SABLE HILLS、Sailing Before The Windが キュレーションするメタルコア・イベント「One Bullet Left -supported by RIFF CULT-」が始動!

日本のメタルコアを象徴するバンド、Sailing Before The WindとSable Hillsが、遂にタッグを組んだ。2024年1月28日、東京・渋谷club asiaにて、この2組がキュレーションするイベント「One Bullet Left」が開催される。国内外から選抜されたアーティスト達によって繰り広げられる熱演を想像するだけでも、このイベントが日本のメタルコア・シーンにとって、重要なものであることが分かるだろう。

多くの国内アーティスト達がメタルコアを通過しながら、日本が産んだ「ラウドロック」というジャンル、あるいはカテゴリーの独自性をヒントに世界のメタル・シーンへと舵を進める中、Sailing Before The WindとSable Hillsは、実直に「メタルコア」という音楽の根底に流れるピュア・ブラッドを見つめ続け、時代の流れやトレンドに惑わされることなく、リフを刻み続け、眩しいほど輝きを放つメロディを磨き続け、生き物のようにうねるグルーヴを追い求め、汗と涙を流してきた。Sailing Before The Windは荒れ狂うインターネットの大海原を巧みに乗りこなし、国内外にファンベースを拡大しながらその名を浸透させ、Sable Hillsは日本を飛び出し、いくつものチャンスを確実に掴み、年齢、人種問わず多くのメタルコア・ファンのハートを撃ち抜いてきた。

その両バンドの”確かな目”によってキュレーションされる「One Bullet Left」には、Nocturnal Bloodlust、Earthists. A Ghost Of Flare、Changeless、そしてアメリカからAcross The White Water Towerが出演する。これらのアーティスト達に宿る”独自性”は、まごう事なきピュア・メタルコア・ブラッドを軸に発展させてきたものだ。このイベントを通して彼らのステージを楽しめば、言葉に出来ないメタルコア・スピリットのアトモスフィアを体感できるはずだ。

RIFF CULTでは、この度始まった「One Bullet Left」の記念すべき第1回目の開催まで、Sailing Before The Wind、Sable Hillsの2組の核心に迫るコンテンツを発信していく。個々の音楽志向やこれまでの活動を振り返りながら、日本のメタルコアを牽引していくパワーの源を解き明かしていく。

【公演概要】

One Bullet Left
開催日:2024年1月28日(日)
会場:東京 渋谷 clubasia / 開場 14:00 開演 14:30
前売券:3,800円 (ドリンク別) / U-20割(20歳以下)前売券:2,000円 (ドリンク別)
https://eplus.jp/onebulletleft

【出演】
SABLE HILLS
Sailing Before The Wind
Nocturnal Bloodlust
Earthists.
Across The White Water Tower (USA)
A Ghost Of Flare
Changeless

■One Bullet Left 出演バンドオフィシャルサイト■
https://www.sablehills.jp
https://linktr.ee/sailingbeforethewind
https://www.nocturnalbloodlust.com
https://www.earthiststokyo.com/
https://atwwt.com/
https://twitter.com/AGHOSTOFFLARE
https://lit.link/Changeless

超個性派! メタルコア 2023年上半期のベスト・シングル

RIFF CULTでは、Spotifyを利用して最新のメタルコアの楽曲をまとめた「All New Metalcore 2023」というプレイリストを作成し運営しているのですが、2023年の上半期だけで1,000曲以上がリストインしており、デイリーチェックしないと全ての楽曲、ましてやアルバムやEPなどをチェックするというのは難しい。そして、どれだけ優れたテクニックやメロディがあったとしても、聴かれなければ意味がない。聴いてもらうために、そして見つけてもらうためにも現代メタルコアには、唯一無二の個性が必要だ。

メタルコアに限って見ても、トップシーンで活躍するバンドたちは「メタルコア」というジャンルだけでは表現できない個性を持っている。誰でもない自分たちだけの個性は、多くのリスナーにリーチするためにとても重要な要素だ。今回、他の誰にも真似できないようなオリジナリティでファンを魅了した2023年上半期のメタルコアで印象的なシングルをまとめてみた。主にプログレッシヴ・メタルコア・バンドを中心に構成されているが、中には全く違ったシーンで活躍するアーティストもいる。それでも「プログレッシヴ」であり「メタルコア」であることを前提条件にリストを作成しているので、通して聴くと意外とジャンルの違いを感じないと思う。

 

 

 

Earthists. 「HYPERHELL」

藤井風など現行シーン〜シティポップ、アニソンまでを一括りにした「J-POPに取って代わる新しいワード」として「Gacha Pop」というキーワードが誕生したのは記憶に新しい。J-POPというカテゴリーは日本の多様な音楽を一括りにまとめるには窮屈だし、世界のトレンドと別で発展する日本の音楽を表現する言葉として「Gacha Pop」はアリなのかもしれない。ガチャガチャした感じというのは日本のポップスだけに言えることではなく、メタル〜メタルコアにも当てはまるだろう。Fear, and Loathing in Las VegasからBABYMETALまで、多様な音楽の影響を混ぜ合わせる、というか“ガチャガチャと詰め込んだ“ものが刺激的で面白いとメタル・シーンでも評価されてきた。今では世界を飛び回るPaleduskも「Gacha Metal」と言えば腑に落ちる感じがする。

Earthists.もこの「HYPERHELL」で他にない刺激的なサウンドを作り上げ、2023年上半期にシーンで注目を集めた。ハイトーンでメロディアスなサビ、全編に施された軽やかなピアノの旋律、それでいてグローバル・スタンダードなレベルにあるプログレッシヴ・メタルコアのグルーヴ。これらが見事に「HYPERHELL」として形に出来るクリエイティヴさはEarthists.にあって他にないものだ。こうした個性がしっかり受け入れられ、評価される日本は音楽家含む芸術家にとって良い土壌だ。誰もやったことがないことをEarthists.がどんどん挑戦して、ファンが楽しみ続けていったら最終的にどこに辿り着くのか、今はまだ想像も出来ない。7月14日にはニュー・シングル「GODBLAST」のリリースが控えている。

 

BABYMETAL 「Mirror Mirror」

メタルコア、中でもプログレッシヴ・メタルコアの記事になぜ BABYMETAL が?と思うでしょう。この曲聴いたら、「確かに」と頷けると思います。今年リリースされたアルバム『THE OTHER ONE』の収録曲である「Mirror Mirror」は、本格的なプログレッシヴ・メタルコアな楽曲で、PeripheryErraPolyphiaなど本格派と呼べるプログメタル・クオリティに仕上がっています。スペーシーに広がっていくメロディにはArch Echoも感じますね。そして、本当にこの歌詞が素晴らしい!

「鏡の中で生きる 君は何を見ている リアルな自分なんて 存在しないんだから 幻想を超えて 自分さえも飛び越えて 新しい世界 いまここに」とまさに、BABYMETALが歌うべき、歌ってこそ説得力を増すフレーズと言うか。自分が生きている世界とは別の世界から聞こえてくる囁きのような響きがあって、そしてそれを、この未来派プログレッシヴ・メタルに乗せてくるんだから凄まじい。本当に最高のアルバムで全人類必聴。

 

 

SHREZZERS 「Tabidachi feat. Kaito from PALEDUSK」

個性派と言えばPaleduskで間違い無いですよね。東欧が誇るプログレッシヴ・ポストハードコア/メタルコア SHREZZERS はセカンド・アルバム『SEX & SAX』を2023年2月にリリース。ここ日本でもその人気は絶大で、国内向けのクラウドファウンディングでセカンド・アルバム『SEX & SAX』の日本限定盤を発売するほどだ。この楽曲には、PaleduskのボーカルKaitoが完全に憑依しており冒頭からサビパート&サックスが導入されるまで、SHREZZERSとは分からないほど。「Tabidachi」での個性のぶつかり合いは互いの魅力を上手く引き出しており、アルバムでもキーになるトラックと言える。10年前くらいだとこうして日本人ボーカリストが海外アーティストの楽曲にゲスト・ボーカルで参加すると言うのはほとんどなかったと思うのですが、Ryo Kinoshita以降は本当に良いフィーチャリングが続いていて面白いですし、これをきっかけに海外アーティストに引き込まれるリスナーがいたら良いなと思います。

 

Paledusk 「I’m ready to die for my friends feat. VIGORMAN」

その人気はとどまることを知らず、この夏、海外へと飛び出し大規模フェスで熱狂の渦を巻き起こしているPaledusk。そんなライブ映像を眺めていると、彼らがメタルコア・バンドの枠に収まっていたのが遠い昔のことのように感じる。ギタリストDAIDAIのクリエイティヴィティはBring Me The Horizonをも刺激して、最新曲「AmEN!」の編曲に参加するなど、もうメタル/ヘヴィ・ミュージックのトップ・クリエイターと言っても過言ではない存在へと成長した。

「I’m ready to die for my friends」はアメリカンロック/ポップスの軽快なギターフレーズから雪崩のようにヘヴィリフが炸裂するパートへと突入したかと思えば、VIGORMANをフィーチャーしたキャッチーなラップパートへと接続。最終的にA Day To Rememberばりのヘヴィ・ポップパンク・ブレイクダウンで全てを爆発させてしまう……これを形容する音楽ジャンルなんてない。聴き終えた後は、奇想天外な結末を迎えた映画を見終わった後の、なんとも言えない胸のざわめきというか、「この結末って何なんだろう」と、誰かと話したくなるあの感じがふつふつと湧いてくる。人は皆、なんだか分からないもの、理解出来ないものに興味関心を掻き立てられる。Paleduskの音楽が一体なんなのか、聴き終えた後のこの満足感はなんなのか、これからも誰にも分からない。それがPaleduskが人々を惹きつける大きなエネルギーになっている。これからもみんなを驚かせ続けて欲しい。

 

 

Anima Tempo 「Saeger Equation」

メキシコを拠点に活動するエクスペリメンタル・プログレッシヴ・デスメタル・バンド、Anima Tempoは上半期の最後の最後、6月30日にニュー・アルバム『Chaos Paradox』をリリースしました。これが本当に素晴らしい。先行シングルとして公開された「Saeger Equation」はオリエンタルなイントロで幕開け、これは少しフォルクローレの香りもします。フォルクローレは南米(特にコロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ)のアンデス山脈地方でインディヘナ達によって歌い継がれる民族音楽で、南米メキシコ出身の彼らにどのくらい影響があるのかは分かりませんが、影響がなきにしもあらずなのかと (完全な憶測ですいません)。

民族音楽の音色とPeriphery、Animals As Leadersを通過したプログレッシヴ・メタルコア/Djentのグルーヴを見事に展開させ、特にシャープなリフワークは聴きごたえがあります。アルバム通じてこの作風ではないのですが、日本でも話題沸騰中のBloodywoodやThe HU辺りハマってる方におすすめです。余談ですが、2018年にRNR TOURSでドイツのTensideというバンドのツアーを手がけた時、同時期に彼らもジャパンツアーを行っていて、1公演一緒にやる予定だったんですが、台風で公演中止に……。結局彼らとは合流できずだったので本当に残念でしたね。次来日する時はビッグになってやってきてくれるはず!

 

Chris Turner – Psycho (ft. Lauren Babic x Mitchell Rogers)

唯一無二のプログレッシヴ・メタルコア・バンド、Oceans Ate Alaskaの超個性派ドラマーとして知られるChris Turnerのソロ・プロジェクトが活発。ポップ・シンガーAnne Marieの人気曲「Psycho」のカバーをRed Handed Denialの女性シンガーLauren BabicとVarialsのMitchell Rogersと共に制作。Chrisはこのドラム録音でサンプルもトリガーも使ってないらしく、本当にオーガニックなテクニックでここまでやっちゃうのは凄まじいとしか言いようがないですね……。Djentなブラッシング・リフとChris独特のドラミングの組み合わせが織りなすグルーヴがポップな楽曲でも、ここまでタイトにアレンジ出来るのはChris Turnerだけ。Oceans Ate Alaskaだけでなく、彼のクリエイティヴな姿をソロでも楽しめるのは最高です。

 

 

Voyager 「Prince Of Fire」

グローバルな人気を持つオーストラリア出身のプログレッシヴ・メタル・バンド、Voyager。99年から活動を続けるベテランで、がっつり”プログレッシヴ・メタルコア”ではないですが、Djentな香りの中に80年代シンセポップを組み合わせたノスタルジックなサウンドで幅広い人気を持っています。今年に入り「Prince of Fire」と「Promise」の2曲のシングルを発表していますが、この「Prince of Fire」ではブレイクダウンもあり、メタルコア・リスナーにもハマる要素あり。ボーカリストDanny Estrinのカリスマ性も高く、実力以上にその雰囲気で圧倒している感じ。クラシックなプログメタルの美的感覚たっぷりでありながら、現代メタルコアに通ずる創造性も兼ね備えたVoyager、次の新曲も楽しみです。

 

Ice Sealed Eyes 「There Is No Safety In The Dark」

ベルギーから現れたモダン・メタルコア・バンド、Ice Sealed Eyes。2022年のアルバム『Solitude』で衝撃を受けた方も多いはず。彼らの登場には、どこかLoatheやSleep Tokenが登場した時の感動を思い起こさせられます。メタルコアってダンス・ミュージックだと思っているんですが、そこから離れてロックに向かっていくバンドもいて、Loatheがシューゲイズを用いてオルタナティヴ・メタルコアの可能性を拡大したのは時が経つにつれてかなり重要になってくると思います。Ice Sealed Eyesは更に奥深く、ノイズやアンビエントのエレメンツを用いてオルタナティヴ・メタルコアをやっている感じがします。全体的に引き締まったサウンド・プロダクションからはVildhjarta的なThallの影響も見え隠れしているのですが、個人的にはもっと巨大なギターリフ、裸のラリーズ、Borisとかにまで通ずるノイズが欲しい。アンプを天高く積み上げてノイズの銀河まで逝って欲しい。

 

Their Dogs Were Astronauts 「Replica」

オーストリアの多弦プログレッシヴ・インスト・ユニット、THeir Dogs Were Astronauntsが2023年5月にニュー・アルバム『Momentum』を発表。「Replica」は先行シングルとして発表されたアルバムのキーリングで、ユニットらしくプログレッシヴでエクスペリメンタルな魅力がたっぷりと詰め込まれた1曲に仕上がっている。ベテラン・プログメタル・バンドがPolyphiaをカバーしたような、懐かしさを新しさが同居する謎めいた雰囲気が全編に渡って味わえる。

 

いかがでしたでしょうか。新しいお気に入りは見つかりましたでしょうか?本当に素晴らしい音楽が多く、全てを聴くことはできないかも知れないですが、こんな世界が始まっていることだけでも知って、バンドを応援して欲しいです。

Earthists. 、新境地見せる新曲「HYPERHELL」をリリース!

 

東京を拠点に活動するメタルコア・バンド、Earthists. が新曲「HYPERHELL」をリリースしました。この楽曲は各種音楽プラットフォームで視聴できるほか、cellによって制作されたリリックビデオが公開されている。”らしさ”はそのままに、随所にフレッシュなアイデアを盛り込んだ本楽曲は、公開からすぐにTwitterのトレンド入りをするなど高い注目を集めている。

 

 

配信URL : https://linkco.re/2rTTq6Gg

 

Earthists.、多彩なゲストを迎えたニューシングル「Skywalker」リリース

東京を拠点に活動するEarthists.が、PROMPTSのPK、GraupelのSota、Sable HillsのTakuyaをゲストに迎えたニューシングル「Skywalker」をリリースしました。

シングルは下記配信URLにて。
https://linkco.re/XQqbBc5t

彼らのサード・フルアルバム『Have a Good Cult』は2022年6月22日にリリースされる。新曲を聴き込んで楽しみに待とう!

Twitter: https://twitter.com/EarthistsJP
Instagram: https://www.instagram.com/earthistsjp/
Facebook: https://www.facebook.com/EarthistsJP/

 

CUBE RECORDS 「BIRTH TOUR」開幕直前! CUBE RECORDSのSeijiroに今の心境を聞いてみた

10月23日の大阪十三GABU公演からスタートするCUBE RECORDS presents 「BIRTH TOUR」。Earthists.、Sable Hills、Graupelの3バンドによるパッケージツアーで、ツアー2日目の名古屋公演はソールドアウト。最終日は渋谷DUOという大きな会場で公演を行う。このツアーを運営するCUBE RECORDSのSeijiroに開催直前の心境や「BIRTH TOUR」への想いについて聞いてみた。

 


 

いよいよCUBE RECORDS主催のツアー「BIRTH TOUR」がスタートしますね。SNSでもその盛り上がりを感じます。その中でいくつかツイートされていて、自分自身気になったのですが、Sable Hills、Earthists.、Graupelの3バンドはCUBE RECORDSに所属ということではないのですか?

 

所属ってわけではないですね。CUBE RECORDSは今、Crystal Lakeのレーベル、というイメージがあると思いますが、今回違う形でレーベル活動を展開していこうということで、Sable Hills、Earthists.、Graupelの3バンドと一緒に何かやってみようということで今回の企画が立ち上がりました。Crystal Lakeのプレイするメタルコアに関連して、その第1弾というイメージだね。

 

日本のメタルコアを盛り上げていこうということですね。

そうだね。特にジャンルにこだわりはないんですが、Crystal Lakeに近いですしね。これからシーンの中心になっていくバンドで、俺自身メタルコア好きだし、楽しみな存在だったので声をかけました。

 

日本のメタルコアが盛り上がっていくことは、Crystal Lakeにとってもプラスなことだと思いますし、何よりその道筋が後続のバンド達にとっての目標にもなっていきそうですよね。

そういう流れとか動きとかが作れたら良いよね。メタルコアとひとくくりにすることも出来るけど、それぞれ特徴を持つバンドだから、その3バンドが集まってスプリットを出せば面白いかなと。自然と日本のメタルコアを象徴するようなものになればいいね。

 

『BIRTH EP』のコンセプトは、これからも続けたいと思っていますか?

これはこれで完結というイメージがあります。CUBE RECORDSとして新しいもの、何かを生み出すという事にフォーカスして生まれたものであって、だからタイトルも「Birth」になっています。これがアーティストの糧になればいいなと考えています。

 

Crystal Lakeのレーベルとはいえ「BIRTH」という企画をやる上で、苦労したことも多かったと思います。大変だったことで特に覚えていることはありますか?

いやー、全部だね笑 新しいチャレンジだしね。バンドとの接し方とかプロモーションのやり方とか……。言い出したら切りがないですが、俺自身昔レーベルをやっていた時との違いを感じてます。海外からバンドを呼んで、ツアーして、プロモーションして……というのとは全然違う大変さがあるし、面白さがあるなと。自分自身としてもカメラマンとしてデザイナーとして新しい挑戦なので、手探り状態。

 

サブスク全盛の時代にCDとしてリリース理由は?

CDを作ってお店に置くことでしか得られないものがあるから、ですかね。店舗バイヤーとの関わりであったり、CUBE RECORDSはじめSable Hills、Earthists.、Graupelから日本のメタルコアシーンをもっとフックアップしてもらう為にもCDをきっかけにやれることがあるからね。自分達ができることは全部やってみようということでCDとして形にしました。

 

CUBE RECORDSからみた、3バンドの個性は?

1バンドずつ紹介すると、Sable Hillsは、従来のメタルコアバンドとは違った、メタルやハードコアのヴァイブスを持つバンドです。トゥルーな感じが最高ですね。

Earthists.はジャンルどうこうより、常に新しいことに挑戦してるクリエイティヴなバンドという印象ですね。ヘヴィミュージックの新しい表現に挑戦しているというか。歌メロとかも「こんな表現するんだ」と面白さがありますね。

Graupelは、個人的にファストな楽曲が好きだから、自然とそこをポイントとしてオススメしたいバンドですね。速さに特化した叙情メロディック・メタルコア的な感じ。新曲を初めて聴いた時、「こういうエッセンス入れるんだ」と驚いたんですよね。自分も同じタイプのメタルコアをやってきたし、メタルコアのメロディじゃなく、違う音楽からくるメロディがあるなと。

 

いよいよ23日からツアーがスタートしますが、今の心境はどうですか?

期待と不安が入り混じってるけど、とにかく一番はたくさんの人に来て欲しいということですね。東京公演は大きな会場でこのバンド達が観られるということを何より楽しみにしていて欲しいですね。一個上のステージで彼らのライブを観るということは特別なことだろうし、バンドをやってきた自分自身もこうしたステージがプレイした経験が今の糧になっているように感じますし、それをバンド達には味わって欲しいですね。気合の入ったステージ、楽しみにしてて欲しいです!

最後に、一番聞きたかったんですが、CUBE RECORDSの活動を、若いバンドとかこれからバンドやりたいと思ってる人たちが注目していると思います。そういう人達に対して、何かアドバイスはありますか?

何事も動いてみることが大事だと思ってます。CUBE RECORDSもCrystal LakeのYDさんに誘われて「面白いことやっていこう」と動き出しました。俺もサラリーマンやってた時期もあったけど、カメラマンの仕事をしたいと思って動き出して、今がある。気になったらCUBE RECORDSに連絡くれても全然いいし、とりあえずやってみる、動き出す事が大事だと思うよ。

 


 

【インタビュー】Earthists. (2020年6月27日)

 

新型コロナウィルスの影響で、世界中のコンサート活動は中止せざるを得ない状況となってしまった。日本も同じく、東京を中心に毎日のように行われていたコンサートは中止に追い込まれ、営業を断念するライブハウスのニュースに心を蝕まれた音楽ファンも多いだろう。そんな中、Earthists.がコロナ渦においては恐らく世界で最初のメタルコアショーをGARRET udagawaで行った。そのショーは最新鋭のVJが駆使され、これまでに見たことのない新たな形として、音楽ファンを驚かせた。今回はEarthists.のメンバーにインタビューを行い、新たなコロナ渦での音楽活動について聞いてみた。

インタビュー日時 : 2020年6月27日 (土)
アンサー : YUI & YUTO (Earthists.)
インタビュアー : TATSUWALLY (RNR TOURS)
編集&構成 : WAKI (RNR TOURS)

https://www.earthiststokyo.com/

今回のイベント開催について -今回のタイミングでライブを行おうと思った経緯について教えてください。

YUI : まず、今年の7月11日(土) 代官山UNITで行われる予定だった、Earthists./Graupel/Sable Hillsによる5周年イベントの中止を発表した直後に、大阪府がライブハウスでの有観客公演に関するガイドラインを発表しましたよね。アクリル板をステージと客席の間に設置してのイベント実施要請の内容をTVでイラスト付きで見た時に、これをVJに投影したら面白いことが出来るのではないかと感じました。

元々、今年の1月15日にマイナビBLITZ赤坂で行われたCY8ERのワンマン公演の演出で、透過のスクリーンを使ってホログラムを写していたのがめちゃくちゃかっこよくて、小規模のライブハウスでも再現できたら良いなと思っていました。 なので、アクリル板を使用した飛沫防止対策を見た時に、考えていたことの点と点が線に繋がった感覚がありました。

6月から東京都もライブハウスに対して同様のガイドラインが出そうな雰囲気があったので、こういうのって先にやったもん勝ちだと思って。やると決めてから勢いよく準備を進めました。 社会的な大義名分や、ライブハウスを助けるというのはもちろん大事ですが、今回はそれに対しての大きな意味は敢えて持たせないように、与えられた制約、器の中で自分達の自由を最大限表現していくことがアーティスト/ミュージシャンのあるべき姿だと考えて動きました。

今回のイベントも制約がある中で、自分達がいかにこの制約を利用して、自分達の長所としている部分を存分に表した演出が出来るのかなと考えた時に、こういう言い方はあまり良くないけど、一種のチャンスと捉えて、モッシーなバンドとはまた違う魅せ方が出来る、自分達なりのオリジナルなライブがこのタイミングで誇示出来るのではないかと思ったのも理由の一つです。

今の質問と重複してしまいますが、この企画で特にこだわりを持たせた部分を教えていただけますか?

YUI : 今回はソーシャルディスタンスという環境を利用したVJ投影による演出表現というのが大きなポイントになっています。イベントのタイトル、「PARALLEL WORLD (パラレルワールド)」にも関係してきますが、自分の中での裏テーマがあって、それは普段僕達が行なっているような、ライブハウスで密集してダイブなどを行なっている世界線がTRUEな世界線だとすると、今回のライブは”ウィルスが世界中に蔓延して、誰もが密集した状態で娯楽が全くできなくなってしまった20XX年のライブ会場で、誰にも見つからないように地下施設で、その時の最新の技術を駆使して特殊な演出をしている世界線”というものを表現していて。それはまさにパラレルワールドで、”IFの世界のライブハウス”を表現しました。全席着席にして、VJを使ってわかりやすいデジタルな雰囲気と近未来な演出というのを行ったのもそのコンセプトに基づいています。

そして今回、THINGS.のTakuya Oyama(以下Takuya)に協力してもらって、少ない時間の中でも何度もミーティングを重ねてVJ用の映像を作っていったというのが今回のこだわったポイントですね。後はゲームのFALLOUTの中でのライブハウスはこうなんじゃないかな、というのも想像したりしました(笑)。

映像担当にTakuyaさんを起用した経緯を教えてください。

YUI : Takuyaとは以前から知り合いで。と言っても THINGS.が大阪から活動拠点を東京に移してから関係が深まったのですが。Takuyaが以前Twitterで「VJに興味ある人いませんか?」とツイートしていたのを覚えていて今回連絡しました。そもそも僕はTakuyaの映像が本当に大好きで、話は戻りますが、それこそ彼が手掛けているCY8ERのミュージックビデオのデジタルな世界観や感覚に共鳴していましたし、僕が想像していたパラレルワールドの“もしもの世界線”であるデジタルスチームパンク / デジタルカルト感とイメージが最も近かったので、迷わずオファーをしました。

まさにYUI君の想像がリンクしていたと?

YUI : そう。今回THINGS.と約束できなければ、企画自体やめようと決めていたくらいです。

コロナウィルスによって全世界的にライブが出来ない状況でしたが、それぞれどういう時間を過ごされましたか?

YUTO : 僕は基本的には家で制作だったのですが、何かしらコンテンツを出したいなと考えていて。Footprints のリモートセッションをSNSでリレー形式でやろうよってYUIが発案してくれてやってみましたね。それと、次の新作のプリプロ、デモ音源の制作も行いました。

新しい趣味は出来ましたか?

YUTO : 音楽にまつわることしかしなかったですね…。

YUI : なんかパン作ってたよね?

YUTO : あ(笑)ホームベーカリーの機械を買って、くるみを入れたりしてパンを作ってました。

バンド界隈でカレー職人が増える中、パンを作られていたんですね (笑)

YUTO : そうです(笑) Yui君はどんな時間を過ごしましたか?

YUI : 僕はスパイスカレー作りに魅了されてましたね(笑)。結構行くとこまで行って、今でも作っていますね。あとはD.I.Y.にハマって、2×4材を柱に出来るラブリコっていうジョイントがあって、それを使って本棚を作ってて… YUTOはうちに来て現物見たから知ってると思うけど、結構完成品イカついよね(笑)?

YUTO : ヤバいよね (笑)

YUI : 壁一面が本棚みたいになってて、そこにクラフトビールを並べて(笑)。あとはYUTOと一緒で曲の制作を進めてましたね。

なるほど。ビール関連で伺いたい質問がありまして、4月18日-19日に吉祥寺で開催されるはずだった「CRAFTROCK CIRCUIT’20」(Earthists.は19日に吉祥寺Warpで出演予定だった)が残念ながらイベントの開催が中止となってしまったのですが、率直な感想を教えてください。

YUI : UNITの5周年イベントが延期になったのと同じくらい悲しかったですね…。

YUTO : めちゃくちゃ楽しみだったよね (泣)

YUI: 普段、僕達が活動するフィールドでは対バンやブッキングできないような異色な人達も多くて、そういう中で生まれるケミストリーとかも楽しみにしていたし。

YUTO : tofubeatsとかいて結構テンション上がったね。

YUI : DAOKOさんとかいてね(泣)。あとは吉祥寺WarpがCrystal Lake、Her Name In Blood、Endzweck、Versus The Nightというラウドな会場だったというのもね。

本当に残念でなりませんね。やっぱりケータリングはビールなのでしょうか?

YUI : (ビールサーバーから、ビールを注ぐ動作をしつつ) そう。もう最高なんだよね。もう飲み放題なんだよね。本当に残念です。

自宅にいることで音楽を聴く機会が増えたと思うのですが、自粛期間中よく聴いていたアーティストを教えてください。

YUI : 僕は元々、邦ロック超大好きで、邦ロックのジャンルを継続的にディグりながら、フューチャーポップやサブカルチャー的な音楽も大好きで。かなりティーンネイジャーっぽいんですが…、その中でもYOASOBIとか藤井風、Vaundy辺りをよく聴いていて、後者2名はかなり前から色々な人にオススメしてました。

YUTO : Vaundyとか完全に一人でやっていて、そういう所謂D.I.Y.な感じのベッドルームアーティストを聴き漁ってました。

なるほど!YUTO君のソロプロジェクトSkyLogicもここら辺のアーティストから影響を受けているのでしょうか?

YUTO : 影響受けましたね。元々Earthists.を始める前に活動していたプロジェクトなのですが、それをちょこちょこ引き続きやっていて、それが一層このコロナの期間で強まりましたね。もちろんメインはバンドですが、別のアウトプットを作って発信したい気持ちをソロプロジェクトの作品に反映しています。そこで得たものもバンドに還元していければとも思ってます。

別の視線でから見るというのはとても大事だと思います。

YUTO : アプローチの仕方が変わってくるのと視野が結構広がるという考えもあります。

 

『DREAMSCAPE』収録曲「Footprints」をリメイクして「FOOTPRINTS(Metropolis Mix)」としてリリースされたこの楽曲は、自粛期間中のリレー投稿の一環で、YUI君がTwitterに投稿した30秒動画が反響を呼んでのリリースだったと思うのですが、この曲をチョイスした理由はあるのでしょうか?

YUI : あーなんでなんだろう?(笑)

YUTO : なんでなんだろうね (笑)

YUI :過去に「Purge Me」をJazz Groove Remixという形で既にリリースしていて、そういうリミックスの曲をまた作りたいねという話自体はバンド内でもしていましたね。あとは個人的に「Footprints」が好きっていうが理由です。

YUTO : サビのメロがメロ〜〜っていう感じだもんね。

個人的に「Purge Me」が好きだったので少し期待をしてしまったのですが。

YUI :「Purge me」はリフが凄いバウンシーだから、アコースティックでしっとりというよりは既にリリースしているJazz Groove Remixの様なフューチャーベース感を持たせた踊れるノリの方が、楽曲のイメージを崩さずにリミックス作品としてまとまると思ったんですよね。

2月に発表され、2020年版としてリメイクされた「RESONATING LIGHT 2.0」は小林亮輔氏(a crowd of rebellion)をゲストボーカルに迎えましたね。その経緯と「Resonating Light」という選曲になった理由を教えてください。

YUI : Earthists.は今年で結成5周年を迎えます。5周年企画として開催を予定していた7月11日の3マンイベントの他にも何かしたいねという話があり、僕達の代表曲「Resonating Light」を再録することにしました。『DREAMESCAPE』収録曲用にレコーディングした時点では、良い意味でも悪い意味でも稚拙な部分があって、当時も完成に対しての満足度が正直そこまで高くなかったです。

「Resonating Light」のサビのメロディは、元々亮輔くんに影響を受けて作ったメロディで、今楽曲の本家とまでは言わないけど、リスペクトしているアーティストである彼にゲストボーカルを是非お願いしたいという想いがありました。そもそも「Resonating Light」を作った時に亮輔くんにお願いしたいというのはありましたが、バンドが始動して間もなく、お願い出来る状況じゃなかったんですよね。

今もまだまだだけど、自分達なりに経験値を積んできて、実際にa crowd of rebellionの丸山獏さんや宮田大作さんとお話する機会も増えてきて、Earthists.も5周年を迎えて腰を据えてお願いできる段階に来たと感じて、今回オファーしました。冒頭の話しに戻りますが、THINGS.がこのイベントで映像を担当してくれなかったら企画を行ってないのと同じで、亮輔くんにオファーを断られたら、別の曲を再録しようと思ってました。

5年経った現在で、作曲面で意識した部分とかあれば教えてください。

YUTO : 2016年当時は、とりあえず音源を形にしたい想いが先行していて、ライブを想定した曲作りであったり、身体が揺れ動く感じなどを意識していませんでした。今になって、もう少しリスナーに好かれるようなテイストにしたくて、リフがシンプルになってきましたね。

なるほど。伝わりやすさがあれば、より多くの人に広がるという視点は経験を積まないとわからないことですね。

YUTO : あとは単純に難しいことをやりたくないですね (笑)。 昔はテックコアみたいな感じだったのですが、今はもっとお客さんにダイレクトに伝わるように、演奏している自分が楽しく弾けるようにできたらなという感じです。

先日、中国のICHIGO Recordsとレーベル契約をされましたが、アジア方面に対してどういう風に捉えていますでしょうか?

YUI : 俺、アジア超大好きで、ツアー行った中で中国ツアーが一番楽しかったんですよね。プロモーターの人がナイスガイだったというのも大きいかな。基本的にみんな良い人達で、関わってくれる人、遊びに来てくれたファンのみんな全員リスペクトを持って接してくれて、ツアーバンドだからとか、日本人という外国人だからというのはあまり感じなくて、純粋にアーティストとしてリスペクトしてくれているというのを凄く感じました。

YUTO : 日本語でコミュニケーションを取ってくれる人が多くて。あと異常に日本語が上手な人にツアー中2人くらい出会ったりして(笑)。凄く面白かったです。

YUI : これからも様々な面で世界中に向けて活動して行き、アジアでは中国を中心に露出して、また呼ばれるように活動していきたいです。

なかなか難しい状況ですが、今後に向けてのビジョンがありましたら教えてください。

YUI : リリースはコンスタントに行う予定です。ライブ活動や、アーティストとして自分達で表現していく方法は今日のライブ然り、制約のある中でも色々あると思いますが、模索しながら僕達なりに、Earthists.だから出来る表現や活動をしていきたいです。

また、最近では配信が増えてきていますが、これが今後のライヴ事情のニューノーマルになるとは思ってないです。ただ、しばらくこの状況は続くと思うから柔軟に適応しつつ、海外のお客さんを獲得するチャンスでもある配信ライブが、この状況下でライブハウスも制作サイドも経験値を積んでいて、以前よりライヴ配信へのハードルが下がっていきていると思うのでどんどん利用していきたいと思っています。

今日のこのイベント直前に意気込みをお願いいたします。

YUI : 今日のイベントは、開催まで3週間という通常イベントではあり得ないスケジューリングで制作を行っていて、急いで会場を押さえて、機材買って、映像作って、なんとしても間に合わせるぞという気持ちでやっていましたが、その反面この状況下でお客さんが本当にくるのかとか、ガイドラインは厳守しているもののお客さんの安全面を、ウイルスの専門家でもない僕達が監修した会場状況で万全に達成できているのかとか不安はあって。実際に今日、批判の声が出ちゃうかもしれない。ただ、そういうリスクを全部背負ってでも、アーティストっていうのは常にエスカレーターを逆走しているような状態なので、止まるとどんどん下がっていくから止まる訳にはいかない、同じ速度で歩いても位置が変わらずただ足だけ痛めていずれ終わってしまう。上に登るためには、常に全力で駆け上がらないと、どんどん自分で進んでいかないといけないと思っています。

YUTO : 常に120%の気持ちでやっていければと思います。 YUI: 俺たちはアーティストだから突き進みます。

たくさんのお話しありがとうございました。最後にファンの方へメッセージをお願いします。

YUI : いつも応援してくれてありがとうございます。こんな時期だからこそ、音楽がワクチンとして実際にウイルスに作用するわけじゃないけど、精神的な助けだったり支えだったり、何かしらのトリガーだったりにはなりえると思っています。何かに挑戦するという面でも、僕達なりにも様々な挑戦とリスクを背負って活動していきます。みんなも全方向で萎縮しすぎず、様々な制約の中でもこの時期だからこそ出来る新たな一歩を進んで欲しいと思います。

YUTO : この状況下なので、ライブハウスで生で届けるのは難しいけれど、自分達なりにやり方を考えて見つけていき、コンスタントに新しい音楽を届けていくので、ついてきて欲しいです。