デスコアの帝王 “Suicide Silence”、コロナ禍を経て日本リベンジ公演 2026年2月開催決定!サポートにはKRUELTYが参戦!

2度目の来日公演となる予定だった2020年。「Knotfest Japan 2020」がコロナ禍の影響で中止となり、来日を渇望されていたデスコアの帝王、Suicide Silence が、2026年2月、実に10年振りに日本の地を踏む。

2026年2月19日(木)に渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて開催される一夜限りのプレミアムショウには、サポートアクトとして、世界を股にかけて活躍する日本のKRUELTYも参戦。2025年12月11日よりチケット発売もスタートしているのでお早めのチケット確保をお勧めする。

▶︎2026年2月19(木)東京 渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
【出演】Suicide Silence / KRUELTY
OPEN 18:15 / START 19:00
1Fスタンディング前売券:8,500円 (ドリンク代別途)
2F席スタンディング前売券:10,500円 (ドリンク代別途)
※1階スタンディングエリアと2階エリア往来可能
※常設の椅子席は先着順でのご利用となります。”
TICKET NOW ON SALE:e+:https://eplus.jp/suicidesilence

■Everlasting Fire■
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元Suicide Silenceのメンバー率いるデスコア・バンド、Cassettaが新曲「Thin Blue Crime」をリリース

元Suicide SilenceのAlex Lopez率いるバンド、Cassetta (カセッタ) が、ニュー・シングル「Thin Blue Crime」のミュージックビデオを公開しました。Brad Alexander (ブラッド・アレクサンダー) が監督を務めたこのミュージックビデオ、シンプルなディレクションながら、これまでアンダーグラウンド・デスコア/ハードコア・シーンで活躍してきたメンバーらの熱演にフォーカスしていて、逆に熱いですね。

デビュー曲「Swallow The Sun」に次いで注目を集めるこのシングルについてヴォーカルのConnor Eaton (コナー・イートン) は、この曲のインスピレーションについてこうコメントしている:

「Thin Blue Crimeは国家公認の暴力に対する断罪だ。Manuel Ellis、Breonna Taylor、George Floyd、Elijah McClain、Kelly Thomas、Trayvon Martin、そして軍国主義国家の手によって殺害された全ての人のために」。

メンバーラインナップは以下の通り。

Connor Eaton (The Keeper)
Kevin Fifield (Pressure Cracks)
Marc Motley (The Arson Choir)
Bob Bradley (Fake Figures/Scars Of Tomorrow)
Alex Lopez (ex-Suicide Silence)

 

デスコア 2023年上半期の名盤TOP10

毎日のように世界各国から素晴らしいデスコア・バンドがシングル、EP、アルバムをリリースし、絶えずコンテンツが供給過多状態にあるデスコア・シーン。この記事では、RIFF CULTが2023年1月から6月までにリリースされたデスコアのアルバム/EPの中から素晴らしい作品をピックアップし、順位付けしてアルバムレビューしました。

毎週リリースされる作品を網羅できるRIFF CULTのSpotifyプレイリスト「All New Deathcore 2023」では、ここには載っていないアーティストの楽曲を視聴することが出來、毎週20曲から30曲近いデスコアの楽曲を追加しています。ぜひフォローして下さい。

 

「All New Deathcore 2023」Spotifyプレイリスト

 

第10位 : DeadVectors 『The Gray』

Bandcampで購入する / Spotify / Apple Music

ニュージャージーのデスコア・ユニット、DeadVectors の4枚目フルレングス。2021年から活動を開始し、3枚のアルバムと7枚のEPをリリースしてきた多作なプロジェクトで、毎週のようにSpotifyのアップデートでシングルをリリースし存在感を見せつけてきた。

DeadVectors はボーカルでリリックを手掛ける Kenny Stroh 、作曲からレコーディング、ミックスからマスタリングをこなす Aaron Chaparian からなる。特にAaronはこの2年で凄まじい努力でDeadVectorsの評価を上げ、プログレッシヴ・デスコアからビートダウンに接近するスタイルまでを巧みにこなしてきた。特に「BITE (The Golden Blade)」のブレイクダウンは浮遊感たっぷりで、Djentな刻みもクオリティが高い。Born of OsirisからThe Voynich Codeなどを彷彿とさせるオリエンタルなエレメンツとディープなブレイクダウンが印象的な「Isolate // Escape」やBobbi VanetとAlex Goldをフィーチャーした「Voyage」、サックスなども盛り込みながらドラマ性たっぷりにアルバムを展開させる。

遂にオンライン・ベースのプロジェクトのレベルがここまで来たのかと感動すると共に、「打ち込みらしさ」のマニアックな面白さがなくなっていってしまうのには若干の悲しさを覚えるが、そうしたコアなリスナーは少ないのでDead Vectorsには歴史を更新して行って欲しい。

 

DeadVectors 公式ホームページ+SNS : https://linktr.ee/DeadVectors

 

 

第9位 : Left to Suffer 『Feral』

Bandcampで購入する / Spotify / Apple Music 

ジョージア州アトランタのデスコア5人組、Left to Suffer のセカンド・アルバム。2020年の『A Year of Suffering』から3年。ここまでの成長を誰が想像出来たでしょうか。本作は Matt Thomas がプロデュース/ミックスを手がけ、 Joel Wanasek がマスタリングを担当。ニュー・メタルコアとデスコアを高次元で融合させ、本作でも印象的なニュー・メタルコア的アレンジが随所に組み込まれており、ミュージックビデオになっている「Artificial Anatomy」では新鋭トラップ・アーティスト Kim Dracula がフィーチャーするなど人選も完璧だ。

Left to Sufferの最も素晴らしい持ち味はドライブンなフレーズだ。「Disappoint Me」はヘッドバンギング不可避のドライブ感が楽曲を通じて貫かれており、ボーカル、リフ、個性的なドラムのフィルインなどの細やかな工夫もそのドライブ感を加速させていく。ニューメタルの香りをほのかに香らせながら、Lorna Shore、Signs of the Swarm、Archspireといったバンドらのボーカルにあるような、ショットガン・ガテラルも巧みにブレンドしているから凄い。

Fit For An AutopsyのJoe Badをフィーチャーした「Primitive Urge」はアルバムの中でもスタンダードなデスコアに近いスタイルでありながら、不気味に燻らせるノイズ、シンフォニックなアレンジが旨みを引き立たせる。じっくりと聴き込めば聴き込むほどにLeft to Sufferというバンドの持つ驚異的なポテンシャルを感じることが出来るだろう。

 

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第8位 : Distant 『Heritage』

Amazonで購入する (CD) / Amazonで購入する (LP) / Spotify / Apple Music

2010年代中期から活躍するオランダ出身のデスコア・バンド、Distant のサード・アルバム。「ブラッケンド・デスコア」の新鋭として Unique Leader Records から2枚のアルバムをリリース、その後 Century Media Records への電撃移籍を発表して、本作を完成させた。

今年1月に公開され大きな話題となった楽曲「Argent Justice」には、フィーチャリング・ゲストとしてSuicide Silence, Emmure, Abbie Falls, Acranius, AngelMaker, Bodysnatcher, Cabal, Carcosa, Crown Magnetar, Paleface, ten56., Worm Shepherdの名前が挙げられている。これだけのアーティストがこの1曲に参加していることでSpotifyでは100万回再生を記録するなどDistantの名を高域のメタル・シーンへ広めるきっかけとなった。彼らの代名詞とも言えるダークなスケールを広大に広げながら疾走するブラッケンド・デスコアに個性的なボーカルが次々とフィーチャーされていく様は、参加したミュージシャンのファンであれば引き込まれ、楽しめるはずだ。

この楽曲はアルバムのキーであることは間違いないが、Lorna ShoreのWill Ramosをフィーチャーしたタイトル・トラック「Heritage」も「Argent Justice」と双璧を成すキラーチューンだ。この曲はWill Ramosのパートはもちろん素晴らしいが、Thy Art is MurderやCabalなどを彷彿とさせるブレイクダウンのヘヴィネスが素晴らしい。この曲のブレイクダウン、そしてブラッケンドなファスト・パートの接続などは後続にも影響を与えるはずだ。間違いなくアルバムのハイライト。

Distant周辺は高いクオリティを持つバンドが多く、頭一つ抜きん出た存在へと成長するには更に何かが必要になってくる。その何かが何であるか、まだ誰も知らないがおそらくDistantが見つけるはずだ。今後に期待。

 

Distant 公式ホームページ + SNS : https://linktr.ee/distantofficial

 

 

第7位 : Sail’s End 『Live And Die』

Spotify / Apple Music

テキサスとニューヨークを拠点に活動するヘヴィ・メタルコア/デスコア・バンド、Sail’s End が2023年2月にリリースしたこのEPは、あまりにも衝撃的だった。ブレイクダウンYouTuber Ohrion Reacts でも取り上げられ、相当唸らせていたし、ローカルのリアクションYouTuberも彼らのビデオを取り上げていた。

Before I TurnやGlass Crown、Brand of SacrificeにInvent Animate、さらにはWage Warといったソリッド・メタルコア〜ヘヴィ・デスコアから多大なインスパイアを受けたそのサウンドは、とにかく地鳴りのように強烈なブレイクダウンを炸裂させる為に、数多くのエレメンツを散りばめられている。この作品を聴いている時には思い浮かばなかったが、のちに発表されたいくつかのシングルも合わせて見れば、Prompts に非常に近いヴァイブスを感じる。モッシュに特化したフレーズに絡みつくニューメタルコアのエレメンツ、Oceans Ate Alaskaを彷彿とさせるドラムパターンはまさに、という感じだ。

セルフ・プロモーションであること、加えてメンバーのヴィジュアルからかなりナードな気質が漂いまくっているところに親近感を覚えるリスナーも多いだろうが、もしかしたら2023年後半、さっぱり垢抜けたトレンド・バンドに成長している可能性もなくはない。

 

Sail’s End 公式ホームページ + SNS : https://linktr.ee/SailsEnd

 

 

第6位 : Defamed 『Blackblood』

Bandcampで購入する / Spotify / Apple Music

イタリア・ミラノのブラッケンド・デスコア・バンド、Defamed の6曲入りEP。2022年4月に公開された先行シングル「Crystal Prison」の衝撃は凄まじく、悪魔が乗り移ったかのようなデモニックなサウンドスケープが他のブラッケンド・デスコア勢を圧倒、激しく繰り返されるブレイクダウンとブラストビートの転調は、まさに静寂と躍動感の連続。この頃、Lorna Shore の「To The Hellfire」の衝撃を受け、世界各地でブラッケンド勢が軒並み刺激的なトラックの制作を追求していたこともあり、Defamedの存在はやや霞んでいたように思う。

このEP、6曲入りであるが「The Serpent」、「Divinities」、「The Dancer」とそれぞれミュージックビデオになっており、いささかリードシングル集と言った趣がある。作品としてのコンセプチュアルなまとまりというより、個々の楽曲で物語が完結しているような仕上がりなので、とっつきやすい作品であると思う。ブラッケンド・デスコアの現在地として最先端の作品である「Blackblood」、ブラッケンド・デスコア・シーンに次の変化が訪れる前にチェックしておくべし。

 

Defamed公式ホームページ + SNS : https://linktr.ee/wearedefamed

 

 

第5位 : Brand of Sacrifice 『Between Death and Dreams』

Spotify / Apple Music

カナダ/アメリカを拠点に活動するヘヴィ・デスコア・バンド、Brand of Sacrifice の先行シングルとして公開されていた「Exodus」、「Dynasty」を含む4曲入りの作品。収録曲全ての楽曲のミュージックビデオが公開されている。

この作品の中で最も印象的な楽曲は「Dynasty」だろう。冒頭、痺れるようなエレクトロニックな音色の中に「〜があっても、生き残るために戦います」という日本語の女性の声が組み込まれている。このフレーズはイントロだけでなく、楽曲の転調にも差し込まれ、この女性の声は随所でシンフォニックでオリエンタルなBrand of Sacrificeのスタイルを表現する為に出現する。

「Dynasty」について、フロントマンのカイルは、「今年の僕にとっての大きな挑戦は、絶望や怒りだけでなく、感情のスペクトルの異なる要素を音楽と歌詞に取り入れることだったんだ。この曲を通して、個人的なストーリーを表現したかった。恐怖を直視しながら個人的な障害を克服することに挑戦し、BRAND OF SACRIFICE全体と同じように、絶対に止められない力になることを歌っている」とコメントしている。また、ファンの反応はBorn of Osirisを想起させるスタイルだというものが多く、バンドが「テクニカルでヘヴィなデスコア」だけでなく、歌詞やサウンド面において非常に多くの挑戦をしていることが伺える。決してデスコア・シーンだけで評価されるようなバンドではなく、例えばこの作品のタイトル・トラックではThe Word AliveやWe Came As Romansにも接近するようなクリーンパートがキーリングになっている。

この先、Brand of Sacrificeは更に深化し、「ヘヴィなデスコア」から脱却していくかもしれないが、彼らの核となるもの、この先も変わらないものがこの4曲で浮き彫りとなっているように感じる。

 

Brand of Sacrifice公式ホームページ : https://brandofsacrifice.com/

 

 

第4位 : The Acacia Strain『Failure Will Follow』/ 『Step Into The Light』

『Failure Will Follow』

Amazonで購入する / Spotify / Apple Music

 

『Step Into The Light』

Amazonで購入する / Spotify / Apple Music

 

マサチューセッツ州を拠点に活動するデスコア/ハードコア・バンド、The Acacia Strainが異なる2枚のアルバム『Failure Will Follow』と『Step Into The Light』をそれぞれRise Recordsからリリース。この2枚はダブル・アルバムではなく、全く異なるコンセプト、そしてソングライティングのプロセスを経て製作されたものである。

本人たちは「デスコア」というレッテルを貼られることを嫌がっているようだが、図らずも彼らはデスコアのレジェンドだ。ハードコアとメタルをクロスオーバーさせる中で、ソリッドでバウンシーなモッシュ・リフを追求し続け、日夜ツアーに明け暮れ、その切れ味を磨き続けてきた。多くのThe Acacia Strainのファンが期待する作風に仕上がっているのが、『Step Into The Light』で、殺気立ったアトモスフィアが立ち込める中、黙々とギロチンのようなリフで切り刻んでいく。決して譜面に起こすことの出来ない、モッシュ・スピリットには感服させられる。

『Failure Will Follow』は、バイオレントなモッシュコアで培った至高のヘヴィネスを違った形で表現することにフォーカス。全3曲入り、どれも10分越えの大曲で「bog walker」に至っては17分という長尺曲。このくらいのボリュームだと、なんとなく楽曲の雰囲気はドゥーミーなものであると想像出来るが、しっかりThe Acacia Strainとわかるトレードマークも豊富に組み込まれており、無理矢理ジャンルとして形容するならば「ドゥーミー・モッシュコア」とか「ブルータル・ドゥーム・メタル」といったところだろうか。このアルバムでツアーしても間違いなくフロアは殺戮現場と化すに違いない。それも精神的に狂気をまとった、そんな危なさがある。

しばしばThe Acacia Strainのカタログを見渡すと、ドゥーミーなアプローチを見せることもあった。ただ今回のようにアルバムとしてとなると、キャリア初だ。結成から20年を超えても、まだまだヘヴィを追求し続けるThe Acacia Strainに脱帽。

 

The Acacia Strain 公式ホームページ + SNS : https://linktr.ee/theacaciastrain

 

 

第3位 : DEVILOOF 『DAMNED』

Amazonで購入する (通常盤) / Amazonで購入する (初回限定盤) / Spotify / Apple Music

 

ヴィジュアル系メタル・バンド、DEVILOOFのメジャーデビュー作。国内メタルコア・シーンをウォッチしていれば、ヴィジュアル系を通過していなくてもDEVILOOFの名前を耳にしたことがあるだろう。ライブを体感したことがあるのであれば、彼らのデスコア・バンドとしての高いポテンシャルに衝撃を受けたに違いない。

『DAMNED』はストレートなデスコア・アルバムとは訳が違う。もちろんベースにあるのはデスコアであることは間違いないが、細部に施されたアレンジや楽曲構成に驚くべきクリエイティヴィティが隠されている。「Damn」は、デスコアにニューメタルコアのエレメンツをクロスオーバーさせながら、展開の妙を持ってして楽曲を展開させていく。予想不可能な展開に引き込まれた先には、メジャーシーンとは縁遠いスラミング・ブルータルデスメタル/スラミング・ビートダウンの地獄のブレイクダウン/ビートダウンが待ち構えているのだから驚きだ。リフの鋭さでいったらExtermination Dismembermentに匹敵するレベルにあると思う。

ソングライティングにおける実験精神の高さに驚愕する楽曲がその後も続き、エンディングの「False Self」は「Damned」以上に独創的な楽曲で、ミュージックビデオも必見。DEVILOOFのミュージシャンとしての実直さを感じると共に、メタル、特にデスコアの奥深さを感じることの出来る作品だ。

 

DEVILOOF Twitter : https://twitter.com/_Deviloof_

DEVILOOF Instagram : https://www.instagram.com/official_deviloof/

 

 

第2位 : Chelsea Grin 『Suffer in Heaven』

Spotify / Apple Music

USデスコア・バンド、Chelsea Grin がニュー・アルバム『Suffer in Heaven』をリリースしました。2022年にリリースされた『Suffer in Hell』に次ぐダブル・アルバムの第2弾である。

Chelsea Grinは、2010年にアルバム『Desolation of Eden』でシーンに登場すると、それまでのデスコアをさらにヘヴィなものへとアップデート。2010年代中期にかけて盛り上がったダウンテンポ・スタイルのデスコアの礎として現代でもその存在は特別なものだ。

そんなChelsea Grinにとって2022年の『Suffer in Hell』、2023年の『Suffer in Heaven』のダブル・アルバムは、キーだったメンバーが抜け、新たな布陣で制作されている。2010年代のデスコア・シーンのキーとして活躍したバンドのフロントマンであった Alex Koehler が、2018年にアルコール依存症を含むメンタルヘルスの問題によってバンドを脱退、Alexと同様、ドラム/ボーカルとしてバンドの中心メンバーとして存在感を見せつけていた Pablo Viveros が一時的にバンドを離脱している。Chelsea Grinサウンドの2つの重要な個性を失ったものの、この『Suffer in Hell』、『Suffer in Heaven』は様々なメディアで高い評価を受けている。

高い評価を受けている理由のひとつに新たに加入したTom Barberが現代メタル、特にデスコア、メタルコア・シーンにおいて高いカリスマ性を持っていることが挙げられる。TomはChelsea Grinの他にニューメタルコア・プロジェクトDarko US のメンバーであり、過去には Lorna Shore にも在籍していたシンガー。Alexとはそのキャラクターは異なるが、Tom参加後初のアルバム『Eternal Nightmare』でChelsea Grinサウンドとの親和性の高さを見せつけた。特にブラストビート・パートなどを取り入れ、ブラッケンド・デスコアにも近いサウンドにおけるTomのボーカルのフィット感は素晴らしい。Pablo Viverosの穴を埋めるセッション・ドラマーには、Glass HandsのNathan Pearsonが参加しており、こちらも文句なしと言えるだろう。

『Suffer in Heaven』は『Suffer in Hell』よりも、これまでのChelsea Grinが鳴らし続けてきた独自性を随所に散りばめつつ、Tomを新しいChelsea Grinのフロントマンとして迎え、新時代のChelsea Grinを作っていくという気概を感じさせてくれる。ミュージックビデオにもなっている「Fathomless Maw」はどこか「Playing with Fire」を彷彿とさせるキャッチーさを持ちながら、Tomのスクリームを生かしたファストなフレーズをエンディングに差し込んでいる。「Yhorm The Giant」から「Sing To The Grave」の流れは、『Suffer in Hell』から『Suffer in Heaven』の流れの中で最もエキサイティングな高揚感に溢れている。

2023年のChelsea Grinに溢れている空気感が明るくて良い。Tom Barberのカリスマ性がこのバンドとして発揮されるのはとても楽しみだし、Darko USとの棲み分けをどうしていくかをファンに注視させることは、デスコアとニューメタルコアの未来にとっても明るい。

 

Facebook: https://www.facebook.com/ChelseaGrinMetal

Instagram: https://www.instagram.com/chelseagrinofficial/

 

 

第1位 : Suicide Silence 『Remember… You Must Die』

Amazonで購入する / Spotify / Apple Music

『Remember… You Must Die』は、USデスコア・ベテラン、Suicide Silence が通算7枚目のスタジオ・アルバムで、Century Media Recordsからのリリース。

近年のSuicide Silenceと言えば、OGスタイルへとじわじわ回帰してきたにも関わらず、黄金期のカリスマMitch亡き後は正当に評価されてこなかった。Mitchの死後、Eddieへとボーカルが代わりリリースされた『You Can’t Stop Me』はファンがMitchの幻影を追いかけ、Suicide Silenceの新たなスタートを祝福する余裕がなかったし、その後リリースされたセルフ・タイトル『Suicide Silence』はデスコアから脱却しニューメタルへと舵をきったことで批判を食らった。もう6年も前のことなんだけど、やっぱりSuicide Silence、特にMitchのファンは失望してしまい以降のリリースをちゃんと聴いてないというリスナーも多いはず。これは海外のレビューをみてても感じたことだ。

Eddieが加入して、今年で10年になる。Suicide Silenceが始まってMitchがなくなるまで10年なので、在籍年数が並んだ。それでもまだ、EddieがSuicide Silenceのフロントにいることに違和感を感じてしまう人も多いかもしれない。前作『Become the Hunter』からSuicide SilenceはOGスタイルのデスコアへと戻り始め、本作『Remember… You Must Die』では完全に『No Time to Bleed』期のスタイルへと回帰した。「Mitchの幻影ばかり追いかけていないで、現在進行形のSuicide Silenceを追いかけろ」と、心から言えなかったのは今日まで。これからは今のSuicide Silenceを心から応援したいと思うし、好きだと言いたい。言うべきだ。

アルバム・タイトルからして、本作はオープニングから異常な殺気が漂う。2022年9月に先行シングルとしてアルバムのタイトル・トラック「You Must Die」はこれぞSuicide Silenceと言うべき完璧な楽曲で、墓場で演奏するメンバーが「You Must Die」、「Fuck Your Life」と叫びながら老化して最後に全員死ぬというディレクションがシンプルで良い。アメリカ人っぽいし、こういう無茶苦茶な思想とか投げやりなところがデスコアのコアなエナジーだと思う。

もし誰かがSuicide Silenceはもう過去のバンドだと言っていたら、このアルバムを聴いていないと言えるだろう、話を聞かなくていい。このミュージックビデオのコメントに書き込まれている「Mitchがこれを聴いたら喜ぶだろう」と言うのが、このアルバムの全てだ。

Suicide Silence、OGスタイルへと完全回帰した渾身の新作『Remember… You Must Die』リリース!

 

USデスコア・ベテラン、Suicide Silence が通算7枚目のスタジオ・アルバム『Remember… You Must Die』をCentury Media Recordsからリリースしました。

 

 

近年のSuicide Silenceと言えば、OGスタイルへとじわじわ回帰してきたにも関わらず、黄金期のカリスマMitch亡き後は正当に評価されてこなかった。Mitchの死後、Eddieへとボーカルが代わりリリースされた『You Can’t Stop Me』はファンがMitchの幻影を追いかけ、Suicide Silenceの新たなスタートを祝福する余裕がなかったし、その後リリースされたセルフ・タイトル『Suicide Silence』はデスコアから脱却しニューメタルへと舵をきったことで批判を食らった。もう6年も前のことなんだけど、やっぱりSuicide Silence、特にMitchのファンは失望してしまい以降のリリースをちゃんと聴いてないというリスナーも多いはず。これは海外のレビューをみてても感じたことだ。

 

 

Eddieが加入して、今年で10年になる。Suicide Silenceが始まってMitchがなくなるまで10年なので、在籍年数が並んだ。それでもまだ、EddieがSuicide Silenceのフロントにいることに違和感を感じてしまう人も多いかもしれない。前作『Become the Hunter』からSuicide SilenceはOGスタイルのデスコアへと戻り始め、本作『Remember… You Must Die』では完全に『No Time to Bleed』期のスタイルへと回帰した。「Mitchの幻影ばかり追いかけていないで、現在進行形のSuicide Silenceを追いかけろ」と、心から言えなかったのは今日まで。これからは今のSuicide Silenceを心から応援したいと思うし、好きだと言いたい。言うべきだ。

 

 

アルバム・タイトルからして、本作はオープニングから異常な殺気が漂う。2022年9月に先行シングルとしてアルバムのタイトル・トラック「You Must Die」はこれぞSuicide Silenceと言うべき完璧な楽曲で、墓場で演奏するメンバーが「You Must Die」、「Fuck Your Life」と叫びながら老化して最後に全員死ぬというディレクションがシンプルで良い。アメリカ人っぽいし、こういう無茶苦茶な思想とか投げやりなところがデスコアのコアなエナジーだと思う。もし誰かがSuicide Silenceはもう過去のバンドだと言っていたら、このアルバムを聴いていないと言えるだろう、話を聞かなくていい。このミュージックビデオのコメントに書き込まれている「Mitchがこれを聴いたら喜ぶだろう」と言うのが、このアルバムの全てだ。

 

 

USデスコア・レジェンド、SUICIDE SILENCE が新曲「You Must Die」のミュージックビデオを公開!

USデスコア・バンド、Suicide Silence (スーサイド・サイレンス) が、新曲「You Must Die」のミュージックビデオを公開しました。

 

配信URL : https://suicidesilence.lnk.to/YouMustDie-SingleID

 

今年に入り、シングル「Thinking in Tongues」と活発な動きを見せる彼ら。一時はニューメタルへ接近したものの、すでにSuicide Silenceらしいクラシックなデスコアへとカムバックしています。ここでさらっと初期のスタイルへ回帰している、というだけでなくもう少し深掘りしてこの「You Must Die」について考えてみたい。

 

シングルを聴けば、単純に元に戻ったように感じるが、ミュージックビデオのディレクションやタイトルに溢れるデスメタリックな要素がかなり重要で、彼らがデスメタル・シーンで勝負したいという気持ちが感じられる。デスコアであることは間違ってないと思う、でも彼らが鳴らしたいのは「デスメタリック・デスコア」だと思う。一つのカルチャーとして確立し、幅広い年齢層のファンベースがあるデスメタル・シーンで彼らがどのように扱われていくのか、注目しておくと面白いと思う。

 

Suicide Silence、「Hellfest 2022」フルセット・ライブ映像を公開!

[arve url=”https://www.youtube.com/watch?v=PjvPd1UIR_U” /]

 

カリフォルニア州リバーサイドのデスコア・バンド、Suicide Silence (スーサイド・サイレンス) が、2022年6月26日にフランスの野外フェスティバル「Hellfest 2022」に出演。当日のライブの模様がARTE ConcertのYouTubeチャンネルから公開されています。

 

<セットリスト>

Unanswered
Disengage
You Only Live Once
You Can’t Stop Me
Slaves to Substance
Thinking in Tongues
Love Me to Death
Wake Up
Dying Life (unreleased song)
Fuck Everything
No Pity for a Coward

 

 

▶︎Suicide Silence、デビュー・アルバムのリリース15周年を記念した『The Cleansing (Ultimate Edition)』をリリース!

 

 

 

Suicide Silence、デビュー・アルバムのリリース15周年を記念した『The Cleansing (Ultimate Edition)』をリリース!

 

デスコアの伝説的存在として知られる Suicide Silence (スーサイド・サイレンス) が、デビュー・アルバム『The Cleansing』にボーナス・トラック、ライブ音源やリハーサル音源を収録したリリース15周年記念エディション『The Cleansing (Ultimate Edition)』をリリースしました。

 

[arve url=”https://www.youtube.com/watch?v=eg123Jmzp_U&#8221; /]

 

これまでイングランド盤のボーナス・トラックに収録されていた「A Dead Current」他、『No Time to Bleed』のHot Topic Exclusive Editionに収録されていた「Swarm」、Deftonesのカバー「Engine No. 9」がボーナス・トラックとして収録。さらにはフランス・パリでのライブ音源にリハーサル音源を追加した内容で、アートワークも新たに、名作が蘇る。

 

<トラックリスト>

Disc 1
1. Revelations (Intro)
2. Unanswered
3. Hands of a Killer
4. The Price of Beauty
5. The Fallen
6. No Pity for a Coward
7. The Disease
8. Bludgeoned to Death
9. Girl of Glass
10. In a Photograph
11. Eyes Sewn Shut
12. Green Monster
13. Destruction of a Statue
14. A Dead Current
15. Swarm
16. Engine No. 9

 

Disc 2
1. Unanswered (Live in Paris)
2. Bludgeoned to Death (Live in Paris)
3. The Price of Beauty (Live in Paris)
4. Swarm (Live in Paris)
5. No Pity for a Coward (Live in Paris)
6. Green Monster (Live in Paris)
7. The Fallen (Live in Paris)
8. Destruction of a Statue (Live in Paris)
9. Hands of a Killer (Instrumental Rehearsal Tapes)
10. In a Photograph (Instrumental Rehearsal Tapes)
11. The Fallen (Instrumental Rehearsal Tapes)
12. Untitled (Instrumental Rehearsal Tapes)

 

 

 

 

Nylist、狂気を極めたヘヴィすぎるデスコア問題作『Apart』リリース!

 

カナダを拠点に活動するワンマン・デスコアプロジェクト、NylistがEP『Apart』をリリースしました。Chelsea Grin、Oceano、Suicide Silenceのメンバーがゲスト参加した本作は、狂気的なサウンドを極め、ライトなデスコア・リスナーを寄せ付けないヘヴィすぎる仕上がりになっている。

 

 

Merch/Bandcamp: https://bit.ly/3InA8rl
Spotify: https://spoti.fi/3G1hm7Z
Apple Music: https://apple.co/314amIx

EP: Apart
Released: February 25, 2022
Genre: Deathcore
Location: Canada
Facebook: https://facebook.com/nylistofficial
Instagram: https://instagram.com/nylistofficial

Track-list:
1. No Soul (ft. Pablo Viveros of Chelsea Grin & Koko of Oceano)
2. Broken Glass (ft. Mark Heylmun of Suicide Silence)
3. Apart
4. (Sensory Overload)

Credits:
Recorded and Produced by Fred Nylist
EP Artwork by Hand Rot Art

 

RIFF CULT : Spotifyプレイリスト「All New Deathcore」

 

RIFF CULT : YouTubeプレイリスト「All New Deathcore」

【まとめ】初めてデスコアを聴く人のためのプレイリスト(解説あり)

近年盛り上がりを見せるデスコア。

デスコアを初めて聴く人に向けたプレイリストを作成しました。

各バンドのちょっとした解説やコラムなども載せているので、是非再生しながら読んでみて下さい。

プレイリストをさっさと聴かせろ!という方は目次からジャンプ!

 

デスコアとは何か?

デスコアとは、一般的な解釈としてデスメタル+メタルコア

或いはデスメタル+ハードコアというように、ジャンルのクロスオーバーによってシーンに定着していった言葉である。

古くは90年代あたりからこの言葉を用いたり、自らのバンド名を“DEATHCORE”と名乗るバンド等は確かに存在したが、ムーブメントにまでは至らなかった。

現在主にデスコアとして認識されているジャンルが定着し始めたのは2000年代初頭あたりで、Animosityが打ち出したデスメタルとメタルコアの融合や、

デスメタル出身のメンバーが多いDespised Icon、ビートダウンハードコアスタイルでズンズンと打ち下ろすThe Acacia Strain、あるいはマスコア的な要素を多分に含んだThe Red Chordなども挙げられるだろう。

一口にデスコアといっても、各々のメンバーがルーツとするものの違いによって音楽性は様々に変化する。

そして何より、上に挙げたバンド達は当時は「デスコアやろうぜ」という感覚ではプレイしていなかったというのが個人的な見解だ。

2010年代以降のデスコアサウンドのが馴染みが深い人にとっては、Despised IconやThe Acacia Strainなどは逆に新鮮に聞こえてくるかもしれない。

UKのBring Me The Horizon, USAのSuicide Silence

上述したバンドによって築かれた礎をもとに、爆発的に知名度を伸ばしたバンドがいる。

イギリスではラウドロックシーンでお馴染みBring Me The Horizon、アメリカのカリフォルニアではSuicide Silenceが当時のキッズ達を大いに湧かせた。

Bring Me The Horizon

 

Suicide Silence

 

Bring Me The Horizonのファンなら周知の事実だが、彼らがデスコアを演っているのは本当に初期だけで、

作品毎に自身の音楽性をことごとく変化させていくが、この2バンドの登場によって“デスコア”というジャンルは急加速的にシーンに浸透していった。今思い返せば、ボーカルの姿には共通点がある。

細身の身体に全身タトゥーを刻み込み、大して自分達と年齢の変わらない若者がエクストリームな音楽をプレイしている。

そういう意味で、このボーカリスト2人は当時のリスナーにとって非常にアイコニックな存在として映っていた。

残念ながらSuicide SilenceのボーカリストMitch Luckerは不慮の事故によって2012年に他界してしまっている。

様々な形で進化を遂げるデスコア

ジャンルの隆盛に伴い、デスコアの中でも細分化してジャンル分け出来る程に今のシーンは複雑化している。

以下に代表的なデスコアのサブジャンルを挙げていく。

ブルータルデスコア

デスコアの中でもブルータルデスメタルに強く影響を受けたと考えられるバンド。

CryptopsySuffocationなどからの影響を受けたピュアなブルータルデスコアから、DevourmentDying Fetusなどのスラミングスタイルを実践するバンドもいる。

特に昨今ではスラミング要素を用いたデスコアバンドが急増しており、“スラミングデスコア”としてカテゴリー分けをしても良いぐらいバンドの数は多い。

テクニカルデスコア

テクニカルデスメタルからの影響を強く受けたデスコアバンド達もいる。ObscuraMeshuggahといったプログレッシブ〜グルーヴ要素を重視するバンドや、Brain Drillらの影響下にあるバンドも数多く存在する。

プログレッシブデスコア

上述したテクニカルデスコアと似ているが、主にメタルコアの手法における“プログレッシブ”要素にフォーカスしたバンドも数多く存在する。

Djent的なグルーヴを押し出した初期のVeil of Mayaや、シンセサイザーによる荘厳なアレンジを打ち出したBorn of Osiris、最近で言えばロシアのShokranなどはオリエンタルな世界観を独自のプログレッシブデスへと落とし込んでいる。

シンフォニックデスコア

シンフォニックメタルから影響を受けたデスコア。こちらも上述したプログレッシブデスコアと共通する部分があり、Born of Osirisなどはどちらで捉えても良いかもしれない。

Winds of PlagueやフランスのBetraying the MartyrsMake Them Sufferなどがよく挙げられる。

ブラッケンドデスコアとして捉えられる場合もあるが、

これは“何をブラックメタル要素とするか”という解釈によって受け取り方が大きく違うことに起因する。

ブラッケンドデスコア

ブラックメタルに影響を受けたデスコア。ビジュアルイメージとして取り入れる場合や、単にクワイアやオーケストレーションを取り入れたバンドもこのジャンルに分類される場合があるため、シンフォニックデスコアとの境界が非常に曖昧。

ブラックメタル特有のデプレッシブな空気や歌詞の世界観を提示するバンドも中には存在するが、その場合また違った形容のされ方をしている場合もあるので非常に線引きが難しい。

ダウンテンポデスコア

デスコアの中でも特にテンポが遅く、何重にも折り重ねて落とし込んでいくスタイルが特徴で、Chelsea GrinOceanoI Declare Warなどが代表的なバンド。

昨今ではこれを更に極限まで低音化と鈍重化を極めた“ドゥームコア”などと自称するBlack Tongueや、Bound in Fearなどのバンドも存在する。

メロディックデスコア

メロディックデスメタルからの影響を強く受けたデスコア。

メタルコア的な手法を取り入れるバンドもそう形容されることが多い。

刻みに特化したのがダウンテンポデスコアなら、メロディックデスコアはその対極にあると考えると良いかもしれない。

エクスペリメンタルデスコア

2000年代初頭あたりのマスコアと融合しながら成長を見せたジャンル。

iwrestledabearonceSee You Next TuesdayDysphoriaなど、カオティック要素の強いデスコアとマスコアを融合したようなバンドが形容されることが多い。

初めてデスコアを聴く人に向けた珠玉の10曲

本来であれば到底10曲では収まらないぐらいオススメの曲やバンドはいるが、その中でもシーンの歴史を語る上では外せないデスコアの名曲を10曲に凝縮。

デスコアの入り口として機能することを願っています。