オーストラリア・アデレードを拠点とするメタルコア・バンド Make Them Suffer が、米オハイオ州シンシナティでの公演中に、キーボーディスト/ヴォーカリスト Alex Reade がステージを途中退場したと発表した。今回のツアーは Fit For a King、 Spite、 156 /Silence との北米巡演中であった。
日本のメタルコアを牽引する存在として、2023年も精力的な活動でファンを楽しませてくれたSailing Before The WindとSable Hills。彼らがキュレーションするメタルコア・イベント「ONE BULLET LEFT」の開催を記念し、RIFF CULTでは、両バンドのメンバーに2023年の年間ベスト・アルバム、そして楽曲をピックアップしていただきました。
In Flames 『Foregone』
Spiritbox 『The Fear of Fear』
Hollow Front 『The Fear Of Letting Go』
Sylosis 『A Sign of Things to Come』
Currents 『The Death We Seek』
初めて聴いた作品は『Colony』(1999)で、当時はメタルコアという言葉も知らない時期だったし、彼らはメロディック・デス・メタルというイメージでした。そこから他のアルバムも掘ったりしていく内に『Reroute To Remain』(2002)と出会い、その概念も覆されました。彼らをジャンル分けするのは不可能だとは思いつつも、この作品が後続のメタルコア・バンドに与えた影響は計り知れないものだし、メロデスをルーツに持ったメタルコア」という一つのスタイルを確立した金字塔となったと言えます。
そんな音楽性の定義不可能な彼らが、自身の肉体がそう長くないと知りながらも、紆余曲折の末にリリースした『Foregone』が原点回帰を感じる一枚だったことは、複雑化しすぎたメタルシーンに一石を投じる様な、確かにそこにある漢気に感動させられました。Tr.3 Meet Your MakerやTr.2 State of Slow Decayを聴けば、私の言っている事が理解してもらえると思います。
比較的ヤングなバンドで自分好みのスタイルのメタルコアに久々に出会えて滾りました。ボーカルがスクリームとクリーン両刀使いなのですが、どちらも最高レベルで上手いしめちゃめちゃ歌が前に出てきます。『Will I Run?』のサビはリードギターと相まってエモーショナル極めてるので、メタルコアクリーンパート好きな全人類必聴です。レコメンドはLANDMARKS と Our Hollow, Our Home です。
Architectsを脱退してまでメタル貫こうとした漢が作る楽曲なんてもう良いに決まってますから、あとは自分の耳に合うかどうかだと思います。実際耳の肥えた玄人向けの楽曲ではありますので。「Crystal Lake Ankh Japan Winter Tour 2023」に参加していた時に、移動中このアルバムを聴いてましたが、「俺もずっとメタル貫こう」と思わされざるを得ませんでしたね。
最近、映画やゲーム業界ではリバイバルの波がきていますが、音楽シーンにも徐々にそれが近付いてると感じていて。その中でもBleeding Throughというバンドが20年経った今この楽曲を再録したという事実だけでご飯何杯でもいけます。音質がめちゃくちゃ聴きやすく、こもった感じが無くなりました。Texas In JulyやIt Dies Todayが復活して新曲をリリースしたりしてるのも、その流れがきてるなと感じざるを得ません。
そんな昔のリバイバルが大好きな私ですが、Make Them Sufferの新曲はモダンでもヘッドバンギング不可避でした。ヘヴィすぎます。
前作『Worlds Apart』から3年振りのリリースとなった4枚目フルレングス。オーストラリアでは2000年代後半から頭角を現し、2012年にアルバム『Neverbloom』をRoadrunner Recordsから発表して以来、オーストラリアのメタルコアシーンを牽引し続けてきた、いわばオージー・ラウドのオリジネイターであり孤高の存在であり続けてきたMake Them Suffer。”シンフォニック・デスコア”というジャンルにとらわれる事なく制作された本作は、数十年のキャリアを経て、新しいMake Them Sufferサウンドを世界に打ち出した挑戦作と言える。
Make Them Sufferの魅力といえば、クリーンボーカル/キーボードを兼任するBooka Nileの存在だろう。本作は彼女のキーボードによるオーケストレーション的アレンジがサウンドに奥行きを持たせ、サウンドの核となっている事は言うまでもない。リードトラック「Erase Me」でもその存在感は抜群で、ブラストビートを挟みつつグルーヴィでエモーショナルなメタルコア・トラックをMake Them Suffer的に仕立ててくれている。
アルバムタイトルの『How To Survive A Funeral』も今のMake Them Sufferが表現するサウンドや世界観、ヴィジュアルイメージにマッチしている。このタイミングでワールドツアーをしていたら、間違いなく世界中のメタルコアシーンに与える影響は凄まじかっただろう。今後もオーストラリアのメタルシーンを牽引していくであろう存在感を見せつけた力強い1枚。
Step One
Falling Ashes
Bones
Drown With Me
Erase Me
Soul Decay
Fake Your Own Death
How To Survive A Funeral
The Attendant
That’s Just Life