【年間ベスト】ONE BULLET LEFT開催記念企画 : Wataru (Sable Hills)’s Best Albums & Songs of 2023


 
日本のメタルコアを牽引する存在として、2023年も精力的な活動でファンを楽しませてくれたSailing Before The WindとSable Hills。彼らがキュレーションするイベント「ONE BULLET LEFT」の開催を記念し、RIFF CULTでは、両バンドのメンバーに2023年の年間ベスト・アルバム、そして楽曲をピックアップしていただきました。
 
シーンの最先端にいるミュージシャンは、どのようなメタルを聴いていたのでしょうか。リストをチェックすれば、彼らの驚くべき音楽への探究心に驚くだけではなく、新しいお気に入りが見つかるかもしれません。
 
2024年1月28日 (日曜日) 東京・渋谷 club asiaで行われる「ONE BULLET LEFT」は、日本のメタルコアの現在地を体感できるイベントになるはずだ。これらのリストをチェックして、より深くイベントを楽しみましょう。
 

 
▶︎Sable Hills x Sailing Before The Wind presents “ONE BULLET LEFT”
 
開催日時 : 2024年1月28日 (日曜日)
場所 : 東京・渋谷 club asia
OPEN/START : 14:00/14:30
TICKET : 3,800yen (+1D) / DOOR : 4,800yen (+1D) / 20歳以下 : 2,000yen (+1D – *枚数限定)
 
チケットはこちらから : https://eplus.jp/sf/detail/4003190001


▶︎WATARU : BEST ALBUMS OF 2023

For the Fallen Dreams 『For the Fallen Dreams』
Hollow Front 『The Fear Of Letting Go』
Gideon 『MORE POWER. MORE PAIN.』
Wolves At The Gate 『Lost In Translation』
Bury Tomorrow 『The Seventh Sun』
 
▶︎For the Fallen Dreams 『For the Fallen Dreams』
 

Stream & Download : https://arisingempire.com/forthefallendreams
Official Site : https://www.forthefallendreams.com/
 
For the Fallen Dreamsは大きな変化を遂げ、セルフ・タイトル作でカムバックしましたね。WataruさんはこれまでのFor the Fallen Dreamsもフォローしてきていると思いますが、彼らのようなベテラン・バンドが、スタイルチェンジしながら進化していることを一人のミュージシャンとしてどのように見ていますか?またこのアルバムの素晴らしいポイントはどこだと思いますか?
 
バンドメンバーそれぞれの意志を感じて素晴らしいと思います。全くスタイルを変えないアーティストも多く居ますが、それも美しいスタイルだと思っています。まずアルバムタイトル名から熱量が伝わってきますね。”For The Fallen Dreams/For The Fallen Dreams”。かつてのモダンさを残しつつ、最新の音楽性を取り入れていて、よりキャッチーに感じ取れると思います。特にTr.8の”No Heaven”が痺れました。
 

 
▶︎Hollow Front 『The Fear Of Letting Go』
 

Stream & Download : https://hollowfront.lnk.to/TFOLG
Official Site : https://unfdcentral.com/artists/hollow-front/
 
Hollow Frontは常に時代の先をいくサウンド・プロダクションで耳の早いメタルコア・リスナーを魅了し続けてきていますよね。ギタリストであるWataruさんがこのアルバムを「ギタリスト目線」で聴いたとき、驚くべきような楽曲、またはフレーズはありましたか?
 
Tr.7の”Breaking Teeth”ですね。かなり衝撃を受けました。始まりから分かりやすい縦ノリの漢リフ、1:29からのパートが特に良かったです。
 

 
▶︎Gideon 『MORE POWER. MORE PAIN.』


Stream & Download : https://gideon.lnk.to/MOREPOWERMOREPAIN
Official Site : https://gideonal.com/
 
Gideonをフェイバリットに挙げる日本のメタルコア・ミュージシャンは多いと思います。特に『MORE POWER. MORE PAIN.』は過去最高傑作と名高いアルバムですが、このアルバムはどんなところが特筆すべき良さだと思いますか?
 
タイトル名の直球感に、彼等のプライドを感じます。Gideonの様なジャンルだからこそ出来る真っ向勝負。このアルバムで彼等の魂からの叫びを感じ取れました。
 

 
▶︎Wolves At The Gate 『Lost In Translation』
 

Stream & Download : https://watg.ffm.to/lostintranslation
Official Site : https://www.wolvesatthegate.com/
 
近年のWolves At The Gateの創作意欲は凄まじく、また多くのミュージシャンからの評価が高いバンドであると思います。日本ではまだその実力が浸透していないようなバンドですが、WataruさんにとってWolves At The Gate最大の魅力はなんだと思いますか?またアルバムの中でお気に入りの曲はありますか?
 
やはりボーカルの圧ですね。太い声質のままハイトーンのメロディを歌い上げる技術を彼は持っていますね。
Tr.6 “Stupid Deep”がお気に入りの曲です。
 

 
▶︎Bury Tomorrow 『The Seventh Sun』


Stream & Download : https://BuryTomorrow.lnk.to/p2FxDc8M
Official Site : https://www.bury-tomorrow.com/
 
Bury TomorrowとSable Hillsは非常に親和性が高いと感じます。メタルコアという音楽の中でもBury Tomorrowは特に長年のキャリアと実力があるバンドだと思いますが、ベテランならでは凄みを感じるアルバム収録曲は何ですか?またBury Tomorrowの本作に限らず、好きな曲やアルバムはありますか?
 
ありがとうございます。本作ではリード曲であるTr.1 “The Seventh Sun”ですね。曲に長年のプライドと貫禄を感じます。過去作では2012年リリースの”The Union of Crowns”の”An Honourable Reign”です。メンバーは変わってますが、渋さを感じるメロディが刺さりました。
 

 

▶︎WATARU : BEST SONGS OF 2023

▶︎Within Temptation 「Wireless」

▶︎Polaris「Fault Line」

▶︎Texas In July「False Divinty」

▶︎Woe,Is Me「Ghost」

▶︎Breakdown of Sanity「Collapse」

Woe, Is MeやBreakdown of Sanityといったメタルコア・ファンにとって耳馴染みのあるバンドからPolaris、Texas in Julyといったトップ・シーンのバンドの新曲がリストインする中、Within Temptationの「Wireless」が入っているのは面白いと感じました。楽曲単体、またはバンドについてでも構いませんので、それぞれの楽曲について感想を聞かせてください。
 
Polarisの「Fault Line」とTexas In Julyの「False Divinty」はライブ前日と当日に必ず聴く曲です。闘志に火をつけてくれます。Woe,Is Meの「Ghost」は、何かの帰り道に必ず聴きます。この曲を初めて聴いたのが、道中の夕方でした。lyricからもどこか寂しさを感じました。Breakdown of Sanityの「Collapse」も闘争心を燃やしてくれます。BoSのリフとビート感、ボーカルワークはかなり中毒性が高く、聴き狂ってしまいます。過去作と比べても本作は気に入っています。Within Temptationの「Wireless」は、女性ボーカルのメタルバンドの中でも1番刺さりました。男性では出せない声質のオーラ、感無量です。僕自身、クリーンボーカルのメロディが映える曲が好きなので、この曲はど真ん中を突いてきましたね。出来る事ならこんな美しい声が僕にも欲しいです笑
 

▶︎Wataru : Social

https://x.com/wataruyuasa
https://www.instagram.com/wataru_yuasa/
 

【年間ベスト】ONE BULLET LEFT開催記念企画 : Hiroki (Sailing Before The Wind)’s Best Albums & Songs of 2023


 
日本のメタルコアを牽引する存在として、2023年も精力的な活動でファンを楽しませてくれたSailing Before The WindとSable Hills。彼らがキュレーションするメタルコア・イベント「ONE BULLET LEFT」の開催を記念し、RIFF CULTでは、両バンドのメンバーに2023年の年間ベスト・アルバム、そして楽曲をピックアップしていただきました。
 
シーンの最先端にいるミュージシャンは、どのようなメタルを聴いていたのでしょうか。リストをチェックすれば、彼らの驚くべき音楽への探究心に驚くだけではなく、新しいお気に入りが見つかるかもしれません。
 
2024年1月28日 (日曜日) 東京・渋谷 club asiaで行われる「ONE BULLET LEFT」は、日本のメタルコアの現在地を体感できるイベントになるはずだ。これらのリストをチェックして、より深くイベントを楽しみましょう。
 

 
▶︎Sable Hills x Sailing Before The Wind “ONE BULLET LEFT”
 
開催日時 : 2024年1月28日 (日曜日)
場所 : 東京・渋谷 club asia
OPEN/START : 14:00/14:30
TICKET : 3,800yen (+1D) / DOOR : 4,800yen (+1D) / 20歳以下 : 2,000yen (+1D – *枚数限定)
 
チケットはこちらから : https://eplus.jp/sf/detail/4003190001


▶︎HIROKI : BEST ALBUMS OF 2023

August Burns Red 『Death Below』
Veil of maya 『[m]other』
Beartooth 『The Surface』
Currents 『The Death We Seek』
Gideon 『MORE POWER. MORE PAIN.』

▶︎August Burns Red 『Death Below』


 
Stream & Download : https://found.ee/DeathBelow
Official Site : https://augustburnsred.com/
 
August Burns Redの『Death Below』はRyoichiさんもピックアップしていました。August Burns Redと言えば、ドラマーMatt Greinerはメタル・ドラミングに対するストイックな姿勢が有名で、それはそのサウンドが証明しています。ドラマーとしてAugust Burns Redのドラム・サウンドはどのように感じますか?また、おすすめの楽曲などあれば教えて下さい。
 
自分はドラムを始めた当初からMatt Greinerのドラムはチェックしていて、プレイスタイルは自身とは全く違うんですけど、彼の正確なドラミングやアクセントの置き方、シンバルワークなど少なからず影響を受け自身のドラムに消化していった部分はあります。
 
彼の叩くドラムには一音一音叩くフレーズの拘りをとても感じます。特にフレーズ内でのシンバルワークがかなり特徴的かなとは思います。自分が高校生の時にドラムのフレーズが面白いなと感じた曲は『Massengers』の「Up Against the Ropes」です。

 

▶︎Veil of maya 『[m]other』


 
Stream & Download : https://sumerian.lnk.to/Mother
Official Site : https://www.instagram.com/veilofmayaofficial
 
Veil of Mayaの『[m]other』はKosukeさんもピックアップしており、複雑なギターリフの支える地を這うようなドラミングも印象的な作品だと感じます。Hirokiさんのドラムセット、特にシンバルは非常にシンプルなセッティングですが、彼らは非常に複雑なシンバルワークを得意としています (最近はそこまで目立ちませんが)。今後、Sailing Before The Windのサウンドをクリエイトしていくにあたり、この作品にあるような複雑なシンバルワークを取り入れたいいうような考えはありますか?また、ドラマー目線でこのアルバムの優れた点があれば教えて下さい。
 
SBTWでも必要に応じてシンバルは増やしていきたい考えはあります。多種多様なシンバルワークは曲の彩りを作って行くのに重要なピースだと考えてます。このアルバムにもドラマーだからこそ気づく緻密なシンバルワークやフィルなどのフレーズセンスが随所に感じられる作品だと思います。

 

▶︎Beartooth 『The Surface』


 
Stream & Download : https://beartooth.ffm.to/surface
Official Site : http://beartoothband.com
 
Beartoothの『The Surface』はメタルコアという出発点からメインストリームへとステージを変えていくBeartoothにとって非常に分岐点にリリースされたアルバムで、非常にダイナミックでフックの効いた作品に仕上がっています。ドラムに関して言えば、スピードやテクニックというところから距離を置いてシンプルなものになっていると思いますが、シンプルなドラミングだからこそ強調できるメタルコアの魅力は何だと思いますか?
 
自分も近年のBeartoothの作品はよりメインストリームでのライブを想定した曲作りになっているなと感じてます。
 
複雑なドラム(特にメタルコア)は作品をよりテクニカルで聞き応えがあるものに変える反面、複雑すぎると大きい会場などではそのフレーズを100%伝える事は難しいと思います。Beartoothの『The Surface』はシンプルなドラムですが、一音一音のドラムパワー感や強調したいパートをシンプルにする事によってより曲のアクセントが強調されるように作られていて、メタルコアの音楽でもかなり聴きやすく規模の大きい会場でも自身たちの曲を100%伝える事が出来る作品と考えてます。

 

▶︎Currents 『The Death We Seek』


 
Stream & Download : https://bfan.link/remember-me-2
Official Site : https://currentsofficial.com/
 
Currentsの『The Death We Seek』はSailing Before The Wind、Sable Hillsのメンバーの多くがピックアップしています。そしてそれは世界中のメタルコア・シーンにおいても同じで、多くのメタル・メディアがこのアルバムについて様々な意見をポストしています。ドラミングやサウンド・プロダクションといった細かいところももちろんお聞きしたいですが、単純にこのアルバムの凄さって何だと思いますか?
 
2023年リリースされたアルバムの中でもかなり完成度の高いメタルコアをしている印象です。トレンドもしっかり抑えつつCurrentsの”らしさ”も感じられる作品だと感じます。ドラミングもGtやVoの邪魔をしない且つここぞという時のドラムもも最も合うドラムフレーズが採用されていてドラムにもこの作品の完成度を上げる要素が随所に散りばめられてると思います。

 

▶︎Gideon 『MORE POWER. MORE PAIN.』


 
Stream & Download : https://gideon.lnk.to/MOREPOWERMOREPAIN
Official Site : https://gideonal.com/
 
Gideonの『MORE POWER. MORE PAIN.』はSable HillsのドラマーKeitaさんもピックアップしていました。ハードコア/メタルコア、加えてタイトルトラックに関してはハードロック的なシンプルなビートも面白いところなのですが、ドラマーを惹きつける魅力はどんなところにあると思いますか?
 
Gideonのドラムの1番の魅力はシンプルなビートでも感じられる圧倒的なグルーヴ感です。タイトルトラックに関してもハードロック調のドラミングですがGideonが待ってるグルーヴィさを全面に引き出せている曲だと思います。
 

▶︎HIROKI : BEST SONGS OF 2023

▶︎Darko US 「Rampage」

 

▶︎The Ghost Inside 「Death Grip」

 

▶︎Malevolence 「Left Outside Alone」

 

▶︎After The Burial 「Death Keeps Us From Living」

 

▶︎BABY METAL 「Mirror Mirror」

想像していた以上にヘヴィなリストで驚いたと共に、BABY METALの「Mirror Mirror」はグローバル・スタンダードなプログレッシヴ・デスメタル/メタルコアとの親和性があり、大きな話題となりました。このリストについて全体の雑感について語って下さい。
 
自身がドラムのフレーズに惹かれた曲を選出しました。
 
Darko USは好きなドラマーの1人である現EMMUREのJosh Millerが参加していることもあり今回の作品も彼の持っているグルーヴィでテクニカルなフレージングがかなりフィットしているのを感じます。またBABY METALもアイドルという肩書きながら他に追随しない独自のメタルのスタンダードを貫いていて、『Mirror Mirror』もバックミュージックのメタルコアに日本らしさのあるメロディラインが乗せられていてこれこそBABY METALと言う音楽性に惹かれ今回選出しました。
 

▶︎HIROKI : Social

https://twitter.com/hiroki_dr_
https://www.instagram.com/cgatehiroki/
 

【年間ベスト】ONE BULLET LEFT開催記念企画 : Liku (Sailing Before The Wind)’s Best Albums & Songs of 2023


 
日本のメタルコアを牽引する存在として、2023年も精力的な活動でファンを楽しませてくれたSailing Before The WindとSable Hills。彼らがキュレーションするメタルコア・イベント「ONE BULLET LEFT」の開催を記念し、RIFF CULTでは、両バンドのメンバーに2023年の年間ベスト・アルバム、そして楽曲をピックアップしていただきました。
 
シーンの最先端にいるミュージシャンは、どのようなメタルを聴いていたのでしょうか。リストをチェックすれば、彼らの驚くべき音楽への探究心に驚くだけではなく、新しいお気に入りが見つかるかもしれません。
 
2024年1月28日 (日曜日) 東京・渋谷 club asiaで行われる「ONE BULLET LEFT」は、日本のメタルコアの現在地を体感できるイベントになるはずだ。これらのリストをチェックして、より深くイベントを楽しみましょう。
 

 
▶︎Sable Hills x Sailing Before The Wind “ONE BULLET LEFT”
 
開催日時 : 2024年1月28日 (日曜日)
場所 : 東京・渋谷 club asia
OPEN/START : 14:00/14:30
TICKET : 3,800yen (+1D) / DOOR : 4,800yen (+1D) / 20歳以下 : 2,000yen (+1D – *枚数限定)
 
チケットはこちらから : https://eplus.jp/sf/detail/4003190001


▶︎LIKU : BEST ALBUMS OF 2023

Invent Animate 『Heavener』
nothing,nowhere. 『VOID ETERNAL』
Void Of Vision 『CHRONICLES』
Hopes Die Last 『Once and for all』
Silent Planet 『SUPERBLOOM』
 
▶︎Invent Animate 『Heavener』


 
Stream & Download : https://inventanimate.komi.io
Official Site : https://www.instagram.com/invent_animate/
 
Invent Animateは現代メタルコア・シーンの中でも特にコアなリスナーを常に驚かせてくれる存在として地位を確立しています。そして『Heavener』はこれまでInvent Animateが追求してきたものをダイナミックに表現することに成功した、名作だと思います。Likuさんはこのアルバムの中で好きな曲はありますか?また、Invent Animateの魅力についてSailing Before The Windのファンの皆さんに教えていただけると嬉しいです。
 
特に好きな曲は”Shade Astray”です、あのブレイクダウンを初めて聴いた時は喰らいすぎましたね。メロもキャッチーですし、正にこのアルバムを象徴する曲だと思います。Invent Animateの魅力は聴いていると宇宙空間にいるかと錯覚してしまうような浮遊感と壮大感。それとギターフレーズの完成度の高さだと思います、本当に全曲の全セクションギターがかっこいい。

 

▶︎nothing,nowhere. 『VOID ETERNAL』


 
Stream & Download : https://nothingnowhere.lnk.to/VOIDETERNAL
Official Site : https://www.instagram.com/nothingnowhere/
 
nothing,nowhere.がリストインしているのは驚きでした。エモラップを出発し、エモ・リヴァイバルの先頭に立つnothing,nowhere.ですが、このアルバムを選んだ理由があれば教えて下さい。また多くのコラボレーターとの共作が収録されていますが、お気に入りの楽曲はありますか?
 
このアルバムを選んだ理由は楽曲のバリエーションの多さです。正直30分越えのアルバムを聴いていると途中で飽きてスキップしながら聞いたり、6曲目ぐらいで辞めてあとの曲は次の日に聴いたりするんですけど…このアルバムは通しでノンストップで聴きましたね。飽きずに聴ける事ってアルバムという作品においてとても大事だと思っています。
 
“TRAG3DY(feat. WILL RAMOS)”がお気に入りです、フィーチャリングパートがきた途端に厳つすぎて最高です。

 

▶︎Void Of Vision 『CHRONICLES』


 
Stream & Download : https://www.angelofdarkness.co/
Official Site : https://www.instagram.com/voidofvision/
 
Void Of Visionは既にメタルコアという言葉では表現することのできない領域へと足を踏み入れ、誰にも真似できないスタイルを『CHRONICLES』で完全に確立しました。ミュージシャンとして、このアルバムの全体的な魅力について教えていただきたいのと、ギタリストとしてこのアプローチの仕方には驚いたなどというフレーズがありましたら、教えて下さい。
 
メタルコア× エレクトロニックというクロスオーバーの一つの完成形がこのアルバムにあたると思っています。ギターに関しては静と動のバランスが絶妙で、所謂メタルコア的なセクションではしっかりとリフで押し出して、それ以外のセクションではバックで土台を支える事に徹してる。これって意外に難しい部分なんですよね。

 

▶︎Hopes Die Last 『Once and for all』
 

 
Stream & Download : https://spoti.fi/41Sjt9O
Official Site : https://www.instagram.com/hopesdielastofficial
 
Hopes Die Lastは日本でも多くのファンを持つベテラン・メタルコア/ポスト・ハードコア・バンドです。彼らの復活は世界中で話題になりましたし、ソーシャル・メディアでは来日を望む声も多く聞こえてきました。そのスタイルは決して最先端のものではないですが、非常に完成度の高いアルバムだと思います。Likuさんはいつ頃からメタルコアを聴いていましたか?Hopes Die Lastを聴き始めた頃の思い出や、今回のバンド復活について何か思うことがあれば教えて下さい。
 
メタルコアを聴き始めたのは17歳の時です。高校の軽音部でバンドをやっていてその時の顧問にDream TheaterやEPICAを聞かされて、そこからヘヴィミュージックを色々ディグってメタルコアに辿り着きました。最初は日本のメタルコアバンドを聴いていて徐々に海外のバンドを聴くようになってましたね、Hopes Die Lastを知った時もその頃でした。
 
一度活動が止まったバンドがまた息を吹き返すのって本当に奇跡的な事だと思うので(しかも最高の新譜を引っ提げて)ただひたすらに嬉しかったですね。

 

▶︎Silent Planet 『SUPERBLOOM』


 
Official Site, Stream & Download : https://silentplanet.ffm.to/superbloom
 
Silent PlanetはInvent Animateなどと共に、メタルコアが持つ可能性を拡大しているクリエイティヴなバンドとしてミュージシャンからの評価が非常に高いバンドだと思います。本作のサウンド・プロダクションもメタルコアという言葉だけでは表現できない多様性に富んでいますが、このアルバムの良さについて思うことがあれば教えて下さい。
 
Silent Planet節を爆発させつつもしっかりと新しい要素を入れた、正しく正統進化なアルバムになっていると思います。最後の2曲のドラマチックな展開も聴きどころです。
 

▶︎LIKU : BEST SONGS OF 2023

▶︎The Plot In You「Left Behind」

▶︎Hollow Front「Letting Go」

▶︎Soulkeeper「Holy Design」

▶︎Miss Fortune「Black Pixie(On The Edge)」

▶︎Falling In Reverse「Watch The World Burn」

SoulkeeperやHollow FrontといったバンドがThe Plot In Youと共にリストインしているのは非常に納得がいくというか、Likuさんのメタルコア趣味が感じられる選出であると感じました。Miss FortuneやFalling In Reverseといった一見、Sailing Before The Windとはまた違ったスタイルのバンドもリストに入っていますが、これらの楽曲を選んだ理由についてそれぞれの楽曲の良さ、ポイントについて触れながら感想を教えてください。
The Plot In Youの”Left Behind”は確実に2023年の名作でした、本当に一度聴いただけで次に聴くときには思わず口ずさんでしまう。かなり叙情的で内省的な歌なので歌詞にも注目するとより楽しめると思います。アルバムの期待感MAX。
Hollow Frontの”Letting Go”は2022年に”Comatose”がリリースされた時以来の衝撃でした。前作からかなり色々な出来事があったバンドですが、これからも素晴らしいものを生み出していって欲しいと思っています。
Soulkeeperの”Holy Design”を初めて聴いた時は「えぇ…」って普通に引きましたね笑、「こんな曲作り出す人間いるのか」ってなったのを覚えています。でもちゃんとかっこいいんですよね、ボーカルも曲に負けてないですし。
Miss Fortuneは今まで曲を聴いたことがなかったんですがこの曲で完全にファンになりましたね、やっぱりハイトーンボーカルは大好きです。あとギターリフが物凄くシンプルでしっかり耳に残るけどまったくくどくないのも最高ですね。
Falling In Reverseはもう確実に彼等にしかできない音楽性にたどり着きつつあると思います。YouTubeにこの曲のライブ映像があるので是非そちらもチェックしてみて下さい、ライブアレンジが最高すぎるので。

 

▶︎Liku : Social

【年間ベスト】ONE BULLET LEFT開催記念企画 : UEDA (Sable Hills)’s Best Albums & Songs of 2023


 
日本のメタルコアを牽引する存在として、2023年も精力的な活動でファンを楽しませてくれたSailing Before The WindとSable Hills。彼らがキュレーションするイベント「ONE BULLET LEFT」の開催を記念し、RIFF CULTでは、両バンドのメンバーに2023年の年間ベスト・アルバム、そして楽曲をピックアップしていただきました。
 
シーンの最先端にいるミュージシャンは、どのようなメタルを聴いていたのでしょうか。リストをチェックすれば、彼らの驚くべき音楽への探究心に驚くだけではなく、新しいお気に入りが見つかるかもしれません。
 
2024年1月28日 (日曜日) 東京・渋谷 club asiaで行われる「ONE BULLET LEFT」は、日本のメタルコアの現在地を体感できるイベントになるはずだ。これらのリストをチェックして、より深くイベントを楽しみましょう。
 

 
▶︎Sable Hills x Sailing Before The Wind presents “ONE BULLET LEFT”
 
開催日時 : 2024年1月28日 (日曜日)
場所 : 東京・渋谷 club asia
OPEN/START : 14:00/14:30
TICKET : 3,800yen (+1D) / DOOR : 4,800yen (+1D) / 20歳以下 : 2,000yen (+1D – *枚数限定)
 
チケットはこちらから : https://eplus.jp/sf/detail/4003190001


▶︎UEDA : BEST ALBUMS OF 2023

The Word Alive 『Hard Reset』
Crown The Empire 『DOGMA』
Bury Tomorrow 『The Seventh Sun』
Of Mice & Men 『Tether』
Void Of Vision 『CHRONICLES』
 
▶︎The Word Alive 『Hard Reset』
 

 
Stream & Download : https://orcd.co/hardreset
Official Site : https://www.wearethewordalive.com/
 
The Word Aliveは長年のキャリアを通じて一貫した魅力を持った実力派ですね。これまでリリースされてきたThe Word Aliveのアルバムに比べてこの『Hard Reset』にはどんな特筆すべき魅力があると思いますか?
 
『Hard Reset』は、The Word Alive is Dead…」から始まるとてもメッセージが強い作品ですよね。古くからのファンはもちろん、新しい世代のメタルコアファンにも確実に刺さる一枚になっていると思います。個人的にはアルバムラストを締めくくる「War With You (feat. From First To Last)」にかなり胸を打たれました。

 
▶︎Crown The Empire 『DOGMA』
 

 
Stream & Download : https://riserecords.lnk.to/DOGMA
Official Site : https://www.crowntheempire.net/
 
『DOGMA』はCrown The Empireの歴史において、またメタルコアの歴史においても非常に刺激的でチャレンジングなサウンド・プロダクションが注目され、ヒットしましたね。このアルバムの魅力は何だと思いますか?またお気に入りの楽曲などはありますか?

どの曲もかなりパンチが効いているのですが、アルバムを通して聴いても最後まで飽きずに聴けちゃうところですかね。胃もたれしそうだけどしない感じというか。Crown The Empireというバンドの良いところをより凝縮した一枚かと思います。中でも「Someone Else」が特にお気に入りです。他の楽曲と比べてシンプルかつ軽快なリズムワークが際立ってフックになり印象に残っています。

 
▶︎Bury Tomorrow 『The Seventh Sun』
 

 
Stream & Download : https://BuryTomorrow.lnk.to/p2FxDc8M
Official Site : https://www.bury-tomorrow.com/
 
Wataruさんがピックアップされていたのと同様、Bury Tomorrowは世界中のメタルコア・ミュージシャンにとって多くのヒントを与えてくれるようなクリエイティヴなダイナミズムに溢れた快作です。ベーシストとして、特に衝撃的だったフレーズや楽曲は何かありますか?
 
メタルコア・バンドにおいてベーシストの立ち位置に関して、実は難しいものじゃないかと考えています。というのも、ベースを弾く事以外に求められるものって実は多いのかなと。自分の場合はそれがシャウトでのコーラスだったりパフォーマンスだったりするのかな。Davydのベースプレイはとてもダイナミクスがはっきりしていて休符と音を伸ばすところの使い分けが上手いなと。特に今回のアルバムの中だと「The Carcass King (feat. Cody Frost)」ではそのメリハリがあるベースプレイが楽しめると思います。ライブでのパフォーマンスもカッコよくて目がいってしまいますね。

 

▶︎Of Mice & Men 『Tether』
 

 
Stream & Download : https://ofmicemen.bfan.link/tether-1
Official Site : https://www.ofmiceandmenofficial.com/
 
Of Mice & MenはUEDAさんがSable Hillsに加入する前 (Ocean From The Dead Screamメイン時代) の2000年代後期からトップシーンで活躍し、スタイルチェンジを遂げてきたベテランですよね。このバンドはUedaさんにとっても思い入れのあるバンドであると思いますが、他の作品と比べて『Tether』で聴くことが出来る特筆すべきポイントなどはありますか?
 
もともとその時代のトレンドを取り入れるのが得意なバンドだと思っています。ボーカルがAaronに代わり、しばらくの間ベース/ボーカルだったのも印象に残っています。全体を通してモダンに仕上がった作品ではあり、Of Mice & Menというバンドの良さを詰め込んだ一枚だと思います。ボーカルワークは特に侘び寂びを感じます。

 
▶︎Void Of Vision 『CHRONICLES』
 

Stream & Download : https://vov.lnk.to/angelofdarkness
Official Site : https://unfdcentral.com/artists/void-of-vision/
 
Void Of Visionは言うならば、メタルコア・シーンの革命児とも言うべきフレッシュでクリエイティヴな存在でこの『CHRONICLES』シリーズもジャンルの枠にとらわれない作品でした。ミュージシャンとして、確立してきたスタイルを変化させる怖さや葛藤は常に抱えていると思います。そうした背景も考えつつ、Sable Hillsで挑戦してみたいスタイルや参考にしたいバンドはいますか?
 
SABLE HILLSの印象って、ギターリフが主体のメタルバンドという印象を持たれることがかなり多いと思います。例えば、その中でアルバムをリリースした際に、『CHRONICLES』の楽曲のような電子音やローチューニングのヘヴィなリフやブレイクダウンを中心に進行して楽曲があっても面白いのかなと。『INTO THE DARK』のようなメロディーもありつつしっかりヘヴィに落とし込むような楽曲があっても面白いのかなって。ライブ映えもしそうですしね。

 

▶︎UEDA : BEST SONGS OF 2023

▶︎Attila 「Handshakes with Snakes」

 

▶︎If I Were You 「Downfall」

 

▶︎The Devil Wears Prada 「Salt」

 

▶︎Annisokay 「Human」

 

▶︎thrown. 「Guilt」

Attilaがリストインしたことは、Ocean From The Dead ScreamからのUEDAさんのファンとして、とても嬉しいことです! ほかにもthrownといったニュー・メタルコアと呼ばれる新鋭バンドなども入っていますが、これらの楽曲について、またはバンドについて教えて下さい。
 
Attilaは特に生き様が強く感じられるバンドかなと。今回挙げさせてもらった「Handshakes with Snakes」はインロトのヘヴィなリフに対してガッツリラップを載せていくFronzのボーカルスタイルが炸裂している作品ですよね。歌詞なんかも多分リアルなんだろうなと。笑
 
If I Were You、The Devil Wears Prada、Annisokayに関しては割と初期の頃からよく聴いていました。どのバンドも一貫して表現方法は変われど、自分たちのスタイルを貫いているバンドだなと印象を受けます。原点を大切にしているというか、初期衝動というか。そういったものを強く感じさせられました。
 
thrown関してはちょっと特殊で、自分がタトゥーが好きで、それをディグっている時にVoのMarcusのアカウントを見つけて、そこから彼の前バンドGrievedを聴き始めるって流れでした。ちょうどその時ピンボーカルでのライブがあったりでスタイルを参考にさせてもらったりとか。しばらくしてthrown.を知った時に「あれ、こののボーカルって…」って思ったくらい印象に残ってました。thrown.でも力強い声を聴けて嬉しく思います。
 
どんなバンドでもその人のライフスタイルだったり、初期衝動が強く滲み出るようなバンドやプレイヤーってすごくかっこいいなと思って、特にライブを見る時はその人がどういうものを持って演奏に望んでいるんだろうかというのは気にしています。特に印象に残るプレイヤーってどんな形であれ自分のスタイルや信念を持っている人が多いと思っていて、そういう人って年齢や性別、国籍問わずかっこいいんですよね。とにかく何かが滲み出てるプレイヤーは無意識にチェックしてしまいます。僕自身もそれを感じさせるプレイヤーになりたいなと思います。
 

▶︎UEDA : Social

https://twitter.com/ueda__sh
https://www.instagram.com/ueda_sh/

【年間ベスト】ONE BULLET LEFT開催記念企画 : Kosuke (Sailing Before The Wind)’s Best Albums & Songs of 2023


 
日本のメタルコアを牽引する存在として、2023年も精力的な活動でファンを楽しませてくれたSailing Before The WindとSable Hills。彼らがキュレーションするメタルコア・イベント「ONE BULLET LEFT」の開催を記念し、RIFF CULTでは、両バンドのメンバーに2023年の年間ベスト・アルバム、そして楽曲をピックアップしていただきました。
 
シーンの最先端にいるミュージシャンは、どのようなメタルを聴いていたのでしょうか。リストをチェックすれば、彼らの驚くべき音楽への探究心に驚くだけではなく、新しいお気に入りが見つかるかもしれません。
 
2024年1月28日 (日曜日) 東京・渋谷 club asiaで行われる「ONE BULLET LEFT」は、日本のメタルコアの現在地を体感できるイベントになるはずだ。これらのリストをチェックして、より深くイベントを楽しみましょう。
 

 
▶︎Sable Hills x Sailing Before The Wind presents “ONE BULLET LEFT”
 
開催日時 : 2024年1月28日 (日曜日)
場所 : 東京・渋谷 club asia
OPEN/START : 14:00/14:30
TICKET : 3,800yen (+1D) / DOOR : 4,800yen (+1D) / 20歳以下 : 2,000yen (+1D – *枚数限定)
 
チケットはこちらから : https://eplus.jp/sf/detail/4003190001


▶︎KOSUKE : BEST ALBUMS OF 2023

Veil Of Maya 『[m]other』
Bleed From Within 『Shrine』
Auraborn 『Incandescent』
Cliffside 『Deeper Water』
Rise to Fall 『The Fifth Dimension』
 
▶︎Veil Of Maya 『[m]other』
 

 
Stream & Download : https://sumerian.lnk.to/Mother
Official Site : https://www.instagram.com/veilofmayaofficial
 
Veil Of Mayaの『[m]other』がリストインしているのは非常にKosukeさんらしいと感じました。Sailing Before The Windだけでなく、Kosukeさんの音楽活動の中でもVeil Of Mavaの影響を感じる瞬間が多いと感じます。ギタリストとしてこのアルバムの素晴らしさについて教えて下さい。また、この曲のこのフレーズに衝撃を受けたなどあれば教えて下さい。
 
このアルバムは、ここまでVeil of Mayaが試行錯誤してきたものを咀嚼して作り上げた総集編的な内容にも感じます。ギター弾きの目線では一聴してMarc Okuboだと分かるフレーズの音遣いに強い説得力を感じていて、今作でも独特なメロディラインのフレーズに効果音的なフレーズまで必殺技のオンパレード。Tr.3 2:19~、Tr.7、0:57~、Tr10 2:48~に代表されるような、弦を一本チョーキングアップ/ダウンして鳴らすのをリフに混ぜる、というシンプルな方法ですら「Veil of Mayaらしさ」にしてしまうあたりにヒーローたる所以を感じます。

衝撃感で一つ挙げるとTr.6 「Disco Kill Party」の2:22~のセクション、比較的ポップな曲にこういうギミックが入っていると上がりますね。前作のTr.2 「Fracture」でも思いましたけどライブで弾くときどうしているのだろうと思ってしまうメリハリ具合に打ちのめされます。

 

 

▶︎Bleed From Within 『Shrine』
 

 
Stream & Download : https://bleedfromwithin.bfan.link/shrine-deluxe.yde
Official Site : https://www.bleedfromwithin.com/
 
Bleed From Withinは2023年にLOUD PARK で来日も果たし、『Shrine』の素晴らしさをライブでも体感し衝撃を受けた日本のメタル・ファンも多いはずです。彼らはメタルコアを出発して、今ではその枠に留まることのない存在へと成長していますが、長年彼らを見つめてきて、このアルバムはBleedFromWithinにとって、どのようなアルバムであると感じましたか?
 
メタルコアバンドがルーツである広いメタルのシーンで評価されることは文脈的には自然に聞こえる反面、得体の知れないハードルの高さを感じることがあります。そんな中で”Shrine”はBFWが「メタルにルーツのあるメタルバンド」であるということをより明確に訴求するものになったのかなと。でも決してこれまでやってきたことをかなぐり捨ててやっているわけではなくて、1stアルバムのHumanityから陸続きの音楽でそれを成し遂げているように感じられることにファンとして嬉しさも感じます。ほかのメタルコアバンドがあまり持ってない独特なダークさが魅力で、そこがメタル/メタルコアファン双方に一層刺さったように思います。

 

▶︎Auraborn 『Incandescent』
 

 
Stream & Download : https://linktr.ee/auraborn
Official Site : https://www.facebook.com/aurabornUS/
 
読者の中にはAuraborn というアーティスト、そして『Incandescent」という作品をKosukeさんのリストをきっかけに聴かれる方がほとんどだと思います。プログレッシヴ・メタルコア、いわゆるDjent的なバンドですが、このバンド、そしてアルバムの魅力を教えて下さい。
 
ベースはDjentなメタルコアサウンドですが、要所で2000年代近辺にいたプログレメタルっぽさを感じる瞬間があり、そのバランス感覚にグッときました。Regrowthの中盤のボコーダー風アレンジとかが非常に分かりやすいですけど、それ以外に単音系のギターフレーズも時折プログレメタル由来に感じるものが含まれているのを聞くたび発見していて、引き続きチェックしていきたいですね。

 

▶︎Cliffside 『Deeper Water』
 

 
Stream & Download : https://td.cliffsideofficial.com/DW
Official Site : https://www.instagram.com/cliffsideofficial
 
Cliffside の「Deeper Water』は、古典的なメタルコアが下地にありながらも、非常に挑戦的なギターのフレーズ、サウンド・プロダクションが印象的なバンドです。彼らの個々の技術の素晴らしさはもちろん、一聴することで感じられると思いますが、ミュージシャン目線でこのアルバムの素晴らしさ、Cliffsideの素晴らしさについて教えてください。
 
メタルコア好きな方なら「あの時期」のERRA的なバイブスを強く堪能できると思います。それでいて単なる模倣にならず12曲のアルバム尺に纏める探求力が半端ないと感じました。ギターソロの雰囲気とかツボを完全に抑えていて思わずニヤけるレベル。技量にも富んでいますし、今後何を作るのか期待感が高まります。

 

 

▶︎Rise to Fall 『The Fifth Dimension』
 

 
Official Site, Stream & Download : https://risetofall.bandcamp.com/album/the-fifth-dimension
 
Rise to Fallの『The Fifth Dimension』がリストインしたのには”らしさ”を感じましたし、Sailing Before The Windにも通ずるメロディック・デスメタル〜メタルコアのブレンド感が素晴らしい作品だと思います。多くの素晴らしい楽曲が収録されていますが、特に好きな楽曲はありますか?またその理由があれば教えて下さい。
 
一層ギターのメロディで訴えるスタイルの楽曲が映えているのを感じています。その中でもTr.2HierophantやTr.3 Intruderのような曲が好みで、アルバムの顔として機能しているのかなと。ブレイクダウンを入れるところがないぐらいメロディとリフに重きを置いた「Theメタル」然とした作風で、ギターソロもバチっと決める姿勢に原初のメタルコアを感じてただリスペクトです。
アルバム通してSABLE HILLSのメタル性にもリンクする瞬間が多いように思うので、このインタビューを読んでいる方にはストライクなアルバムじゃないかと思います。

 

▶︎KOSUKE : BEST SONGS OF 2023

想像していたリストとは違い、それぞれが革新的な魅力を追求しているクリエイティヴな多くリストインしています。普段、どのように新しい音楽を見つけていますか?また、これらの楽曲についてそれぞれ良かったポイントやこんなバンドが好きな人におすすめなバンドなど、教えてもらえたら嬉しいです。
 
Spotifyなどストリーミングサイト+インターネット検索の2本柱です。
ストリーミングサイトの発達で特に意識しなくても新たなリリースを簡単にチェックできるようになったのは大きく、反面浮いた時間をRedditなり流れの海外サイト徘徊に割り当てています。検索は海外のGoogleから例えばラフに”Metalcore New release”程度のワードで探し始めることが多くて。特にサイトを決めず探すことも多く正直効率は良くはないですけど、ジャケ買い的なイレギュラー感を楽しむ感じがいいのかなと。頻度も月~回~時間なりに時間を絞って、惰性で探さずメリハリをつけます。
 
▶︎Monuments 「Nafarious」

近年徐々に作風を聞きやすい方向性にシフトしてきたMonumentsでしたが、その流れの一つの到着点のように感じました。Aメロ~サビまで最小構成の展開が終始キャッチーで非常に驚きつつも、Monumentsらしいバウンシーなギターワークは初期から不変。今のバンドの強みが何で、そのうえで何を変えて何を保持するかの棲み分けがとても明確になされているのかなと。その観点で行くとfeatボーカル常連となったAndy Cizekの貢献が著しいように思います。近年ではMick Gordonが制作に関わったり、衣装の雰囲気を揃えたりと新しい要素も取り入れているあたりに勝負に来ているような感じを受けていて、今後が一層楽しみです。
 
▶︎Texas In July 「Put To Die」

Bloodworks以来の冒頭オクターブフレーズに復活を強く意識させます。近年増えてきた復活バンドの中には曲調をダーク路線に寄せるなど方向変換する一方、そのままパワーアップして復活してくれたことがファンとして何より嬉しいですね。EP全編通してリフで攻めるメタルコアとして最高ですが、ヘヴィ過ぎるブレイクダウン一発で有無を言わさない説得力に食らったためこの曲を加えました。
 
▶︎Decolorize 「Moths」

アリゾナ発プログレッシブメタルコアなんですが、妙に日本人の琴線に響きそうなピアノワークがツボに刺さり聞いていました。SpotifyのバイオによるとJ-Rockやゲームに影響を受けているらしいので納得。成立するかギリギリラインのメロディを積むプログレッシブな展開で流れを変えて、初期Invent Animate的な情緒のあるラストで締める展開も心地よいです。実はIAフォロワー的なバンドの候補をいくつか用意していたのですけれど、曲の中で必要性があってそこに帰着しているのはDecolorizeだけに感じたので選びました。
 
▶︎SEEING THINGS 「Soulkiller feat. Grapefruit Astronauts」

同郷チェコ同士でタッグを組んでの1曲。以前からどちらも好きで聴いていたのですが音楽性が違うので予想外なfeatでした。SEEING THINGSのヘヴィグルーブ+キャッチーさにfeatのリードプレイが抜け目なく絡み合っていて攻守最強な仕上がり。1:43~のクリーンギターアレンジも普段のSEEING THINGSにはなさそうな手法ですね。自分のようなニューメタルコア系に若干の苦手意識を感じる人にこそ薦めたいですし、Grapefruit Astronautsの同年リリース”RAMEN62”もAALライクなインスト曲がお好みであれば要チェックです。
 
▶︎SAVE US 「Drift」

DreamboundのYouTubeチャンネルでたまたま見たのがきっかけです。曲のド頭でボーカルからシーケンスまで持っている全要素を出し切って引き込んで、世界観で最後まで聞かせるスタイルに面白さを感じました。ストリーミング対策的な側面もあってそういう構成なのかもしれないです。ちなみに不思議なのが曲を出すたびに過去リリース曲と合わせてEPの形式でリリースしていて。何かしら戦略的なものを感じていて意図が気になります。
 

▶︎KOSUKE : Social

https://solo.to/kosuke3002

【年間ベスト】ONE BULLET LEFT開催記念企画 : RICT (Sable Hills)’s Best Albums & Songs of 2023


 
日本のメタルコアを牽引する存在として、2023年も精力的な活動でファンを楽しませてくれたSailing Before The WindとSable Hills。彼らがキュレーションするイベント「ONE BULLET LEFT」の開催を記念し、RIFF CULTでは、両バンドのメンバーに2023年の年間ベスト・アルバム、そして楽曲をピックアップしていただきました。
 
シーンの最先端にいるミュージシャンは、どのようなメタルを聴いていたのでしょうか。リストをチェックすれば、彼らの驚くべき音楽への探究心に驚くだけではなく、新しいお気に入りが見つかるかもしれません。
 
2024年1月28日 (日曜日) 東京・渋谷 club asiaで行われる「ONE BULLET LEFT」は、日本のメタルコアの現在地を体感できるイベントになるはずだ。これらのリストをチェックして、より深くイベントを楽しみましょう。
 

 
▶︎Sable Hills x Sailing Before The Wind presents “ONE BULLET LEFT”
 
開催日時 : 2024年1月28日 (日曜日)
場所 : 東京・渋谷 club asia
OPEN/START : 14:00/14:30
TICKET : 3,800yen (+1D) / DOOR : 4,800yen (+1D) / 20歳以下 : 2,000yen (+1D – *枚数限定)
 
チケットはこちらから : https://eplus.jp/sf/detail/4003190001


▶︎RICT : BEST ALBUMS OF 2023

Fallen Joy 『The Reborn』
Svalbard 『The Weight of The Mask』
Currents 『The Death We Seek』
Orbit Culture 『Descent』
Mouth For War 『Bleed Yourself』
 
▶︎Fallen Joy 『The Reborn』


Stream & Download : https://fallenjoy.bandcamp.com/album/the-reborn-lp
Official Site : https://fallenjoy.com/en/
 
リストのトップに挙げられているのは、フランスのメロディック・デスメタル・バンド、Fallen Joyでした。2008年に結成された、比較的新しいバンドですね。正統派メロデスとも言うべきツインリードの壮大さが際立ったアルバムですが、このバンドはどのように発見したのでしょうか?またギタリストとしてこのアルバムの聴きどころなどがあれば教えてください。
 
ちょっと前にSpotifyでマイナーメロデスをやたらディグってる時に見つけたバンドで、その時にはもう活動していなかったんですが、今年復活作としてアルバムをリリースしていて、その出来が信じられないくらい良かったので選びました。聴きどころとしては、痛快なまでのリフとメロディのオンパレード。フランス出身だからか、いわゆるスウェーデン、フィンランドなどの北欧出身のメロデスよりも雰囲気がだいぶ明るいことも特徴です。このアルバムを聴いていると、自分はこのままメタルギターを聴き続けて生涯を終えるのだとワカラされます。令和に出るはずのなかった時代錯誤の大名盤だと思います。

▶︎Svalbard 『The Weight of The Mask』


Stream & Download : https://svalbard.bandcamp.com/album/the-weight-of-the-mask
Official Site : https://linktr.ee/Svalbardhc
 
Svalbardの新作は幅広いメタル・シーンでとても高い評価を得たアルバムとして、様々な2023年の年間ベスト・アルバムでもピックアップされているのを見かけます。シューゲイズやクラスト/ハードコアの影響もあるバンドですが、メタルコア意外にもこのようなバンドをチェックしているのですか?また、Svalbardを知らないSable Hillsリスナーに入門曲としておすすめしたい楽曲があれば教えてください。
 
正直その手のジャンルはあまり聴いてこなかったんですが、このアルバムに関してはその枠だけに収まらず広くメタルとして見ても素晴らしいもので、自分にはとても刺さりました。哀愁の中に、時折疾走する箇所やヘヴィな箇所があり、Convergeっぽさを感じつつも、オリジナリティに溢れた楽曲ばかりで最高です。まずは先行シングルで出ていた「Eternal Spirits」、「Faking It」が聴きやすいと思います。

▶︎Currents 『The Death We Seek』

Stream & Download : https://bfan.link/remember-me-2
Official Site : https://currentsofficial.com/
 
Currentsが現代メタルコアにおいて非常に重要な立ち位置にあるバンドであり、『The Death We Seek』はこれまでのCurrentsが培ってきたスタイルに加え、多くのクリエイティヴな挑戦、変化の見える革新的なアルバムです。ギタリストとして驚くべきフレーズやリフなどはありましたか?そのほかに特別な思いがあればお聞かせ下さい。
 
ギタリストであるChris Wisemanの作るフレーズにはいつも驚かされてばかりです。初期からずっと聴いているバンドですが、スタイルを崩さずにプログレッシブ・メタルコアを貫き通して、でもその中に新しさを見出そうとしている姿が素晴らしいと思います。歴が長くなるにつれて尖りがなくなっていくバンドが多い中で、彼らはずっとテクニカルなリフを弾き続けています。トゥルー。

▶︎Orbit Culture 『Descent』
 Stream & Download : https://orbitculture.bandcamp.com/album/descent
Official Site : https://www.orbitculture.com/
 
Orbit CultureはおそらくSable Hillsのメンバーの誰か必ずピックアップしてくれると想像していました。非常に古典的なメロディやスケールを持ったサウンドが印象的ですが、Sable Hillsと重なるところが多いと思います。世代的には同世代だと思いますが、Orbit Cultureの魅力的なところはなんだと思いますか?
 
彼らの魅力はオーセンティックなメタルなのに新鮮な雰囲気を持っているところだと思います。クリーンボーカルのメロディはもはやMetallicaを感じる箇所もあったり、楽曲からはメロデスやヴァイキングメタルなどの影響も伺えます。色んなメタルのエッセンスを全て混ぜ合わせて、新しいスタイルを確立していると感じます。メタルコアではなく、メタルで新しい風を感じたのがグッと来ました。

▶︎Mouth For War 『Bleed Yourself』


Stream & Download : https://mouthforwarco.bandcamp.com/album/bleed-yourself-2
Official Site : https://www.instagram.com/mouthforwarco/
 
Mouth For Warの『Bleed Yourself』がリストインしてくるとは驚きでした。普段はどのように新しいバンドをチェックしたり、次のお気に入りを探していますか?彼らのようなタフなスタイルを今後Sable Hillsにも取り入れる可能性はあったりするのでしょうか?
 
最近は基本Spotifyでしか新しいバンドを探していないですね。気に入ったバンドの関連アーティストやプレイリストをサーフィンしています。近年は彼らのようなタフなハードコア・メタルコアが非常に増えてきて、個人的にもはや流行りと言っても良いのかなと思っています。ただ飽和しつつある中でも、彼らのリフからはメタルからのバイブスを感じられて少し特徴的です。バンド名がPantera由来なことからもそれが伺えます。自分はメタルのハートを持って別のジャンルをやっているバンドがアティテュード的にすごく好きです。一周回ったメタラーが1番かっこいいんですよね。Sable Hillsがここまでタフなスタイルに移行することはないですが、スポットでリフやブレイクダウンにそのエッセンスを感じることは今後あるかも知れません。

 

▶︎RICT : BEST SONGS OF 2023

▶︎Texas In July 「Put To Death」

 

▶︎Boundaries 「Bedlum」

 

▶︎Any Given Day 「Get That Done」

 

▶︎Dead Icarus 「Sellout」

 

▶︎Downswing 「Bound To Misery」

バラエティに富んだ選曲でありながらも一貫性が感じられるリストだと感じます。そしてどれもギタリスト目線から聴くと、一味違った聴こえ方が出来るような楽曲であるように思います。楽曲単体についてでも、またはバンドについてでも構いませんので、それぞれの楽曲について教えて下さい。
 
Texas In Julyは、自分の人生において非常に重要なバンドで、解散してからもずっと聴き続けていたので、思い出補正も兼ねて復活作から1番お気に入りの曲を選びました。
 
Boundariesは先ほど言及したタフなハードコア・メタルコアの筆頭だと思いますが、この曲はその中でも秀でて良かったなと思いました。
 
Any Given Dayはオーセンティックなメタルコアをそのままやっていて目新しさはあまりないんですが、Killswitch EngageのHoward Jonesを彷彿とさせるクリーンボーカルが本当に良いです。みんなAny Given Day舐めすぎです。
 
Dead Icarusはex-Atreyu のAlexが今年始めたバンドですが、デビューシングルの曲名がSelloutで、曲もトゥルーなメタルコアで、現在のAtreyuへのアンチテーゼになっているのが痛快で良かったです。楽曲そのものの良さというより舐達磨のビーフ曲的な良さですね。
 
Downswingは誰が聴いてもブチ上がれるIQを必要としない感じが良くて選びました。前作のEPはもっとメタルコアしてて個人的にはそっちの方がより好みでしたが、今作も今作で良いです。FeaturingがAVOIDなのもニューエイジ感あって良いですね。
 
アルバムの方であまりメタルコア挙げなかったのでこっちは意図的に増やしています。またリストを送った後に思い出しましたが、Sentinelsの新EPから最初に出してたGlitchという曲は今年一レベルで良かったです。

▶︎RICT : Social

https://x.com/metalwarmachine
https://www.instagram.com/metalwarmachine/

【年間ベスト】ONE BULLET LEFT開催記念企画 : RYOICHI (Sailing Before The Wind)’s Best Albums & Songs of 2023


 
日本のメタルコアを牽引する存在として、2023年も精力的な活動でファンを楽しませてくれたSailing Before The WindとSable Hills。彼らがキュレーションするメタルコア・イベント「ONE BULLET LEFT」の開催を記念し、RIFF CULTでは、両バンドのメンバーに2023年の年間ベスト・アルバム、そして楽曲をピックアップしていただきました。
 
シーンの最先端にいるミュージシャンは、どのようなメタルを聴いていたのでしょうか。リストをチェックすれば、彼らの驚くべき音楽への探究心に驚くだけではなく、新しいお気に入りが見つかるかもしれません。
 
2024年1月28日 (日曜日) 東京・渋谷 club asiaで行われる「ONE BULLET LEFT」は、日本のメタルコアの現在地を体感できるイベントになるはずだ。これらのリストをチェックして、より深くイベントを楽しみましょう。
 

 
▶︎Sable Hills x Sailing Before The Wind presents “ONE BULLET LEFT”
 
開催日時 : 2024年1月28日 (日曜日)
場所 : 東京・渋谷 club asia
OPEN/START : 14:00/14:30
TICKET : 3,800yen (+1D) / DOOR : 4,800yen (+1D) / 20歳以下 : 2,000yen (+1D – *枚数限定)
 
チケットはこちらから : https://eplus.jp/sf/detail/4003190001


▶︎RYOICHI : BEST ALBUMS OF 2023

August Burns Red 『Death Below』
A Mourning Star 『A Reminder of the Wound Unhealed』
Dying Wish 『Symptoms of Survival』
Currents 『The Death We Seek』
Graphic Nature 『A Mind Waiting to Die』

▶︎August Burns Red 『Death Below』


 
Stream & Download : https://found.ee/DeathBelow
Official Site : https://augustburnsred.com/
 
August Burns Redの『Death Below』は、多くのメタル・メディアでも絶賛されています。長年に渡り世界のメタルコアを牽引する存在として、大きくスタイルを変えることなく活動を続けているところは、Sailing Before The Windの活動スタイルにも重なる部分があります。このアルバムで特に「August Burns Redらしい」と感じた楽曲、またはフレーズはありましたか?
 
文句無しの傑作だと感じました。楽曲というよりアルバム全体を通して彼らの矜持を感じます。August Burns Redはメロディックメタルコア+αでいう「+α」の塩梅を楽しむのがミソだと思うんですが(そこもうちのスタイルと重なりますし)、今回はその塩梅がアルバム全体で聞くとバランスがいい感じになってるのが面白いです。
 
序盤からプログレばりの長さの曲があったり、曲単位で存在する”ABRらしさ”は変わってないのに、もちろんクリーンボーカルの導入も大きいとは思いますが、どこかスルスル聞けてしまうキャッチーさも兼ね備えてるというか。結果August Burns Redらしさを損なう事なく、ちゃんと進歩進化してる感触があるのが単純に凄い。

 

▶︎A Mourning Star 『A Reminder of the Wound Unhealed』


 
Stream & Download : https://dazestyle.bandcamp.com/album/a-reminder-of-the-wound-unhealed
Official Site : https://www.instagram.com/amourningstar.vhs/
 
A Mourning Starの『A Reminder of the Wound Unhealed』からはSailing Before The Windが活動をスタートさせた2010年代初頭のころによく聴いた、懐かしいスタイルのメタルコアです。ボーカルのスタイルはRyoichiさんのスタイルにも重なるところがあるように感じます。ボーカリストとして、A Mourning Starの特筆すべきポイントなどはありますか?また、おすすめの楽曲などあれば併せて教えてください。
 
単細胞メタル小僧だった10代の時期に、地元・沖縄の諸先輩方に00年代初頭のニュースクール/メタルコアや90年代ミリタント系の音源を「メタラーならきっと気に入るよ」と沢山ピックアップしてもらって、そこでメタルとハードコアの補助線が引けて本格的に音楽を聞くのが楽しくなったので、今でもピンポイントで好物ですし、国内含めて昨今のリバイバルの雰囲気も嬉しいです。
 
ボーカルスタイルは特に意識した事はなかったんですが、言われてみたら自分の中のアングラ的原点なので、無意識の中で出てるのかもしれないですね。今作は前作のEPより更にメタルコア感と叙情派ニュースクール味が増してて、まさに”ジャンルのマップ作り途中”みたいな人にうってつけのアルバムだと思いました。と、それっぽく御託を並べましたが正直ほんとにただ好きなだけですね。トラック2の「Corruption」がお気に入りです。

 

▶︎Dying Wish 『Symptoms of Survival』


 
Stream & Download : https://bfan.link/symptoms-of-survival
Official Site : https://www.instagram.com/dyingwishhc/
 
Dying Wishの『Symptoms of Survival』はここ日本でも大きな話題となり、メロディック・メタルコア/ハードコアのムーヴメントのキーとも言える作品であると思います。実際に日本のメタルコアの中心で活動を続けている中で、Dying Wishの影響を感じる日本のバンドがいたりしますか?また、特に好きな曲などあれば教えてください。
 
いい意味でいいとこ取りのようなバンドで、ヘヴィーパートオンリーの曲、メロデスライク、もしくはフューリーエッジスタイルの単音リフで攻め攻め系の曲もあれば、不協和音リフワークにキャッチー過ぎないクリーンボーカルで初期Solid State Records系の雰囲気も醸したり、と思ったらブレイクダウンがモダンでソリッドになったりと、ごった煮系ってともすればダサかったり、あざとくなりやすいと思うんですけど、奇跡的にかっこよくまとまってるなと感じました。
 
こっからいい意味でも悪い意味でも垢抜けていくバンド多いと思うんですけど、このまま突き抜けて昇華してほしい感じです。見当違いだったら申し訳ないんですが、Graupelとか曲によっては近い事してる時たまにありませんでしたかね?もっとファストでメロディックだし、時期的に影響とかではないとは思いますが。モダンな部分と往年のスタイルをセンスよく行き来するバンドが日本でも更に増えてくれたら楽しいですね。「Watch My Promise Die」が特に好きな曲です。

 

▶︎Currents 『The Death We Seek』


 
Stream & Download : https://bfan.link/remember-me-2
Official Site : https://www.instagram.com/currents/
 
Currentsの『The Death We Seek』はSable Hillsのメンバー達もフェイヴァリットに挙げており、このアルバムは世界のメタルコア・リスナーを虜にしました。一概に「メタルコア」という言葉では形容できないほど、多様なアレンジや工夫が感じられる作品ですが、ミュージシャンとして彼らのサウンド・プロダクションなどで驚いたこと、学びがあったと思うところはありますか?
 
こういうヘヴィーシットメリハリ系モダンメタルコアは珍しくはなくなりましたけど、おっしゃるとおりその他大勢のワナビーバンドから頭抜けた感じがありまね。全体に薄っすらと鳴り続けてるエレクトロ、シンセエフェクトも何だか独特で、個人的にはむしろメリハリを希釈する方向に持っていってるように感じました。
 
この手のバンド特有のブルータリティーと綺麗なクリーンボーカルの極端さをあまり強調しないというか、そのお陰で独自の荘厳感も出ててかっこいいですね。ボーカルのスクリームも非常に乾いたテイストで好みです。流行ってて沢山似たタイプのバンドがいるのもあって飽きるのも早いバンドが多かったですが、このアルバムは長く聞けそうです。

 

▶︎Graphic Nature 『A Mind Waiting to Die』

Official Site, Stream & Download : https://music.ruderecords.com/amindwaitingtodie
 
Graphic Natureは発展し続けるニュー・メタルコア・シーンの中でも、正統派として高く評価されています。Ryoichiさんはヒップホップなどもお好きだと思いますが、メタルコアにないグルーヴを取り入れているバンドも近年は多く、Graphic Natureの『A Mind Waiting to Die』にもそういったパートが組み込まれています。この作品に惹かれた理由は何かありますか?
 
ニューメタルコアって超絶ざっくりLinkin Park系かSlipknot系に分けられると思うんですけど、彼らはもちろんSlipknot系で”初期Slipknotのブチギレ感をそのままに、UKっ子らしくインダストリアルデジタルバイブス濃いめにしてモダンメタルコアで割りました!”みたいな完全に開き直ったスタイルがとても好ましくて好きですね。申し訳程度に入ってるワーミーリフとかDJスクラッチ、ドラムンベースも素直というか、衝動とやってみたい事がまんま音に出てるので、小賢しいことは抜き!熱けりゃオッケー!という気持ちに。
 
もしかしたらこの中で1番自然と手が伸びる回数が多かったアルバムかもしれないです。とりあえず聞きながら家を出る、みたいな。

 

▶︎RYOICHI : BEST SONGS OF 2023

▶︎Texas In July 「False Divinity」

 

▶︎Balmora 「Under the Weight of a Blackened Sky」

 

▶︎Beartooth 「Riptide」

 

▶︎Morning Again 「Resignation」

 

▶︎Unearth 「The Wretched;The Ruinous」

Texas In July、UnearthといったSailing Before The Windにも通ずるメロディアスなメタルコアからBalmora、Morning Againといったクラシックなスタイルを鳴らすバンドの中にBeartoothといったバンドの楽曲がリストインしているのは非常に面白いと思いました。これらの楽曲について (またはリスト全体について) 、それぞれ感想を教えてください。
 
Texas In Julyはもはや聞く前から良かったですね。良かったというか嬉しかったというか。新曲出たのがとにかく嬉しいです。
 
Balmoraは前述のA Mourning Starがニュースクールリバイバルの優等生系なら、こっちはいい意味でドタドタしてて特にこの曲はリフがかなり臭メロデスで好きです。
 
ご指摘の通り毛色の違う選出ですが、Beartoothはずっと好きなバンドなので入れました。
ハードロックのバイブスを醸すポストハードコアバンドにAsking Alexandriaがいますけど、こっちはよりアメリカンなテイストで、チューニングは低いのに陽性味の強いスケールワークでテキサスいノリ
(テキサス出身じゃないしこんな言葉存在しないですが)思い切りのいいシンプルなブレイクダウンはそのままに、キャッチーでフックのある歌メロが更に進化しててやばいです。
 
Morning Againは復活して以降割とヘヴィーハードコアに傾倒してる感じある中、この曲が特別フューリー感強めで即やられました。ニヤニヤ系です。
 
Unearthに関して僕が今更何か言う事なんてホントはないんですが、デスラッシュ成分とメタルコア成分の塩梅がアルバムによって変わるのはAILDと似てますけど、彼らは一貫してハードコア成分強めの展開で必ず割り算してくるので毎度安心して聞けます。
 

▶︎RYOICHI : Social

https://linktr.ee/ryoichisuemori

【年間ベスト】ONE BULLET LEFT開催記念企画 : BITOKU (Sailing Before The Wind)’s Best Albums & Songs of 2023


 
日本のメタルコアを牽引する存在として、2023年も精力的な活動でファンを楽しませてくれたSailing Before The WindとSable Hills。彼らがキュレーションするメタルコア・イベント「ONE BULLET LEFT」の開催を記念し、RIFF CULTでは、両バンドのメンバーに2023年の年間ベスト・アルバム、そして楽曲をピックアップしていただきました。
 
シーンの最先端にいるミュージシャンは、どのようなメタルを聴いていたのでしょうか。リストをチェックすれば、彼らの驚くべき音楽への探究心に驚くだけではなく、新しいお気に入りが見つかるかもしれません。
 
2024年1月28日 (日曜日) 東京・渋谷 club asiaで行われる「ONE BULLET LEFT」は、日本のメタルコアの現在地を体感できるイベントになるはずだ。これらのリストをチェックして、より深くイベントを楽しみましょう。
 

 
▶︎Sable Hills x Sailing Before The Wind presents “ONE BULLET LEFT”
 
開催日時 : 2024年1月28日 (日曜日)
場所 : 東京・渋谷 club asia
OPEN/START : 14:00/14:30
TICKET : 3,800yen (+1D) / DOOR : 4,800yen (+1D) / 20歳以下 : 2,000yen (+1D – *枚数限定)
 
チケットはこちらから : https://eplus.jp/sf/detail/4003190001


▶︎BITOKU : BEST ALBUMS OF 2023

From Ashes to New 『Blackout』
Hollow Front 『The Fear of Letting Go』
Revision the Dream 『Transparency』
Arrival Of Autumn 『Kingdom Undone』
Night Rider 『Night Rider』
 
▶︎From Ashes to New 『Blackout』
 

 
Stream & Download : https://fatn.ffm.to/blackoutalbum
Official Site : https://www.fromashestonew.com
 
From Ashes to Newの『Blackout』はそれぞれの楽曲の完成度の高さはさることながら、サウンド・プロダクションが非常に優れていると感じた作品でした。Better Noise Musicからのリリースということで、メタルコアだけでなく、幅広くメタル・リスナーに届けられることがイメージされているのはもちろんですが、彼らのクリエイティヴな魅力について教えて欲しいです。
 
まさにその通りで、ちゃんと「商品」としてパッケージングされた点において、この作品がずば抜けて最高でした。プロデュースは(ABRなどを手掛ける)Grant McFarlandとCarson Slovakのタッグ。彼らがまぶしたメタルコア視点でのアプローチが、自分の耳に刺さったのかなと。ギターリフをハモらせるタイミングとか、細かいエフェクト音とか、ボーカルワーク以外も全てが洗練されていて痺れる名盤。

 
▶︎Hollow Front 『The Fear of Letting Go』
 

 
Stream & Download : https://hollowfront.lnk.to/TFOLG
Official Site : https://unfdcentral.com/artists/hollow-front/
 
Hollow FrontはSailing Before The Windのメンバーだけでなく、「One Bullet Left」でタッグを組むSable Hillsのメンバーらもフェイバリットにピックアップしていました。このアルバムも細部へのこだわり、メタルコア、さらにはデスコアなどにも通ずるようなタフなグルーヴが魅力だと思いますが、彼らのこれまでの歩みを踏まえつつ、このアルバムの良さについて教えて下さい。
 
ツアー中の事故とそれに起因する保険会社とのトラブルで、製作が遅れ、メンバーが脱退し、2人だけになってリリースされた本作。ただ僕は、”ドラマがあったから”この作品を選んだわけではなくて。私的感情を抜きに作品単体で見ても、壮絶な完成度。9曲目の”Good Things Never Last”で聴けるような4つ打ちビートとメタルコアサウンドの融合は、非常に先進的だなと。もちろん方法論としてやっていたバンドは他にもいるでしょうが、パワーバランスがメタルコア優位のままで、こうしたアプローチを融合しているのがスゴいです。曲単位でも作品単位で見ても、音楽的な実験と継承のバランスがとても良いアルバム。
 
今回ベストアルバムで選んだ作品からはベストトラックを挙げないようにしましたが、それを抜きにすれば、間違いなく本作から”Letting Go”は選んでました。トラブルの過程で疲弊し脱退してしまったメンバーに思いを馳せると、涙が出てきます(アナウンス文がとてつもなく悲しい)。

 

 
▶︎Revision the Dream 『Transparency』
 

 
Stream & Download : https://fanlink.to/jiRg
Official Site : https://www.facebook.com/revisionthedream/
 
Revision the Dreamの『Transparency』という作品については、おそらくこのリストをきっかけにこれから聴いてみようという人がほとんどだと思います。「One Bullet Left」で来日するAcross The White Water Towerにも通ずる、2000年代後期以降のメタルコア/ポスト・ハードコアを下地に現代的なアプローチも組み込んだサウンドを鳴らすバンドですが、このバンド、またはアルバムの魅力について教えて下さい。
 
Revision the Dreamはイスラエルのメタルコアバンド。イスラエルと言えばHer Last SightやDream Escapeが有名で、まさにその界隈のバンドですね。Revision the DreamのギターはDream Escapeのギターで、Dream Escapeのもう片方のギターはHer Last Sightのドラマー。推測ですが、Dream Escapeが改名/分裂した(?) ようにも見えます。サウンドの軸は、2010年代初期のプログレッシブメタルコアサウンド。当時ElitistやERRA、Forevermoreにのめり込んだリスナーは完全ノックアウトされるはず。こういう作品は「リバイバル」の一言で片付けられがちではありますが、今作はとにかくクオリティが高いので、さすがにスルーできなかったです。あの頃のメタルコアを発展させたバンドは数あれど、Revison the Dreamみたいに”継承”したバンドは少ないわけで、そこに価値を置いた結果の評価です。

 
▶︎Arrival Of Autumn 『Kingdom Undone』
 

 
Stream & Download : https://bfan.link/AOA-KingdomUndone.ypo
Official Site : https://www.arrivalofautumn.com/
 
Arrival Of Autumnの『Kingdom Undone』は2020年代のメロディック・デスメタルのスタンダードとして次の何年かに渡って影響を及ぼしそうな、そんな可能性とエネルギーに満ちた作品だと思います。もちろんNuclear Blast Recordsからのリリースというのも大きく影響していますが、彼らはどんなバンドで、こんなところが他のバンドにはない魅力だというような楽曲、またはフレーズはありますか?
 
Mark Lewis手掛ける生感あふれるプロダクションも相まって、2000年代のモダンメタル好きにオススメしたい内容。あまり話題になっていないのが残念なくらい、一聴の価値ある作品です。
 
各サブジャンルの良いとこどりをした結果、逆にカテゴライズが難しくなり、プロモーション的には大変だったのかもしれません。Nuclear Blastからのリリースですが、Roadrunner好きに刺さるかなと。ボーカルの声質ゆえか、自分的には”Roadrunner化したMychildren Mybride”的な解釈で、楽しめました。(Arrival Of Autumnにデジタル感はないですが)Mnemicとの共通項があるので、ああいうグルーヴメタルが好きな人もぜひ。まさしく可能性に満ちた1枚。

 
▶︎Night Rider 『Night Rider』
 

 
Official Site, Stream & Download : https://linktr.ee/nightridertheband
 
Night Riderのセルフ・タイトル・デビュー作は、いろんな意味で驚かされました。親しみやすいシンセの音色と現代メタルコアが、ネオンのヴィジュアル・イメージと良くあってますし、もしかしたらメタルよりもハードロックなどを聴いているリスナーにもアプローチできるようなポテンシャルがあるのではと感じるほどです。このアルバムの魅力について教えて下さい。
 
本作で提示されたSynthwave/Retrowave+メタルコアのパターンは、そういえば未開拓ゾーンだったので、「あぁまだそこの陣地取れたか!」という感覚で聴けました。メンバーはex-Affianceなど手練の集合体なので、安定感抜群の仕上がり。メタルコアパートのフレージングはもうちょっとバリエーションがほしかったですが、その分シンセパートにリソースを振り分けた感もありますね。最近のKingdom of Giantsが楽しめる方は結構刺さるはず。

 

▶︎BITOKU : BEST SONGS OF 2023

▶︎Solence 「Rain Down」

 

▶︎All Faces Down 「Done Hiding」

 

▶︎Traveller 「Homesick」

 

▶︎ENOX 「Fallout」

 

▶︎Sail’s End 「The Sound of Silence 3: Three」


 
やはり、長年に渡ってメタルコアを聴き続けているだけあり、ニューカマーの中でも未来派とも言えるバンドのキラーチューンがリストインしています。これらのバンド、または楽曲についてそれぞれ感想を教えて下さい。
 
Solenceは、正直メタルコアではありませんが、フォーマットの共通点はあるので。ヘヴィパートとメロディパートの対比力、シンセトラックの混ぜ具合、全てがハイクオリティ。何よりも、曲が電子音に飲まれてない点を評価しました。サビメロの透明度は今年1番刺さりましたね(※シングルで2022年に出てますが、アルバムとしては2023年作)。
 
All Faces Downはニューアルバムからの選出。まさにAFD節が詰まった独特の清涼感、最高です。もちろん今回のような議題において「新しさ」は大事な尺度です。が、「普遍性のある名曲」もこぼしたくないなと。AFDはちゃんと自分達の音楽的領土を深堀りしている感じがして、好感が持てます。
 
Travellerが今年出したEPはかなり名作で、初期Invent好きはマストチェック。プログメタルコアの美学に沿いつつ、ジャーマン特有の憂いあるメロディがプラスされていてグっときました。
 
ENOXは前作までHAWKのRickyと制作していましたが、今作からセルフプロデュースに。とはいえ、ボーカルワークからはRickyからの影響を感じますね。表現手段としてのワーミーの流通価値が落ち続ける中で、新鮮に聴けた1曲。
 
Sail’s Endは、BERRIED ALIVEを彷彿とさせるロボティックなギターワークが秀逸。Glass CrownのDannyが在籍しており、ブルータルパートの説得力も納得。ローチューニングコア系は終始スローテンポでダレがちなのが懸念点ですが、この曲はテンポの緩急がよく考えられており素晴らしいです。
 

▶︎BITOKU : Social

https://linktr.ee/Bitoku_Bass

【年間ベスト】ONE BULLET LEFT開催記念企画 : TAKUYA (Sable Hills)’s Best Albums & Songs of 2023


 
日本のメタルコアを牽引する存在として、2023年も精力的な活動でファンを楽しませてくれたSailing Before The WindとSable Hills。彼らがキュレーションするメタルコア・イベント「ONE BULLET LEFT」の開催を記念し、RIFF CULTでは、両バンドのメンバーに2023年の年間ベスト・アルバム、そして楽曲をピックアップしていただきました。
 
シーンの最先端にいるミュージシャンは、どのようなメタルを聴いていたのでしょうか。リストをチェックすれば、彼らの驚くべき音楽への探究心に驚くだけではなく、新しいお気に入りが見つかるかもしれません。
 
2024年1月28日 (日曜日) 東京・渋谷 club asiaで行われる「ONE BULLET LEFT」は、日本のメタルコアの現在地を体感できるイベントになるはずだ。これらのリストをチェックして、より深くイベントを楽しみましょう。
 

 
▶︎Sable Hills x Sailing Before The Wind presents “ONE BULLET LEFT”
 
開催日時 : 2024年1月28日 (日曜日)
場所 : 東京・渋谷 club asia
OPEN/START : 14:00/14:30
TICKET : 3,800yen (+1D) / DOOR : 4,800yen (+1D) / 20歳以下 : 2,000yen (+1D – *枚数限定)
 
チケットはこちらから : https://eplus.jp/sf/detail/4003190001


▶︎TAKUYA : BEST ALBUMS OF 2023

In Flames 『Foregone』
Spiritbox 『The Fear of Fear』
Hollow Front 『The Fear Of Letting Go』
Sylosis 『A Sign of Things to Come』
Currents 『The Death We Seek』
 
▶︎In Flames 『Foregone』
 

 
Stream & Download : https://inflames.bfan.link/foregone-newalbum.yde
Official Site : https://www.inflames.com/
 
近年のIn Flamesの創作意欲の爆発っぷりには驚かされますし、衰えないシーンのトップ・バンドたちの活動にはSable Hillsも多くの刺激を受けていると思います。In Flamesの過去の作品などの思い出、出会いなどを挟みながら、このアルバムのキラートラックや聴きどころ、個人的なツボなリフなどあれば教えて下さい。
 
初めて聴いた作品は『Colony』(1999)で、当時はメタルコアという言葉も知らない時期だったし、彼らはメロディック・デス・メタルというイメージでした。そこから他のアルバムも掘ったりしていく内に『Reroute To Remain』(2002)と出会い、その概念も覆されました。彼らをジャンル分けするのは不可能だとは思いつつも、この作品が後続のメタルコア・バンドに与えた影響は計り知れないものだし、メロデスをルーツに持ったメタルコア」という一つのスタイルを確立した金字塔となったと言えます。
 
そんな音楽性の定義不可能な彼らが、自身の肉体がそう長くないと知りながらも、紆余曲折の末にリリースした『Foregone』が原点回帰を感じる一枚だったことは、複雑化しすぎたメタルシーンに一石を投じる様な、確かにそこにある漢気に感動させられました。Tr.3 Meet Your MakerやTr.2 State of Slow Decayを聴けば、私の言っている事が理解してもらえると思います。

 

▶︎Spiritbox 『The Fear of Fear』
 

 
Stream & Download : https://spiritbox.lnk.to/TFOF
Official Site : https://spiritbox.com/
 
Spiritboxの存在は、オルタナティヴへと系統していくメタルコア・シーンの象徴のようなもので、世界を舞台に活動するSable Hillsにとっても、彼らの佇まい、存在感といったところからの影響はもちろんあるだろうと感じています。サウンド・プロダクションの素晴らしさはさることながら、やはりボーカリスト、コートニーのフロント・ウーマンとしてのカリスマ性が大きな魅力です。Sable Hillsのフロントマンとしてコートニーの魅力に何か影響を受けたりしていますか?また、この作品はどれもキラーチューンですが、特にお気に入りの楽曲はありますか?
 
メタルコアに限らず、女性ボーカルにはあまり惹かれない傾向があるのですが、Spiritboxは久々に魂が揺さぶられました。
 
コートニーのスクリームは心からカッコいいと感じるし、更に特にクリーンパートの楽曲リリックの繊細な想いが相まって熱い気持ちになれます。また、歌の合いの手で綺麗に入ってくる強烈なギターリフやクリーントーンのエモーショナルさも決め手の大きな要素だと思います。落としパートはただのモッシュパートには留まらないDjentな心地良さも感じられます。Tr.2 JadedとTr.1 Cellar Doorが何だかんだ好きです。

 

▶︎Hollow Front 『The Fear Of Letting Go』
 

 
Stream & Download : https://hollowfront.lnk.to/TFOLG
Official Site : https://unfdcentral.com/artists/hollow-front/
 
Hollow Frontは、例えばConvictionsのようにシャウトからポスト・ハードコアばりのクリーン、そしてメロディック・ハードコアにあるような感傷的なスクリームが大きな魅力であると思います。ボーカリストとして参考になる部分も多いかと思いますが、ボーカリストとしてこの作品の中で特筆すべき楽曲はありますか?また、彼らの魅力や彼らが好きならもっとこんなバンドがオススメだよ、というようなレコメンドがあれば教えて下さい。
 
比較的ヤングなバンドで自分好みのスタイルのメタルコアに久々に出会えて滾りました。ボーカルがスクリームとクリーン両刀使いなのですが、どちらも最高レベルで上手いしめちゃめちゃ歌が前に出てきます。『Will I Run?』のサビはリードギターと相まってエモーショナル極めてるので、メタルコアクリーンパート好きな全人類必聴です。レコメンドはLANDMARKS と Our Hollow, Our Home です。

 

▶︎Sylosis 『A Sign of Things to Come』
 

 
Stream & Download : https://sylosis.bfan.link/a-sign-of-things-to-come.yde
Official Site : http://sylosis-band.com
 
Sylosisにとって、そしてArchitectsにとっても2023年は大きな分岐点であり、特にSylosisはこのアルバムで熱心なメタルコア/メロディック・デスメタル・ファンからの注目を一身に集めました。Sable Hillsにも通ずる部分が多くあるスタイルだと思いますが、Sylosisのサウンドで特に素晴らしいと思うポイントは何だと思いますか?また、このアルバムをどんな時に聴いていましたか?
 
この楽曲をギター弾きながら歌ってるのが一番素晴らしいと思う点です。笑
 
Architectsを脱退してまでメタル貫こうとした漢が作る楽曲なんてもう良いに決まってますから、あとは自分の耳に合うかどうかだと思います。実際耳の肥えた玄人向けの楽曲ではありますので。「Crystal Lake Ankh Japan Winter Tour 2023」に参加していた時に、移動中このアルバムを聴いてましたが、「俺もずっとメタル貫こう」と思わされざるを得ませんでしたね。

 

▶︎Currents 『The Death We Seek』
 

 
Stream & Download : https://bfan.link/the-death-we-seek
Official Site : https://currentsofficial.com/
 
CurrentsはRictさんもピックアップされており、Sable Hillsのソングライティング面においても影響を与えていそうですね。お二人でこのアルバムについて何か話されたりしましたか?また、Currentsの本作の魅力はどのようなものだと思いますか?
 
次世代メタルコアの中でも10倍リスナーの多い「メタル」ワールドに進出している数少ないバンドなので、いつか一緒にやりたいし俺らはやるべきだとずっと話してます。
 
楽曲がちゃんとヘヴィで良いクリーンボーカルも有り、サウンドがクリア且つアートワークもメタル愛感じつつどこかモダンでスタイリッシュと、逆にマイナスな理由が見当たりません。

 

▶︎TAKUYA : BEST SONGS OF 2023

▶︎Make Them Suffer 「Ghost of Me」

 

▶︎Texas In July 「Put To Death」

 

▶︎Bleeding Through 「On Wings of Lead (2023 Re-Recording)」

 

▶︎It Dies Today 「Buried By Black Clouds」

 

▶︎Unearth 「Into The Abyss」

 
熱いメタルコア・スピリットが伝わってくるリストで、非常にTAKUYAさんらしいものだと思います。Bleeding Throughは再録のものをピックアップされていますが、オリジナルと比べてよかったポイントなどはありますか?そのほか、Unearthとは今年日本で公演されましたが、その時の思い出などはありますでしょうか?全体の感想も合わせて教えてください。
 
最近、映画やゲーム業界ではリバイバルの波がきていますが、音楽シーンにも徐々にそれが近付いてると感じていて。その中でもBleeding Throughというバンドが20年経った今この楽曲を再録したという事実だけでご飯何杯でもいけます。音質がめちゃくちゃ聴きやすく、こもった感じが無くなりました。Texas In JulyやIt Dies Todayが復活して新曲をリリースしたりしてるのも、その流れがきてるなと感じざるを得ません。
 
そんな昔のリバイバルが大好きな私ですが、Make Them Sufferの新曲はモダンでもヘッドバンギング不可避でした。ヘヴィすぎます。
 
Unearthは初めて自分達が日本に招聘したバンドで、でも一番記憶に残ってるのは彼らが激ロックを気に入りすぎて三日連続で渋谷のあそこのバーに行ったことですかね。最終日は会場が代官山だったのにも関わらずわざわざ渋谷行きましたから。それと、これがコロナ明けを最も感じた公演だったのも確実です。自分よりも歳上の大人が本気でモッシュしてる光景を数年振りに観れた記念すべきツアーでした。
 
2024年は、ワンバレが日本のメタルコア・リバイバルの幕を切って落としたいと思っています。もう、流れはすぐそこまで来ていますよ。
 

▶︎TAKUYA : Social

https://x.com/saunaking_
https://www.instagram.com/saunaking_/

SABLE HILLS、Sailing Before The Windが キュレーションするメタルコア・イベント「One Bullet Left -supported by RIFF CULT-」が始動!

日本のメタルコアを象徴するバンド、Sailing Before The WindとSable Hillsが、遂にタッグを組んだ。2024年1月28日、東京・渋谷club asiaにて、この2組がキュレーションするイベント「One Bullet Left」が開催される。国内外から選抜されたアーティスト達によって繰り広げられる熱演を想像するだけでも、このイベントが日本のメタルコア・シーンにとって、重要なものであることが分かるだろう。

多くの国内アーティスト達がメタルコアを通過しながら、日本が産んだ「ラウドロック」というジャンル、あるいはカテゴリーの独自性をヒントに世界のメタル・シーンへと舵を進める中、Sailing Before The WindとSable Hillsは、実直に「メタルコア」という音楽の根底に流れるピュア・ブラッドを見つめ続け、時代の流れやトレンドに惑わされることなく、リフを刻み続け、眩しいほど輝きを放つメロディを磨き続け、生き物のようにうねるグルーヴを追い求め、汗と涙を流してきた。Sailing Before The Windは荒れ狂うインターネットの大海原を巧みに乗りこなし、国内外にファンベースを拡大しながらその名を浸透させ、Sable Hillsは日本を飛び出し、いくつものチャンスを確実に掴み、年齢、人種問わず多くのメタルコア・ファンのハートを撃ち抜いてきた。

その両バンドの”確かな目”によってキュレーションされる「One Bullet Left」には、Nocturnal Bloodlust、Earthists. A Ghost Of Flare、Changeless、そしてアメリカからAcross The White Water Towerが出演する。これらのアーティスト達に宿る”独自性”は、まごう事なきピュア・メタルコア・ブラッドを軸に発展させてきたものだ。このイベントを通して彼らのステージを楽しめば、言葉に出来ないメタルコア・スピリットのアトモスフィアを体感できるはずだ。

RIFF CULTでは、この度始まった「One Bullet Left」の記念すべき第1回目の開催まで、Sailing Before The Wind、Sable Hillsの2組の核心に迫るコンテンツを発信していく。個々の音楽志向やこれまでの活動を振り返りながら、日本のメタルコアを牽引していくパワーの源を解き明かしていく。

【公演概要】

One Bullet Left
開催日:2024年1月28日(日)
会場:東京 渋谷 clubasia / 開場 14:00 開演 14:30
前売券:3,800円 (ドリンク別) / U-20割(20歳以下)前売券:2,000円 (ドリンク別)
https://eplus.jp/onebulletleft

【出演】
SABLE HILLS
Sailing Before The Wind
Nocturnal Bloodlust
Earthists.
Across The White Water Tower (USA)
A Ghost Of Flare
Changeless

■One Bullet Left 出演バンドオフィシャルサイト■
https://www.sablehills.jp
https://linktr.ee/sailingbeforethewind
https://www.nocturnalbloodlust.com
https://www.earthiststokyo.com/
https://atwwt.com/
https://twitter.com/AGHOSTOFFLARE
https://lit.link/Changeless