TikTokドラマーAnastasia SeredaとSlayc (SHREZZERS)によるユニット”GLØØMSCAPE”、新曲「Fadead」公式ミュージックビデオを公開

SHREZZERSのギターSlaycと、INVERTOR とドラムAnastasia Seredaの2人のモダンメタル・ユニットGLØØMSCAPE が、最新シングル 「Fadead」 の公式ミュージックビデオを公開した。映像はオンラインで視聴可能である.

「Fadead」は、ドラマー兼ヴォーカリスト Anastasia Sereda による力強いパフォーマンスが特徴となっている。ビデオでは、エネルギッシュなパフォーマンスショットと俊敏なカットが組み合わされ、楽曲のリズムと呼応する映像の動きが展開されている。サウンド面では、ヘヴィなギターリフと正確なリズムが重なり合う構成となり、GLØØMSCAPE のモダンメタル的アプローチが強調されている.

プログレッシヴ・メタルコアの重鎮”Volumes”、ニューアルバム『Mirror Touch』リリース! 収録曲「Adrenaline」MV公開

ロサンゼルス出身のプログレッシブ・メタルコアバンド Volumes が、ニューシングル 「Adrenaline」 の公式ミュージックビデオを公開した。映像はオンラインで視聴可能となっている。

配信URL : https://ffm.to/mirrortouch

「Adrenaline」は、2025年12月12日リリースの最新スタジオアルバム Mirror Touch に収録されている楽曲で、作品の一部として映像と共に発表された。アルバム Mirror Touch は Fearless Records より配信サービスでリリースされている。

公式ミュージックビデオは Orie McGinness が監督を務めており、楽曲のエネルギッシュなサウンドを視覚的に表現している。本映像はバンドの公式 YouTube チャンネルなどで視聴できる。Volumes は、プログレッシブ・メタルコア、ジェント、ニューメタルの要素を取り入れたサウンドで知られ、本作 Mirror Touch は彼らの5作目のスタジオアルバムとして発表された。今作には “Sidewinder”“S.O.A.P.”“Bad Habit” など複数の楽曲が収録されている。

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Dance Gavin Dance、Born of Osirisのメンバーからなるプロジェクト”DEAD AIR DIVINE”、Volumes の Myke Terry をフィーチャーした新曲「Beg Your Pardon」公開

フロリダ州を拠点とするプログレッシブ・メタル/デジタル・デスコアデュオ DEAD AIR DIVINE が、最新シングル 「Beg Your Pardon (feat. Myke Terry)」 を公開した。楽曲は現在各種配信サービスで利用可能となっている.Dead Air DivineはDance Gavin Dance の オリジナルシンガーTilian Pearson とBorn Of Osiris のギタリストだった Lee McKinney。

本楽曲には、ヴォーカリスト Myke Terry がフィーチャー参加しており、彼は Volumes のメンバーとしても知られるほか、Fire From The Gods などでも活動するシンガーである.

「Beg Your Pardon」は、DEAD AIR DIVINE が打ち出すモダンなリズム、テクニカルなギター、重厚なビートと、Terry のヴォーカルとのインタープレイが特徴の楽曲としてまとめられている. 公開されたトラックはオンラインストリーミングプラットフォームで視聴できる.

このリリースは、同バンドが今後発表を予定している デビューアルバム『The Answer』 のティーザー的な位置づけともなっており、アルバムは 2026年1月30日 発売予定とされている. 『The Answer』の収録曲としての展開や詳細なトラックリストは今後の公表が予定されている.

Silent Planet、ドラマティックな新曲「Under Your Skin」配信リリース&MV公開

プログレッシブ・メタルコアバンド Silent Planet が、最新シングル 「Under Your Skin」 とその公式ミュージックビデオを公開した。公開された映像はオンラインで視聴可能となっている。

「Under Your Skin」は、先行で Patreon サポーター向けに公開された後、一般にも配信されたトラックで、シニカルながらも感情的なテーマを描いた楽曲として構成されている。プロダクションには Daniel Braunstein が携わっている。

Silent Planet は、Nashville, Tennessee で 2025年12月21日に開催予定の初のフェス 「Lovers Fest」 でヘッドライナーを務める予定で、The Callous Daoboys、fromjoy、Catsclaw、Levi The Poet らが出演するスケジュールとなっている。

オーストラリアのプログレッシヴ・メタルコア”Northlane”、Audiotree “From Nothing” に出演 — 深層インタビュー&パフォーマンス映像公開

2009年から活動するオーストラリアのメタルコアバンド Northlane が、映像/音楽配信プラットフォーム Audiotree の “From Nothing” シリーズに登場。2024年7月に米イリノイ州シカゴのスタジオで収録されたパフォーマンス映像と、バンドの音楽的背景やインスピレーションに迫るインタビューセグメントが公開された。

今回の映像では、Northlane のキャリアを象徴する楽曲の数々が披露されており、過去から現在、そして未来へと至るバンドの変遷をあらためて浮き彫りにしている。セットリストは以下の通りだ:

Performance tracklist

Bloodline

Worldeater / Dispossession / Jinn

Afterimage (feat Jacob Charlton of Thornhill)

Nova

Audiotree は、Northlane を「世界中のヘヴィミュージックの先鋒(vanguard)」と紹介。2010年代の代表作『Discoveries』(2011年)や『Singularity』(2013年)以降、2019年の『Alien』を経て、2022年の『Obsidian』、2024年の『Mirror’s Edge』という作品群でメタルコアの枠に留まらない実験と進化を続けてきたバンドであると称えている。

Australian metalcore outfit Northlane has become a vanguard of heavy music across the globe through fearless evolution and unmatched innovation. Northlane’s trajectory over the years has been nothing short of awe-inspiring. The group found their footing with two of the most beloved 2010s djent records in ‘Discoveries’ (2011) and ‘Singularity’ (2013), and the subsequent induction of vocalist Marcus Bridge in 2014. ‘Node’ (2015) and ‘Mesmer’ (2017) found the outfit embracing huge choruses and unique textures, while also maintaining a steady throughline of proggy decadence.

Fast forward to 2019 with ‘Alien’, an album that ushered in a new era of reinvention for Northlane, shifting from ethereal progressive metalcore to a darker, wilder take on the genre. While their djent sensibilities remained, ‘Alien’ (2019) signaled a shift toward embracing their love for EDM, industrial, nu-metal, and beyond. 2022’s ‘Obsidian’ further cemented the band’s reputation for unflinching creativity, incorporating elements of trip hop and trance and serving up a sonic palette replete with textured synths, primal grooves, and ferocious riffs. Northlane followed the successes of ‘Obsidian’ with ‘Mirror’s Edge’ (2024), an album saturated with punchy verses and earworm choruses.

Coming off the release of ‘Node: Reloaded’ (2025), an album featuring reworked cuts from their influential 2015’s ‘Node’, Northlane brings a reimagined darkness and industrial edge to their Audiotree From Nothing performance. Playing songs from ‘Mirror’s Edge’ (2024), ‘Obsidian’ (2022), ‘Alien’ (2019), ‘Singularity’ (2013), and ‘Discoveries’ (2011), Northlane puts their past, present, and future on full display through chugging breakdowns, heavy guitar work, and a special guest feature from Thornhill’s Jacob Charlton. We are so honored to present Northlane on Audiotree From Nothing.

More From Nothing → https://bit.ly/4eFOK6o

Recorded live on July 2, 2024 in Chicago, IL.

Timestamps
00:00 Intro
01:01 Bloodline
04:43 Interview 1
08:21 Worldeater / Dispossession / Jinn
16:27 Afterimage Ft. Jacob Charlton
20:36 Interview 2
24:05 Nova
28:15 Outro

Stream this album → https://lnk.to/ATFN-Northlane
Keep up with the Band → https://northlaneband.com/

Performers
Vocals | Marcus Bridge
Guitar + Synth | Jonathon Deiley
Guitar | Joshua Smith
Drums | Nic Pettersen

Featured Vocals | Jacob Charlton

Volumes、ニュー・シングル「Bad Habit」MV公開|約15年のキャリアを経て新章へ

アメリカ・ロサンゼルスを拠点とするメタルコア・バンド Volumes が、ニュー・シングル「Bad Habit」のミュージックビデオを公開した。

この楽曲は、バンドが本領としてきた激しいギター・リフやスクリームを残しつつ、クリーン・ボーカルとシンセを前面に出した“左へ振れた”サウンドとして位置付けられており、リード・シンガー Michael Barr は「悪習とされる習慣こそ、人生を支える唯一のものになっていることを見つめた曲だ」と語っている。

また、バンドは次期アルバム『Mirror Touch』を2025年12月12日にデジタルでリリース予定、さらに物理フォーマットは2026年2月27日に予定していることも発表している。

Volumes Official Website:
https://volumesband.com

Invent Animate メンバーによる新プロジェクト”Peur”、デビュー曲「Fire Cleanse」のMVを公開

Invent Animate のギタリスト Keaton Goldwire と元ボーカリスト Benjamin English による新プロジェクト “Peur” が、デビューシングル「Fire Cleanse」とそのミュージックビデオを UNFD から公開した。

Introducing: PEUR (Keaton Goldwire, Benjamin English)
“Fire Cleanse” is out now

Stream/download at https://peur.lnk.to/firecleanse

Lee McKinney (Born of Osiris)、ソロ曲「The Garden」配信リリース

Born Of Osirisのギタリストとして知られるLee McKinneyがソロ曲「The Garden」を配信リリースしました。この曲は、近日発売予定のニュー・アルバム『To Those Who Know Pain』の収録曲。このアルバムは今年後半にリリースされる予定とのこと。『Djentガイドブック』でもプログレッシヴ・メタルコア、並びにDjentの超重要バンドとして掲載されているBorn of Osiris。そのサウンドの根幹を作るLeeのクリエイティヴな魅力が詰まった新曲は、ファンから高く評価されている。

 

Born Of Osiris、新境地が顔を覗かせるニュー・シングル「Elevate」ミュージックビデオ公開

プログレッシヴ・メタルコア/Djent バンド、Born of Osirisがニュー・シングル「Elevate」のミュージックビデオを公開しました。このミュージックビデオのディレクション、編集、VFXはSam Beckが担当している。近未来的な彼らのサウンドと映像が見事にマッチ。Born of Osirisも親しみやすいメロディ、特に豊麗多彩なキーボードの音色を生かした新曲で新境地を開拓しつつ、Djentリスナーも納得のリフ、グルーヴを搭載しています。

 

バンドは現在、Attila、Traitors、Extortionist、Not Enough Spaceとのツアー「The Angels & Villians Tour」を開催中。

 

 

Born of Osiris、ニュー・シングル「Torchbearer」をリリース

北米ツアーを開始したばかりのプログレッシヴ・メタルコア・バンド、Born Of Osiris (ボーン・オブ・オシリス) が、ニュー・シングル「Torchbearer」を発表しました。2023年の初頭、バンドは来たる7枚目のアルバムからいくつかの詳細を明らかにしたが、この曲がアルバム収録曲なのかは明らかにされていない。

Buy / Stream: http://sumerian.lnk.to/torchbearer

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Erra、1年振りの新曲「Pale Iris」のミュージックビデオを公開

プログレッシブ・メタルコア・バンド、Erra (エラ) が、新曲「Pale Iris」のミュージックビデオを公開しました。バンドにとって1年ぶりの新曲となる「Pale Iris」は、ヴォーカリスト、J.T. Cavey (ジェイ・ティ・ケイヴィー)の爆発的な咆哮で始まり、そのダイナミクス、プログレッシヴにうねるギターリフ、緊迫感のあるトーンがスリル満点だ。

Stream at http://erra.lnk.to/PaleIris

ギター/ボーカルのJesse Cash (ジェシー・キャッシュ)は「Pale Iris」について次のように語っている:

「曲の前半は、ブリッジに入るための長いクレッシェンドで、そこで曲はよりダークな展開になっていき、最後までそこに留まる。ブリッジではチューニングを半音下げていて、それはインパクトとエネルギーの変化をより高める為なんだ。本当は8弦ギターを使って書かれた曲だが、現代のピッチシフトの利便性のおかげで7弦で演奏することが出来るんだ。

そして楽曲のテーマなんだけど、2017年に『The Endless』というを観たのだが、主人公が空に2つ目の月が現れたことに気づくシーンがあったんだ。そのシーンがいつも私の心に引っかかっていたんだよ。月がクトゥルフの目であることが暗示されていたのか、それとも直接示唆されていたのかは思い出せないが、そのコンセプトは私にとってとても興味深いものだった。そこから私は、死体の目の上にある2つのコインが、宇宙を見つめる生命のない地球の上にある2つの月に似ているというアイデアを想像した。そうして”Pale Iris”という曲が生まれたんだ」。

 

新ドラマーBrodyが加入したInvent Animate、「False Meridian」のミュージックビデオを公開

プログレッシヴ・メタルコア・シーンのトップを走るバンド、Invent Animate (インヴェント・アニメイト)が、「False Meridian」の公式ミュージックビデオを公開しました。バンドは2023年8月、ドラマーのBrody Taylor Smith (ブロディ・テイラー・スミス)を正式メンバーとして迎え入れたことをアナウンスしている。

この曲自体は、今年3月にリリースされたバンドの最新作『Heavener』の収録曲で、バンド初の北米ヘッドライナー・ツアーの計画もすでに発表され、これから何倍にもその存在感を拡大して行くことが決まっている。ツアーは、Void Of Vision、throw、Avianaをオープニングに迎えて今秋にスタート。Brodyのプレイにも注目だ。

プログレッシヴ・メタルコアのトップを走るSilent Planet、新曲「Antimatter」のミュージックビデオを公開!

カリフォルニアを拠点に活動するプログレッシブ・メタルコア・バンド、Silent Planet (サイレント・プラネット) が新曲「Antimatter」のミュージックビデオを公開しました。バンドはこの曲に「the next chapter (次の章)」というキャッチを付け公開。ミュージックビデオはKevin Johnson (ケヴィン・ジョンソン)がディレクションを手掛けている。ヴォーカリスト/ギタリストのGarrett Russell (ギャレット・ラッセル)は、自身の治療のために制作したと話している (Garrett は目下最新アルバム『Iridescent』において、精神病院に入院中に楽曲を制作、アルバムに収録していた)。

ニュー・アルバムに関する情報はまだないが、バンドはこの秋、DayseekerとMoxy The Bandと共に再びツアーに出る予定だ。

 

超個性派! メタルコア 2023年上半期のベスト・シングル

RIFF CULTでは、Spotifyを利用して最新のメタルコアの楽曲をまとめた「All New Metalcore 2023」というプレイリストを作成し運営しているのですが、2023年の上半期だけで1,000曲以上がリストインしており、デイリーチェックしないと全ての楽曲、ましてやアルバムやEPなどをチェックするというのは難しい。そして、どれだけ優れたテクニックやメロディがあったとしても、聴かれなければ意味がない。聴いてもらうために、そして見つけてもらうためにも現代メタルコアには、唯一無二の個性が必要だ。

メタルコアに限って見ても、トップシーンで活躍するバンドたちは「メタルコア」というジャンルだけでは表現できない個性を持っている。誰でもない自分たちだけの個性は、多くのリスナーにリーチするためにとても重要な要素だ。今回、他の誰にも真似できないようなオリジナリティでファンを魅了した2023年上半期のメタルコアで印象的なシングルをまとめてみた。主にプログレッシヴ・メタルコア・バンドを中心に構成されているが、中には全く違ったシーンで活躍するアーティストもいる。それでも「プログレッシヴ」であり「メタルコア」であることを前提条件にリストを作成しているので、通して聴くと意外とジャンルの違いを感じないと思う。

 

 

 

Earthists. 「HYPERHELL」

藤井風など現行シーン〜シティポップ、アニソンまでを一括りにした「J-POPに取って代わる新しいワード」として「Gacha Pop」というキーワードが誕生したのは記憶に新しい。J-POPというカテゴリーは日本の多様な音楽を一括りにまとめるには窮屈だし、世界のトレンドと別で発展する日本の音楽を表現する言葉として「Gacha Pop」はアリなのかもしれない。ガチャガチャした感じというのは日本のポップスだけに言えることではなく、メタル〜メタルコアにも当てはまるだろう。Fear, and Loathing in Las VegasからBABYMETALまで、多様な音楽の影響を混ぜ合わせる、というか“ガチャガチャと詰め込んだ“ものが刺激的で面白いとメタル・シーンでも評価されてきた。今では世界を飛び回るPaleduskも「Gacha Metal」と言えば腑に落ちる感じがする。

Earthists.もこの「HYPERHELL」で他にない刺激的なサウンドを作り上げ、2023年上半期にシーンで注目を集めた。ハイトーンでメロディアスなサビ、全編に施された軽やかなピアノの旋律、それでいてグローバル・スタンダードなレベルにあるプログレッシヴ・メタルコアのグルーヴ。これらが見事に「HYPERHELL」として形に出来るクリエイティヴさはEarthists.にあって他にないものだ。こうした個性がしっかり受け入れられ、評価される日本は音楽家含む芸術家にとって良い土壌だ。誰もやったことがないことをEarthists.がどんどん挑戦して、ファンが楽しみ続けていったら最終的にどこに辿り着くのか、今はまだ想像も出来ない。7月14日にはニュー・シングル「GODBLAST」のリリースが控えている。

 

BABYMETAL 「Mirror Mirror」

メタルコア、中でもプログレッシヴ・メタルコアの記事になぜ BABYMETAL が?と思うでしょう。この曲聴いたら、「確かに」と頷けると思います。今年リリースされたアルバム『THE OTHER ONE』の収録曲である「Mirror Mirror」は、本格的なプログレッシヴ・メタルコアな楽曲で、PeripheryErraPolyphiaなど本格派と呼べるプログメタル・クオリティに仕上がっています。スペーシーに広がっていくメロディにはArch Echoも感じますね。そして、本当にこの歌詞が素晴らしい!

「鏡の中で生きる 君は何を見ている リアルな自分なんて 存在しないんだから 幻想を超えて 自分さえも飛び越えて 新しい世界 いまここに」とまさに、BABYMETALが歌うべき、歌ってこそ説得力を増すフレーズと言うか。自分が生きている世界とは別の世界から聞こえてくる囁きのような響きがあって、そしてそれを、この未来派プログレッシヴ・メタルに乗せてくるんだから凄まじい。本当に最高のアルバムで全人類必聴。

 

 

SHREZZERS 「Tabidachi feat. Kaito from PALEDUSK」

個性派と言えばPaleduskで間違い無いですよね。東欧が誇るプログレッシヴ・ポストハードコア/メタルコア SHREZZERS はセカンド・アルバム『SEX & SAX』を2023年2月にリリース。ここ日本でもその人気は絶大で、国内向けのクラウドファウンディングでセカンド・アルバム『SEX & SAX』の日本限定盤を発売するほどだ。この楽曲には、PaleduskのボーカルKaitoが完全に憑依しており冒頭からサビパート&サックスが導入されるまで、SHREZZERSとは分からないほど。「Tabidachi」での個性のぶつかり合いは互いの魅力を上手く引き出しており、アルバムでもキーになるトラックと言える。10年前くらいだとこうして日本人ボーカリストが海外アーティストの楽曲にゲスト・ボーカルで参加すると言うのはほとんどなかったと思うのですが、Ryo Kinoshita以降は本当に良いフィーチャリングが続いていて面白いですし、これをきっかけに海外アーティストに引き込まれるリスナーがいたら良いなと思います。

 

Paledusk 「I’m ready to die for my friends feat. VIGORMAN」

その人気はとどまることを知らず、この夏、海外へと飛び出し大規模フェスで熱狂の渦を巻き起こしているPaledusk。そんなライブ映像を眺めていると、彼らがメタルコア・バンドの枠に収まっていたのが遠い昔のことのように感じる。ギタリストDAIDAIのクリエイティヴィティはBring Me The Horizonをも刺激して、最新曲「AmEN!」の編曲に参加するなど、もうメタル/ヘヴィ・ミュージックのトップ・クリエイターと言っても過言ではない存在へと成長した。

「I’m ready to die for my friends」はアメリカンロック/ポップスの軽快なギターフレーズから雪崩のようにヘヴィリフが炸裂するパートへと突入したかと思えば、VIGORMANをフィーチャーしたキャッチーなラップパートへと接続。最終的にA Day To Rememberばりのヘヴィ・ポップパンク・ブレイクダウンで全てを爆発させてしまう……これを形容する音楽ジャンルなんてない。聴き終えた後は、奇想天外な結末を迎えた映画を見終わった後の、なんとも言えない胸のざわめきというか、「この結末って何なんだろう」と、誰かと話したくなるあの感じがふつふつと湧いてくる。人は皆、なんだか分からないもの、理解出来ないものに興味関心を掻き立てられる。Paleduskの音楽が一体なんなのか、聴き終えた後のこの満足感はなんなのか、これからも誰にも分からない。それがPaleduskが人々を惹きつける大きなエネルギーになっている。これからもみんなを驚かせ続けて欲しい。

 

 

Anima Tempo 「Saeger Equation」

メキシコを拠点に活動するエクスペリメンタル・プログレッシヴ・デスメタル・バンド、Anima Tempoは上半期の最後の最後、6月30日にニュー・アルバム『Chaos Paradox』をリリースしました。これが本当に素晴らしい。先行シングルとして公開された「Saeger Equation」はオリエンタルなイントロで幕開け、これは少しフォルクローレの香りもします。フォルクローレは南米(特にコロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ)のアンデス山脈地方でインディヘナ達によって歌い継がれる民族音楽で、南米メキシコ出身の彼らにどのくらい影響があるのかは分かりませんが、影響がなきにしもあらずなのかと (完全な憶測ですいません)。

民族音楽の音色とPeriphery、Animals As Leadersを通過したプログレッシヴ・メタルコア/Djentのグルーヴを見事に展開させ、特にシャープなリフワークは聴きごたえがあります。アルバム通じてこの作風ではないのですが、日本でも話題沸騰中のBloodywoodやThe HU辺りハマってる方におすすめです。余談ですが、2018年にRNR TOURSでドイツのTensideというバンドのツアーを手がけた時、同時期に彼らもジャパンツアーを行っていて、1公演一緒にやる予定だったんですが、台風で公演中止に……。結局彼らとは合流できずだったので本当に残念でしたね。次来日する時はビッグになってやってきてくれるはず!

 

Chris Turner – Psycho (ft. Lauren Babic x Mitchell Rogers)

唯一無二のプログレッシヴ・メタルコア・バンド、Oceans Ate Alaskaの超個性派ドラマーとして知られるChris Turnerのソロ・プロジェクトが活発。ポップ・シンガーAnne Marieの人気曲「Psycho」のカバーをRed Handed Denialの女性シンガーLauren BabicとVarialsのMitchell Rogersと共に制作。Chrisはこのドラム録音でサンプルもトリガーも使ってないらしく、本当にオーガニックなテクニックでここまでやっちゃうのは凄まじいとしか言いようがないですね……。Djentなブラッシング・リフとChris独特のドラミングの組み合わせが織りなすグルーヴがポップな楽曲でも、ここまでタイトにアレンジ出来るのはChris Turnerだけ。Oceans Ate Alaskaだけでなく、彼のクリエイティヴな姿をソロでも楽しめるのは最高です。

 

 

Voyager 「Prince Of Fire」

グローバルな人気を持つオーストラリア出身のプログレッシヴ・メタル・バンド、Voyager。99年から活動を続けるベテランで、がっつり”プログレッシヴ・メタルコア”ではないですが、Djentな香りの中に80年代シンセポップを組み合わせたノスタルジックなサウンドで幅広い人気を持っています。今年に入り「Prince of Fire」と「Promise」の2曲のシングルを発表していますが、この「Prince of Fire」ではブレイクダウンもあり、メタルコア・リスナーにもハマる要素あり。ボーカリストDanny Estrinのカリスマ性も高く、実力以上にその雰囲気で圧倒している感じ。クラシックなプログメタルの美的感覚たっぷりでありながら、現代メタルコアに通ずる創造性も兼ね備えたVoyager、次の新曲も楽しみです。

 

Ice Sealed Eyes 「There Is No Safety In The Dark」

ベルギーから現れたモダン・メタルコア・バンド、Ice Sealed Eyes。2022年のアルバム『Solitude』で衝撃を受けた方も多いはず。彼らの登場には、どこかLoatheやSleep Tokenが登場した時の感動を思い起こさせられます。メタルコアってダンス・ミュージックだと思っているんですが、そこから離れてロックに向かっていくバンドもいて、Loatheがシューゲイズを用いてオルタナティヴ・メタルコアの可能性を拡大したのは時が経つにつれてかなり重要になってくると思います。Ice Sealed Eyesは更に奥深く、ノイズやアンビエントのエレメンツを用いてオルタナティヴ・メタルコアをやっている感じがします。全体的に引き締まったサウンド・プロダクションからはVildhjarta的なThallの影響も見え隠れしているのですが、個人的にはもっと巨大なギターリフ、裸のラリーズ、Borisとかにまで通ずるノイズが欲しい。アンプを天高く積み上げてノイズの銀河まで逝って欲しい。

 

Their Dogs Were Astronauts 「Replica」

オーストリアの多弦プログレッシヴ・インスト・ユニット、THeir Dogs Were Astronauntsが2023年5月にニュー・アルバム『Momentum』を発表。「Replica」は先行シングルとして発表されたアルバムのキーリングで、ユニットらしくプログレッシヴでエクスペリメンタルな魅力がたっぷりと詰め込まれた1曲に仕上がっている。ベテラン・プログメタル・バンドがPolyphiaをカバーしたような、懐かしさを新しさが同居する謎めいた雰囲気が全編に渡って味わえる。

 

いかがでしたでしょうか。新しいお気に入りは見つかりましたでしょうか?本当に素晴らしい音楽が多く、全てを聴くことはできないかも知れないですが、こんな世界が始まっていることだけでも知って、バンドを応援して欲しいです。

プログレッシヴ・メタルコア最前線 (2023年上半期のベスト・シングルス)

モダン・プログレッシヴ・メタルコア (Modern Progressive Metalcore) は、メタルコアの中でもプログレッシヴ・メタル/ロックの影響を持つアーティストの中で、モダンなスタイルを追求するバンドを指す。メタルコアにおけるプログレッシヴ・スタイルの導入で最も印象的なのは Djent で、Peripheryなどがトップ・バンドとして挙げられる。彼らの登場から10年以上が経ち、プログレッシヴ・メタルコアと呼ばれる音楽も日々進化し、周辺ジャンルと関わり合いながら成長し続けている。私が執筆した『Djentガイドブック』は2020年までのプログレッシヴ・メタルコアの歴史についてまとめたもので、2020年以降のフレッシュなサウンドを鳴らすバンド、または楽曲などについて「モダン・プログレッシヴ・メタルコア」として個人的にタグ付けして出版以降もウォッチし続けてきた。

この記事では、2023年1月から6月までにリリースされた多くのモダン・プログレッシヴ・メタルコアのシングル/アルバムから気になるものをピックアップして紹介する。RIFF CULTのSpotifyアカウントで「Best of Modern Progressive Metalcore 2023」というプレイリストを通じて日々ディグの結果を反映させているのでぜひチェックしてもらいたい。

2023年6月現在、40曲近い楽曲がリストインされているこのプレイリストを元に、紹介しておきたい楽曲を下記にまとめておく。さらに知りたい、聴きたいという方はぜひプレイリストをフォローし聴いていただければと思う。

 

Sailing Before The Wind 「Vanishing Figure (feat. Sean Hester of Life Itself)」

この記事で最初に紹介したいのはやはり日本が誇るプログレッシヴ・メタルコア・バンド、Sailing Before The WindがLife ItselfのSeanをフィーチャーした楽曲「Vanishing Figure」だ。彼らのトレードマークと言えるメロディック・ハードロック/プログレッシヴ・ロックを通過した流麗なギターのメロディがふんだんに盛り込まれており、近年のSailing Before The Windが新たなキーリングとして楽曲のメインに据えたボーカルのクリーン映えるサビパートも過去最高の輝きを放つ。モダンだと思うのは、メタルコアのクラシカルな魅力溢れるスタイルに挿入されるフックの効いたブレイクダウンだ。Seanがフィーチャリングしているこの強力なパートは、多くのリアクションYouTuberによって切り抜かれ拡散していったことも印象的だった。これに次ぐ楽曲でSailing Before The Windが何をするのか、非常に興味深い。

 

そして、この2023年上半期には「Sailing Before The Wind系」と呼びたくなるモダン・プログレッシヴ・メタルコアな楽曲がいくつもリリースされた。それらはSailing Before The Windから直接的な影響を受けたかどうかは分からないが、もし似ているバンドを探しているという方がいたら、下記のバンドをチェックしてみて欲しい。

最もSBTWに近いスタイルを鳴らしていたのは、カナダ・トロントを拠点に活動するFeyn Entityだ。プロデューサー/コンポーザーとして活動するK.L.によるプロジェクトとしても活動していて、これはFeyn Entity名義でのデビューEP。テーマはデジタル化されたサイバー世界における分断された社会、人間同士の距離感に対し、コロナウイルスによるロックダウン中のバンドメンバーの考えや気持ちを表現したもの。この楽曲はインストであるが、Clintn Watsをフィーチャーした「Dissolve (The Dream Is A Lie)」も素晴らしいのでぜひチェックして欲しい。

Sailing Before The Windの「Futurist」を彷彿とさせるメロディックなスタイルを得意とするアメリカ出身のIn Search of SightのEPも素晴らしく、リードトラックである「Left Behind」は特におすすめ。Spotifyの月間リスナーはまだまだ少ないが、アメリカのローカル・メタルコアの雰囲気たっぷりなので、コア・リスナーはチェックしておいても損はないと思う。

 

 

Avalanche Effect 「Manipulating Sky」

ドイツ出身のAvalanche Effectは大幅なメンバーラインナップの変更を経て、この「Manipulating Sky」を発表している。ドラマーのJannick Pohlmannを亡くし、新メンバーを迎え7人体制として動き出したAvalanche Effectの「Manipulating Sky」は、2023年上半期最も優れたモダン・プログレッシヴ・メタルコアだった。現代デスコアの影響も見え隠れするブレイクダウンはすっきりとプログレッシヴの美的感覚になぞらえて表現し、Invent AnimateやA Scent Like Wolvesを彷彿とさせる浮遊感のあるメロディをふわりと燻らせている。再び動き出した彼らの動向は逐一チェックしていくべきだろう。

 

Traveller 「Homesick」

2017年から活動を続けるドイツのプログレッシヴ・メタルコア Traveller がリリースしたEP『Imprint』はプログレッシヴ・メタルコアの何がシーンで評価されているのかを正しく理解し、自身のスタイルとして昇華することに成功したTravellerの画期的な作品だ。ここに辿り着くまでのTravellerも非常にスタイリッシュで魅力的なバンドであったが、この作品で一気に隠れていた魅力が花開いた。ミュージックビデオにもなっている「Homesick」では、Invent Animateを彷彿とさせる浮遊感溢れるメロディとピアノの音色が醸し出すドラマ性の高さに驚くだろう。エンディングは特に凄まじい。

 

 

Breakdown of Sanity 「Collapse」

 

スイスを拠点に活動しているメタルコア・バンド、Breakdown of Sanityは、ほぼ休止状態でありながら「バンドが恋しい」という理由で2020年から毎年シングルをリリースしている。本格的な復活が切望されるが、2016年のアルバム『Coexistence』以来、本格的な再開には至っていない。ただ、これらのシングルはアルバム1枚に匹敵するほどの濃密さがあり、どれもリスナーに深く印象付けるものとなっている。ずっしりと詰まった至高の刻みは全盛期の輝きのまま、全てのメタル・ヘッズをヘッドバンギングさせるバウンシーな仕上がり。流石の貫禄。

 

Everghost 「Instinct」

デトロイトからとんでもないバンド Everghost が登場。「Instinct」は彼らのデビュー・シングルで、ミュージックビデオがDreamboundから公開されている。全編に渡って流れるアンビエントなアトモスフィアと細部にまで詰め込まれたリフは新人とは思えないクオリティ。特に最後のブレイクダウンは強烈で、Invent Animate〜I Prevail辺り、さらにResolveなどまで感じられる雰囲気があり、最初聴いた時はかなり驚きました。Spotifyの月間リスナーも5000未満とまだまだこれからと言えるEverghost、今からチェックしてください。

 

 

After the Burial 「Nothing Gold」

USプログレッシヴ・メタルコアの代表的な存在であるAfter The Burialが、2019年のアルバム『Evergreen』以来となる新曲「Nothing God」と「Death Keeps Us From Living」の2曲を発表。ちょうどAfter The Burialくらいのレベルにあるメタルコア・バンドにとって、新型コロナウイルスによるパンデミックは経済的な打撃が大きかったに違いない。ライブが出来ない中オンラインで制作を続けたバンドも多いが、それは簡単なことではなかっただろう。今回の新曲についてボーカルのAnthonyは、この2曲がCOVIDのロックダウンの経験から書かれたもので、Anthony自身にとって人生で最も辛い時期に書いたものであるとコメントしている。ルーツに立ち返り、好きなものを作るとして書かれたこの楽曲はまさにAfter The Burialらしさが凝縮されており、2010年代初頭から中期にかけてプログレッシヴ・メタルコアが大きく盛り上がり始めた頃のヴァイブスを感じることが出来る。

 

As Within So Without 「Burn With The Sun」

2016年からニューヨークを拠点に活動する As Within So Without の最新シングル。このシーンを何年も追いかけているリスナーであれば、このバンド名を見ただけでそのサウンドが想像出来るかもしれない。今回公開された「Burn With The Sun」は、彼らの出世作であるアルバム『Salvation』から1年振りのニュー・シングルで、大きな期待を背負って発表された。その期待を大きく超えるこの「Burn With The Sun」は、昔のThe Word Aliveをプログレッシヴに仕立てたような耳馴染みの良いキャッチーさがあり、多くのメタルコア・リスナーが知っておくべきバンドであると思う。このシングルから次のアルバムが間違いなく素晴らしいものになることが分かるだろう。

 

 

Straight Shot Home 「Developer」

近年のメタルコア/デスコアのプロモーションに欠かせないものと言えば「リアクション動画」だ。それで爆発的なヒットになったバンドと言えば、Lorna Shoreが最も記憶に新しいだろう。私もいくつかのリアクションYouTuberをフォローして、主に彼らのショートから優れたブレイクダウンを持つバンドの最新曲に巡りあうことが出来た。個人的に最も気に入っているOhrion Reactsはチャンネル登録者数11万人を誇る、アンダーグラウンド・メタル・シーンの中ではフォロワーの多いYouTuberで彼が紹介するバンドは”当たり”が多い。そんな彼が「Architects と Dayseeker が一緒にバンド組んだらこんなサウンドになるのでは」とキャッチを付けて紹介したバンド Straight Shot Home はこの上半期何度も聴いていたバンドのひとつだ。ポスト・ハードコアのとろけるようなクリーンと相性の良いメロディアスな楽曲は、Erraにも通ずる美しさがある。バンドは自身のサウンドを「80年代のシンセポップとモダン・メタルコアの融合」と形容していて、その表現にピンときたリスナーは迷わず彼らをチェックしてほしい。

 

Soul Despair 「Crimson」

ポルトガルとアメリカを拠点に持つSoul DespairをRIFF CULTでは何度も取り上げてきた。ただ反応はイマイチで、記事へのアクセスは平均以下……。複雑な魅力を持つバンドの魅力を発信するのは非常に難しいが、彼らに関しては今季よくRIFF CULTでも取り上げていきたいと思う。彼らのサウンドにはSentinelsやOceans Ate Alaskaといったマスコアのエレメンツがスパイス程度にふんわりと漂っており、それが魅力的なクセになっている。「Crimson」はクセとなるアクセントは少ないものの、Soul Despairというバンドが目指すサウンドとして完成されており、比較的キャッチーに魅力が伝わる楽曲であると思う。この記事を読み込んでいただけている方なら間違いなくヒットすると思う。

 

 

Polaris 「INHUMANE」

2023年6月19日、PolarisのギタリストであるRyan Siewが急逝したというニュースにメタル・シーンは深い悲しみに暮れた。彼はまだ26歳で、Polarisで過ごした10年もの間、メタルコアのゲームチェンジャーとしてそのアーティスティックな才能を発揮してきた。2023年9月1日にリリースされることが決まっているアルバム『FATALISM』からの先行シングル第1弾として公開された「INHUMANE」のミュージックビデオではRyanの姿もあり、観ていると複雑な感情が込み上げてくる。モダン・メタルコアのトップを走る彼らの現在地が垣間見える「INHUMANE」ではRyanを筆頭に綿密に作り込まれたリフが織り成すグルーヴに圧倒され、その世界観が今後メタルコア・シーンに与える影響を考えると計り知れないものがあるだろう。このアルバムのリリースを待つ気持ちはどのように表現すべきか分からないが、Ryanにとって遺作となってしまった『FATALISM』がモダン・メタルコアの頂点にある作品になっていることが紛れもない事実であることを「INHUMANE」で証明した。

 

The Artificials 「Warrior Of Light」

プログレッシヴ・メタルコア/メタルのディープなディガーであれば、彼/彼女らの魅力は古くから知っているだろう。Tragic Hero Recordsから2017年にリリースしたアルバム『Heart』に収録されていた「Warrior Of Light」のリマスター・バージョンは、上半期良く聴いた楽曲の一つで『Heart』を聴きかえすきっかけにもなった。完全に独立した手法でバンド活動を続ける彼/彼女らの自由な創作にはいつも驚かされる。

 

Vanitas 「Eventum」

The Artificialsと共にチェックしてほしいのが、2022年にイングランドで結成されたばかりの女性ボーカル・プログレッシヴ・メタル/メタルコア・バンド、Vanitasだ。ミュージックビデオとして公開された「Eventum」は、シンフォニック・メタル/プログレッシヴ・メタルをベースにしながら、メタルコアのバウンシーなリフを取り入れ、広範囲のメタル・リスナーへアプローチしたキラーチューンだ。中盤から後半にかけてのドラマティックな展開は魅力的。大手、例えばNapalm Recordsなんかと契約して売り出されたらビッグ・ステージも時間の問題だと感じる。

 

 

最後に

「モダン・プログレッシヴ・メタルコア」というキーワードを持ってシーンを追いかけてみると、いくつもこのキーワードの持つ特徴に気付く。全体的なヴィジュアルイメージの統一性、楽曲タイトルやバンド名に使われる単語……。グローバルに点在する彼らを一つのジャンルやシーンにまとめて考えることは出来ないが、具体的になっていない共通する要素は他のメタルコアやデスコアに比べると分かりやすいものがあると思う。

Spotifyの月間リスナーが1万を超えるアーティストは珍しいが、決してマイナーなカテゴリーではないと思うし、広く親しまれる要素があるので、誰が筆頭になって「プログレッシヴ・メタルコア」を分かりやすく打ち出し牽引していくかが重要だと思う。また、リアクションYouTuberによって注目を集める要素もこのジャンルにはあるので、「プログレッシヴ・メタルコア系リアクションYouTuber」がかつてのレーベルやYouTubeチャンネルのような役割を果たしていくのかなとは思う。そこの力がどのくらいまで巨大なものになっていくのかは想像出来ない。何となしに、シーンとしてのまとまりはないにしても、これらを「モダン・プログレッシヴ・メタルコア」としてまとまった場所で紹介されるべきではあると思う。

今回この記事で紹介したバンドの3倍近い楽曲をRIFF CULTのSpotifyプレイリスト「Best of Modern Progressive Metalcore 2023」では紹介している (他の特集記事で別途紹介したモダン・プログレッシヴ・メタルコアもあります)。 ぜひフォローしてランダム再生したりしながら、新しいお気に入りを見つけたり、プログレッシヴ・メタルコアの現在地を感じてみてください。

 

Invert Hourglass、デビューEPから「Curse of my hands」のミュージックビデオを公開!

 

新潟を拠点に活動するメタルコア・バンド、Invert Hourglass がファーストEP『Leaving. And Beginning』から「Curse of my hands」のミュージックビデオを公開しました。彼らがInvert Hourglassを名乗る前に活動をしていたCurse of my handsとタイトルが付けられた本楽曲は、アトモスフィリックなアレンジ、プログレッシヴなギターワークが生み出す透明感のあるサウンドスケープが圧倒的な没入感を演出。国産メタルコアらしいフック、エンディングへ向う高揚感を盛り立てるきめ細やかなリフほか、随所に高いセンスを感じる。

 

 

 

 

Invert Hourglass 『Leaving. And Beginning』

1.Nir
2.Berserker
3.Nothing is Permanent
4.End of the Spiral
5.Leaving
6.Curse of my hands