フィンランドのグラインドコア・ベテラン Rotten Sound、新EP『Mass Extinction』リリース

フィンランド出身のグラインドコアバンド Rotten Sound が、キャリア11作目となる新EP 『Mass Extinction』 のリリース前に、本作をフルでプレビュー公開した。EPは Season of Mist から発表され、配信もスタートした。

配信URL : https://orcd.co/rottensoundmassextinction

『Mass Extinction』は、Rotten Sound がこれまで歩んできたグラインドコアの伝統を受け継ぎつつ、政治的・社会的メッセージを刻んだ攻撃的な楽曲群を収録する作品として紹介されている。また、本作はバンドのディスコグラフィーの中で11番目のEPとなる。

また Rotten Sound は、2026年1月にヨーロッパでのツアー日程を予定しており、ドイツ、オランダ、スペイン、フランス、ポルトガルなど複数都市で公演が組まれている。ツアーの詳細は今後の発表を待つ必要があるが、Season of Mist の同レーベルメイトとの共演も含まれている。

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Defiled、9月リリースの新作からニューシングル「Horror Beyond Horror」のMV公開!

デスメタル・バンド、Defiledが、2024年9月20日にSeason Of Mistからリリースするニュー・アルバム『Horror Beyond Horror』からタイトル・トラックのミュージックビデオを公開しました。 ミュージックビデオはSeaside 99 Worksが撮影・編集を担当している。

ニュー・アルバムのpre-order/pre-saveはこちらから : https://orcd.co/defiledhorrorbeyondhorror

Long running Japanese death metal outfit Defiled have released the title track of the band’s upcoming album, Horror Beyond Horror, which is due out next month, September 20th via Season Of Mist.The latest single comes paired with a music video filmed and edited by Seaside 99 Works.

Alkaloid、複雑なグルーヴを生み出す新曲「Numen (Dyson VII)」をリリース

Obscura、Triptykon、Dark Fortressのメンバーからなるプログレッシヴ・メタル・バンド、Alkaloid (アルカロイド)が、新曲「Numen (Dyson VII)」のリリックビデオを公開しました。この曲はAlkaloidのニュー・アルバム『Numen』に収録される予定で、プレスリリースによると、「Numen」は、超巨大ブラックホールがいかにして前代未聞の宇宙的アーティファクトを吐き出すに至ったかを描いた7分間の宇宙的物語であり、この”Numen”が、本楽曲、そして彼らのニュー・アルバムの名前の由来にもなっている。アルバムはSeason of Mistから2023年9月15日にリリースされる予定。

ギタリスト/ヴォーカリストのMoreanはこのように話している :

「音楽的には、RainbowやPink Floyd、そしてMeshuggahにインスパイアされた素材をポリリズムの文脈の中に混ぜ込んだ。メインとなる12/16のグルーヴを、頑固な7/16のレイヤーが微妙に、しかし継続的に乱すことで、物語の中で作用している巨大な力を暗示しているんだ」。

 

プログレッシヴ・デスの鉄人 Alkaloid が新曲「The Cambrian Explosion」をリリース

ドイツのプログレッシヴ・デスメタル・バンド、Alkaloid (アルカロイド)が、2023年9月15日Season Of Mistからリリースするスタジオ・アルバム『Numen』から先行シングルとして「The Cambrian Explosion」をリリースしました。Obscura、Triptykon、Dark Fortressの現/元メンバーで構成されているAlkaloid、各プレイヤーの繊細なテクニック、こだわりが伺える「The Cambrian Explosion」から、次のアルバムがどのようなものになるか、予感することが出来るだろう。

Pre-save ‘Numen’ : https://orcd.co/numenpresave

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Defiled、ニュー・アルバム『The Highest Level』をリリース! 13公演ノンストップツアーを開催中

 

日本が誇るデスメタル・バンド Defiled が、ニュー・アルバム『The Highest Level』をSeason of Mistからリリースしました。DefiledとSeason of Mistは、2003年にリリースしたアルバム『Divination』からの名コンビであり、その20年という節目に発表された『The Highest Level』は、クラシックなサウンド・プロダクションで長年のファンを唸らせる仕上がりとなっている。

 

また、Defiledはこのアルバムのリリースを記念したツアー「The Highest Level Japan Tour 2023」を開催中。チケットなどの詳細は最もアクティヴなTwitterをチェックしてください。

 

 

 

 

UKダークロック・バンド、Crippled Black Phoenix が「Bonefire」のミュージックビデオを公開!

 

イングランドのダークロック・コレクティヴ、Crippled Black Phoenix が2022年9月にSeason of Mistからリリースしたアルバム『Banefyre』から収録曲「Bonefire」のミュージックビデオを公開しました。バンドはこのミュージックビデオについて「”Bonefire”の物語を描いた小さなカルト・ホラー映画のようなMVに仕上がっています。支配階級が炎に包まれることで、ある種のカルマを得ることができる」とコメントしています。

 

 

 

 

USブルータル・デスメタル・ゴッド、BrodequinがSeason of Mistとの契約を発表

 

テネシー州ノックスビル出身のブルータル・デスメタル・バンド、BrodequinがSeason of Mistとの契約を発表しました。バンドは2023年に4枚目のフルレングスをリリースする予定で、これはバンドにとってレーベルへのデビュー作となります。

 

今回の契約締結に際し、Brodequinはバックカタログである『Methods of Execution』(2004)、『Festival of Death』(2001)、『Instruments of Torture』(2000)をサブスクにて配信開始しました。

 

https://orcd.co/brodequin-methods

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https://orcd.co/brodequin-torture

 

今回の契約に際し、バンドからのコメントは下記の通りです。

 

BrodequinはSeason of Mistファミリーの一員になったことを発表できてとても嬉しく、光栄に思っています! Season of Mistのアーティスト・リストには、1349、Abbath、Benighted、Wormed、Tsjuder、Severe Tortureなど、様々なジャンルの有名アーティストが名を連ねており、多くのメタル・リスナーが知っているバンドばかりです。

僕たちのSeason of Mistとのパートナーシップは、Brodequinのブルータリティをより多くの人々に広めることになると確信しています。Season of Mistのあらゆるレベルでの素晴らしいサポートに加え、我々はアメリカとヨーロッパの両方で、これまでで最高の流通を得ることになります。これは、米国からヨーロッパの友人たちへの高い輸送費を軽減するだけでなく、全体的にリーチを広げることができます。Season of Mistは僕らと同じようにニューアルバムのリリースに興奮しているし、バックカタログ、デジタル、フィジカル、そして関連グッズの供給元にもなってくれます。

この夏の終わりにはレコーディングを行い、2023年のリリースを楽しみにしています。アルバム・タイトルなど、さらなるニュースは近日中に発表します。

 

Impureza 『La caída de Tonatiuh』 (2017年 – Season of Mist)

Impureza 『La caída de Tonatiuh』 (2017年 – Season of Mist)

  1. Lamentos de un condenado 03:03
  2. Sangre para los dioses 06:17
  3. Otumba, 1520 05:25
  4. El Dorado 00:55
  5. Abre-aguas (En la tormenta de Tláloc) 05:11
  6. Leyenda negra 04:58
  7. Corazón al cielo (Homenaje a Paco de Lucía) 01:29 instrumental
  8. Camino hacia Mictlán 03:49
  9. El nuevo reino de los ahorcados 05:04
  10. Último día del Omeyocán 04:19
  11. La caída de Tonatiuh 05:58 instrumental
  12. La llegada de los teules 03:43

2004年フランス中北部にある街、オルレアンで結成。「デスメタルmeetsフラメンコ」という個性的なスタイルでデビューから人気を誇示してきた。本作は7年振りのリリースとなったImpurezaのセカンド・アルバムで、ボーカルEsteban Martin、ギタリストのLionel Cano MuñozとOlivier、ベーシストFlorian、ドラマーGuilhemの5人体制でレコーディングが行われた。妖艶なフレッドレス・ベースのダンサブルなプレイをセクシーに引き立てるフラメンコギターの音色。テクニカル・デスメタルのクラシカルな要素としっかりハーモニーを生み出すフラメンコ、一聴の価値あり。

テクニカル・デスメタル 2021年の名盤15選

 

なんだかんだ数十年と追いかけ続けているプログレッシヴ/テクニカル・デスメタル。近年は全体的な演奏技術、サウンド・プロダクションが向上し過ぎてて、テクニカルとそうでないものの線引きが非常に難しい。そもそもテクニカル・デスメタルという言葉がかなり曖昧で、誕生からそれなりに時代を経過していることもあって、一度整理して考えないといけないタイミングだと思う。

 

今回リストアップした作品はプログレッシヴ・デスメタル、ブルータルデスメタルの中から特にテクニカルなスタイルにフォーカスしている作品を中心にピックアップしている。そしてそのテクニカルとは、ブラストがスピードとかリフのスピードとかだけでなく、演奏技術が優れていればテクニカルとして考えている。〜デスメタルというサブジャンルがそれぞれにあり、その中でテクニカルなものを選出しているので、総合的に見てブルータルデスメタルであったりプログレッシヴデスメタル、はたまたメロディックデスメタルであるものもある。現代におけるテクニカル・デスメタルを考えたときに大元のジャンルがなんであれ、テクニカルとタグ付けすることが出来ればそれはテクニカル・デスメタルになる、と思う。そういう視点で今回15枚の作品を選び、レビューしてみた。

 

 

第15位 : Cathexis 『Untethered Abyss』

Release : Willowtip Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Cathexis/3540360378

 

今年結成10周年を迎えたテキサス州オースティンのテクニカル・デスメタル中堅、Cathexisの8年振り通算3枚目のフルレングス。Scattered RemainsのIan Bishopがボーカルを務め、Sam KangとChris Hillamがギタリスト、Tony Montana’s Last Standなどで活躍したベーシストOscar Martinez、BallgagのドラマーFelix Garzaの5人体制で活動しており、Willowtip Recordsとの契約を勝ち取ってのリリースとなった。

 

プログレッシヴとアヴァンギャルドの中間をいくミドルテンポの楽曲が中心で、ガリガリとリフを刻みつつもメロディアスであるのがCathexisの魅力だ。Willowtip Recordsらしいサウンドであるので、レーベルのフォロワーでまだチェックできていない方がいたら年末に向けて聴き込んでいただきたい。おすすめの曲は「Mortuus in Perpetuum」。

 

 

 

 

第14位 : Path to Kalinin 『Lineage』

Release : Independent
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Path_to_Kalinin/3540491761

2021年テネシー州ナッシュビルを拠点に結成されたテクニカル/メロディック・デスメタルバンド。While You Were Asleepで活躍するベーシストTommy FireovidとドラマーRikky Hernandez、Kryptik EmbraceのギタリストだったRikk Hernandez、そして伝説のサタニック・デスメタルバンドNunslaughterのギタリストとして2014年から活躍するNoah Nuchananがリード・ボーカルを務める。

基本的にはメロディアスなギターを携えブラストしまくるファストなテクニカルサウンドが売りであるが、雄大なクリーン・パートも組み込むあたりはなかなかオルタナティヴな感覚があるのだなと感心。楽曲も聴き込むにつれ味わい深さを増し、EPというサイズでありながらその世界観は一級品。

 

 

 

 

第13位 : Alustrium 『A Monument to Silence』

Release : Unique Leader Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Alustrium/3540314183

ペンシルバニア州フィラデルフィアを拠点に活動するプログレッシヴ/テクニカル・デスメタルバンド、Alustriumの6年振り通算3枚目のフルレングス。非常に地味な存在であるが演奏技術は確かで、覆面バンドGalactic Empireの”中の人”も在籍している。ギタリストのMike DeMariaとChris Kellyがプロダクションを担当、ミックスまでを行い、Ermin Hamidovicがマスタリングを務めた。

 

雄大なリフ、そしてデスメタリックでありながらエレガントなメロディも巧みに弾きこなすMikeとChrisのギターだけでも抜群の聴きごたえ。Prosthetic Recordsが得意なメロディック・デスメタル/デスコア感をややテクニカルに寄せたスタイル、と言えば分かりやすいかも知れないが、現在の人気以上に凄いことをやっているバンド。じっくりと聴き込めば聴き込むほどに味わい深いアルバムだ。

 

 

 

 

第12位 : Unfathomable Ruination 『Decennium Ruinae』

Release : Willowtip Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Unfathomable_Ruination/3540315635

2010年からイングランド/ロンドンを拠点に活動するテクニカル・ブルータルデスメタルバンド、Unfathomable RuinationのEP。2019年のフルアルバム『Enraged & Unbound』は良い意味で無機質なテクニカル・マシーンっぷりを見せつけ、特にブルータルデスメタルシーンで高く評価された。

 

本作は限りなくブルータルデスメタルと言える残虐なフレーズが次々と繰り出されるがテクニカルな美的感覚が見事で、アヴァンギャルド、プログレッシヴとは明らかに違う「テクニカル・ブルータルデスメタル」のピュアなパッションが感じられるだろう。誰にも止められない暴走列車の如く叩きまくるドラミング、アクセルとブレーキを自由自在に操るリフ、これほどまでに見事な転調を繰り返すデスメタルバンドは他にない。

 

 

 

 

第11位 : Ominous Ruin 『Amidst Voices that Echo in Stone』

Release : Willowtip Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Ominous_Ruin/3540397429

 

2010年からカリフォルニア州サンフランシスコで活躍するテクニカル・ブルータルデスメタル中堅、Omnious Ruin待望のファースト・アルバム。これまでEPのリリースはあったものの2015年以降は新曲が出ていなくて、ややマイペースな活動スタイルがネックではあったが、本作はゲスト・ミュージシャンとしてFallujahのドラマーAndrew BairdやゲストボーカルにSymbioticのKris、Arcane ExistenceのJadeなどが参加。

 

プログレッシヴに刻まれるリフ、そしてメロディのバランス感覚も鮮やかで、疾走するマシーンのようなドラミングに食らいついていく様は見事だ。NileやDeeds of Flesh、Spawn of Possessionといった知的かつ感情の起伏が少ないテクニカル・サウンドが好きな方におすすめ。

 

 

 

 

第10位 : Hannes Grossmann 『To Where the Light Retreats』

Release : Independent
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Hannes_Grossmann/3540374264

 

ObscuraやHate Eternalで活躍し、Alkaloidのドラマーとして活躍する有名ドラマーHannes Grossmannの2年振り4枚目フルレングス。本作はゲストにDark FortressのVictor Bullok、Alkaloid、Dark FortressのFlorian Magnus Maier、Alkaloid、ObscuraのChristian Münzner、Alkaloid、AbhorrentのDanny Tunker、Alkaloid、Eternity’s EndのLinus Klausenitzerが参加しており、Alkaloidの新譜と言ってもおかしくない。明確に違うのは、Hannesは全てのソングライティングを担当しているという点とやはりドラマー視点で作られたプログレッシヴ・デスメタルであるというところだろう。

 

リードトラック「The Sun Eaters」はChristianのギターソロが炸裂、Victorのボーカルもインパクトが強く聴きどころと言えるが、やはりHannesのドラミングが最も輝いて聴こえる。このドラミングが他を牽引しながら楽曲が展開しているように感じるのは、ソロの楽曲だという先入観を抜きにしても感じられるはずだ。Hannesの叩きっぷりを感じながらアルバムに酔いしれて欲しい。

 

 

 

 

第9位 : Aeon 『God Ends Here』

Release : Metal Blade Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Aeon/327

 

スウェーデン/エステルスンドを拠点に活動するプログレッシヴ・デスメタル・ベテラン、Aeonの9年振りとなる通算5枚目のスタジオ・アルバム。名作『Aeons Black』以降に脱退したギタリストDaniel Dlimiがバンドに復帰したことをきっかけに息を吹き返し、Dark FuneralやDespite、ImperiumやBloodshot Dawnで活躍したドラマーJanne Jalomaが2020年に正式加入し制作活動がスタート。

 

Ronnie Björnströmをプロデューサーに迎えた本作は、漆黒のオーケストレーションをまとったデスメタル・サウンドをベースに、プログレッシヴなエレメントを要所要所に散りばめたベテランらしい小技が光る仕上がりになっており、タイトルトラックでありミュージックビデオにもなっている「God Ends Here」では、Behemothなんかにも匹敵する悪魔的な狂気に満ちていて思わず世界観に引き込まれていく。20年以上のキャリアを持つメタル・ミュージシャンらしい引き出しの多さが聴くものを圧倒する堂々の一枚。

 

 

 

 

第8位 : Interloper 『Search Party』

Release : Nuclear Blast
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Interloper/3540480465

 

2014年カリフォルニアを拠点に結成、いよいよ本格始動となったInterloperのデビュー・アルバムはその期待の高さを感じさせるNuclear Blastからのリリースだ。2018年にRings of Saturnを脱退したギタリストMiles BakerとドラマーAaron Stechauner、Vampire SquidのメンバーでAaronと共にThe FacelessのライブメンバーであるAndrew Virruetaによるトリオ体制を取り、他のプロジェクトが落ち着いたこともあってInterloperとして本格的に動く時間がとれたのだろう。

 

本作はAndrewの兄弟であるJoeyがプロデュースを担当、ミックス/マスタリングまでを務めている。古き良きOpethを彷彿とさせるプログレッシヴ感をベースにしながらも、ダイナミックなドラミングやメロディアスなギターパートを交えながら叙情的に楽曲を展開。特にタイトルトラックである「Search Party」は、彼らのキャリアを考えるとこれまでにないバラード調の楽曲であるものの、しっかりとものにしている。

 

ミュージックビデオになっている「Drift」では、メタルコア/デスコアのアイデアも組み込みながら、新世代のプログレッシヴ・グルーヴのうねりを生み出している。バンドのヴィジュアル・コンセプトになっている大海原のように、底知れぬポテンシャルを見せたデビュー・アルバム。

 

 

 

 

第7位 : Crown Magnetar 『The Codex of Flesh』

レーベル : Independent
Link : https://www.facebook.com/crownmagnetar

 

本作は、2016年コロラド・スプリングスを拠点に活動をスタートさせたCrown Magnetarのデビュー・アルバム。2018年にEP『The Prophet of Disgust』リリース後、コアなデスコア・リスナーから支持を集め、カルト的な人気を博していた。本作もレーベル未契約で発表されたものの、クオリティは世界トップクラス。

 

卓越されたテクニックから繰り出される音速のドラミングには度肝を抜かれること間違いなし。Infant AnnihilatorやOphidian Iなど、様々なジャンルに人間離れしたドラマーがいるが、Crown MagnetarのByron Londonのプレイには久々に衝撃受けた。

 

 

 

 

第6位 : Inferi 『Vile Genesis』

Release : The Artisan Era
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Inferi/93823

 

テネシー州ナッシュビルを拠点に活動するテクニカル・デスメタルバンド、Inferiの2年振り通算6枚目フルレングス。この手のジャンルのバンドにしてはかなり多作で、近年の存在感の強さはオンラインにおいても強く感じる。本作はプロデューサーにDave Oteroを起用、ミックス/マスタリングまでを務め、アートワークはHelge Balzerが担当しているが、一部Pär Olofssonが手掛けているようだ。

 

Stevieのハイテンションなボーカルは、シンフォニックなオーケストレーションを携え疾走するメロディアスなデスメタル・サウンドにハリをもたらし、優雅に転調するサウンドの肝になっている。まるでクラシックのコンサートを観ているようなエレガントさも感じられ、グッとテクニカル・デスメタルにおける地位を高めることに成功したように感じる。

 

 

 

 

第5位 : Rivers of Nihil 『The Work』

Release : Metal Blade Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Rivers_of_Nihil/3540301156

 

ペンシルバニア州リーディングを拠点に活動するプログレッシヴ/テクニカル・デスメタルバンド、Rivers of Nihilの3年振り通算4枚目となるスタジオ・アルバム。ギタリストであり、オーケストレーションのプログラミングやキーボードを兼任するBrody Uttleyがプロデュースを担当、Galaxtic EmpireのGrantとCarsonがそれをサポートする形で制作が行われた。シーンにおける有名アートワーカーDan Seagraveが描いた幻想的な世界観はプログレッシヴ・デスメタルシーンでも特異な存在感を放つRivers of Nihilにぴったりだ。

 

本作もBurial In The Skyのサックスフォン奏者Zach Strouseをフィーチャー、アルバム収録曲の半分に彼のサックスが挿入されている。様々サブジャンルが存在するメタルの中でもサックスとの親和性があるのは、プログレッシヴなものが多い。もちろんアヴァンギャルドなシーンではNaked Cityを彷彿とさせるようなエクスペリメンタル・ジャズ、フリージャズ的なサックスは導入されてきた事例があるが、とろけるようなサックスの音色とヘヴィ・ミュージックのブレンドはセンスが必要だ。

 

アルバムのリードトラック「Clean」はミュージックビデオになっていて、公開から半年足らずで20万回再生目前だ。ずっしりと重くヘヴィなビートに力強く刻み込まれるプログレッシヴなリフ、暗く知的な歌詞世界に引き込まれそうになる。大規模なステージで彼らが演奏している光景が目に浮かぶ、ステップアップを遂げた一枚。

 

 

 

 

第4位 : Obscura 『A Valediction』

Rlease : Nuclear Blast
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Obscura/63100

 

2002年からドイツ/ミュンヘンを拠点に活動するプログレッシヴ・デスメタルバンド、Obscuraの3年振り通算6枚目のフルレングス。ベーシストJeroen Paul Thesseling、そしてギタリストChristian Münznerが復帰し制作されたアルバムだ。詳しいレビューは別記事を参照下さい! (https://riffcult.online/2021/11/19/obscura-a-valediction-2/)

 

 

 

 

第3位 : First Fragment 『Gloire Éternelle』

Release : Unique Leader Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/First_Fragment/3540325573

 

テクニカル・デスメタル大国カナダの本場ケベックを拠点に2007年から活動するベテラン、First Fragmentの5年振りとなるセカンド・アルバム。大幅なラインナップ・チェンジがあり、ギタリストにUnleash the ArchersのNick Miller、ベーシストにAugury、ex.Neyond CreationのDominic “Forest” Lapointe、ドラマーにex.Sollum FatailsのNicholas Wellsが加入。最強とも言える布陣で彼らが挑んだのは、”ネオ・クラシカル・テクニカル・デスメタル”と言うサウンドの確立だ。

 

彼らの持ち味とも言えるフレッドレス・ベースのうねり狂うベースラインはDominicに変わっても健在、いや鋭さをましまるで生き物のように躍動しながら、ソロを弾きまくるギターに引けを取らない存在感を見せつけていく。クラシカルに転調しながらもテクニカル・デスメタルのヘヴィネスはしっかりとキープ、美しすぎる一枚。

 

 

 

第2位 : Ophidian I 『Desolate』

Release : Season of Mist
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Ophidian_I/3540347460

 

アイスランド/レイキャビクを拠点に活動するテクニカル・デスメタルバンドOphidian Iの9年振りとなるセカンドアルバム。大幅なラインナップチェンジはないものの、2019年にLord of Warで活躍したボーカリストJohn Olgeirssonが加入。サウンドも格段にレベルアップしSeason of Mistと契約を果たした。本作はギタリストのDaníel Máni Konráðssonがプロデュースを担当、ドラムのみStephen Lockhartがエンジニアリンクを行い、CryptopsyのギタリストChristian Donaldsonがミックス/マスタリングを手掛けた。

 

まるでDragon Forceがテクニカル・デスメタルをプレイしたかのようなスタイルとなったOphidian Iサウンドは他に類を見ないオリジナリティでシーンでの存在感を確固たるものとした。銀河を音速で移動するのにぴったりなサウンドトラック、と形容したくなるほど、煌びやかなメロディワークや滑らかに疾走するドラミングが印象的。これらを高次元融合させたChristian Donaldsonのミックス/マスタリングも素晴らしい。メロディック・デスメタル/スピードメタルの美的感覚を持ちながらも、プログレッシヴ/テクニカル・デスメタルのエクストリームな魅力も兼ね備えた作品はこれまでに存在しなかった。Ophidian Iがテクニカル・デスメタルに新たな流れを作ったことは間違いない。

 

 

 

第1位 : Archspire 『Bleed the Future』

Release : Season of Mist
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Archspire/3540326229

 

2009年からカナダ/バンクーバーを拠点に活動するテクニカル・デスメタルバンド、Archspireの4年振り通算4枚目のフルアルバム。本作はプロデューサーにSerberus、Dethronedで活躍するDavid Oteroを起用し、彼のスタジオであるFlatline Audioで録音され、Davidがミックス/マスタリングまでを手掛けている。Archspireらしい「スピード」、「エクストリーム」、そして「ショットガン・ボーカル」を存分に味わうことが出来る作品となっており、過去最高傑作と言えるだろう。アルバムの聴きどころについてはリリースのタイミングで書いたこちらの記事を参照下さい (https://riffcult.online/2021/10/29/archspire-bleed-the-future-2/)

 

Archspire : テクニカルデスメタルの歴史を変える注目作『Bleed the Future』リリース!

 

カナダ/バンクーバーを拠点に活動するテクニカルデスメタルバンドArchspireが、ニューアルバム『Bleed the Future』をSeason of Mistからリリースしました。前作『Relentless Mutation』から4年振り通算4枚目となるスタジオ・アルバムは、ギタリストDave Oteroがプロデュース、レコーディング、ミックス、マスタリングまでを手掛けている。聴いた人たちを唖然とさせる、新世代テクニカル・デスメタル・サウンドを完成させた彼らの最新作、聴きどころをまとめてみたいと思います。

 

 

ポイントその① : 唯一無二!超人的テクニカル・ボーカル

 

なんといってもArchspire最大の特徴はボーカルでしょう。ラップするかのようにグロウルで歌い上げるOliver Rae Aleronのスタイルは、”ショットガン・ボーカル”と呼ばれているそうです。先行公開された「Golden Mouth of Ruin」では、ドラミングのグルーヴと絶妙にクロスしながら、さらに強固なグルーヴを生み出しており、これはArchspire以外では聴くことが出来ないサウンドです。

 

 

ポイントその② : ボーカルだけじゃない! 全員驚愕のテクニックを披露

 

凄いのはOliverのボーカルだけではありません。アルバム中盤を盛り立てる「Drain of Incarnation」では、終始メロディアスに且つテクニカルにDean LambとTobi Morelliが爪弾くギターのメロディ、Jared Smithが操るうねり狂うベースライン、そしてなんといっても人間とは思えないマシーンぷりを見せるSpencer Prewettのドラム。楽曲の素晴らしさはもちろんですが、とにかく彼らのテクニックに空いた口が塞がらない状況のまま、何度もアルバムをスピンしてしまいます。凄すぎます。

 

 

ポイントその③ : 笑顔が素敵

 

メタルバンドは基本的にアーティスト写真で笑ったりしないですが、彼らは表情豊かでファニーな一面もよく見せてくれます。これだけ超人的なサウンドをプレイしていても、そういう一面をしっかり見せてくれるというのはファンとしては嬉しいですね。アルバムリリースに際して公開されたメンバーのお母さんたちによるリアクション動画も面白く、良いプロモーションになっていると思います。

 

 

間違いなく今年のテクニカル・デスメタルベストアルバムと言えるArchspireの『Bleed the Future』。今すぐチェックしてみて下さいね!

Archspire : 人間離れした超絶技巧が炸裂する新曲「Drone Corpse Aviator」のMV公開!

Archspire : カナダ/バンクーバーのテクニカル・デスメタル/デスコアバンド、Archspireが新曲「Drone Corpse Aviator」のミュージックビデオを公開しました。この楽曲は、10月29日にSeason of Mistからリリースされるニューアルバム『Bleed the Future』に収録される予定で、これまで公開されているタイトルトラック、「Golden Mouth of Ruin」に次ぐ第3弾シングル。

 

とにかくレベルが違う。ボーカリストOliver Rae Aleron、ドラマーSpencer Prewettは特にミュージシャンとして持ってる実力とセンスが素晴らしい。一瞬もブレイクしない「Golden Mouth of Ruin」にも驚いたが、本楽曲も目眩がするほどファスト。今年ナンバーワン・テクニカルメタルアルバムになるかもしれませんね。