Lorna Shore のドラマー Austin Archey、ドラムセットや演奏哲学を語るインタビュー公開

ニュージャージー出身のデスコア/エクストリームメタルバンド Lorna Shore のドラマー Austin Archey が、自身のドラムセットや演奏スタイルについて解説する特集インタビューを公開した。これは「Rundown」と呼ばれる形式のコンテンツで、Archey がキットの構成や演奏に対する哲学、テクニックについて詳しく語る内容である.

Archey は、同バンドの最新作 I Feel the Everblack Festering Within Me の制作を経て育んだ楽曲へのアプローチや、彼自身のプレイスタイルについて言及している。彼は単なる速さや激しさだけではなく、フィールや意図を重視しつつ、楽曲を支えるドラミングの役割を強調した説明を行っている.

演奏における精度やダイナミクス、持久力といった身体的・技術的側面についても話題に挙げられており、極端なテンポと複雑なリズムを両立させるための考え方が紹介されている。Archey は、こうした要素がバンドの音楽性と密接に結びついていると述べ、単純なスピード競争ではない演奏観を示している.

この内容は、Lorna Shore のライブパフォーマンスやレコーディングでのアプローチ、さらにデスコアやエクストリームメタルにおけるドラム表現のあり方についての洞察を提供するものであり、ファンや演奏者にとって技術的な視点を深める機会となっている.

We sit down with Lorna Shore speed demon Austin Archey and delve into the triumph that is the new record, how he approaches musicality paired with blazing brutality, and what the aliens will think about the ancient “War On Drum Triggers”!

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ドイツのブルータル・デスコア”ACRANIUS”、ツアー映像収録「Forced Dread」公式ビデオを公開

ドイツ・ロストック出身のスラミング・デスメタルバンド ACRANIUS が、楽曲 「Forced Dread」 の公式ミュージックビデオを公開した。この映像は、同バンドが欧州ツアー中に記録したライブパフォーマンスやツアーの様子を収めた内容であり、オンラインで視聴可能である.

「Forced Dread」は、ACRANIUS の特徴である重厚なスラミング・デスメタルサウンドを体現するトラックで、骨を砕くようなグルーヴと圧倒的な激しさを基調に構成されている。映像は複数都市でのライブシーンやツアーの舞台裏を織り交ぜ、バンドのツアー体験を視覚的に示している.ビデオには、ALL SHALL PERISH、PEELING FLESH、VULVODYNIA などと共演した欧州ツアーのステージ映像が収録されており、熱狂的なピットやバンドのステージでの動きが映像に強烈な印象を与えている.

https://acranius.com/

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USデスコアの新鋭”LarcɆnia RoɆ”、Unique Leader Records と契約し、ニューシングル「Lean」リリース&MV公開!

ノースカロライナ州を拠点とするデスコア・バンド LarcɆnia RoɆ が、ニューシングル 「Lean」 の公式ミュージックビデオを公開した。

「Lean」は、同バンドが今年リリースしたデビューアルバム Extraction に続く新曲。ミュージックビデオは Garrett Barefoot が監督を務め、オンラインで公開されている。バンドは新曲について「互いに異なる人間だからといって憎しみ合う必要はない — 分かち合える共通点はすべての隔たりの中に存在する」という趣旨の声明を発表している。

BUY/STREAM – https://orcd.co/larceniaroelean

LarcɆnia RoɆ は、2026年1月から Born Of Osiris、Within Destruction、Aversions Crown と共に EU/UK ツアーに参加する予定だ。このツアーはドイツ、ベルギー、オランダ、英国、フランス、オーストリアなどの複数都市を巡る日程となっている。ツアー後は米国に戻り、Left To Suffer の “The Eternal Suffering Tour” をサポートする日程が予定されている。

デスコアの帝王 “Suicide Silence”、コロナ禍を経て日本リベンジ公演 2026年2月開催決定!サポートにはKRUELTYが参戦!

2度目の来日公演となる予定だった2020年。「Knotfest Japan 2020」がコロナ禍の影響で中止となり、来日を渇望されていたデスコアの帝王、Suicide Silence が、2026年2月、実に10年振りに日本の地を踏む。

2026年2月19日(木)に渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて開催される一夜限りのプレミアムショウには、サポートアクトとして、世界を股にかけて活躍する日本のKRUELTYも参戦。2025年12月11日よりチケット発売もスタートしているのでお早めのチケット確保をお勧めする。

▶︎2026年2月19(木)東京 渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
【出演】Suicide Silence / KRUELTY
OPEN 18:15 / START 19:00
1Fスタンディング前売券:8,500円 (ドリンク代別途)
2F席スタンディング前売券:10,500円 (ドリンク代別途)
※1階スタンディングエリアと2階エリア往来可能
※常設の椅子席は先着順でのご利用となります。”
TICKET NOW ON SALE:e+:https://eplus.jp/suicidesilence

■Everlasting Fire■
https://linktr.ee/everlastingfire/
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2009年以来に再始動したデスコア/マスコア重鎮”The Tony Danza Tapdance Extravaganza”、重要メンバーJosh Travisの参加について今後説明へ

The Tony Danza Tapdance Extravaganza(以下 TDTE)が、ギタリスト Josh Travis の所在と今後について、ファン向けに近日説明を行うことを発表した。

2025年、TDTE は 2011年の解散以来初となるステージ復帰を果たしたが、その際 Josh Travis の姿は確認されず、ファンの間には彼の動向を巡る憶測が広がっていた。当初、バンドはギタリスト3人編成(Travis、復帰メンバー Layne Meylain、新加入ギタリスト Eric Berngruber)を予定していたと報じられていたが、復帰公演では Travis はステージに現れなかった。

この件について、バンドは 2025年12月1日に SNS 上で予告動画を投稿。すべての疑問に答える特別回エピソードを、ポッドキャスト番組 The Totally Legitimate Business Podcast にて公開すると告知した。公開日は 2025年12月7日と示されており、Travis の今後やバンドの次章に関する重要な発表が期待されている。

バンドのサウンドを特徴づけていた Travis 不在の状況は、ファンにとって大きな関心事となっていた。新展開を見据える中、この発表が復帰/脱退を含む決断の有無を明らかにするか注目される。

Unique Leader Recordsのデスコア・バンド、”Bound In Fear”、新曲 “Chasm” とミュージックビデオ公開 — 死と再生を描く最新シングル登場

デスコア・バンド、Bound In Fear が、ニューシングル “Chasm” をリリースし、あわせてミュージックビデオを公開した。リリース日は2025年12月2日。所属レーベルは Unique Leader Records である。

ボーカルの Ben Mason はコメントで、本作について「“Chasm” は我々にとって大きな前進。コアなサウンドに新たな要素を融合させた自然な進化」と語っている。また歌詞面については、「これまで直面してきた苦悩から如何に生きるかを学ぶ過程」、そして「人生の不確かさを受け入れ、自分の“デーモン”と向き合うことの大切さ」がテーマだという。

バンドの声明どおり、“Chasm” は過去作の延長線上にあるサウンドだが、メロディックかつエモーショナルな要素も織り交ぜた構成が特徴。映像は楽曲のテーマである「葛藤と再生」を視覚的に表現しており、バンドの進化を感じさせる作品となっている。

配信URL : https://orcd.co/CHASM

Written by: Keir Campbell, Ben Mason, Steven Hunt, Sam Mitchell, Kim Hughes.

Performers and instrument: Keir Campbell (guitar), Ben Mason (vocals), Steven Hunt (guitar), Sam Mitchell (bass), Kim Hughes (drums)

Mixed and Mastered by Ryan Wood

Video directed by Gaz Davies

Artist: Bound in Fear
Track: Chasm
Label: Unique Leader Records
Genre: Deathcore/DownTempo

 

デスコア・バンドSurvivalist、Slipknotの名曲“(Sic)”をカバー

北アイルランド/ベルファスト出身のメタルバンド Survivalist が、Slipknot のクラシック “(Sic)” をカバーし、新たな映像作品を発表した。このカバーは、2025年11月28日リリースされたもので、オリジナルの“混沌と衝撃”を継承しつつ、Survivalist ならではのグルーヴを重視したモダンなヘヴィサウンドで再構築されている。

今回のバージョンは、うねるようなリフ、低音の強調、グロウル/シャウトを交えたデスコア/グルーヴコア的スタイルによって、原曲の“不穏さ”をよりヘヴィかつ破壊的に表現している。批評では「現代メタルの強烈な解釈」「過去名曲と今をつなぐ架け橋」として高評価を得ている。

バンド自身は、Slipknot を「自分たちがメタルを好きになったきっかけ」だとし、本カバーを通じてリスペクトを示すとともに、自らの音楽性を再確認する機会と位置づけている。

Merch/Bandcamp: https://tinyurl.com/247dqfb3
Spotify: https://tinyurl.com/28evlcru
Apple Music: https://tinyurl.com/2akp8tf4

Paleface Swiss、新EP『The Wilted』収録のニューシングル“Everything Is Fine”公開&MV公開

デスコア/ビートダウンハードコア・バンド Paleface Swiss が、ニューシングル Everything Is Fine の配信およびミュージックビデオ(MV)を公開した。

この“Everything Is Fine”は、バンドが2026年1月2日にリリースを予定しているEP The Wilted EP のクロージング・トラックとなっている。

ヴォーカルの Marc “Zelli” Zellweger によると、本曲は「変えられない状況に囚われた二人の恋人たち」の物語を描いており、不当な試練に傷つきながらも、痛みを麻痺させようとしてさらに傷ついていく──というテーマを持つという。なお、バンドは直近で、10月に “Let Me Sleep”、さらにチャリティ・シングル “Instrument Of War” を発表しており、“Everything Is Fine”はそれらに続く作品となる。

Pre-order : https://palefaceswiss.com/collections/the-wilted-ep-collection
Instagram : https://www.instagram.com/palefaceswiss

デスコア・バンド Crown Magnetar、新ギタリスト Rob Maramonte を迎えて新曲「Desecrate Infinite」のMV公開

アメリカ・コロラド州を拠点とするデスコア・バンド Crown Magnetar が、新シングル「Desecrate Infinite」を 2025年11月25日に Unique Leader Records から公開した。それに伴いアニメーション仕様のミュージックビデオも同時リリースされた。この曲はバンドにとって新ギタリスト Rob Maramonte(元 Fallujah/The Zenith Passage)を迎えての初リリースである。

さらに、Crown Magnetar はこの新曲公開にあわせ、Chelsea Grin/Signs Of The Swarm/Mugshot とともにヨーロッパ/UKツアーを開始することも明らかにされた。

Signs of the Swarm、新曲「Natural Selection」ニューシングルとミュージックビデオを公開

アメリカ・ピッツバーグ出身のデスコア・バンド、Signs of the Swarmが、ニューシングル「Natural Selection」とそのミュージックビデオを公開した。最新アルバム To Rid Myself of Truth がCentury Media Recordsより本日2025年8月22日にリリースされたことにあわせ、シングルと映像も同日に発表された。

本作は、バンドのライブでは“決定的瞬間”と評される壮絶なナンバーであり、ドラムの Bobby Crowは「6枚目のアルバム、遂に世に出せることができとても感慨深いです」と語っている。映像はEric DiCarlo(SquareUp Studios)が演出を担当しており、ストーリー性や重厚な演出が楽曲にさらなる躍動感を与えている。

なお、Signs of the Swarmはこのリリースを受け、Mental Cruelty、Ten56.、Carcosa、Face Yourselfとともに北米ツアーを10月から11月にかけて実施予定だ。今回のニューシングルとミュージックビデオの公開、そして待望のアルバムのリリースは、バンドの成熟とさらに深化したサウンドへの期待を高めるものとなっている。

バンドの公式Instagramはこちら
https://www.instagram.com/signsoftheswarm

ダウンテンポ・デスコア”Traitors”、銃撃事件をイメージした新曲「SBC」リリース、観覧注意のMVも

フロリダを拠点に活動するデスコアバンド、Traitorsが、新曲「SBC」を配信リリース、またToddi Babuが監督を務めたミュージックビデオを公開しました。 この楽曲は、2024年4月にリリースされた「Break」に続く、今年2枚目のシングルとなる。Traitorsの危険な雰囲気を楽曲と共に感じられるミュージックビデオは必見。RIFF CULTがキュレーションするSpotifyプレイリスト「Deathcore 2024」でも再生回数の多い楽曲だ。

Music Video by: Toddi Babu
Edited by: Toddi Babu
Mixed/Mastered by: Cody Stewart

Whitechapel、初期の暴虐性を取り戻した新曲「A Visceral Retch」をリリース!

デスコアという音楽ジャンルのトップを走り続けるバンド、Whitechapel (ホワイトチャペル) が、新曲「A Visceral Retch」を配信リリースしました。この楽曲では、Whitechapelの新ドラマーであるex.Enterprise EarthのBrandon Zackeyが参加している。

この楽曲について、ボーカリストのPhil Bozemanがコメントを発表している。

「”A Visceral Retch”は、「The Somatic Defilement」のファンならすぐに気に入る曲だ。 この曲は、私たちが最初に作った曲のひとつなんだ。 この曲は、主にギタリストのZach Householderのおかげで生まれた。 Zackはとてもダークでホラーな雰囲気で有名だから、このアルバムは彼の得意分野何だ。 この曲は不穏な雰囲気に溢れている、例えるなら大食漢のマンモス悪魔にサバイバルさせられる状況を想像してみてほしい……。 悪魔の排泄物を食べるか、互いに食べ合うか、餓死するか。 ひねりを加えれば、自分が最も愛する人々に敵対することになる……。 本当に邪悪な人間を見つけ出し、カルトを作り、強化するためだ。 それはまた、いざとなれば、人々が本当に恐ろしい存在になり得ることを表しているのさ」。

Buy here: http://www.metalblade.com/whitechapel

 

“‘A Visceral Retch’ is a song that fans of “The Somatic Defilement” will latch onto immediately. It was one of the first songs we had in the chamber to work with. This song came to light thanks mostly to [guitarist] Zach Householder. He showed us and we all immediately said, ‘yup, that’s it.’ Zach is notorious for very dark and horror-like vibes so this album is right in his wheelhouse. The song is disturbing. Imagine being put in a situation of survival by gluttonous, mammoth demons that give you a choice. Eat the demons’ waste, eat each other, or starve to death. The twist, you’re against the people you love the most. It’s a way to find the ones that are truly evil people to build and strengthen their cult. It also represents how horrible people can really be, when push comes to shove.” – Phil Bozeman

WHITECHAPEL:
Phil Bozeman – vocals
Ben Savage – lead guitar
Alex Wade – rhythm guitar
Zach Householder – guitar
Gabe Crisp – bass
Brandon Zackey – drums

デスコア・バンド”Distant”、新曲「Fleshweaver」リリース&ニュー・アルバム『Tsukyomi: The Origin』11月発売決定

オランダ/スロバキアを拠点に活動するデスコア・バンド、Distantが、2024年11月22日にCentury Media Recordsよりリリースされるフルアルバム『Tsukyomi: The Origin』からの最新シングル「Fleshweaver」を公開しました。このアルバムには、TriviumのMatthew K. Heafy、Despised IconのAlex Erian、Enterprise EarthのTravis Worland、Signs of the SwarmのDavid Simonichらがゲストとして参加している。

Produced: Nouri Yetgin / Howard Fang / Simone Pietroforte
Vocals Produced: Alan Grnja, Vojta Pacesny
Lyrics: Alan Grnja
Mix & Master: Simone Pietroforte

Video Shot & edited: Loki Films
B-roll: Amy Marluca, Davey Beijrsbergen van Henegouwen

Carcosa、映画「パルプ・フィクション」にインスパイアされた新曲「Righteous Man」のMV公開

カナダを拠点に活動するデスコア・バンド、Carcosaが最新曲「Righteous Man」をリリースしました。 また、発表と同時に映画『パルプ・フィクション』にインスパイアされたミュージックビデオも公開された。このビデオはPatrick Lawlerによって監督されており、映画の雰囲気を取り入れた興味深いものとなっている。楽曲はSpotify、Apple Musicなどでも視聴することが出来る。

Get the song on Spotify, Apple, and everywhere else here: ►https://bfan.link/righteous-man

ボーカルのJohnny Ciardulloはこの楽曲についてコメントしている :

「”Righteous Man”は、現代映画史上最高の映画のひとつへのラブレターだ。 その直感的な性質と極論的な台詞は、残酷でありながらキャッチーなバンガーのための完璧な態勢を整えている。 “Nihilus”をリリースした後、ここで何をすべきかは分かっていた。 確かに、題材はそれほどストレートに笑えるものではないかもしれないが、私たちは、愉快な小道具(あの銃は要チェックだ)、そして私たちの演技で笑いを注入することを確実にしたんだ」。

【2024年上半期】デスコアの名盤10選 アルバムレビュー

2024年の上半期にリリースされたデスコアの中から、アルバム、EPを中心に優れた作品をピックアップし、アルバムレビューしました。国内外からベテラン、若手問わず10枚をセレクト!新しいお気に入りを見つけてください。

 

The Last Ten Seconds Of Life 『No Name Graves』

2022年にセルフタイトル・アルバムをリリースした後、ギタリストのWyatt McLaughlin以外のメンバーが脱退してしまったものの、元々メンバーの入れ替わりが激しいバンドであったし、すぐに新体制となって動き出したのには驚いた。ボーカリストにはPromise BreakerのTyler Beam、ベーシストAndrew Petway、ドラマーDylan Pottsの4人体制となり、ペースを落とすことなく、10曲入りのフルアルバムをUnique Leader Records からリリースした。

DisgorgeSuffocationでの活躍で知られるRicky Myersをフィーチャーした「Letania Ingernalis」やSanguisugaboggのDevin Swankが参加したアルバムタイトル曲「No Name Graves」など、The Last Ten Seconds Of Lifeのダウンテンポ・スタイルが復活したストレートな作風が心地良い。2015年に脱退したStorm Strope以降の作品は、ニューメタルをやってみたりとやや迷走気味であったが、ここへ来てこのスタイルに戻ってきたのは嬉しいことだ。本作は彼らの通算7枚目のフルアルバムだが、ここからリリースペースも上がってきそうな雰囲気もある。まだまだThe Last Ten Seconds Of LIfeはこれからだ。再びダークで不気味なダウンテンポ・デスコアがリバイバルしたら、面白いことになりそう。

 

Extortionist 『Devoid of Love & Light』

アイダホ州カー・ダレーンを拠点に活動するデスコア・バンド、Extortionistのサード・アルバム。2019年にリリースした『Sever the Cord』から5年も経過していたとは……。それまでにEPやシングルリリースはあったものの、ここ数年はあまり名前を聞かないと思っていた。コロナ禍でメンバーラインナップに大きな変化があり、オリジナルメンバーであるBen Hoaglandがボーカルを務め、2022年にギタリストClayton Blue、2024年にドラマーVince Alvarezが加入している。

ダークで不気味な不協和音を静かに漂わせながら、オルタナティヴ/ニューメタルに通ずるクリーンパートを導入してExtortionistらしい世界観を見事に作り出している。本作のタイトルトラック「Devoid Of Love & Light」は間違いなく2024年上半期のデスコアの中でも印象に残った楽曲だ。

TraitorsやThe Last Ten Seconds Of LIfeといった2010年代初頭にデスコアを過激化した重鎮達が2024年も元気なことは素晴らしい。血が沸くような危険な香りが漂うデスコアがExtortionistのように独自性を持ちつつ現れ続けてくれたらデスコアは面白いものであり続けると思う。

 

Filth 『Southern Hostility』

ノース・カロライナ州シェルビーを拠点に活動する4人組、Filthのサード・アルバム。前作『The Ignorance』から3年、Gutter Music RecordsからCrowdKill Recordsへと移籍した彼らは、初期のダウンテンポ・デスコアスタイルを保ちながらもヒップホップのエレメンツを盛り込んだり、ニューメタルコアにヒントを得たり、実験的な要素も随所に組み込んだ。しかし、持ち前の狂気的なモッシュの熱狂を生むバウンシーなパートは健在で、フロントマンDustin Mitchellの存在感も抜群だ。

ダウンテンポ・デスコアへの注目は、デスコア自体が年々ヘヴィになって、ダウンテンポ・フレーズを組み込むことが珍しいことではなくなったことなどからここ数年は落ち着いているように感じる。2010年代中期から後期にかけてアメリカを中心に続々と誕生したそれらのバンドの中でもFilthの存在は圧倒だった。本作はミュージックビデオを見ても分かるようにヒップホップの影響が色濃く反映されており、Filth元来のダウンテンポと上手く調和して不気味で危険な香りを漂わせている。例えば「STAY GUTTER」は超ロー・チューンのリフとDustinのラップもバッチリ決まっている (MVのディレクションも最高) 。

 

Enterprise Earth 『Death: An Anthology』

今年結成10周年を迎えたワシントン州スポーカン出身のデスコア・バンド、Enterprise Earthの通算5枚目となるフルアルバム。バンドのオリジナルメンバーでカリスマ的な人気を誇ったボーカリストDan Watsonが2022年に脱退してからは初のアルバムで、現在はボーカリストにBite//Down、Aethereに在籍するTravis Worland、ギタリストGabe Mangold、テクニカル・デスメタル・バンドEssomenicで活躍するベーシストDakota Johnson (こちらも新加入)、そしてドラマーBrandon Zackeyの4人体制で活動している。残念ながらオリジナルメンバーはもういない。

MNRKからのリリースとなった本作で、Enterprise Earthは新たなチャプターをスタートさせた。全体的にプログレッシヴなアプローチが増え、時にTriviumにも接近するようなメロディック・メタルコアやプログレッシヴ・デスメタルな雰囲気も醸し出すようになった。新たなボーカリストであるTravisもここ数年、Enterprise Earthでライブ・ボーカリストを務めていたこともあり、大きな違和感なく、Enterprise Earthのサウンドに馴染んでいる。Danと比べるのは野暮だが、Travisのクリーンやシャウトの対比は優れていると感じる。

前述の通り、Triviumにも似た雰囲気があると書いたが、Matt Heafyが参加している「Curse of Flesh」や、SpiteのDarius Tehraniが参加した「The Reaper’s Servant」、Shadow of Intentなどで知られるBen Duerrをフィーチャーした「King of Ruination」、 AlluvialのWes Hauchが参加している「Malevolent Force」など豪華なゲスト陣も良い仕事をしている。キャリアが10年を超えるベテラン・デスコア・バンドも増えてきた中で、Enterprise Earthのようにプログレッシヴ/メロディックなアプローチを増やしていくバンドも今後増えそうだ。彼らのサウンドは紛れもないデスコアでありながら、バンドとしてはメタル・バンドとして成長していく。デスコアの未来を考える上でも重要な姿勢ではないだろうか。Enterprise Earthの今後の躍進に注目したい。

 

Divinitist 『BLOOD DRIPPING FROM THE KNIFE ON THE CHEST REFLECT YOUR TRUTH』

新潟を拠点に活動するDivinitistは、結成から現在までEPのリリースやコラボ、シングルリリースに加え、ソーシャルメディアでも存在感を見せつけてきた日本のバンドの一つだ。デビュー・アルバムとなる本作は、BEYOND DEVIATIONのドラマーであるKris ChayerのレーベルShattered Earth Recordsからのリリースで、日本を拠点としていながらもすでにグローバルな知名度も獲得している。

強烈なビートダウン・パートと血管がブチギレそうなボーカルが生み出す不気味なアトモスフィアに包まれた「KINGBREED」やHostile EyesのToshikiをフィーチャーした「HAIL BARBATOS」はアルバムのキートラックで、Divinitistのユニークな個性を感じることができ、またフロアでの凶悪なモッシュの光景が頭に浮かぶようなフックの効いたグルーヴがあちこちで炸裂している。国内からこうした高品質のデスコアが続々と登場している昨今、Divinitistは中でも特筆すべきバンドとしてグローバルな人気を獲得していくに違いない。

 

Alluvial 『Death Is But A Door』 EP

ジョージア州アトランタを拠点に活動するNuclear Blast Records所属のAlluvialのファーストEP。これまでに2枚のアルバムをリリースしており、初期はプログレッシヴ・デスメタルであったが、現在までにプログレッシヴ・デスコアへとそのスタイルを変化させてきた。バンドの中心人物であるギタリストのWes Hauchは、元The Facelessのメンバーであり、過去にはBlack Crown InitiateThy Art Is Murderのライブ・ギタリストとして活躍し、現在はAlluvialの他に、Glass Casketにも在籍している。ベーシストのTim Walkerは元Entheosのライブメンバーで、ボーカルのKevin Mullerはブルータル・デスメタル・シーン出身で元Pyrexia、Suffocationのライブでサポートを務めた経歴も持つ。2022年にドラマーZach Deanが新加入し、現在のようなスタイルを確立した。

Alluvial自体はプログレッシヴ・デスメタルとしてスタートしたが、Wesの経歴と続々と新加入するタレント・ミュージシャンの経歴から考えて、現在のスタイルは彼らにぴったりなものであると言えるだろう。「Bog Dweller」のような現代デスコアのスタンダードとも言えるものから、EPのタイトル曲「Death Is But A Door」のようにプログレッシヴ・デスメタルの名残とも言える楽曲もあり、その魅力は多彩だ (“Death Is But A DoorのMVは必見です) 。Nuclear Blast Records所属ということを考えれば、このままヘヴィなデスコアへと変貌していく姿は想像しにくいが、ピュアなプログレッシヴ・メタルをそのままデスコアに注入したようなサウンドは貴重なので、Alluvialがその先頭に立ってシーンを切り開いていってほしい。

 

And Hell Followed With 『Untoward Perpetuity』 EP

2022年に12年振りとなるセカンド・アルバム『Quietus』をリリースし、長いブランクから復活を遂げたミシガン州デトロイトのAnd Hell Followed With、本作は4曲入りであるが、ブラッケンド・デスコアの影響を受けつつもクラシックなデスコアの構築美を持つ作品に仕上がっており、全てがリード曲といっていいほどの完成度を誇る。

何度かのメンバーチェンジを繰り返し、本作は公開オーディションから加入へ至った新しいボーカリストPon Zimora、バンドのコンポーザーでありギタリストのPatrick Hahn、2019年から加入しているギタリストDaniel Gomez、AegaeonやEngutturalment CephaloslamectomyのベーシストNick Scott、そしてCrown MagnetarからドラマーByron London、ギタリストNick Burnettというラインナップで制作されている。

最も印象的なのは3曲目の「Kaleidoscope of Tenebrosity」だ。ブラッケンド・デスコアへとやや接近しつつも予測不可能な展開を繰り広げていきつつも、雷のようなブレイクダウンを打ち付けていくという、玄人向けの楽曲。ただ、テクニカルなベース、ブラストビート、ヒロイックなギターソロはテクニカル・デスメタル/メロディック・デスメタル・リスナーも楽しめると思う。地味な存在であることは変わりないが、アメリカのアンダーグランド・デスコア・シーンでは誰よりも長いキャリアを持ち、ブランクを感じさせない完成度を誇る本作、チェックしておくべき1枚だ。

 

Bonecarver 『Unholy Dissolution』 EP

スペイン出身のBonecarverのEPが凄いことになっていた。彼らがUnique Leader Records と契約した時には気づかなかったが、彼らはかなりテクニカルなことをやっている。そして、Brand of Sacrificeのようなブルータル・デスコアに影響を受けつつも、ブラッケンド/メロディックなアプローチにも磨きをかけ、「テクニカル・ブラッケンド/メロディック・デスコア」とも形容したくなる、容赦ないEPを作り上げた。トータルは15分であるが、内容の濃さは1時間のアルバムと変わらないくらいではないだろうか。

収録されている5曲全てにゲストが参加しており、The Last Ten Seconds Of LifeのTyler、VulvodyniaのKris、DistantのAlan、AngelmakerのMike、Signs Of The SwarmのDavidといったデスコア・トップシーンの人気者達がBonecarverサウンドをさらにユニークなものに仕立ててくれる。特にDistantのAlanが参加している「Purgatory’s Embrace」はシンプルな作りながらデスコアの旨みだたっぷりと詰まった楽曲で、ブルータル・デスメタル、テクニカル・デスメタルも好きならたまらない楽曲だろう。さまざまな装飾によってダイナミズムを増すバンドが多いが、Bonecarverのようにシンプルに楽曲の良さで勝負してくるバンドは好感が持てる。ソングライティングも良ければ尚更だ。かなり聴き込む価値のあるEPであると言えるだろう。

 

Drown in Sulphur 『Dark Secrets Of The Soul』

イタリア・ロンバルディア州を拠点に活動するデスコア・バンド、Drown in Sulphurの2021年にリリースしたデビュー・アルバム『Sulphur Cvlt』以来3年振りのセカンド・アルバム。かなりの頻度でシングル・リリースを続けてきたこともあり、3年という時間が空いたようには感じられないほど、彼らの名前はデスコア・リスナーの間では身近なものではないだろうか。

本作は、彼らはデスコアから脱却を図っているかのようなサウンドで話題になった。もちろん、切れ味鋭いブレイクダウン、ダウンテンポ・デスコアに接近するかのような強烈なブレイクはあるものの、最も注目したいのが、シンフォニック・ブラックなオーケストレーションだ。それは全編に渡って重厚で、『Dark Secrets Of The Soul』のムードを担う重要な要素と言える。Anorexia NervosaDimmu Borgirのようなブラックメタルからの影響が顕著であることは、デスコアという小さなジャンルだけでなく、さらに多くのファンベースへアプローチ出来る可能性を秘めているということである。アートワーク、タイトル、ヴィジュアル、Drown in Sulphurがデスコア・バンドとしてではなく、シンフォニック・ブラックメタル・バンドとして広く認知される日も近いかもしれない。イタリア出身というのも、今後のブレイクやバンドの方向性の鍵となってくるだろう。

「Lotus」といった6分越えのバラード調の楽曲から、デビュー当時のデスコア・スタイルと今のスタイルを上手くクロスオーバーさせた「Eclipse of the Sun of Eden」など、アルバム通してDwon in Sulphurの過去と未来が感じられる作品に仕上がっていると言えるだろう。ぜひ一度じっくりと聴き込んでみて欲しい作品だ。Lorna ShoreファンからDimmu Borgirファンまで、受け入れられる作品。

 

Nights Of Malice 『Unholy Genesis』 EP

2009年にニュージャージー州で結成されたNights of MaliceのセカンドEP。2019年にセカンド・アルバム『Sonnets of Ruin』をリリースしてからはグッとブラッケンド・スタイルへと移行し、メンバーラインナップもボーカリストBrendan McGrath、ギタリストXavier Quiles、ベーシストRick Smith、ドラマーJoe Capassoの4人組へとチェンジ。結成から15年、『Sonnets of Ruin』以降はメンバーは全員黒いマントをまとい、雰囲気たっぷりのミュージックビデオでファンを魅了してきた。

『Unholy Genesis』はメロディックデスメタルとしても優れており、ミュージックビデオになっている「Hell Stirs For Me Below」ではツインリードをエンディングに据え、ドラマ性の高い楽曲に仕上げている。先行シングルとして発表された「Hubris and Retribution」もセンチメンタルなメロディを爪弾くアルペジオから幕を開け、荘厳さを纏いながらダイナミックなデスコアをプレイしている。メロディック/ブラッケンド・デスコアでありながら、メロディック・デスメタルでもあり、ブラックメタルでもあるNights of Maliceは、その多様性からか大ブレイクとまでいかない存在であるが、彼らのソングライティングの良さは本物だ。

Vulvodynia、ニュー・アルバム『Entabeni』2024年7月リリース決定! 来日ツアーの開催も

南アフリカ出身のデスコア・バンド、Vulvodyniaが、2024年7月5日にUnique Leader Recordsからリリースされるアルバム『Entabeni』の詳細を明らかにしました。

周知の通り、前ボーカル、Duncan Bentleyをめぐる騒動の後、ギタリストのLwandile Prusentがリード・ボーカルを担当している。この音源は、新しいヴォーカリストとの初のレコーディング音源となる。Lwandile PrusentはDuncan脱退後、バンドのメイン・ヴォーカリストとしてツアーを行っている。

バンドは、5月9日にリリース予定のアルバムのファースト・シングルを近日リリースするようだ。さらに、『Entabeni』には、Signs Of The SwarmのDavid Simonich、BodysnatcherのKyle Medina、PeelingFleshのDamonteal Harrisといったスペシャルゲストが参加するようだ。アルバムのミックス&マスタリングはCryptopsyのChristian Donaldsonが担当。

📍TRACKLIST

Imbawula
Devil Tree
The Rand Lord
It Follows
Isandlwana ft. David Simonich of Signs Of The Swarm
Mamlambo
Adamaster ft. Kyle Medina of Bodysnatcher
Entabeni ft. Damonteal Harris of Peeling Flesh
Mangled & Maimed
Generational Segregation