東京を拠点に活動するメタルコア・バンド、Sailing Before The Wind が、初の主催となる東名阪ツアー「REVISED SEASONS TOUR 2024」を2024年10月に開催することを発表しました。このツアーには、オーストリアからLeon’s Massacreをゲストに迎え、東名阪3公演の開催を発表している。大阪公演には Last Day Dream、名古屋公演には Pastime、東京公演には霞が出演する。ツアーのアナウンスに合わせてチケットの販売もスタートしているので買い逃さないように必ずGETしよう!
▶︎Sailing Before The Wind presents 「REVISED SEASONS TOUR 2024」supported by RNR TOURS
東京を拠点に活動するメロディック・メタルコア・バンド、Sailing Before The Wind が、新作EP『Revised Elements』を2024年5月9日にリリースすることを発表しました。全ての楽曲にフィーチャリング・ゲストが参加しており、すでに発表されている「Breath of Air (feat. Matt Sosa)」など全4曲が収録されている。
東京を拠点に活動するメタルコア・バンド、Sailing Before The Wind がヨーロッパ・ツアーを開催することを発表しました。このツアーはフランスのブッキング・エージェントであるRAGE TOUR によってブッキングされ、フランス、オーストリア、スイス、イタリアの4ヶ国7公演を回る。
RAGE TOURはこれまでにBEING AS AN OCEAN、CARCASS、CROWBAR、DAGOBA、DESCENDENTS、DESOLATED、DYING WISH、END、GET DEAD、HATEBREED、INSANITY ALERT、LORDI、LOVEBITES、MAGNITUDE、MAKE WAR、MAXIMUM THE HORMONE、MESSER CHUPS、NOFX、PENNYWISE、SICK OF IT ALL、STRUNG OUT、TERROR、THE EXPLOITEDなどをブッキングしてきたエージェントである。この発表に伴い、海外のSailing Before The Windのファンは大いに興奮しており、この熱狂はSailing Before The Windのソーシャルメディアを通じて、ツアー中レポートされるはずだ。フォローしていない方は今のうちにフォローしておこう。
Sable Hillsと共にキュレーションしたイベント「ONE BULLET LEFT」を見事に成功させたメタルコア・バンド、Sailing Before The Windが、その「ONE BULLET LEFT」で来日し共演の夢を果たしたアメリカのメタルコア・バンド、Across The White Water TowerのボーカリストMatt Sosaをフィーチャーした新曲「Breath of Air」を配信リリースしました。この楽曲はSailing Before The Windの公式YouTubeチャンネルにてヴィジュアライザー・ビデオが公開されている。
Sailing Before The Windが活動当初から大事にしてきた色彩感覚を壮麗に自身のサウンドへ落とし込んだ本楽曲は、メタルコアというジャンルの枠を超越しながらも多彩なルーツを随所に配し、各メンバーのアイデアも聴こえてくるという、長年彼らのファンであればそのユニークさに魅了されること間違いなしな仕上がり。
日本のメタルコアを牽引する存在として、2023年も精力的な活動でファンを楽しませてくれたSailing Before The WindとSable Hills。彼らがキュレーションするメタルコア・イベント「ONE BULLET LEFT」の開催を記念し、RIFF CULTでは、両バンドのメンバーに2023年の年間ベスト・アルバム、そして楽曲をピックアップしていただきました。
Veil of Mayaの『[m]other』はKosukeさんもピックアップしており、複雑なギターリフの支える地を這うようなドラミングも印象的な作品だと感じます。Hirokiさんのドラムセット、特にシンバルは非常にシンプルなセッティングですが、彼らは非常に複雑なシンバルワークを得意としています (最近はそこまで目立ちませんが)。今後、Sailing Before The Windのサウンドをクリエイトしていくにあたり、この作品にあるような複雑なシンバルワークを取り入れたいいうような考えはありますか?また、ドラマー目線でこのアルバムの優れた点があれば教えて下さい。
Currentsの『The Death We Seek』はSailing Before The Wind、Sable Hillsのメンバーの多くがピックアップしています。そしてそれは世界中のメタルコア・シーンにおいても同じで、多くのメタル・メディアがこのアルバムについて様々な意見をポストしています。ドラミングやサウンド・プロダクションといった細かいところももちろんお聞きしたいですが、単純にこのアルバムの凄さって何だと思いますか?
Gideonの『MORE POWER. MORE PAIN.』はSable HillsのドラマーKeitaさんもピックアップしていました。ハードコア/メタルコア、加えてタイトルトラックに関してはハードロック的なシンプルなビートも面白いところなのですが、ドラマーを惹きつける魅力はどんなところにあると思いますか?
日本のメタルコアを牽引する存在として、2023年も精力的な活動でファンを楽しませてくれたSailing Before The WindとSable Hills。彼らがキュレーションするメタルコア・イベント「ONE BULLET LEFT」の開催を記念し、RIFF CULTでは、両バンドのメンバーに2023年の年間ベスト・アルバム、そして楽曲をピックアップしていただきました。
Invent Animateは現代メタルコア・シーンの中でも特にコアなリスナーを常に驚かせてくれる存在として地位を確立しています。そして『Heavener』はこれまでInvent Animateが追求してきたものをダイナミックに表現することに成功した、名作だと思います。Likuさんはこのアルバムの中で好きな曲はありますか?また、Invent Animateの魅力についてSailing Before The Windのファンの皆さんに教えていただけると嬉しいです。
Void Of Visionは既にメタルコアという言葉では表現することのできない領域へと足を踏み入れ、誰にも真似できないスタイルを『CHRONICLES』で完全に確立しました。ミュージシャンとして、このアルバムの全体的な魅力について教えていただきたいのと、ギタリストとしてこのアプローチの仕方には驚いたなどというフレーズがありましたら、教えて下さい。
Hopes Die Lastは日本でも多くのファンを持つベテラン・メタルコア/ポスト・ハードコア・バンドです。彼らの復活は世界中で話題になりましたし、ソーシャル・メディアでは来日を望む声も多く聞こえてきました。そのスタイルは決して最先端のものではないですが、非常に完成度の高いアルバムだと思います。Likuさんはいつ頃からメタルコアを聴いていましたか?Hopes Die Lastを聴き始めた頃の思い出や、今回のバンド復活について何か思うことがあれば教えて下さい。
メタルコアを聴き始めたのは17歳の時です。高校の軽音部でバンドをやっていてその時の顧問にDream TheaterやEPICAを聞かされて、そこからヘヴィミュージックを色々ディグってメタルコアに辿り着きました。最初は日本のメタルコアバンドを聴いていて徐々に海外のバンドを聴くようになってましたね、Hopes Die Lastを知った時もその頃でした。
SoulkeeperやHollow FrontといったバンドがThe Plot In Youと共にリストインしているのは非常に納得がいくというか、Likuさんのメタルコア趣味が感じられる選出であると感じました。Miss FortuneやFalling In Reverseといった一見、Sailing Before The Windとはまた違ったスタイルのバンドもリストに入っていますが、これらの楽曲を選んだ理由についてそれぞれの楽曲の良さ、ポイントについて触れながら感想を教えてください。
The Plot In Youの”Left Behind”は確実に2023年の名作でした、本当に一度聴いただけで次に聴くときには思わず口ずさんでしまう。かなり叙情的で内省的な歌なので歌詞にも注目するとより楽しめると思います。アルバムの期待感MAX。
日本のメタルコアを牽引する存在として、2023年も精力的な活動でファンを楽しませてくれたSailing Before The WindとSable Hills。彼らがキュレーションするメタルコア・イベント「ONE BULLET LEFT」の開催を記念し、RIFF CULTでは、両バンドのメンバーに2023年の年間ベスト・アルバム、そして楽曲をピックアップしていただきました。
Veil Of Mayaの『[m]other』がリストインしているのは非常にKosukeさんらしいと感じました。Sailing Before The Windだけでなく、Kosukeさんの音楽活動の中でもVeil Of Mavaの影響を感じる瞬間が多いと感じます。ギタリストとしてこのアルバムの素晴らしさについて教えて下さい。また、この曲のこのフレーズに衝撃を受けたなどあれば教えて下さい。
このアルバムは、ここまでVeil of Mayaが試行錯誤してきたものを咀嚼して作り上げた総集編的な内容にも感じます。ギター弾きの目線では一聴してMarc Okuboだと分かるフレーズの音遣いに強い説得力を感じていて、今作でも独特なメロディラインのフレーズに効果音的なフレーズまで必殺技のオンパレード。Tr.3 2:19~、Tr.7、0:57~、Tr10 2:48~に代表されるような、弦を一本チョーキングアップ/ダウンして鳴らすのをリフに混ぜる、というシンプルな方法ですら「Veil of Mayaらしさ」にしてしまうあたりにヒーローたる所以を感じます。
Bleed From Withinは2023年にLOUD PARK で来日も果たし、『Shrine』の素晴らしさをライブでも体感し衝撃を受けた日本のメタル・ファンも多いはずです。彼らはメタルコアを出発して、今ではその枠に留まることのない存在へと成長していますが、長年彼らを見つめてきて、このアルバムはBleedFromWithinにとって、どのようなアルバムであると感じましたか?
Rise to Fallの『The Fifth Dimension』がリストインしたのには”らしさ”を感じましたし、Sailing Before The Windにも通ずるメロディック・デスメタル〜メタルコアのブレンド感が素晴らしい作品だと思います。多くの素晴らしい楽曲が収録されていますが、特に好きな楽曲はありますか?またその理由があれば教えて下さい。
Spotifyなどストリーミングサイト+インターネット検索の2本柱です。
ストリーミングサイトの発達で特に意識しなくても新たなリリースを簡単にチェックできるようになったのは大きく、反面浮いた時間をRedditなり流れの海外サイト徘徊に割り当てています。検索は海外のGoogleから例えばラフに”Metalcore New release”程度のワードで探し始めることが多くて。特にサイトを決めず探すことも多く正直効率は良くはないですけど、ジャケ買い的なイレギュラー感を楽しむ感じがいいのかなと。頻度も月~回~時間なりに時間を絞って、惰性で探さずメリハリをつけます。
日本のメタルコアを牽引する存在として、2023年も精力的な活動でファンを楽しませてくれたSailing Before The WindとSable Hills。彼らがキュレーションするメタルコア・イベント「ONE BULLET LEFT」の開催を記念し、RIFF CULTでは、両バンドのメンバーに2023年の年間ベスト・アルバム、そして楽曲をピックアップしていただきました。
August Burns Red 『Death Below』
A Mourning Star 『A Reminder of the Wound Unhealed』
Dying Wish 『Symptoms of Survival』
Currents 『The Death We Seek』
Graphic Nature 『A Mind Waiting to Die』
August Burns Redの『Death Below』は、多くのメタル・メディアでも絶賛されています。長年に渡り世界のメタルコアを牽引する存在として、大きくスタイルを変えることなく活動を続けているところは、Sailing Before The Windの活動スタイルにも重なる部分があります。このアルバムで特に「August Burns Redらしい」と感じた楽曲、またはフレーズはありましたか?
A Mourning Starの『A Reminder of the Wound Unhealed』からはSailing Before The Windが活動をスタートさせた2010年代初頭のころによく聴いた、懐かしいスタイルのメタルコアです。ボーカルのスタイルはRyoichiさんのスタイルにも重なるところがあるように感じます。ボーカリストとして、A Mourning Starの特筆すべきポイントなどはありますか?また、おすすめの楽曲などあれば併せて教えてください。
Dying Wishの『Symptoms of Survival』はここ日本でも大きな話題となり、メロディック・メタルコア/ハードコアのムーヴメントのキーとも言える作品であると思います。実際に日本のメタルコアの中心で活動を続けている中で、Dying Wishの影響を感じる日本のバンドがいたりしますか?また、特に好きな曲などあれば教えてください。
いい意味でいいとこ取りのようなバンドで、ヘヴィーパートオンリーの曲、メロデスライク、もしくはフューリーエッジスタイルの単音リフで攻め攻め系の曲もあれば、不協和音リフワークにキャッチー過ぎないクリーンボーカルで初期Solid State Records系の雰囲気も醸したり、と思ったらブレイクダウンがモダンでソリッドになったりと、ごった煮系ってともすればダサかったり、あざとくなりやすいと思うんですけど、奇跡的にかっこよくまとまってるなと感じました。
こっからいい意味でも悪い意味でも垢抜けていくバンド多いと思うんですけど、このまま突き抜けて昇華してほしい感じです。見当違いだったら申し訳ないんですが、Graupelとか曲によっては近い事してる時たまにありませんでしたかね?もっとファストでメロディックだし、時期的に影響とかではないとは思いますが。モダンな部分と往年のスタイルをセンスよく行き来するバンドが日本でも更に増えてくれたら楽しいですね。「Watch My Promise Die」が特に好きな曲です。
Currentsの『The Death We Seek』はSable Hillsのメンバー達もフェイヴァリットに挙げており、このアルバムは世界のメタルコア・リスナーを虜にしました。一概に「メタルコア」という言葉では形容できないほど、多様なアレンジや工夫が感じられる作品ですが、ミュージシャンとして彼らのサウンド・プロダクションなどで驚いたこと、学びがあったと思うところはありますか?
Graphic Natureは発展し続けるニュー・メタルコア・シーンの中でも、正統派として高く評価されています。Ryoichiさんはヒップホップなどもお好きだと思いますが、メタルコアにないグルーヴを取り入れているバンドも近年は多く、Graphic Natureの『A Mind Waiting to Die』にもそういったパートが組み込まれています。この作品に惹かれた理由は何かありますか?
Texas In July、UnearthといったSailing Before The Windにも通ずるメロディアスなメタルコアからBalmora、Morning Againといったクラシックなスタイルを鳴らすバンドの中にBeartoothといったバンドの楽曲がリストインしているのは非常に面白いと思いました。これらの楽曲について (またはリスト全体について) 、それぞれ感想を教えてください。
Texas In Julyはもはや聞く前から良かったですね。良かったというか嬉しかったというか。新曲出たのがとにかく嬉しいです。
日本のメタルコアを牽引する存在として、2023年も精力的な活動でファンを楽しませてくれたSailing Before The WindとSable Hills。彼らがキュレーションするメタルコア・イベント「ONE BULLET LEFT」の開催を記念し、RIFF CULTでは、両バンドのメンバーに2023年の年間ベスト・アルバム、そして楽曲をピックアップしていただきました。
From Ashes to New 『Blackout』
Hollow Front 『The Fear of Letting Go』
Revision the Dream 『Transparency』
Arrival Of Autumn 『Kingdom Undone』
Night Rider 『Night Rider』
From Ashes to Newの『Blackout』はそれぞれの楽曲の完成度の高さはさることながら、サウンド・プロダクションが非常に優れていると感じた作品でした。Better Noise Musicからのリリースということで、メタルコアだけでなく、幅広くメタル・リスナーに届けられることがイメージされているのはもちろんですが、彼らのクリエイティヴな魅力について教えて欲しいです。
Hollow FrontはSailing Before The Windのメンバーだけでなく、「One Bullet Left」でタッグを組むSable Hillsのメンバーらもフェイバリットにピックアップしていました。このアルバムも細部へのこだわり、メタルコア、さらにはデスコアなどにも通ずるようなタフなグルーヴが魅力だと思いますが、彼らのこれまでの歩みを踏まえつつ、このアルバムの良さについて教えて下さい。
ツアー中の事故とそれに起因する保険会社とのトラブルで、製作が遅れ、メンバーが脱退し、2人だけになってリリースされた本作。ただ僕は、”ドラマがあったから”この作品を選んだわけではなくて。私的感情を抜きに作品単体で見ても、壮絶な完成度。9曲目の”Good Things Never Last”で聴けるような4つ打ちビートとメタルコアサウンドの融合は、非常に先進的だなと。もちろん方法論としてやっていたバンドは他にもいるでしょうが、パワーバランスがメタルコア優位のままで、こうしたアプローチを融合しているのがスゴいです。曲単位でも作品単位で見ても、音楽的な実験と継承のバランスがとても良いアルバム。
Revision the Dreamの『Transparency』という作品については、おそらくこのリストをきっかけにこれから聴いてみようという人がほとんどだと思います。「One Bullet Left」で来日するAcross The White Water Towerにも通ずる、2000年代後期以降のメタルコア/ポスト・ハードコアを下地に現代的なアプローチも組み込んだサウンドを鳴らすバンドですが、このバンド、またはアルバムの魅力について教えて下さい。
Revision the Dreamはイスラエルのメタルコアバンド。イスラエルと言えばHer Last SightやDream Escapeが有名で、まさにその界隈のバンドですね。Revision the DreamのギターはDream Escapeのギターで、Dream Escapeのもう片方のギターはHer Last Sightのドラマー。推測ですが、Dream Escapeが改名/分裂した(?) ようにも見えます。サウンドの軸は、2010年代初期のプログレッシブメタルコアサウンド。当時ElitistやERRA、Forevermoreにのめり込んだリスナーは完全ノックアウトされるはず。こういう作品は「リバイバル」の一言で片付けられがちではありますが、今作はとにかくクオリティが高いので、さすがにスルーできなかったです。あの頃のメタルコアを発展させたバンドは数あれど、Revison the Dreamみたいに”継承”したバンドは少ないわけで、そこに価値を置いた結果の評価です。
Arrival Of Autumnの『Kingdom Undone』は2020年代のメロディック・デスメタルのスタンダードとして次の何年かに渡って影響を及ぼしそうな、そんな可能性とエネルギーに満ちた作品だと思います。もちろんNuclear Blast Recordsからのリリースというのも大きく影響していますが、彼らはどんなバンドで、こんなところが他のバンドにはない魅力だというような楽曲、またはフレーズはありますか?
Mark Lewis手掛ける生感あふれるプロダクションも相まって、2000年代のモダンメタル好きにオススメしたい内容。あまり話題になっていないのが残念なくらい、一聴の価値ある作品です。
各サブジャンルの良いとこどりをした結果、逆にカテゴライズが難しくなり、プロモーション的には大変だったのかもしれません。Nuclear Blastからのリリースですが、Roadrunner好きに刺さるかなと。ボーカルの声質ゆえか、自分的には”Roadrunner化したMychildren Mybride”的な解釈で、楽しめました。(Arrival Of Autumnにデジタル感はないですが)Mnemicとの共通項があるので、ああいうグルーヴメタルが好きな人もぜひ。まさしく可能性に満ちた1枚。
Night Riderのセルフ・タイトル・デビュー作は、いろんな意味で驚かされました。親しみやすいシンセの音色と現代メタルコアが、ネオンのヴィジュアル・イメージと良くあってますし、もしかしたらメタルよりもハードロックなどを聴いているリスナーにもアプローチできるようなポテンシャルがあるのではと感じるほどです。このアルバムの魅力について教えて下さい。
本作で提示されたSynthwave/Retrowave+メタルコアのパターンは、そういえば未開拓ゾーンだったので、「あぁまだそこの陣地取れたか!」という感覚で聴けました。メンバーはex-Affianceなど手練の集合体なので、安定感抜群の仕上がり。メタルコアパートのフレージングはもうちょっとバリエーションがほしかったですが、その分シンセパートにリソースを振り分けた感もありますね。最近のKingdom of Giantsが楽しめる方は結構刺さるはず。
日本のメタルコアを象徴するバンド、Sailing Before The WindとSable Hillsが、遂にタッグを組んだ。2024年1月28日、東京・渋谷club asiaにて、この2組がキュレーションするイベント「One Bullet Left」が開催される。国内外から選抜されたアーティスト達によって繰り広げられる熱演を想像するだけでも、このイベントが日本のメタルコア・シーンにとって、重要なものであることが分かるだろう。
多くの国内アーティスト達がメタルコアを通過しながら、日本が産んだ「ラウドロック」というジャンル、あるいはカテゴリーの独自性をヒントに世界のメタル・シーンへと舵を進める中、Sailing Before The WindとSable Hillsは、実直に「メタルコア」という音楽の根底に流れるピュア・ブラッドを見つめ続け、時代の流れやトレンドに惑わされることなく、リフを刻み続け、眩しいほど輝きを放つメロディを磨き続け、生き物のようにうねるグルーヴを追い求め、汗と涙を流してきた。Sailing Before The Windは荒れ狂うインターネットの大海原を巧みに乗りこなし、国内外にファンベースを拡大しながらその名を浸透させ、Sable Hillsは日本を飛び出し、いくつものチャンスを確実に掴み、年齢、人種問わず多くのメタルコア・ファンのハートを撃ち抜いてきた。
その両バンドの”確かな目”によってキュレーションされる「One Bullet Left」には、Nocturnal Bloodlust、Earthists. A Ghost Of Flare、Changeless、そしてアメリカからAcross The White Water Towerが出演する。これらのアーティスト達に宿る”独自性”は、まごう事なきピュア・メタルコア・ブラッドを軸に発展させてきたものだ。このイベントを通して彼らのステージを楽しめば、言葉に出来ないメタルコア・スピリットのアトモスフィアを体感できるはずだ。
RIFF CULTでは、この度始まった「One Bullet Left」の記念すべき第1回目の開催まで、Sailing Before The Wind、Sable Hillsの2組の核心に迫るコンテンツを発信していく。個々の音楽志向やこれまでの活動を振り返りながら、日本のメタルコアを牽引していくパワーの源を解き明かしていく。
【公演概要】
One Bullet Left
開催日:2024年1月28日(日)
会場:東京 渋谷 clubasia / 開場 14:00 開演 14:30
前売券:3,800円 (ドリンク別) / U-20割(20歳以下)前売券:2,000円 (ドリンク別) https://eplus.jp/onebulletleft
【出演】
SABLE HILLS
Sailing Before The Wind
Nocturnal Bloodlust
Earthists.
Across The White Water Tower (USA)
A Ghost Of Flare
Changeless
この記事では、2023年1月から6月までにリリースされた多くのモダン・プログレッシヴ・メタルコアのシングル/アルバムから気になるものをピックアップして紹介する。RIFF CULTのSpotifyアカウントで「Best of Modern Progressive Metalcore 2023」というプレイリストを通じて日々ディグの結果を反映させているのでぜひチェックしてもらいたい。
Sailing Before The Wind 「Vanishing Figure (feat. Sean Hester of Life Itself)」
この記事で最初に紹介したいのはやはり日本が誇るプログレッシヴ・メタルコア・バンド、Sailing Before The WindがLife ItselfのSeanをフィーチャーした楽曲「Vanishing Figure」だ。彼らのトレードマークと言えるメロディック・ハードロック/プログレッシヴ・ロックを通過した流麗なギターのメロディがふんだんに盛り込まれており、近年のSailing Before The Windが新たなキーリングとして楽曲のメインに据えたボーカルのクリーン映えるサビパートも過去最高の輝きを放つ。モダンだと思うのは、メタルコアのクラシカルな魅力溢れるスタイルに挿入されるフックの効いたブレイクダウンだ。Seanがフィーチャリングしているこの強力なパートは、多くのリアクションYouTuberによって切り抜かれ拡散していったことも印象的だった。これに次ぐ楽曲でSailing Before The Windが何をするのか、非常に興味深い。
そして、この2023年上半期には「Sailing Before The Wind系」と呼びたくなるモダン・プログレッシヴ・メタルコアな楽曲がいくつもリリースされた。それらはSailing Before The Windから直接的な影響を受けたかどうかは分からないが、もし似ているバンドを探しているという方がいたら、下記のバンドをチェックしてみて欲しい。
最もSBTWに近いスタイルを鳴らしていたのは、カナダ・トロントを拠点に活動するFeyn Entityだ。プロデューサー/コンポーザーとして活動するK.L.によるプロジェクトとしても活動していて、これはFeyn Entity名義でのデビューEP。テーマはデジタル化されたサイバー世界における分断された社会、人間同士の距離感に対し、コロナウイルスによるロックダウン中のバンドメンバーの考えや気持ちを表現したもの。この楽曲はインストであるが、Clintn Watsをフィーチャーした「Dissolve (The Dream Is A Lie)」も素晴らしいのでぜひチェックして欲しい。
Sailing Before The Windの「Futurist」を彷彿とさせるメロディックなスタイルを得意とするアメリカ出身のIn Search of SightのEPも素晴らしく、リードトラックである「Left Behind」は特におすすめ。Spotifyの月間リスナーはまだまだ少ないが、アメリカのローカル・メタルコアの雰囲気たっぷりなので、コア・リスナーはチェックしておいても損はないと思う。
Avalanche Effect 「Manipulating Sky」
ドイツ出身のAvalanche Effectは大幅なメンバーラインナップの変更を経て、この「Manipulating Sky」を発表している。ドラマーのJannick Pohlmannを亡くし、新メンバーを迎え7人体制として動き出したAvalanche Effectの「Manipulating Sky」は、2023年上半期最も優れたモダン・プログレッシヴ・メタルコアだった。現代デスコアの影響も見え隠れするブレイクダウンはすっきりとプログレッシヴの美的感覚になぞらえて表現し、Invent AnimateやA Scent Like Wolvesを彷彿とさせる浮遊感のあるメロディをふわりと燻らせている。再び動き出した彼らの動向は逐一チェックしていくべきだろう。
スイスを拠点に活動しているメタルコア・バンド、Breakdown of Sanityは、ほぼ休止状態でありながら「バンドが恋しい」という理由で2020年から毎年シングルをリリースしている。本格的な復活が切望されるが、2016年のアルバム『Coexistence』以来、本格的な再開には至っていない。ただ、これらのシングルはアルバム1枚に匹敵するほどの濃密さがあり、どれもリスナーに深く印象付けるものとなっている。ずっしりと詰まった至高の刻みは全盛期の輝きのまま、全てのメタル・ヘッズをヘッドバンギングさせるバウンシーな仕上がり。流石の貫禄。
USプログレッシヴ・メタルコアの代表的な存在であるAfter The Burialが、2019年のアルバム『Evergreen』以来となる新曲「Nothing God」と「Death Keeps Us From Living」の2曲を発表。ちょうどAfter The Burialくらいのレベルにあるメタルコア・バンドにとって、新型コロナウイルスによるパンデミックは経済的な打撃が大きかったに違いない。ライブが出来ない中オンラインで制作を続けたバンドも多いが、それは簡単なことではなかっただろう。今回の新曲についてボーカルのAnthonyは、この2曲がCOVIDのロックダウンの経験から書かれたもので、Anthony自身にとって人生で最も辛い時期に書いたものであるとコメントしている。ルーツに立ち返り、好きなものを作るとして書かれたこの楽曲はまさにAfter The Burialらしさが凝縮されており、2010年代初頭から中期にかけてプログレッシヴ・メタルコアが大きく盛り上がり始めた頃のヴァイブスを感じることが出来る。
As Within So Without 「Burn With The Sun」
2016年からニューヨークを拠点に活動する As Within So Without の最新シングル。このシーンを何年も追いかけているリスナーであれば、このバンド名を見ただけでそのサウンドが想像出来るかもしれない。今回公開された「Burn With The Sun」は、彼らの出世作であるアルバム『Salvation』から1年振りのニュー・シングルで、大きな期待を背負って発表された。その期待を大きく超えるこの「Burn With The Sun」は、昔のThe Word Aliveをプログレッシヴに仕立てたような耳馴染みの良いキャッチーさがあり、多くのメタルコア・リスナーが知っておくべきバンドであると思う。このシングルから次のアルバムが間違いなく素晴らしいものになることが分かるだろう。
Straight Shot Home 「Developer」
近年のメタルコア/デスコアのプロモーションに欠かせないものと言えば「リアクション動画」だ。それで爆発的なヒットになったバンドと言えば、Lorna Shoreが最も記憶に新しいだろう。私もいくつかのリアクションYouTuberをフォローして、主に彼らのショートから優れたブレイクダウンを持つバンドの最新曲に巡りあうことが出来た。個人的に最も気に入っているOhrion Reactsはチャンネル登録者数11万人を誇る、アンダーグラウンド・メタル・シーンの中ではフォロワーの多いYouTuberで彼が紹介するバンドは”当たり”が多い。そんな彼が「Architects と Dayseeker が一緒にバンド組んだらこんなサウンドになるのでは」とキャッチを付けて紹介したバンド Straight Shot Home はこの上半期何度も聴いていたバンドのひとつだ。ポスト・ハードコアのとろけるようなクリーンと相性の良いメロディアスな楽曲は、Erraにも通ずる美しさがある。バンドは自身のサウンドを「80年代のシンセポップとモダン・メタルコアの融合」と形容していて、その表現にピンときたリスナーは迷わず彼らをチェックしてほしい。
Soul Despair 「Crimson」
ポルトガルとアメリカを拠点に持つSoul DespairをRIFF CULTでは何度も取り上げてきた。ただ反応はイマイチで、記事へのアクセスは平均以下……。複雑な魅力を持つバンドの魅力を発信するのは非常に難しいが、彼らに関しては今季よくRIFF CULTでも取り上げていきたいと思う。彼らのサウンドにはSentinelsやOceans Ate Alaskaといったマスコアのエレメンツがスパイス程度にふんわりと漂っており、それが魅力的なクセになっている。「Crimson」はクセとなるアクセントは少ないものの、Soul Despairというバンドが目指すサウンドとして完成されており、比較的キャッチーに魅力が伝わる楽曲であると思う。この記事を読み込んでいただけている方なら間違いなくヒットすると思う。
プログレッシヴ・メタルコア/メタルのディープなディガーであれば、彼/彼女らの魅力は古くから知っているだろう。Tragic Hero Recordsから2017年にリリースしたアルバム『Heart』に収録されていた「Warrior Of Light」のリマスター・バージョンは、上半期良く聴いた楽曲の一つで『Heart』を聴きかえすきっかけにもなった。完全に独立した手法でバンド活動を続ける彼/彼女らの自由な創作にはいつも驚かされる。
Vanitas 「Eventum」
The Artificialsと共にチェックしてほしいのが、2022年にイングランドで結成されたばかりの女性ボーカル・プログレッシヴ・メタル/メタルコア・バンド、Vanitasだ。ミュージックビデオとして公開された「Eventum」は、シンフォニック・メタル/プログレッシヴ・メタルをベースにしながら、メタルコアのバウンシーなリフを取り入れ、広範囲のメタル・リスナーへアプローチしたキラーチューンだ。中盤から後半にかけてのドラマティックな展開は魅力的。大手、例えばNapalm Recordsなんかと契約して売り出されたらビッグ・ステージも時間の問題だと感じる。
今回この記事で紹介したバンドの3倍近い楽曲をRIFF CULTのSpotifyプレイリスト「Best of Modern Progressive Metalcore 2023」では紹介している (他の特集記事で別途紹介したモダン・プログレッシヴ・メタルコアもあります)。 ぜひフォローしてランダム再生したりしながら、新しいお気に入りを見つけたり、プログレッシヴ・メタルコアの現在地を感じてみてください。
2023年5月9日に、正式メンバーとして長年ライブメンバーとして在籍してきた Ryoichi、Kosuke、そしてLikuの3人が正式にメンバーとして加入したことを発表した東京のメタルコア・ベテラン、Sailing Before The Wind が、5月19日 (金曜日) に新曲「Vanishing Figure (feat. Sean Hester of Life Itself)」をリリースすることを発表しました。
新曲にフィーチャリング・ゲストとして参加しているのは、Life ItselfのSean Hesterでこちらも新曲「No Bed of Rose」をリリースしたばかりだ。彼らのサウンドもSailing Before The Windを彷彿とさせるメロディック・メタルコアのエレメンツを持っており、よりハードコアのグルーヴを持ったバンドで話題沸騰中。
東京を拠点に活動するメタルコア・バンド、Sailing Before The Wind がライブ・アルバム『A Decade of Sailors』を配信リリースしました。2022年10月22日に渋谷CYCLONEで行われた、Sailing Before The Wind初のワンマンライブを収めたこのアルバムは、ライブ映像としても公開されているが、一度スピンすれば彼らのステージがまぶたに浮かぶような、ライブ・バンドによる正真正銘のライブ・アルバムに仕上がっている。
Harem Scarem – Change the World
フルアルバム15枚目にして、このタイトルをもってくる時点で感動してました。先行で出したシングル2曲のチョイスもうなずける。メロディセンスはいまさら言うまでもないのですが、さらに特筆すべきは音を抜くタイミング。とくにシングル(1曲目&4曲目)でのドラムの抜き方は神がかり的。メロディの速効性もありつつ浸透性もある作品で、聴く度に自分の中で評価が上がっています。
FM – Synchronized
曲が良いのは言わずもがな、ポイントは「2020年のリリース」として聴けること。「100弦ギターでドロップΩ」みたいな世界線の対極にある音楽ですが、決して古臭さは感じない。普遍性は時代性を超越できることの証明が、自然と行われている作品。とくに5曲目Brokenがヤバいですね、ベースラインも圧巻のクオリティ。
Eric Ethridege, Dan + Shay, Seth Alley, Mitchell Tenpennyなど聴いています。noteを書くときのBGMとして。カテゴライズするならポップカントリー?でしょうか。Spotifyを芋づる式に漁っているだけなので、ジャンルはあんまり気にしたことがないです。
あとは、70’s-80’sのハードロックバンドをもう一度探求しています。Grand Funk Railroad, Atlanta Rhythm Section, KISSなど。聴いてなかったアルバムを1枚ずつ。