デスコア 2025年の名盤12選

Spotifyプレイリスト「New Deathcore 2025」では、毎週リリースされるデスコアの新曲をピックアップしています。2026年も継続中です。

 

▶︎Cabal 『Everything Rots』

デンマーク・コペンハーゲン出身でRNR TOURSで来日経験もあるバンド、CABALによる4枚目のフルアルバム。Nuclear Blastからは2022年の『Magno interitus』以来となる作品で、2018年のデビュー以降、世界各地をツアーで回りながら培ってきたバンドの現在地を明確に示す作品となっている。

バンドが始まった頃からCABALサウンド全体をまとう張り詰めた緊張感は、当初はダウンテンポ・デスコアというデスコアのトレンドのように捉えられてきたが、大成長した今のCABALにある緊張感は、その当時の流行をくくるダウンテンポ・デスコアという言葉の持つ意味を遥かに超えている。音的にはデスメタルやメタルコア、ハードコア、ニューメタルコア、そしてデスコアを巧みに混ぜ込みながら展開されており、多彩なアレンジは印象的。

ダークなエレクトロニクスや不穏なサウンドスケープを融合させ高まっていく不気味さは、本作でより研ぎ澄まされた形で提示されている。Viscera、ten56.、Nasty、Aviana、Distantといったゲスト陣の参加も、楽曲に異なる質感をもたらしている。これは、大きなステージで映えるだろうという、さらに次のステージに進んだCABALの姿も浮かんでくる。

リリック面では、鬱、依存、トラウマといったテーマが直接的に描かれており、タイトル曲「Everything Rots」をはじめ、閉塞感と不安定さに満ちた現代的な感覚がアルバム全体を覆っている。非常に暗いが、モッシュもできるし、歌える。デスコアとしても良いし、さらに大きな括りでヘヴィバンドとしてもソングライティングは高く評価されるべきだ。「Redemption Denied」は2025年のデスコアベスト曲。

 

▶︎Traitors 『Phobias』

フロリダを拠点に活動するTraitorsによる4枚目のアルバム。2019年の『Repent』以来となるアルバムで、じっくりシングルリリースを重ねて発表された作品。アルバムとしての完成度が非常に高く、Tyler Sheltonのボーカルが凄まじいことになっている。

サウンドはこれまでのTraitorsから大きな変化はなく、ダウンテンポ・デスコアのムーヴメントと同時に頭角を表してきたあの頃のTraitorsと変わりない。彼らの暗さはトラップ的なアプローチと絡み合い、危ない雰囲気を醸し出している。ヘヴィな圧が鼓膜に押し込んでくるようなダウンテンポなブレイクダウン、グルーヴを強調したベース主導のパートや残忍なリフがバランス良く配置されており、先行シングルとして話題になった「SBC」や「Trauma Bond」、「Imposter」ではTraitorsらしい重量感が前面に出つつ、意外性のある展開やリズムチェンジも盛り込まれている点が印象的だ。中盤のインタールードによる緩急も効果的で、アルバム全体の流れを自然に整えている。これを聴くとやはり、ダウンテンポ・デスコア時代のバンドにあった、あの懐かしい独特な重みが心地良く、しばらく他のヘヴィアルバムを聴けなかった。

 

▶︎Whitechapel 『Hymns in Dissonance』

Whitechapelにとって9作目のスタジオ・アルバムはMetal Blade Recordsからのリリース。ギタリストのZach Householderがプロデュースを手がけた初のセルフ・プロデュース作品で、Mark Lewisが関与しないアルバムとしては『A New Era of Corruption』以来の作品で、彼らの代表作として知られる『This is Exile』の続編であり、前作『Kin』で追求したプログレッシヴ・デスメタルとは違い、『The Valley』でみせたヘヴィネスに近い雰囲気が感じられる。

2022年からツアードラマーとしてWhitechapelに参加し、2024年に正式加入したドラマーBrandon Zackeyにとってはバンド加入後、初の作品となっており、Enterprise Earthなどで活躍してきたブラッケンドな魅力を放つドラミングが暴虐的なWhitechapelのスタイルに上手くマッチしている。フロントマンであるPhil Bozemanは“賛美歌”と“不協和音”という相反する概念を重ね合わせ、七つの大罪をモチーフとした楽曲を並べたと語るように、コンセプチュアルなアルバムであることも、まるで映画のようなスケールを盛り立てる。

Cryptopsyを彷彿とさせるグラインディング・グルーヴやブラストビート、Lorna ShoreやEnterprise Earthらの流れも組んだシンフォニックでブラッケンドなオーケストレーションなどを巧みに組み込みつつも、根っこにあるWhitechapel元来のスタイルがしっかりと表現されているし、時にプログレッシヴで時にモッシー。素直にWhitechapelに期待されるサウンドを120%の力とアイデアで表現し完成させられたアルバムだ。

 

▶︎Face Yourself  『Martyr』&『Fury』

ニューヨークを拠点に活動するFace YourselfによるEP。『Fury』はSumerian Recordsからリリースされた通算5作目のEPで、2025年6月に発表された復活作『Martyr』に続く作品。2024年の活動休止を経て大手Sumerian Recordsと契約、加えてプロデューサーにはメタルコア/ポストハードコア黄金期に名を馳せた有名プロデューサーJoey Sturgisを起用して制作されたという点でFace Yourselfは何段もステップアップしている。あまり大きい声では言えないが、デスコアを追いかけてきた多くのリスナーは、いくつものネクストブレイク候補に挙がるバンドが陰険で暴力的な不祥事によって散らばっていったのを見てきただろう。このシーンはトップとそれ以下の間に大きなギャップがあるし、Sumerian Recordsが今回Face Yourselfと契約をし、彼らが快活に活動できるサポートを出来ることは本当に素晴らしいことだし、そこに続いていく多くのデスコアバンドたちの道標になるに違いない。

女性ボーカリストYasminのボーカルもさらに迫力を増した。さらにヘヴィになったとか、ローが出るようになったという表現ではなく深みが増したという感じ。明確に楽曲のスケール、展開を意識し、全体を強く牽引していることが素晴らしい。楽曲中盤から後半にかけて必殺技のように繰り出されるLorna Shore-ishなブレイクダウンのインパクトが強く、他のパートの印象が吹っ飛んでしまうが、それらも素晴らしいし、ベースラインにおいては特にこだわりが感じられる。

先行シングル「Fractures」では、Crystal LakeのJohnがゲスト参加。ヘヴィ・デスコア・ファンならニヤリとするフィーチャリングだろう。先に出たEPももちろん同様に評価しているが、2作を通じて最も素晴らしい楽曲は「Ov Agony」だと思う。Fit For An Autopsy過ぎる感じも否めないが、これからさらに磨かれて光る各メンバーの個性が感じられるし、ゴスなYasminがカッコ良過ぎる。

 

▶︎SPITE 『NEW WORLD KILLER』

南カリフォルニア・ベイエリアを拠点に活動するSPITEによる5枚目のフルアルバム『NEW WORLD KILLER』は、バンド結成から約10年にわたって積み重ねてきたキャリアを総括しつつ、なお更新し続ける現在進行形の姿を強烈に刻み込んだRise Recordsからの一作だ。

SPITEはこれまで、作品ごとに異なるスタイルを見せながらも、常に“SPITEらしさ”を失わないバンドだった。故にRise Recordsとの契約を勝ち取り、シーンの中心バンドとして活躍しているとも言えるだろう。2015年のEP『Misery』に見られたニューメタル的な感触、2022年に発表されたアルバム『Dedication to Flesh』で前面に出た、Suicide Silence直系とも言える剥き出しのピュア・デスコア・サウンド。その流れを受け継いだ『NEW WORLD KILLER』は、過去の要素を組み合わせたような作品と言えるかもしれない。

楽曲構成は極めてタイトで、約32分という尺の中に一切の無駄がない。グルーヴメタル、ブラックメタル的なアプローチも程良くブレンドされており、「Suicide Silenceが2025年にデビューしていたら」という想像さえ出来てしまう、生々しいデスコアの暴虐性が詰め込まれており、最初から最後まで没入感のある世界が貫かれている。

ヴォーカルのDarius Tehraniの存在感は圧倒的で、狂気と憎悪を剥き出しにしたような叫びが印象的。楽曲によってはスピードと明瞭さを両立させた新たなアプローチも見せている。加えて、Tyler Shelton、Will Ramos、Matthew McDougalといったゲスト陣の参加が、アルバムにさらなる厚みを与えている点も注目に値する。いずれも主張しすぎることなく、SPITEの世界観を補強する形で機能している。この作品がデスコアにカテゴライズされないにしても、必ず評価されていただろうし、大枠を超えて親しまれるだろう作品に成長していくに違いない。

 

▶︎Crown Magnetar 『Punishment』

コロラドを拠点に活動するCrown MagnetarのアルバムではなくEP。2023年作『Everything Bleeds』に続く本作は約18分・全4曲というコンパクトでありながら、しっかりと一つの作品として高い完成度を誇っている。近年は毎週のようにシングルをリリースし、デラックス・エディション、インスト、未発表シングルの後発など、いかにアクティヴで長い間存在感をシーンに知らしめ続けるかが重要になっている中、Crown Magnetarのようなアーティストらにとって、アルバムではなくEPとしてリリース感覚を狭めていくのは、理にかなった方針であると思う。

本作から新たなギタリストとして、The Zenith Passage、Fallujahと渡り歩き、All Shall PerishやThy Art Is Murderのライブサポートを務めた経歴を持つRob Maramonte、本作のプロデュースも務めたエンジニアMike Sahmをベーシストに迎えている。

彼らがテクニカル・デスコアであることは間違いないし、2021年のデビュー作『The Codex of Flesh』は、Crown Magnetarが何であるかをシーンに見せつけ知らしめた。本作も間違いなくテクニカルであるが、それ以上に強烈なバウンシーなブレイクダウン、リフが何よりも印象的だ。ファストに踏み込まれるツインペダルの疾走から急転直下のブレイクダウンの破壊力は、Lorna Shoreを凌駕するかのようだ。

Mike SahmがメンバーとしてこれをプロデュースしているのはこれからのCrown Magnetarにとってプラスしかない。テクニカルでありながら、誰も予測不能なブレイクダウンでフロアを焼け野原にしてしまう彼らのサウンドが、結成から10年目となる2026年にどこまで進化するか楽しみ。

 

▶︎Ameonna 『The Birth of Death』

元Chelsea GrinのボーカリストAlex Koehler、ドラマーPablo Viveros、ギター/ベーシストJake Harmondによる新プロジェクト、AmeonnaによるサードEP。今更気づいたが、バンド名は雨女と読むのだろうか。日本モチーフの前作EPのアートワークから本当にそんな気がする。『The Birth of Death』は、Chelsea Grinが2010年のデビュー作から2010年代中頃にかけて築き上げてきたダウンテンポ・デスコアのクラシックスタイルを軸にしながら、ドラマティックなオーケストレーションを燻らせた、誰もがChesea Grinに求めるあのサウンドだ。

作品のタイトル曲である「The Birth of Death」は、まさしくChelsea Grinで10年前のChelsea Grinが突然2025年に現れたかのよう。差し込まれるサンプルに違いはあれど、AlexとPabloの掛け合いにも胸が熱くなる。

 

▶︎Impending Doom 『TOWARDS THE LIGHT』

アメリカ・カリフォルニア州リバーサイドを拠点に活動するImpending Doom。2025年にバンドは結成20周年を迎えた。2023年以来となる新作『TOWARDS THE LIGHT』は自主リリース。6枚のフルアルバムを重ねてきた彼らにとって本作は、現在のImpending Doomがどこに立ち、何を表現しようとしているのかを端的に示す位置づけの作品となっており、アートワークにおいて強力なインパクトを放つ十字架が示すように、クリスチャン・デスコアとしてのImpending Doomらしさが感じされる。

EPは「Christ Is King」で幕を開ける。詩篇23篇 (*旧約聖書の詩篇の中の一篇)をモチーフにした導入から、タイトルを冠したコーラスへと流れていく。ドゥーミーなアトモスフィアからはFit For An Autopsyにも近いが、どちらかというとThe Acacia Strainのような危険な香り、緊張感が張り詰めているように感じる。彼らはハードコア・ファンからも人気があるし、続く「Punishment」では、デスメタリックなヘヴィリフとモダン・ハードコアのヘヴィネスをリンクさせながら展開。もちろんメッセージ性の高さも無視できないし、「Christ Is King」〜「Punishment」と連なるミュージックビデオも必見だ。

2005年の結成からバンドの顔として君臨するBrook Reevesのヴォーカルの醸し出す暗さも素晴らしい。落ち着いていて、グロウルのローも効いていて、手のつけられない危なさよりも恐れ慄くような冷たさがある。アメリカン・デスコアのローカル感はクリアなサウンドプロダクションであっても滲み出てくる。全体で約11分という短さは物足りなさを感じさせる一方で、無駄を排した構成によって集中力の高いEPとして成立している。今っぽい。進化し続ける中で、失われないImpending Doomの良さを感じられるEPだ。

 

▶︎The Crimson Armada 『Ceremony』

2007年にアメリカ・オハイオ州で結成され、2012年に活動休止したThe Crimson Armadaが、2024年に再結成を果たし発表したEP作品が『Ceremony』だ。オリジナル・メンバーであるベーシストChris Yatesと、バンドの象徴的存在でもあるボーカリストSaud Ahmedを中心とした再始動。Lawnchair YouthのYouTubeチャンネルに突然登場した時は本当に驚いた。

The Crimson Armadaは2000年代後期から2010年代前半において2枚のアルバムをリリースしたのみの短命バンドであったが、2000年代後半〜2010年代初頭のメタルコア/デスコア・シーンにおいて独自の存在感を放っていたバンドだ。クリスチャン・デスコアとしてImpending Doomらとシーンを盛り上げてきたが、最近になってバンドはクリスチャン・メタルに多大な影響を受けたが、自身はクリスチャン・デスコアをやっているつもりはないとポッドキャストで話している。

サウンド面においてまず感じられるのは、プロダクションの荒さだ。ミックスや音の分離は決して洗練されているとは言い難く、ラフで生々しい質感がそのまま残されている。しかし、この点は必ずしも欠点としてだけ作用しているわけではなく、むしろバンドの持つメロディやリフの良さが、荒削りな音像の奥からでもはっきりと伝わってくる点が興味深い。強いノスタルジーを呼び起こす要素、とポジティヴに捉えたい。

タイトル曲「Ceremony」では、同時代に活躍したメタルコア・バンドMiss May IのLevi Bentonがフィーチャリング・ゲストとして参加。この曲はメロディックな感じもいいが、ブレイクダウンもいなたくて最高です。『Ceremony』は完成度の高いEPとは言い切れない部分もあるが、それ以上に「バンドが戻ってきた」という事実と、荒いプロダクションの奥に確かに存在する楽曲の魅力が印象に残るEPだ。

 

▶︎Molotov Solution 『Void』

アメリカ・ネバダ州ラスベガス出身のデスコア・バンド、Molotov SolutionによるEP作品『Void』は、13年という長い沈黙を経て放たれた復帰作だ。2009年の『The Harbinger』、2011年の『Insurrection』以降、長らく新作を残してこなかったMolotov Solution。ここ数年は復活の兆しを見せ、シングルリリースでファンの注目を集めてきた。

Nick Arthurのデスコア・シーンにおける功績は大きく、自著『デスコア・ガイドブック』でも彼について書いたことを覚えている。今ではデスコアのトップに君臨するThy Art Is Murderでライブ・ボーカルを務めた経歴ももち、多くの作品にも関わってきた。彼の所属バンドであるMolotov Solutionも、ダイナミズムで言えばThy Art Is Murderに負けていない。

「Mortis Imperium」と「The Golden Tower」はミュージックビデオにもなっており、現在のMolotov Solutionを端的に理解できるサウンド、個性が光る2曲になっている。Thy Art Is MurderやWhitechapelに匹敵するダイナミズム、ソングライティングの良さを持ち合わせながら、Lorna Shore-ishなイリーガル・ビートダウンもテクニカルかつバウンシー。

『Void』は、デスコアの過去・現在・未来を横断するような感触を持つ全5曲が収められている。Molotov Solutionは自らの思想、サウンド、そして存在意義を明確に示している。長い沈黙の末に戻ってきた彼らは、かつての影響力に甘えることなく、むしろ現在の混迷した世界状況と強く共鳴する形で、このEPを完成させた。その意味で『Void』は、回帰でも懐古でもなく、今この瞬間に鳴らされるべきデスコアとして、極めて説得力のある一作となっている。

 

▶︎Enterprise Earth 『Descent Into Madness』

アメリカ・ワシントン州スポケーンを拠点に活動するEnterprise EarthによるEP『Descent Into Madness』は、2025年1月30日にインディペンデントでリリースされた通算3作目のEPで、MNRK Music Groupとの契約を終了し、自主リリースという形で発表された。Gabe Mangoldが中心となり、作曲・プロデュースからミックス/マスタリングまでを手がけている。ドラム・エンジニアリングにはJason Suecofが名を連ね、アートワークはChris Maxwellが担当。長年にわたるメンバー交代を経て、現在はGabe Mangoldを軸に、ヴォーカルTravis Worland、ベースDakota Johnson、そして本作から正式参加となるドラマーAron Hetskoという編成で制作されている。2022年のDan Watson脱退以降、完全に別のバンドへと生まれ変わったEnterprise Earthが、ようやく現在進行形の形を確立した作品として印象的だ。

『Descent Into Madness』は明確なコンセプトを持つ作品であり、精神的崩壊や内面の闇へと沈み込んでいく主人公の視点を軸に、全6曲・約26分で構成されている。冒頭の「I. The Descent」は、不穏なスポークンワードから一気に爆発する構成で、Djentyなリフとデスメタリックなヘヴィネスが炸裂。Travis Worlandのヴォーカルは、単なる凶暴さに留まらず、焦燥感、狂気、寂しさや怒りをを帯びた感情表現として機能しているのが作品を引き締めている。

Humanity’s Last Breathにも接近するようなThallっぽさがありつつ、グルーヴィなデスメタルの古典的な雰囲気も見せるスタイルは、現代デスコアの中でも特異なスタイルと言える。ブラッケンドに接近したり、テクニカルであったり、Dan脱退以降挑戦してきたEnterprise Earthが向かう先が明確となったように感じるし、アートワークからもそれが読み取れる。次作への注目も高まる。

 

▶︎Larcenia Roe 『Extraction』

2023年初頭にノースカロライナ州ローリーで始動したLARCɆNIA ROɆによるフルアルバム『Extraction』は、急速に拡大するモダン・デスコアの最前線で注目を集めた作品だ。デビューEP『Dereliction』で示された歯科器具のサンプル、ダウンテンポ・デスコア、ブラッケンドなイメージは本作でさらに強化され、Unique Leader Recordsと契約した新世代バンドとしての野心が明確に刻み込まれている。

『Extraction』は、徹底して“衝撃”を狙った音像で構成されている。ブラストビートとブレイクダウンが唐突に切り替わり、リスナーの予測を裏切る展開が連続する構造は、いわゆる“ジャンプスケール・デスコア”と呼ばれる手法を極端なまでに推し進めたもの。即効性のあるインパクトは非常に強く、TikTokなどでもそれなりにバズっていたのが印象的だった。

アルバム全体を通して聴くと、意図的に詰め込まれた混沌、いわゆる“ジャンプスケール・デスコア”的アプローチが楽曲の統一感を希薄にしている場面もある。ただし、これは完成度の不足というよりも、LARCɆNIA ROɆが“不安定さ”そのものを表現として選択している結果とも受け取れる。

LARCɆNIA ROɆが描こうとしている世界観、そして現代的なデスコアにおける“視覚的・即時的衝撃”という方向性は明確であり、その点において本作は強い説得力を持っている。アルバムとして完成されたアプローチはほとんどある程度キャリアを持っているバンドやすでに知名度を獲得しているバンドによって拡張されているが、これからシーンの中心となってくるバンドらはそれ以上に、瞬発的なアプローチの衝撃度を限界まで高めるアプローチに集中するほかないというのが、良い点でもあり、悪い点なのかもしれない。記憶には強烈に残るが、どの曲が良かったのかというと記憶は曖昧で、あのブレイクダウンやジャンプスケールが面白かったというイメージによって作品の印象が決まっている感じ。果たして、これが数年後にどう評価される動きになるのか。

 

 

USデスコア・バンド SPITEがブルータルなモッシュ・パート炸裂のニューアルバム『Dedication To Flesh』をリリース!

USデスコア/モッシュコア・バンド、SPITEがニューアルバム『Dedication To Flesh』を2022年8月19日にRise Recordsからリリースしました。Stay Sick Recordings (現Modern Empire Music) からリリースした前作『The Root of All Evil』から2年、大手Rise Recordsへと移籍してリリースした本作は、自身のデスコア/モッシュコアをダイナミックに表現したアルバムに仕上がっている。

 

 

彼らがどのように進化し、どこへ向かっていくのかは、アルバムの先行シングルとしてミュージックビデオにもなっているタイトル・トラック「Dedication To Flesh」を聴くことで感じ取ることが出来るはずだ。Slipknotを彷彿とさせるリフワークにアレンジを細部に盛り込み、よりブルータルでモッシャブルにアップデートされたSpiteサウンドはこれまで鳴らしてきたデスコア/モッシュコアをよりオーバーグラウンドなステージへと押し上げる力を持っている。

 

アルバムリリースの2日前に公開された「Proper One」はフロアが血まみれになっていくほど残忍なモッシュを巻き起こすことが目に浮かぶブルータル・チューン。「Made To Please」や「Caved In」といったリードトラックに加え、メタルコアな楽曲も差し込まれていたりとアルバムという作品としても従来のデスコア/モッシュコア・ライクなバンドの作品に比べるとよく考えられた作りになっているように感じる。とにかく死ぬほどモッシュしたい、そういう人に聴いてほしい一枚だ。

 

Spite 『Dedication To Flesh』

ジャンル: Deathcore/Moshcore
出身国: アメリカ
配信URL : https://riserecords.lnk.to/dedicationtoflesh

1. Lord Of The Upside Down
2. Caved In
3. Proper One
4. Made To Please
5. Some Things You Should Know…
6. Dedication To Flesh
7. The Most Ugly
8. Fear
9. The Son Of Dawn
10. Sounds For The Descent
11. Hangman
12. Crumble

 

USデスコア/モッシュコア・バンド、Spiteが新曲「Proper One」のミュージックビデオを公開!

Rise Recordsに所属するUSデスコア/モッシュコア・バンド、Spiteが新曲「Proper One」のミュージックビデオを公開しました。この楽曲は、2022年8月19日にリリースされるニューアルバム『Dedication To Flesh』に収録されています。

 

ハードコア上がりのモッシュコア/デスコアはThe Acacia Strainをさらにヘヴィにしたような仕上がり。そういえばThe Acacia StrainもRise Recordsからアルバムをリリースしていましたね。

 

RIFF CULT : Spotifyプレイリスト「All New Deathcore」

RIFF CULT : YouTubeプレイリスト「All New Deathcore」

Spite、まるでSlipknotがデスコア化したかのような新曲「Dedication To Flesh」ミュージックビデオ公開!

USデスコア・バンド、Spiteが新曲「Dedication To Flesh」のミュージックビデオを公開しました。この楽曲は、2022年8月19日にRise Recordsからリリースされるニューアルバムからのタイトル・トラックだ。聴けばわかるように、まるでSlipknotがデスコア化したかのようなアイデアが随所に散りばめられたグルーヴィな仕上がりとなっている。

 

配信URL : https://riserecords.lnk.to/dedicationtoflesh

 

USデスコア、Spiteが重量級のリフ炸裂の新曲「Hangman」リリース!

 

カリフォルニアを拠点に活動するヘヴィ・メタルコア/デスコアバンド、Spite (スパイト) が新曲「Hangman」をリリースしました。この楽曲は、2022年8月19日にRise Recordsからリリースされるニューアルバム『Dedication To Flesh』の収録曲。

 

このアルバムからの先行シングルは、ミュージックビデオとして公開されている「Made To Please」、「Caved In」の2曲。どちらもハードコア譲りもモッシーなリフが刻み込まれ続ける残忍なデスコアをプレイしている。The Acasia StrainやBodysnatcherなどが好きな方は必聴です。

 

RIFF CULT : Spotifyプレイリスト「All New Metalcore」

 

RIFF CULT : YouTubeプレイリスト「All New Metalcore」

USデスコア/モッシュコア、SPITEがモッシュ不可避でデスメタリックな疾走感溢れる新曲「Caved In」のMVを公開!

 

カリフォルニアを拠点に活動するデスコア/メタルコアバンド、SPITEが新曲「Caved In」のミュージックビデオをRise Recordsから公開しました。

 

デスメタリックな疾走感を持ちつつ、しっかりとモッシュパートを組み込んだタフな仕上がり。Rise Recordsというのが信じられないですが、The Acasia Strainしかりこうしたサウンドもアメリカでは一定の支持があり続けているということなのかも。かなりブルータルなスクリーム、ブレイクダウンもあり、オーバーグラウンドのヘヴィ・ミュージックの許容範囲が広くなっていることの素晴らしさを感じます。