレンジでシリアスな雰囲気を醸し出すのが彼らの持ち味。本作も冒頭「A Quiet Place to Die」もAlpha Wolfらしさに溢れており、続く「Creep」やミュージックビデオにもなっているリードトラック「Akudama」もこれまでAlpha Wolfが追い求めてきたスタイルの最高傑作であるように感じる。
後半に向かうにつれ、EP『Fault」にはなかったAlpha Wolfの叙情性を押し出した楽曲が増えて行く。先行シングル「bleed 4 u」を始め、「Restricted (+18)」、そしてエンディングトラック「don’t ask…」は、ArchitectsやCrystal Lake、The Ghost Insideを彷彿とさせるフレージングも多く、新しいAlpha Wolfの魅力が垣間見る事が出来るだろう。これまでの集大成であり、これからのAlpha Wolfの方向性を予感させるような作品になっており、ファンにはたまらない仕上がりと言えるだろう。
01. A Quiet Place to Die
02. Creep
03. Golden Fate; Isolate
04. Akudama
05. Acid Romance
06. Rot in Pieces
07. Bleed 4 You
08. Ultra-Violet Violence
09. The Mind Bends to a Will of Its Own
10. Restricted (R18+)
11. Don’t Ask…
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August Burns Red – Guardians
前作『Phantom Anthem』から3年振りのリリースとなった9枚目フルレングス。同じくFearless Recordsからのリリースで、プロデューサーにもCarson SlovakとGrant McFarlandを起用している。
毎日のように世界中から新しいバンドが登場し、まるで戦場のように新しいサウンドが誕生していながら、August Burns Redは長年安定したメンバーラインナップで、コンスタントにアルバムを作り続けている。それは2020年世界を襲ったパンデミックでも変わらなかった。変わり続けていく中で、ジャンルでは形容できないサウンドを作り上げていくことは、例えばBring Me The Horizonが顕著であると思うが、シーンのトップを行くバンドの典例だ。しかしAugust Burns Redはメタルコアというサウンドのスタンダードを鳴らし続け、大きくスタイルチェンジする事もなく、今もファンベースを拡大し続けている。長年のファンや彼らに憧れるミュージシャンの多くがAugust Burns Redの変わらない魅力に魅了されている事は間違いない。
サウンドに大きな変化はない、と前述したが数曲からはAugust Burns Redにしては新鮮なアプローチを感じた楽曲があった。ミュージックビデオにもなっている「Bones」は、クリスピーなカッティング・グルーヴをさらりと隠し味のように組み込んでいる。迫力のあるミッドテンポなメタルコア・バラード「Lighthouse」はクリーン・ボーカルが楽曲の軸となるナンバー。
もちろん、長年彼らのファンであれば、先行公開されたミュージックビデオ「Defender」にやられたであろう。ベテランにしか鳴らせない至極のメタルコア・ナンバーが詰め込まれた素晴らしい作品。
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Trivium – What The Dead Men Say
前作『The Sin and the Sentence』から3年振りのリリースとなったTriviumの9枚目フルレングスは、これまでと同じRoadrunner Recordsから発売された。1999年のデビュー以来、オーバーグラウンド・メタルシーンを牽引し続けてきた彼ら。個人的にはやはりリアルタイムで衝撃を受けたアルバム『将軍 (Shogun)』のイメージのままであったが、以降もリリースがあればチェックしてきた。
前作から加入したドラマーAlex Bentはテクニカルデスメタル・シーン出身という事もあり、Triviumサウンドが大きく変化したのは言うまでもない。ArkaikやBrain Drillといったテクニカルデスメタルの中でもより高度なテクニックを必要とするバンドに在籍したのだから、その腕は間違いないと言える。
ほとんどの楽曲がミュージックビデオになっているが、特に良いのがアルバムタイトルトラック「What The Dead Men Say」。数万人規模のスタジアムで鳴らされるようなメタルでありながらも、しっかり聴くとデスメタリックであり、オールドスクールなメタルコアだ。As I Lay Dyingを彷彿とさせる「The Defiant」など、幅広いメタルリスナーが楽しめるアルバムであり、コアなメタルリスナーも満足感が得られる1枚であると思う。
1. IX
2. What the Dead Men Say
3. Catastrophist
4. Amongst the Shadows and the Stones
5. Bleed into Me
6. The Defiant
7. Sickness unto You
8. Scattering the Ashes
9. Bending the Arc to Fear
10. The Ones We Left Behind
https://www.facebook.com/Trivium
https://instagram.com/triviumband
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http://www.trivium.org/
Currents – The Way It Ends
2017年にリリースしたアルバム『The Place I Feel Safest』から3年振りのリリースとなったセカンドアルバム。ギタリストにRyan Castaldiが加入、5人体制となってから初の作品となる。
Currentsのイメージといえば、やはりメロディックハードコア譲りの切ないメロディーワークだろう。個人的には今もメロディックハードコアバンドとしての印象があるが、SharpTone Recordsと契約後の彼らからフォローしているリスナーからすれば、新時代のメロディック・メタルコア、みたいな印象をもっているかもしれない。
本作のリードトラック「A Flag To Wave」は現在のCurrentsのポテンシャルを100%発揮した楽曲で、ブラストビートを交えながらタイトに叩き込むJeffのドラミング、プログレッシヴなエレメンツも飲み込みながらもセンチメンタルなフレージングを多用するギターサウンド、そして何と言ってもメロディック・シャウトからクリーンまでこなすBrianのボーカルが素晴らしい。
驚いたのはデスコアにも匹敵するようなヘヴィネスとメロディが共存する「Poverty of Self」だ。重厚なヘヴィネスもメロディックハードコアの叙情性も、すべてメタルコアのフィルターを通して表現できているところにセンスを感じる。Crystal Lakeが好きなら間違い無くハマると思う。
1 Never There
2 A Flag To Wave
3 Poverty Of Self
4 Monsters
5 Kill The Ache
6 Let Me Leave
7 Origin
8 Split
9 Second Skin
10 How I Fall Apart
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Kingdom of Giants – Passenger
今年結成10年目を迎えたカリフォルニア出身Kingdom of Giantsの、2017年にリリースしたアルバム『All The Hell You’ve Got To Spare』から3年振りのリリースとなった4枚目フルレングス。2014年から在籍したInVogue Recordsを離れ、新たにSharpTone Recordsと契約している。
過去にもキーボーディストが在籍していた記憶があるが、本作から6人体制となり、新たにJulian Perezが加入している (その他にもメンバーチェンジあったと思います)。その影響はしっかりサウンドにも表れており、ミュージックビデオにもなっている「Night Shift」は現在のKingdom of Giantsを象徴するような楽曲と言える。Architectsを彷彿とさせるメタルコアをベースに、鋭くヘヴィなリフワークとJohnnyとDanaのクリーン/シャウトのコントラスト、そしてビデオのヴィジュアルイメージを上手く表現したかのようなネオンライトとの親和性ばっちりなシンセフレーズもハイセンス。続く「Sync」や「Wayfinder」も新しいKingdom of Giantsの魅力が感じられる良曲だ。語弊を恐れずに言えば、ゴリゴリなBring Me The Horizon。文句なしでKingdom of Giants史上最高傑作!
https://www.facebook.com/kingdomofgiants
https://twitter.com/kingdomofgiants