Vale of Pnath、まもなくリリースの新作からニュー・シングル「Silent Prayers」リリース

コロラド州デンバーを拠点に活動するテクニカル・デスメタル・バンド、Vale of Pnathは、来たるアルバム『Between The Worlds of Life and Death』からの3枚目のシングル「Silent Prayers」のミュージックビデオを公開しました。ニュー・アルバムは、2024年5月24日にWillowtip RecordsよりCD、レコード、デジタルフォーマットでリリースされることが決定している。

バンドは今回の新曲についてこのようにコメントしている :

「前作『Accursed』から5年。このEPはバンドにとって新たな道であり、スタイル的にはよりブラックなアプローチに傾いたんだ。このEPは、テクデスのバックグラウンドを持つ僕らのファンを次の時代へと導くためのものだと言える。『Between The Worlds of Life and Death』は、『Accursed』で始めたことの延長線上にあるアルバムだ。バンドのコア・サウンドを捉えつつ、このメタル・ブランドに、より新しく大胆なテイクをもたらした。メタル・ファンにとって最も親しみやすいアルバムにしたい。このアルバムを聴いて、すぐにその魅力に引き込まれ、さらに何度もリピートしてもらいたいと思っているよ」。

Gridlink、9年振りのカムバック・アルバムから先行シングル「Silk Ash Cascade」をリリース

2004 年、ニュージャージー州ホーボーケンで結成されたされたグラインドコア・バンド、Gridlink (グリッドリンク)が2023年9月15日にWillowtip Recordsからリリースする9年ぶりのカムバック・アルバム『Coronet Juniper』からアルバムのオープニング・トラック「Silk Ash Cascade」を先行リリースしました。この曲は、彼らが得意とするグラインド狂騒曲から脱却し、ヘッドバンギングを誘うグルーヴと壮大なハーモニーを聴かせてくれる、アルバムのキーとも言える楽曲に仕上がっている。

Gridlinkは、ギタリストのTakafumi Matsubara (Formless Master, Takafumi Matsubara)、ボーカリストのJon Chang (No One Knows What the Dead Think, ex-Discordance Axis)、ドラマーBryan Fajardo (Cognizant, Noisear)そしてベーシストMauro Cordoba (Maruta)の4人組。レーベルから最新アルバムのPre-Orderがスタートしている。

 

PREORDER HERE:
Willowtip ► https://bit.ly/coronet-willowtip
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Gridlinkが9年振りにカムバック! 新曲「Coronet Juniper」をリリース

9年間の活動休止を経て、アメリカ・ニュージャージーを拠点とする日米混成バンド、Gridlink がニュー・アルバム『Coronet Juniper』を発表し、9月15日にWillowtop Recordsからカムバックする。バンドはすでに強烈なタイトル曲のストリーミングを開始。約90秒のこの曲は、暴力的なグラインドコアの容赦ない猛攻撃を繰り広げる。

 

 

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ブルータル・デスメタル、Devangelic が新曲「Udug-Hul Incantation」のミュージックビデオを公開!

 

イタリアのブルータル・デスメタル・バンド、Devangelic が 4月7日にWillowtip Recordsからリリースする待望のニュー・アルバム『Xul』からのセカンド・シングル「Udug-Hul Incantation」のミュージックビデオを公開しました。

 

 

新曲について、ギタリスト/コンポーザーのMario Di Giambattistaは次のようにコメントしています。

 

「Udug-Hul Incantation」は、不気味な不協和音とキャッチーなリフが多く含まれる、アルバムの中でも最もスローな曲です。これは2020年に『Xul』のために私が書いた2曲目の曲であり、Devangelicが今までに書いた最高の曲の1つだと思います。

 

数字の3の象徴は常に私を魅了してきたので、トラックリストのその位置をスローな「Udug-Hul Incantation」曲に予しました。私たちの2枚目のアルバム「Phlegethon」でも同じ手法を使い、トラック#3(「Of Maggots…」)がアルバムのスロートラックになっています。

 

「Xul」という言葉は、元々は「邪悪」を意味するシュメール語であり、これが新しいアルバムのコンセプトの主要なトピック。基本的に、人間は地球に現れてから自分自身の内面の悪魔に直面せざるを得なくなる、というような内省的な旅を描いているとのこと。

 

Visceral Bleeding 『Absorbing the Disarray』 (2007年 – Neurotic Records / Willowtip Records)

Visceral Bleeding 『Absorbing the Disarray』 (2007年 – Neurotic Records / Willowtip Records)

 

  1. Bi-Polar 00:53
  2. Disgust the Vile 04:13
  3. Despise Defined 03:11
  4. Perpetual Torment Commence 03:37
  5. Emulated Sense: Failure 03:13
  6. Rip the Flesh 04:00
  7. Absorbing the Disarray 04:30
  8. Awakened by Blood 03:54
  9. Beyond the Realms of Reason 03:47
  10. Bring Forth the Bedlam 03:00
  11. Demise of the One That Conquered 05:12

 

3年振りのリリースとなる3枚目フルレングス。 前作発表後に、Dennisが脱退、オリジナルメンバーはギターのPeterのみとなった(本作リリース後Peterも脱退)。新メンバーにSplattered Mermaidsで活躍していたボーカリストMartin、ベーシストBody、ギタリストGermが加入。本作は、ウルトラファストなブラストビートに、Martinのグロウルが粘っこく絡み合うよう。Dennisの早口なボーカル・スタイルを継承し、グルーヴを加速させながら丁寧に咆哮。ピッキング・ハーモニクスを多用するチェーンソーリフも聴きどころだ。

 

 

▶︎Visceral Bleeding ディスコグラフィー & アルバムレビュー
2002 – Remnants of Deprivation
2004 – Transcend into Ferocity
2007 – Absorbing the Disarray

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Visceral Bleeding 『Transcend into Ferocity』 (2004年 – Neurotic Records / Willowtip Records)

Visceral Bleeding 『Transcend into Ferocity』 (2004年 – Neurotic Records / Willowtip Records)

 

  1. Merely Parts Remain 03:24
  2. Fed to the Dogs 03:04
  3. Indulge in Self Mutilation 03:15
  4. Fury Unleashed 03:18
  5. Trephine the Malformed 03:16
  6. All Flesh… 02:57
  7. Clenched Fist Obedience 03:11
  8. Fire Took His Face 02:45
  9. When Pain Came to Town 03:29

 

2年振りのリリースとなったセカンド・アルバム。オリジナルメンバーのNiklasが脱退、新たにMarcusと交流のあったDeathbootのTobiasが加入し、レコーディングが行われた。前作で見せたファストでグルーヴィなテクニカル・ブルータル・デスメタル・サウンドを基調に、破壊力抜群のギターソロ、まくしたてるように展開されるガテラル・ヴォイスをカオスに炸裂させる。オープニングの「Merely Parts Remain」からアクセル全開で、ストップ&ゴーを巧みに操り、ゴリゴリのベースサウンドと雪崩のように繰り広げられるメランコリックなリフが終始畳み掛けてくる。

 

 

 

▶︎Visceral Bleeding ディスコグラフィー & アルバムレビュー
2002 – Remnants of Deprivation
2004 – Transcend into Ferocity
2007 – Absorbing the Disarray

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Defeated Sanity : アメリカツアー中! テキサスでの最新フルセット・ライブ映像公開!

 

Defeated Sanity : ドイツを代表するプログレッシヴ・ブルータル・デスメタルバンド、Defeated Sanityが現在アメリカで行っているツアーのテキサス公演のフルセット映像を公開しました。

 

オフィシャルのものではありませんが、バンドも個人アカウントでシェアしています。バンドのFacebookページではツアーのrecap ビデオもアップされているのでぜひチェックしてみて下さい。コロナ禍ではありますが、2月後半から3月後半までアメリカ全土を駆け抜けています。

 

 

テクニカル・デスメタル 2021年の名盤15選

 

なんだかんだ数十年と追いかけ続けているプログレッシヴ/テクニカル・デスメタル。近年は全体的な演奏技術、サウンド・プロダクションが向上し過ぎてて、テクニカルとそうでないものの線引きが非常に難しい。そもそもテクニカル・デスメタルという言葉がかなり曖昧で、誕生からそれなりに時代を経過していることもあって、一度整理して考えないといけないタイミングだと思う。

 

今回リストアップした作品はプログレッシヴ・デスメタル、ブルータルデスメタルの中から特にテクニカルなスタイルにフォーカスしている作品を中心にピックアップしている。そしてそのテクニカルとは、ブラストがスピードとかリフのスピードとかだけでなく、演奏技術が優れていればテクニカルとして考えている。〜デスメタルというサブジャンルがそれぞれにあり、その中でテクニカルなものを選出しているので、総合的に見てブルータルデスメタルであったりプログレッシヴデスメタル、はたまたメロディックデスメタルであるものもある。現代におけるテクニカル・デスメタルを考えたときに大元のジャンルがなんであれ、テクニカルとタグ付けすることが出来ればそれはテクニカル・デスメタルになる、と思う。そういう視点で今回15枚の作品を選び、レビューしてみた。

 

 

第15位 : Cathexis 『Untethered Abyss』

Release : Willowtip Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Cathexis/3540360378

 

今年結成10周年を迎えたテキサス州オースティンのテクニカル・デスメタル中堅、Cathexisの8年振り通算3枚目のフルレングス。Scattered RemainsのIan Bishopがボーカルを務め、Sam KangとChris Hillamがギタリスト、Tony Montana’s Last Standなどで活躍したベーシストOscar Martinez、BallgagのドラマーFelix Garzaの5人体制で活動しており、Willowtip Recordsとの契約を勝ち取ってのリリースとなった。

 

プログレッシヴとアヴァンギャルドの中間をいくミドルテンポの楽曲が中心で、ガリガリとリフを刻みつつもメロディアスであるのがCathexisの魅力だ。Willowtip Recordsらしいサウンドであるので、レーベルのフォロワーでまだチェックできていない方がいたら年末に向けて聴き込んでいただきたい。おすすめの曲は「Mortuus in Perpetuum」。

 

 

 

 

第14位 : Path to Kalinin 『Lineage』

Release : Independent
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Path_to_Kalinin/3540491761

2021年テネシー州ナッシュビルを拠点に結成されたテクニカル/メロディック・デスメタルバンド。While You Were Asleepで活躍するベーシストTommy FireovidとドラマーRikky Hernandez、Kryptik EmbraceのギタリストだったRikk Hernandez、そして伝説のサタニック・デスメタルバンドNunslaughterのギタリストとして2014年から活躍するNoah Nuchananがリード・ボーカルを務める。

基本的にはメロディアスなギターを携えブラストしまくるファストなテクニカルサウンドが売りであるが、雄大なクリーン・パートも組み込むあたりはなかなかオルタナティヴな感覚があるのだなと感心。楽曲も聴き込むにつれ味わい深さを増し、EPというサイズでありながらその世界観は一級品。

 

 

 

 

第13位 : Alustrium 『A Monument to Silence』

Release : Unique Leader Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Alustrium/3540314183

ペンシルバニア州フィラデルフィアを拠点に活動するプログレッシヴ/テクニカル・デスメタルバンド、Alustriumの6年振り通算3枚目のフルレングス。非常に地味な存在であるが演奏技術は確かで、覆面バンドGalactic Empireの”中の人”も在籍している。ギタリストのMike DeMariaとChris Kellyがプロダクションを担当、ミックスまでを行い、Ermin Hamidovicがマスタリングを務めた。

 

雄大なリフ、そしてデスメタリックでありながらエレガントなメロディも巧みに弾きこなすMikeとChrisのギターだけでも抜群の聴きごたえ。Prosthetic Recordsが得意なメロディック・デスメタル/デスコア感をややテクニカルに寄せたスタイル、と言えば分かりやすいかも知れないが、現在の人気以上に凄いことをやっているバンド。じっくりと聴き込めば聴き込むほどに味わい深いアルバムだ。

 

 

 

 

第12位 : Unfathomable Ruination 『Decennium Ruinae』

Release : Willowtip Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Unfathomable_Ruination/3540315635

2010年からイングランド/ロンドンを拠点に活動するテクニカル・ブルータルデスメタルバンド、Unfathomable RuinationのEP。2019年のフルアルバム『Enraged & Unbound』は良い意味で無機質なテクニカル・マシーンっぷりを見せつけ、特にブルータルデスメタルシーンで高く評価された。

 

本作は限りなくブルータルデスメタルと言える残虐なフレーズが次々と繰り出されるがテクニカルな美的感覚が見事で、アヴァンギャルド、プログレッシヴとは明らかに違う「テクニカル・ブルータルデスメタル」のピュアなパッションが感じられるだろう。誰にも止められない暴走列車の如く叩きまくるドラミング、アクセルとブレーキを自由自在に操るリフ、これほどまでに見事な転調を繰り返すデスメタルバンドは他にない。

 

 

 

 

第11位 : Ominous Ruin 『Amidst Voices that Echo in Stone』

Release : Willowtip Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Ominous_Ruin/3540397429

 

2010年からカリフォルニア州サンフランシスコで活躍するテクニカル・ブルータルデスメタル中堅、Omnious Ruin待望のファースト・アルバム。これまでEPのリリースはあったものの2015年以降は新曲が出ていなくて、ややマイペースな活動スタイルがネックではあったが、本作はゲスト・ミュージシャンとしてFallujahのドラマーAndrew BairdやゲストボーカルにSymbioticのKris、Arcane ExistenceのJadeなどが参加。

 

プログレッシヴに刻まれるリフ、そしてメロディのバランス感覚も鮮やかで、疾走するマシーンのようなドラミングに食らいついていく様は見事だ。NileやDeeds of Flesh、Spawn of Possessionといった知的かつ感情の起伏が少ないテクニカル・サウンドが好きな方におすすめ。

 

 

 

 

第10位 : Hannes Grossmann 『To Where the Light Retreats』

Release : Independent
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Hannes_Grossmann/3540374264

 

ObscuraやHate Eternalで活躍し、Alkaloidのドラマーとして活躍する有名ドラマーHannes Grossmannの2年振り4枚目フルレングス。本作はゲストにDark FortressのVictor Bullok、Alkaloid、Dark FortressのFlorian Magnus Maier、Alkaloid、ObscuraのChristian Münzner、Alkaloid、AbhorrentのDanny Tunker、Alkaloid、Eternity’s EndのLinus Klausenitzerが参加しており、Alkaloidの新譜と言ってもおかしくない。明確に違うのは、Hannesは全てのソングライティングを担当しているという点とやはりドラマー視点で作られたプログレッシヴ・デスメタルであるというところだろう。

 

リードトラック「The Sun Eaters」はChristianのギターソロが炸裂、Victorのボーカルもインパクトが強く聴きどころと言えるが、やはりHannesのドラミングが最も輝いて聴こえる。このドラミングが他を牽引しながら楽曲が展開しているように感じるのは、ソロの楽曲だという先入観を抜きにしても感じられるはずだ。Hannesの叩きっぷりを感じながらアルバムに酔いしれて欲しい。

 

 

 

 

第9位 : Aeon 『God Ends Here』

Release : Metal Blade Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Aeon/327

 

スウェーデン/エステルスンドを拠点に活動するプログレッシヴ・デスメタル・ベテラン、Aeonの9年振りとなる通算5枚目のスタジオ・アルバム。名作『Aeons Black』以降に脱退したギタリストDaniel Dlimiがバンドに復帰したことをきっかけに息を吹き返し、Dark FuneralやDespite、ImperiumやBloodshot Dawnで活躍したドラマーJanne Jalomaが2020年に正式加入し制作活動がスタート。

 

Ronnie Björnströmをプロデューサーに迎えた本作は、漆黒のオーケストレーションをまとったデスメタル・サウンドをベースに、プログレッシヴなエレメントを要所要所に散りばめたベテランらしい小技が光る仕上がりになっており、タイトルトラックでありミュージックビデオにもなっている「God Ends Here」では、Behemothなんかにも匹敵する悪魔的な狂気に満ちていて思わず世界観に引き込まれていく。20年以上のキャリアを持つメタル・ミュージシャンらしい引き出しの多さが聴くものを圧倒する堂々の一枚。

 

 

 

 

第8位 : Interloper 『Search Party』

Release : Nuclear Blast
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Interloper/3540480465

 

2014年カリフォルニアを拠点に結成、いよいよ本格始動となったInterloperのデビュー・アルバムはその期待の高さを感じさせるNuclear Blastからのリリースだ。2018年にRings of Saturnを脱退したギタリストMiles BakerとドラマーAaron Stechauner、Vampire SquidのメンバーでAaronと共にThe FacelessのライブメンバーであるAndrew Virruetaによるトリオ体制を取り、他のプロジェクトが落ち着いたこともあってInterloperとして本格的に動く時間がとれたのだろう。

 

本作はAndrewの兄弟であるJoeyがプロデュースを担当、ミックス/マスタリングまでを務めている。古き良きOpethを彷彿とさせるプログレッシヴ感をベースにしながらも、ダイナミックなドラミングやメロディアスなギターパートを交えながら叙情的に楽曲を展開。特にタイトルトラックである「Search Party」は、彼らのキャリアを考えるとこれまでにないバラード調の楽曲であるものの、しっかりとものにしている。

 

ミュージックビデオになっている「Drift」では、メタルコア/デスコアのアイデアも組み込みながら、新世代のプログレッシヴ・グルーヴのうねりを生み出している。バンドのヴィジュアル・コンセプトになっている大海原のように、底知れぬポテンシャルを見せたデビュー・アルバム。

 

 

 

 

第7位 : Crown Magnetar 『The Codex of Flesh』

レーベル : Independent
Link : https://www.facebook.com/crownmagnetar

 

本作は、2016年コロラド・スプリングスを拠点に活動をスタートさせたCrown Magnetarのデビュー・アルバム。2018年にEP『The Prophet of Disgust』リリース後、コアなデスコア・リスナーから支持を集め、カルト的な人気を博していた。本作もレーベル未契約で発表されたものの、クオリティは世界トップクラス。

 

卓越されたテクニックから繰り出される音速のドラミングには度肝を抜かれること間違いなし。Infant AnnihilatorやOphidian Iなど、様々なジャンルに人間離れしたドラマーがいるが、Crown MagnetarのByron Londonのプレイには久々に衝撃受けた。

 

 

 

 

第6位 : Inferi 『Vile Genesis』

Release : The Artisan Era
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Inferi/93823

 

テネシー州ナッシュビルを拠点に活動するテクニカル・デスメタルバンド、Inferiの2年振り通算6枚目フルレングス。この手のジャンルのバンドにしてはかなり多作で、近年の存在感の強さはオンラインにおいても強く感じる。本作はプロデューサーにDave Oteroを起用、ミックス/マスタリングまでを務め、アートワークはHelge Balzerが担当しているが、一部Pär Olofssonが手掛けているようだ。

 

Stevieのハイテンションなボーカルは、シンフォニックなオーケストレーションを携え疾走するメロディアスなデスメタル・サウンドにハリをもたらし、優雅に転調するサウンドの肝になっている。まるでクラシックのコンサートを観ているようなエレガントさも感じられ、グッとテクニカル・デスメタルにおける地位を高めることに成功したように感じる。

 

 

 

 

第5位 : Rivers of Nihil 『The Work』

Release : Metal Blade Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Rivers_of_Nihil/3540301156

 

ペンシルバニア州リーディングを拠点に活動するプログレッシヴ/テクニカル・デスメタルバンド、Rivers of Nihilの3年振り通算4枚目となるスタジオ・アルバム。ギタリストであり、オーケストレーションのプログラミングやキーボードを兼任するBrody Uttleyがプロデュースを担当、Galaxtic EmpireのGrantとCarsonがそれをサポートする形で制作が行われた。シーンにおける有名アートワーカーDan Seagraveが描いた幻想的な世界観はプログレッシヴ・デスメタルシーンでも特異な存在感を放つRivers of Nihilにぴったりだ。

 

本作もBurial In The Skyのサックスフォン奏者Zach Strouseをフィーチャー、アルバム収録曲の半分に彼のサックスが挿入されている。様々サブジャンルが存在するメタルの中でもサックスとの親和性があるのは、プログレッシヴなものが多い。もちろんアヴァンギャルドなシーンではNaked Cityを彷彿とさせるようなエクスペリメンタル・ジャズ、フリージャズ的なサックスは導入されてきた事例があるが、とろけるようなサックスの音色とヘヴィ・ミュージックのブレンドはセンスが必要だ。

 

アルバムのリードトラック「Clean」はミュージックビデオになっていて、公開から半年足らずで20万回再生目前だ。ずっしりと重くヘヴィなビートに力強く刻み込まれるプログレッシヴなリフ、暗く知的な歌詞世界に引き込まれそうになる。大規模なステージで彼らが演奏している光景が目に浮かぶ、ステップアップを遂げた一枚。

 

 

 

 

第4位 : Obscura 『A Valediction』

Rlease : Nuclear Blast
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Obscura/63100

 

2002年からドイツ/ミュンヘンを拠点に活動するプログレッシヴ・デスメタルバンド、Obscuraの3年振り通算6枚目のフルレングス。ベーシストJeroen Paul Thesseling、そしてギタリストChristian Münznerが復帰し制作されたアルバムだ。詳しいレビューは別記事を参照下さい! (https://riffcult.online/2021/11/19/obscura-a-valediction-2/)

 

 

 

 

第3位 : First Fragment 『Gloire Éternelle』

Release : Unique Leader Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/First_Fragment/3540325573

 

テクニカル・デスメタル大国カナダの本場ケベックを拠点に2007年から活動するベテラン、First Fragmentの5年振りとなるセカンド・アルバム。大幅なラインナップ・チェンジがあり、ギタリストにUnleash the ArchersのNick Miller、ベーシストにAugury、ex.Neyond CreationのDominic “Forest” Lapointe、ドラマーにex.Sollum FatailsのNicholas Wellsが加入。最強とも言える布陣で彼らが挑んだのは、”ネオ・クラシカル・テクニカル・デスメタル”と言うサウンドの確立だ。

 

彼らの持ち味とも言えるフレッドレス・ベースのうねり狂うベースラインはDominicに変わっても健在、いや鋭さをましまるで生き物のように躍動しながら、ソロを弾きまくるギターに引けを取らない存在感を見せつけていく。クラシカルに転調しながらもテクニカル・デスメタルのヘヴィネスはしっかりとキープ、美しすぎる一枚。

 

 

 

第2位 : Ophidian I 『Desolate』

Release : Season of Mist
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Ophidian_I/3540347460

 

アイスランド/レイキャビクを拠点に活動するテクニカル・デスメタルバンドOphidian Iの9年振りとなるセカンドアルバム。大幅なラインナップチェンジはないものの、2019年にLord of Warで活躍したボーカリストJohn Olgeirssonが加入。サウンドも格段にレベルアップしSeason of Mistと契約を果たした。本作はギタリストのDaníel Máni Konráðssonがプロデュースを担当、ドラムのみStephen Lockhartがエンジニアリンクを行い、CryptopsyのギタリストChristian Donaldsonがミックス/マスタリングを手掛けた。

 

まるでDragon Forceがテクニカル・デスメタルをプレイしたかのようなスタイルとなったOphidian Iサウンドは他に類を見ないオリジナリティでシーンでの存在感を確固たるものとした。銀河を音速で移動するのにぴったりなサウンドトラック、と形容したくなるほど、煌びやかなメロディワークや滑らかに疾走するドラミングが印象的。これらを高次元融合させたChristian Donaldsonのミックス/マスタリングも素晴らしい。メロディック・デスメタル/スピードメタルの美的感覚を持ちながらも、プログレッシヴ/テクニカル・デスメタルのエクストリームな魅力も兼ね備えた作品はこれまでに存在しなかった。Ophidian Iがテクニカル・デスメタルに新たな流れを作ったことは間違いない。

 

 

 

第1位 : Archspire 『Bleed the Future』

Release : Season of Mist
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Archspire/3540326229

 

2009年からカナダ/バンクーバーを拠点に活動するテクニカル・デスメタルバンド、Archspireの4年振り通算4枚目のフルアルバム。本作はプロデューサーにSerberus、Dethronedで活躍するDavid Oteroを起用し、彼のスタジオであるFlatline Audioで録音され、Davidがミックス/マスタリングまでを手掛けている。Archspireらしい「スピード」、「エクストリーム」、そして「ショットガン・ボーカル」を存分に味わうことが出来る作品となっており、過去最高傑作と言えるだろう。アルバムの聴きどころについてはリリースのタイミングで書いたこちらの記事を参照下さい (https://riffcult.online/2021/10/29/archspire-bleed-the-future-2/)

 

Noctambulist がニューアルバム『The Barren Form』をリリース!

Noctambulist : コロラド州デンバーを拠点に活動するブラッケンド・ブルータル・デスメタルバンド、Noctambulistが、2年振りのセカンドアルバム『The Barren Form』をWillowtip Recordsからリリースしました。Willowtipらしいアヴァンギャルドなサウンドスケープを持ちながらも、ブラッケンドとしての世界観は崩さず、且つブルータリティも見せてくれる技巧派。

 

 

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Current lineup

R.H. Bass
See also: ex-Burn the Fleet, ex-Echo, ex-Flagship

Michael Nolan Drums (2016-present)
See also: Cordyceps, Cyclonusfilth, ex-Despise the Sun, ex-Skinned, ex-Vomit God, ex-Hapless

Andreas Tee Guitars (2016-present)
See also: ex-Expurgate, ex-Twatrot, ex-Full Bore

Sean McConnell Vocals (2017-present)
See also: ex-Nicaraguan Death Squad, Berated, ex-Hapless, ex-Spit Black

 

 

The Barren Form is a relentless and unforgiving exhibition of misery and despair. The technicality and weight of the prior album, Atmospheres of Desolation, remain persistent on this subsequent release. But, through an elevated form of songwriting and introspective lyrical content, “The Barren Form” creates a more suffocating and bleak aura. Each track embodies a manifestation of depression, grief, anxiety, and fear – a fitting theme for present day. The intent of the album is to unsettle and consume the listener.

Cathexisがニューアルバム『Untheterd Abyss』をリリース!

テキサス州オースティンを拠点に活動するテクニカル・デスメタルバンド、Cathexisが、通算3枚目となるニューアルバム『Untheterd Abyss』をWillowtip Recordsからリリースしました。アルバムをスピンして最初に気付くのが、Colin Marstonの関与だ。このサウンドプロダクションどこかで聴いたことがあるなと思えば、同じWillowtip Records所属のBehold… the ArctopusやGorgutsでの活躍で知られるColinがプロデュースに関わっている事が多い。なかなかマニアックなサウンドではあるが、デスメタルのトレンドにも近いものがあるし、ヘヴィネスを極めていくブルータルデスメタルとは違う香りがして面白い。

 

https://www.metal-archives.com/bands/Cathexis/3540360378

Ominous Ruinがニューアルバム『Amidst Voices that Echo in Stone』をリリース!

カリフォルニア州サンフランシスコを拠点に活動するテクニカルデスメタル/プログレッシヴデスメタルバンド、Ominous Ruinがデビュー・アルバム『Amidst Voices that Echo in Stone』をWillowtip Recordsからリリースしました。

 

昨年、新体制となりアルバム制作がスタートしたようです。なかなか有名人が集まっています。

 

Mitch Yoesle Bass (2010-present)
See also: ex-Inanimate Existence

Alex Bacey Guitars (2010-present)
See also: Tegmentum

Adam Rosado Vocals (2010-present)
See also: Leprous Divinity

Harley Blandford Drums (2020-present)
See also: Arcane Existence, Enigma

Joel Guernsey Guitars (2020-present)
See also: Continuum (live), ex-Desecrion, ex-Vaginal Discharge, ex-Inanimate Existence

 

Listen & preorder:
Willowtip ► https://bit.ly/or-amidst-willowtip​
Bandcamp ► https://bit.ly/or-amidst-bandcamp​

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Eximperituserqethhzebibšiptugakkathšulweliarzaxułumがニューアルバム『Šahrartu』をリリース!


ベラルーシのエクスペリメンタル・ブルータルデスメタル・トリオ、Eximperituserqethhzebibšiptugakkathšulweliarzaxułumがニューアルバム『Šahrartu』をWillowtip Recordsからリリースしました。バンド名は長すぎるので、通称”Eximperitus”と呼ばれていますね。最初登場した時は短命なバンドに終わるかと思いましたが、意外や意外、クオリティもぐっと高くなり、迫力あるデスメタルへと進化しました。
https://www.facebook.com/eximperitus.official/
https://www.metal-archives.com/bands/Eximperituserqethhzebib%C5%A1iptugakkath%C5%A1ulweliarzaxu%C5%82um/3540378310

ブルータル・デスメタル 2020年の名盤 10選

 

『ブルータルデスメタルガイドブック』を出版したのが2016年の10月だっただろうか、そこからも日課としてブルータルデスメタルを追いかけ続けてなんと4年が経過した。RIFF CULTを立ち上げたのも本を出版したのがキッカケだったし、今もこうして発信を続けられているのは嬉しい。

 

一時期はほぼRIFF CULTを動かしてなかった (RNR TOURSでのツアー活動に忙殺されていた)時期もあったが、コロナウイルスでツアーがストップしたことをキッカケにもう一度本腰を入れて動かしてみることにした。やっぱり新しい音楽を聴くのは面白いし、RNR TOURSが再開出来た時にもRIFF CULTを動かし続けられるように自分の中でしっかりルーティーンを作らなければいけないね。

 

さて、前置きが長くなったが、今年も世界中からブルータルデスメタル・アルバムがリリースされ、新しいバンドも入れば意外な復活もありで面白かった。良い意味でも悪い意味でもスラム系がぐっと盛り上がりをみせ、デスコアやメタルコアにまで影響を与え始めているのは面白いなと思う。それに対して昔ながらもハイスピード・ブラスト系は地味な存在になったが、もともとブルデスってそういうのが面白いし好きだったから特に気持ち的に変わらずいろんなものを聴いた。

 

ある程度新しいバンドもベテランもチェックしたつもりだが、もしかしたらチェックしきれてないものもあったかもしれない。EPも多く、リストに入れようとおもったがアルバムに絞ってランク付けしてみた。(Drippedとか入れたかったなあ) まだ聴いてない作品などあれば、ストリーミングでチェックしてみて欲しい。それでは、ランキングをご覧ください! (第10位〜第1位まで)

 

 

第10位 : Putrid Pile – Revel In Lunacy

アメリカ/ウィスコンシン州を拠点に活動するワンマン・ブルータルデスメタルプロジェクトPutrid Pileの新作は、前作『Paraphiliac Perversions』から4年振りとなった6枚目フルレングスで、Sevared Recordsからのリリース。

 

Sevared Recordsも数量限定リリースが増え、他のブルータルデスメタル・レーベルに比べ勢力は落ちてきたもののまだまだ元気。Putrid PileはSevared Recordsからリリースを続けている数少ないアーティストで、地味に2020年がプロジェクトスタートから20周年であった。前作から大きくスタイルチェンジする事もなく、淡々と自身のブルータリティを表現し続けている点だけでも評価に値するし、オープニングトラックの「Death Waits for No One」では、唐突なテンポチェンジを繰り返しながらもバウンシーなグルーヴはキープ、リフワークもメロディアスで面白いしガテラルもハイセンス。「Bonedigger」みたいな打ち込み感丸出しのB級さも個人的には好きだったりする。

 

 

 

 

第9位 : Goratory – Sour Grapes

2009年に活動休止、2016年に復帰したマサチューセッツ/ボストンのブルデス・レジェンドGoratoryの新作は、前作『Rice on Suede』からなんと16年振りとなる4枚目フルレングスで、リリースはイタリアのEverlasting Spew Recordsから発売された。

 

有名ミュージシャンのテクニカルすぎるアイデアのはけ口みたいなバンドで、Job For a CowboyやDespised Iconで活躍するギタリストAlanやDeeds of Flesh、Pillory、Cytolysisなどで大忙しのドラマーDarrenが在籍している。彼ら以外の2人はSexcrementというバンドのメンバーで腕前はもちろん凄まじい。特徴的なのは強烈なスラップベースで、テクニカルなブルータルフレーズに絡み付いていく。ヴィジュアルイメージからは想像もつかないテクニックがたまらない1枚。

 

 

 

第8位 : Post Mortal Possession – Catacombs Of Bedlam

ペンシルバニア州ピッツバーグを拠点に活動する5人組Post Mortal Possessionのセカンドアルバムは、Lord of the Sick Recordingsからのリリース。

 

2018年リリースの前作『Perpetual Descent』から大きな路線変更はないが、ぐっとサウンドプロダクションが向上し、楽曲もソリッドな仕上がりになっている。全体的にもっさりとしたスラムっぽい雰囲気ではあるが、Jakeのボーカルワークが強烈でディープなガテラルでサウンドを血生臭いものにしてくれている。Jakeのボーカルに加え、Nickのドラムもよく、デスメタリック。地味な存在だが、若くしてこの手のサウンドをプレイ出来るのは凄い。

 

 

 

第7位 : Disavowed – Revocation Of The Fallen

オランダ/アムステルダムを拠点に、前身バンドNocturnal Silenceから数えて26年のキャリアを誇る大ベテランDisavowedの13年振りとなる3枚目フルレングス。

 

オリジナルメンバーである元ドラマーRobbert (Pyaemia、Nocturnal Silenceでプレイ)の怪我を理由に2005年に脱退。以降はサポートメンバーを入れながらも活動は継続していたが、アルバム制作には至らなかった。長年のブランクを感じさせないパワフルなブルータリティは、アグレッシヴに転調しながらも粘着質なグルーヴィ・リフを携えて疾走し続ける。

 

 

 

第6位 : Afterbirth – Four Dimensional Flesh

1993年ニューヨークで結成されたブルータルデスメタルバンドAfterbirthのセカンドフルアルバムは、Unique Leader Recordsから前作『The Time Traveler’s Dilemma』から3年振りのリリース。

 

95年の休止後、2016年にボーカリストWill Smithが加入するまで20年以上のブランクというのはなかなか珍しい。架空の古代文明をテーマにソングライティングを行うようになってからはアイデアが湧き上がってくるのか、セカンドアルバムも3年という短い期間で完成させており、そのサウンドもアンシエントなメロディワークをメイン・エレメンツに独自の世界観を生み出すことに成功している。アートワークも含め、Afterbirthらしさを持っているし、今後も継続的に制作活動を続けて欲しい。

 

 

 

第5位 : Vituperate – Dies Mali

ノースキャロライナ州ヴァージニアを拠点に活動するハイスピード・ブルータルデスメタルバンドVituperateのデビューアルバム。

 

もともとデモ音源がアンダーグラウンドシーンで話題となり、New Standard Eliteと契約している。メンバーはそれぞれにプロジェクトを抱えており、Scatology Secretionなど今年アルバムを出したプロジェクトもある。メンバーらが抱えるプロジェクトの中でもVituperateは特にスピード感重視で、まさに工事現場のような轟音が鳴り響き、リフの輪郭も曖昧。いわばハーシュノイズのようなエナジーに溢れる1枚。

 

 

 

第4位 : Incinerate – Sacrilegivm

アメリカ/ミネソタを拠点に結成され、現在はアメリカ/カナダのメンバーが在籍するベテランIncinerateの新作は、前作『Eradicating Terrestrial Species』から5年振りとなる4枚目フルレングス。

 

リリースは前作同様Comatose Musicが手掛けている。2018年にDeeds of FleshやSevered Saviorで活躍したギタリストJared Deaverが加入。JaredとTedのツインギター体制になってからは初の作品で、2020年12月現在では脱退しているがDisfiguring the GoddessやMalevolent Creation、Insidious Decrepancyでドラムを担当したPhil Cancillaが本作でその腕前を披露している。スラムとまではいかないが、ピュアなリフグルーヴを要に非常にシンプルでノリやすいブルータルデスメタルをプレイ。Internal Bleedingファンは気に入るとおもいます。

 

 

 

 

第3位 : Devangelic – Ersetu

イタリアを拠点に活動するブルータルデスメタルバンドDevangelicの新作は、前作『Phlegethon』から3年振りのリリースとなる3枚目フルレングス。

 

Comatose MusicからWillowtip Recordsへと移籍してリリースされ、プロデューサーにはDecrepit BirthやFleshgod Apocalypseを手掛けたStefano Morabitoを起用。サウンドプロダクションもソリッドかつダイナミックな仕上がりとなっている。同郷のSeptycal Gorgeを彷彿とさせるダークなテクニカルフレーズも多く、誤解を恐れずに言えばDisgorge的な雰囲気があるようにも感じる。ここ数年、Devangelicは大/中規模フェスティバルへの出演やツアーなど、ヨーロッパを中心にファンベースを拡大しており、ブルータルデスメタルシーンにおける重要度は高くなっている。

 

 

 

第2位 : Arsebreed – Butoh

前作『Munching the Rotten』から15年振りとなるArsebreedの新作は、Brutal Mindからのリリース。

 

ツイン・ボーカル体制を取り、2人共Disavowedのメンバーだ (RobbeとJoel)。この2人のボーカルワークはハイピッチ/ローピッチを使い分けるような従来のツイン・ボーカルスタイルではなく、共にローをベースとしたボーカルスタイルなのが面白い。緊張感のあるオールドスクールなブルータルデスメタルは、ウジムシのようにうねるチェーンソーリフとソリッドなベースライン、そしてデスメタリックなギターソロが残忍なグルーヴを生み出している。Disavowedと一緒で、特に何か目新しいことをしているわけではないが、クラシックなブルータルデスメタルとして素晴らしい作品。

 

 

 

第1位 : Molested Divinity – Unearthing The Void

トルコを拠点とするブルータルデスメタルバンドMolested Divinityのセカンドアルバム。

 

前作『Desolated Realms Through Iniquity』から2年振りのリリースとなる本作は、アンダーグラウンド・ブルータルデスメタルの巣窟New Standard Eliteが発売元。レコーディングエンジニアリンク/マスタリングは同郷のOzan Yildirimが担当。彼はDrain of ImpurityやMolested Divinityのメンバーが在籍するRaven Woodsも手掛けており、バンドとも親交の厚い人物。前作とジャケットが酷似していて、最初再発かと思ったが、しっかり新作でした。New Standard Eliteらしさといえばそのスピードでしょうか。

 

ブレイクダウン皆無のノンストップ・ブラストビートを叩き込むドラマーBerkの腕前は確か。特にスネアの鳴り、随所で拍をずらしながらブラスティング・グルーヴをうねり出す感じとかは、かなりマニアックなブルータル・ドラミングの手法。Emreのギターワークも残忍としか言いようもない無慈悲さに溢れていてたまらない。昨今はスラム勢の勢い、そして人気が凄まじくこうしたブラスティング・ブルータルデスメタルはすっかり地味な存在になってしまったが、彼らをはじめ、同郷のCenotaph辺りは変わらずスピード重視で安心。堂々の2020年ブルータルデスメタル・ナンバーワンアルバム。