Ameonna (ex.Chelsea Grin)、ニュー・シングル「Cut Me, Crave Me…」をリリース

ユタ州ソルトレイクシティを拠点に活動するデスコア・バンド、Chelsea Grinを脱退したシーンの有名人達からなる新しいバンド、Ameonnaが、ニュー・シングル「Cut Me, Crave Me…」を公開しました。この曲は、2024年5月15日にリリースされるバンドのセカンドEP『Goddess Reign』に収録される5曲のうちの1曲である。

バンドはAlex Koehler (vocals), Jake Harmond (guitars/bass), Pablo Viveros (Drummer)がラインナップされている。デスコア・ファンならニヤリとするメンバー。新作に期待しよう。

デスコア 2023年上半期の名盤TOP10

毎日のように世界各国から素晴らしいデスコア・バンドがシングル、EP、アルバムをリリースし、絶えずコンテンツが供給過多状態にあるデスコア・シーン。この記事では、RIFF CULTが2023年1月から6月までにリリースされたデスコアのアルバム/EPの中から素晴らしい作品をピックアップし、順位付けしてアルバムレビューしました。

毎週リリースされる作品を網羅できるRIFF CULTのSpotifyプレイリスト「All New Deathcore 2023」では、ここには載っていないアーティストの楽曲を視聴することが出來、毎週20曲から30曲近いデスコアの楽曲を追加しています。ぜひフォローして下さい。

 

「All New Deathcore 2023」Spotifyプレイリスト

 

第10位 : DeadVectors 『The Gray』

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ニュージャージーのデスコア・ユニット、DeadVectors の4枚目フルレングス。2021年から活動を開始し、3枚のアルバムと7枚のEPをリリースしてきた多作なプロジェクトで、毎週のようにSpotifyのアップデートでシングルをリリースし存在感を見せつけてきた。

DeadVectors はボーカルでリリックを手掛ける Kenny Stroh 、作曲からレコーディング、ミックスからマスタリングをこなす Aaron Chaparian からなる。特にAaronはこの2年で凄まじい努力でDeadVectorsの評価を上げ、プログレッシヴ・デスコアからビートダウンに接近するスタイルまでを巧みにこなしてきた。特に「BITE (The Golden Blade)」のブレイクダウンは浮遊感たっぷりで、Djentな刻みもクオリティが高い。Born of OsirisからThe Voynich Codeなどを彷彿とさせるオリエンタルなエレメンツとディープなブレイクダウンが印象的な「Isolate // Escape」やBobbi VanetとAlex Goldをフィーチャーした「Voyage」、サックスなども盛り込みながらドラマ性たっぷりにアルバムを展開させる。

遂にオンライン・ベースのプロジェクトのレベルがここまで来たのかと感動すると共に、「打ち込みらしさ」のマニアックな面白さがなくなっていってしまうのには若干の悲しさを覚えるが、そうしたコアなリスナーは少ないのでDead Vectorsには歴史を更新して行って欲しい。

 

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第9位 : Left to Suffer 『Feral』

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ジョージア州アトランタのデスコア5人組、Left to Suffer のセカンド・アルバム。2020年の『A Year of Suffering』から3年。ここまでの成長を誰が想像出来たでしょうか。本作は Matt Thomas がプロデュース/ミックスを手がけ、 Joel Wanasek がマスタリングを担当。ニュー・メタルコアとデスコアを高次元で融合させ、本作でも印象的なニュー・メタルコア的アレンジが随所に組み込まれており、ミュージックビデオになっている「Artificial Anatomy」では新鋭トラップ・アーティスト Kim Dracula がフィーチャーするなど人選も完璧だ。

Left to Sufferの最も素晴らしい持ち味はドライブンなフレーズだ。「Disappoint Me」はヘッドバンギング不可避のドライブ感が楽曲を通じて貫かれており、ボーカル、リフ、個性的なドラムのフィルインなどの細やかな工夫もそのドライブ感を加速させていく。ニューメタルの香りをほのかに香らせながら、Lorna Shore、Signs of the Swarm、Archspireといったバンドらのボーカルにあるような、ショットガン・ガテラルも巧みにブレンドしているから凄い。

Fit For An AutopsyのJoe Badをフィーチャーした「Primitive Urge」はアルバムの中でもスタンダードなデスコアに近いスタイルでありながら、不気味に燻らせるノイズ、シンフォニックなアレンジが旨みを引き立たせる。じっくりと聴き込めば聴き込むほどにLeft to Sufferというバンドの持つ驚異的なポテンシャルを感じることが出来るだろう。

 

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第8位 : Distant 『Heritage』

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2010年代中期から活躍するオランダ出身のデスコア・バンド、Distant のサード・アルバム。「ブラッケンド・デスコア」の新鋭として Unique Leader Records から2枚のアルバムをリリース、その後 Century Media Records への電撃移籍を発表して、本作を完成させた。

今年1月に公開され大きな話題となった楽曲「Argent Justice」には、フィーチャリング・ゲストとしてSuicide Silence, Emmure, Abbie Falls, Acranius, AngelMaker, Bodysnatcher, Cabal, Carcosa, Crown Magnetar, Paleface, ten56., Worm Shepherdの名前が挙げられている。これだけのアーティストがこの1曲に参加していることでSpotifyでは100万回再生を記録するなどDistantの名を高域のメタル・シーンへ広めるきっかけとなった。彼らの代名詞とも言えるダークなスケールを広大に広げながら疾走するブラッケンド・デスコアに個性的なボーカルが次々とフィーチャーされていく様は、参加したミュージシャンのファンであれば引き込まれ、楽しめるはずだ。

この楽曲はアルバムのキーであることは間違いないが、Lorna ShoreのWill Ramosをフィーチャーしたタイトル・トラック「Heritage」も「Argent Justice」と双璧を成すキラーチューンだ。この曲はWill Ramosのパートはもちろん素晴らしいが、Thy Art is MurderやCabalなどを彷彿とさせるブレイクダウンのヘヴィネスが素晴らしい。この曲のブレイクダウン、そしてブラッケンドなファスト・パートの接続などは後続にも影響を与えるはずだ。間違いなくアルバムのハイライト。

Distant周辺は高いクオリティを持つバンドが多く、頭一つ抜きん出た存在へと成長するには更に何かが必要になってくる。その何かが何であるか、まだ誰も知らないがおそらくDistantが見つけるはずだ。今後に期待。

 

Distant 公式ホームページ + SNS : https://linktr.ee/distantofficial

 

 

第7位 : Sail’s End 『Live And Die』

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テキサスとニューヨークを拠点に活動するヘヴィ・メタルコア/デスコア・バンド、Sail’s End が2023年2月にリリースしたこのEPは、あまりにも衝撃的だった。ブレイクダウンYouTuber Ohrion Reacts でも取り上げられ、相当唸らせていたし、ローカルのリアクションYouTuberも彼らのビデオを取り上げていた。

Before I TurnやGlass Crown、Brand of SacrificeにInvent Animate、さらにはWage Warといったソリッド・メタルコア〜ヘヴィ・デスコアから多大なインスパイアを受けたそのサウンドは、とにかく地鳴りのように強烈なブレイクダウンを炸裂させる為に、数多くのエレメンツを散りばめられている。この作品を聴いている時には思い浮かばなかったが、のちに発表されたいくつかのシングルも合わせて見れば、Prompts に非常に近いヴァイブスを感じる。モッシュに特化したフレーズに絡みつくニューメタルコアのエレメンツ、Oceans Ate Alaskaを彷彿とさせるドラムパターンはまさに、という感じだ。

セルフ・プロモーションであること、加えてメンバーのヴィジュアルからかなりナードな気質が漂いまくっているところに親近感を覚えるリスナーも多いだろうが、もしかしたら2023年後半、さっぱり垢抜けたトレンド・バンドに成長している可能性もなくはない。

 

Sail’s End 公式ホームページ + SNS : https://linktr.ee/SailsEnd

 

 

第6位 : Defamed 『Blackblood』

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イタリア・ミラノのブラッケンド・デスコア・バンド、Defamed の6曲入りEP。2022年4月に公開された先行シングル「Crystal Prison」の衝撃は凄まじく、悪魔が乗り移ったかのようなデモニックなサウンドスケープが他のブラッケンド・デスコア勢を圧倒、激しく繰り返されるブレイクダウンとブラストビートの転調は、まさに静寂と躍動感の連続。この頃、Lorna Shore の「To The Hellfire」の衝撃を受け、世界各地でブラッケンド勢が軒並み刺激的なトラックの制作を追求していたこともあり、Defamedの存在はやや霞んでいたように思う。

このEP、6曲入りであるが「The Serpent」、「Divinities」、「The Dancer」とそれぞれミュージックビデオになっており、いささかリードシングル集と言った趣がある。作品としてのコンセプチュアルなまとまりというより、個々の楽曲で物語が完結しているような仕上がりなので、とっつきやすい作品であると思う。ブラッケンド・デスコアの現在地として最先端の作品である「Blackblood」、ブラッケンド・デスコア・シーンに次の変化が訪れる前にチェックしておくべし。

 

Defamed公式ホームページ + SNS : https://linktr.ee/wearedefamed

 

 

第5位 : Brand of Sacrifice 『Between Death and Dreams』

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カナダ/アメリカを拠点に活動するヘヴィ・デスコア・バンド、Brand of Sacrifice の先行シングルとして公開されていた「Exodus」、「Dynasty」を含む4曲入りの作品。収録曲全ての楽曲のミュージックビデオが公開されている。

この作品の中で最も印象的な楽曲は「Dynasty」だろう。冒頭、痺れるようなエレクトロニックな音色の中に「〜があっても、生き残るために戦います」という日本語の女性の声が組み込まれている。このフレーズはイントロだけでなく、楽曲の転調にも差し込まれ、この女性の声は随所でシンフォニックでオリエンタルなBrand of Sacrificeのスタイルを表現する為に出現する。

「Dynasty」について、フロントマンのカイルは、「今年の僕にとっての大きな挑戦は、絶望や怒りだけでなく、感情のスペクトルの異なる要素を音楽と歌詞に取り入れることだったんだ。この曲を通して、個人的なストーリーを表現したかった。恐怖を直視しながら個人的な障害を克服することに挑戦し、BRAND OF SACRIFICE全体と同じように、絶対に止められない力になることを歌っている」とコメントしている。また、ファンの反応はBorn of Osirisを想起させるスタイルだというものが多く、バンドが「テクニカルでヘヴィなデスコア」だけでなく、歌詞やサウンド面において非常に多くの挑戦をしていることが伺える。決してデスコア・シーンだけで評価されるようなバンドではなく、例えばこの作品のタイトル・トラックではThe Word AliveやWe Came As Romansにも接近するようなクリーンパートがキーリングになっている。

この先、Brand of Sacrificeは更に深化し、「ヘヴィなデスコア」から脱却していくかもしれないが、彼らの核となるもの、この先も変わらないものがこの4曲で浮き彫りとなっているように感じる。

 

Brand of Sacrifice公式ホームページ : https://brandofsacrifice.com/

 

 

第4位 : The Acacia Strain『Failure Will Follow』/ 『Step Into The Light』

『Failure Will Follow』

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『Step Into The Light』

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マサチューセッツ州を拠点に活動するデスコア/ハードコア・バンド、The Acacia Strainが異なる2枚のアルバム『Failure Will Follow』と『Step Into The Light』をそれぞれRise Recordsからリリース。この2枚はダブル・アルバムではなく、全く異なるコンセプト、そしてソングライティングのプロセスを経て製作されたものである。

本人たちは「デスコア」というレッテルを貼られることを嫌がっているようだが、図らずも彼らはデスコアのレジェンドだ。ハードコアとメタルをクロスオーバーさせる中で、ソリッドでバウンシーなモッシュ・リフを追求し続け、日夜ツアーに明け暮れ、その切れ味を磨き続けてきた。多くのThe Acacia Strainのファンが期待する作風に仕上がっているのが、『Step Into The Light』で、殺気立ったアトモスフィアが立ち込める中、黙々とギロチンのようなリフで切り刻んでいく。決して譜面に起こすことの出来ない、モッシュ・スピリットには感服させられる。

『Failure Will Follow』は、バイオレントなモッシュコアで培った至高のヘヴィネスを違った形で表現することにフォーカス。全3曲入り、どれも10分越えの大曲で「bog walker」に至っては17分という長尺曲。このくらいのボリュームだと、なんとなく楽曲の雰囲気はドゥーミーなものであると想像出来るが、しっかりThe Acacia Strainとわかるトレードマークも豊富に組み込まれており、無理矢理ジャンルとして形容するならば「ドゥーミー・モッシュコア」とか「ブルータル・ドゥーム・メタル」といったところだろうか。このアルバムでツアーしても間違いなくフロアは殺戮現場と化すに違いない。それも精神的に狂気をまとった、そんな危なさがある。

しばしばThe Acacia Strainのカタログを見渡すと、ドゥーミーなアプローチを見せることもあった。ただ今回のようにアルバムとしてとなると、キャリア初だ。結成から20年を超えても、まだまだヘヴィを追求し続けるThe Acacia Strainに脱帽。

 

The Acacia Strain 公式ホームページ + SNS : https://linktr.ee/theacaciastrain

 

 

第3位 : DEVILOOF 『DAMNED』

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ヴィジュアル系メタル・バンド、DEVILOOFのメジャーデビュー作。国内メタルコア・シーンをウォッチしていれば、ヴィジュアル系を通過していなくてもDEVILOOFの名前を耳にしたことがあるだろう。ライブを体感したことがあるのであれば、彼らのデスコア・バンドとしての高いポテンシャルに衝撃を受けたに違いない。

『DAMNED』はストレートなデスコア・アルバムとは訳が違う。もちろんベースにあるのはデスコアであることは間違いないが、細部に施されたアレンジや楽曲構成に驚くべきクリエイティヴィティが隠されている。「Damn」は、デスコアにニューメタルコアのエレメンツをクロスオーバーさせながら、展開の妙を持ってして楽曲を展開させていく。予想不可能な展開に引き込まれた先には、メジャーシーンとは縁遠いスラミング・ブルータルデスメタル/スラミング・ビートダウンの地獄のブレイクダウン/ビートダウンが待ち構えているのだから驚きだ。リフの鋭さでいったらExtermination Dismembermentに匹敵するレベルにあると思う。

ソングライティングにおける実験精神の高さに驚愕する楽曲がその後も続き、エンディングの「False Self」は「Damned」以上に独創的な楽曲で、ミュージックビデオも必見。DEVILOOFのミュージシャンとしての実直さを感じると共に、メタル、特にデスコアの奥深さを感じることの出来る作品だ。

 

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第2位 : Chelsea Grin 『Suffer in Heaven』

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USデスコア・バンド、Chelsea Grin がニュー・アルバム『Suffer in Heaven』をリリースしました。2022年にリリースされた『Suffer in Hell』に次ぐダブル・アルバムの第2弾である。

Chelsea Grinは、2010年にアルバム『Desolation of Eden』でシーンに登場すると、それまでのデスコアをさらにヘヴィなものへとアップデート。2010年代中期にかけて盛り上がったダウンテンポ・スタイルのデスコアの礎として現代でもその存在は特別なものだ。

そんなChelsea Grinにとって2022年の『Suffer in Hell』、2023年の『Suffer in Heaven』のダブル・アルバムは、キーだったメンバーが抜け、新たな布陣で制作されている。2010年代のデスコア・シーンのキーとして活躍したバンドのフロントマンであった Alex Koehler が、2018年にアルコール依存症を含むメンタルヘルスの問題によってバンドを脱退、Alexと同様、ドラム/ボーカルとしてバンドの中心メンバーとして存在感を見せつけていた Pablo Viveros が一時的にバンドを離脱している。Chelsea Grinサウンドの2つの重要な個性を失ったものの、この『Suffer in Hell』、『Suffer in Heaven』は様々なメディアで高い評価を受けている。

高い評価を受けている理由のひとつに新たに加入したTom Barberが現代メタル、特にデスコア、メタルコア・シーンにおいて高いカリスマ性を持っていることが挙げられる。TomはChelsea Grinの他にニューメタルコア・プロジェクトDarko US のメンバーであり、過去には Lorna Shore にも在籍していたシンガー。Alexとはそのキャラクターは異なるが、Tom参加後初のアルバム『Eternal Nightmare』でChelsea Grinサウンドとの親和性の高さを見せつけた。特にブラストビート・パートなどを取り入れ、ブラッケンド・デスコアにも近いサウンドにおけるTomのボーカルのフィット感は素晴らしい。Pablo Viverosの穴を埋めるセッション・ドラマーには、Glass HandsのNathan Pearsonが参加しており、こちらも文句なしと言えるだろう。

『Suffer in Heaven』は『Suffer in Hell』よりも、これまでのChelsea Grinが鳴らし続けてきた独自性を随所に散りばめつつ、Tomを新しいChelsea Grinのフロントマンとして迎え、新時代のChelsea Grinを作っていくという気概を感じさせてくれる。ミュージックビデオにもなっている「Fathomless Maw」はどこか「Playing with Fire」を彷彿とさせるキャッチーさを持ちながら、Tomのスクリームを生かしたファストなフレーズをエンディングに差し込んでいる。「Yhorm The Giant」から「Sing To The Grave」の流れは、『Suffer in Hell』から『Suffer in Heaven』の流れの中で最もエキサイティングな高揚感に溢れている。

2023年のChelsea Grinに溢れている空気感が明るくて良い。Tom Barberのカリスマ性がこのバンドとして発揮されるのはとても楽しみだし、Darko USとの棲み分けをどうしていくかをファンに注視させることは、デスコアとニューメタルコアの未来にとっても明るい。

 

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第1位 : Suicide Silence 『Remember… You Must Die』

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『Remember… You Must Die』は、USデスコア・ベテラン、Suicide Silence が通算7枚目のスタジオ・アルバムで、Century Media Recordsからのリリース。

近年のSuicide Silenceと言えば、OGスタイルへとじわじわ回帰してきたにも関わらず、黄金期のカリスマMitch亡き後は正当に評価されてこなかった。Mitchの死後、Eddieへとボーカルが代わりリリースされた『You Can’t Stop Me』はファンがMitchの幻影を追いかけ、Suicide Silenceの新たなスタートを祝福する余裕がなかったし、その後リリースされたセルフ・タイトル『Suicide Silence』はデスコアから脱却しニューメタルへと舵をきったことで批判を食らった。もう6年も前のことなんだけど、やっぱりSuicide Silence、特にMitchのファンは失望してしまい以降のリリースをちゃんと聴いてないというリスナーも多いはず。これは海外のレビューをみてても感じたことだ。

Eddieが加入して、今年で10年になる。Suicide Silenceが始まってMitchがなくなるまで10年なので、在籍年数が並んだ。それでもまだ、EddieがSuicide Silenceのフロントにいることに違和感を感じてしまう人も多いかもしれない。前作『Become the Hunter』からSuicide SilenceはOGスタイルのデスコアへと戻り始め、本作『Remember… You Must Die』では完全に『No Time to Bleed』期のスタイルへと回帰した。「Mitchの幻影ばかり追いかけていないで、現在進行形のSuicide Silenceを追いかけろ」と、心から言えなかったのは今日まで。これからは今のSuicide Silenceを心から応援したいと思うし、好きだと言いたい。言うべきだ。

アルバム・タイトルからして、本作はオープニングから異常な殺気が漂う。2022年9月に先行シングルとしてアルバムのタイトル・トラック「You Must Die」はこれぞSuicide Silenceと言うべき完璧な楽曲で、墓場で演奏するメンバーが「You Must Die」、「Fuck Your Life」と叫びながら老化して最後に全員死ぬというディレクションがシンプルで良い。アメリカ人っぽいし、こういう無茶苦茶な思想とか投げやりなところがデスコアのコアなエナジーだと思う。

もし誰かがSuicide Silenceはもう過去のバンドだと言っていたら、このアルバムを聴いていないと言えるだろう、話を聞かなくていい。このミュージックビデオのコメントに書き込まれている「Mitchがこれを聴いたら喜ぶだろう」と言うのが、このアルバムの全てだ。

アルバム・レビュー : Chelsea Grin 『Suffer In Heaven』

 

USデスコア・バンド、Chelsea Grin がニュー・アルバム『Suffer in Heaven』をリリースしました。2022年にリリースされた『Suffer in Hell』に次ぐダブル・アルバムの第2弾。

 

 

アルバムレビュー : Chelsea Grin『Suffer In Hell』

 

Chelsea Grinは、2010年にアルバム『Desolation of Eden』でシーンに登場すると、それまでのデスコアをさらにヘヴィなものへとアップデート。2010年代中期にかけて盛り上がったダウンテンポ・スタイルのデスコアの礎として現代でもその存在は特別なものだ。

 

 

そんなChelsea Grinにとって2022年の『Suffer in Hell』、2023年の『Suffer in Heaven』のダブル・アルバムは、キーだったメンバーが抜け、新たな布陣で制作されている。2010年代のデスコア・シーンのキーとして活躍したバンドのフロントマンであったAlex Koehlerが、2018年にアルコール依存症を含むメンタルヘルスの問題によってバンドを脱退、Alexと同様、ドラム/ボーカルとしてバンドの中心メンバーとして存在感を見せつけていたPablo Viverosが一時的にバンドを離脱している。Chelsea Grinサウンドの2つの重要な個性を失ったものの、この『Suffer in Hell』、『Suffer in Heaven』は様々なメディアで高い評価を受けている。

 

 

高い評価を受けている理由のひとつに新たに加入したTom Barberが現代メタル、特にデスコア、メタルコア・シーンにおいて高いカリスマ性を持っていることが挙げられる。TomはChelsea Grinの他にニューメタルコア・プロジェクトDarko USのメンバーであり、過去にはLorna Shoreにも在籍していたシンガー。Alexとはそのキャラクターは異なるが、Tom参加後初のアルバム『Eternal Nightmare』でChelsea Grinサウンドとの親和性の高さを見せつけた。特にブラストビート・パートなどを取り入れ、ブラッケンド・デスコアにも近いサウンドにおけるTomのボーカルのフィット感は素晴らしい。Pablo Viverosの穴を埋めるセッション・ドラマーには、Glass HandsのNathan Pearsonが参加しており、こちらも文句なしと言えるだろう。

 

 

『Suffer in Heaven』は『Suffer in Hell』よりも、これまでのChelsea Grinが鳴らし続けてきた独自性を随所に散りばめつつ、Tomを新しいChelsea Grinのフロントマンとして迎え、新時代のChelsea Grinを作っていくという気概を感じさせてくれる。ミュージックビデオにもなっている「Fathomless Maw」はどこか「Playing with Fire」を彷彿とさせるキャッチーさを持ちながら、Tomのスクリームを生かしたファストなフレーズをエンディングに差し込んでいる。「Yhorm The Giant」から「Sing To The Grave」の流れは、『Suffer in Hell』から『Suffer in Heaven』の流れの中で最もエキサイティングな高揚感に溢れている。

 

 

 

 

2023年のChelsea Grinに溢れている空気感が明るくて良い。Tom Barberのカリスマ性がこのバンドとして発揮されるのはとても楽しみだし、Darko USとの棲み分けをどうしていくかをファンに注視させることは、デスコアとニューメタルコアの未来にとっても明るい。

 

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アルバムレビュー : Chelsea Grin『Suffer In Hell』

 

USデスコア・バンド、Chelsea Grin (チェルシー・グリン) がダブル・アルバムの第1弾として『Suffer In Hell』をOneRPMからリリースしました。

 

 

これまでChelsea Grinのドラム/ボーカルを担当してきたPablo Viverosが無期限の活動休止に入り、今作ではGlass HandsのNathan Pearsonが参加。正規メンバーとしてはオリジナル・メンバーであるベーシストのDavid Flinn、ヴォーカリストTom Barber、そしてギタリストのStephen Rutishauser。

 

 

ミュージックビデオにもなっているオープニング・トラック「Origin of Sin」は繊細なオーケストレーションを持つChelsea Grinらしいヘヴィネス溢れた楽曲で、ヴォーカルTom、そしてベーシストDavidの印象的なプレイが際立っています。「Think or Die (考えるか死ぬか)」と言うフレーズの持つ不気味さ、力強さに圧倒される。

 

 

The Black Dahlia Murderの故・Trevorをフィーチャーした「Forever Bloom」では、ドゥーミーな雰囲気に溢れたアルバムのリードトラックであり、強烈なブレイクダウン、威力を最大級に高めたところで炸裂するストンプ・パートに頭を撃ち抜かれるかのような衝撃がある。ミュージックビデオとして発表されている「The Isnis」もアルバムのキーとなる世界観を上手く描いている。

 

 

『Suffer In Hell』は、8曲で30分弱というコンパクトな仕上がりでとても聴きやすく、Chelsea Grinの現在地がよく分かる作品だ。アルバム・タイトルの通りヘヴィでダークな世界観をしっかりと描いた本作に続く自作は2023年3月にリリース予定の『Suffer in Heaven』。こちらの作品がどんな仕上がりとなるか、非常に楽しみだ。

 

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Chelsea Grin、来年発売のダブル・アルバムから新曲「The Isnis」をリリース!

デスコア・バンド、Chelsea Grinがダブル・アルバムとなる次作『Suffer In Hell』、『Suffer In Heaven』から、『Suffer In Hell』に収録される新曲「The Isnis」をリリースしました。

 

それぞれ発売日が異なり、『Suffer In Hell』は2022年11月11日にリリース予定、続く『Suffer In Heaven』は2023年3月17日にoneRPMから発表されるとのこと。すでにpre-orderが公式サイトでスタートしている。

 

pre-order : https://onerpm.link/suffer

 

 

 

 

 

USニューメタルコア・バンド、Darko USがニューアルバム『ONI』をリリースすることが明らかに

 

Chelsea GrinのボーカリストTom BarberとSpiteのドラマーであり元EmmureのJosh Millerによるユニット、Darko USが2022年9月26日にニューアルバム『Oni』をリリースすることを発表しました。バンドはアルバムアートワークを公開、今週金曜日にpre-orderがスタート、アルバムに関する情報が続々公開されていく。

 

アートワークは今年発表したいくつかのシングルのアートワークのテイストに近く、「Dragon Chaser」、「Acid Inject」、「Come Home」、「Ana」はそれぞれ収録されるだろう。今からアルバムのキーとなるこれらの楽曲をしっかりチェックしておこう。

 

 

USデスコア・バンドChelsea Grinが待望の新曲「Origin of Sin」ミュージックビデオ公開 + ダブル・アルバムの詳細も

ユタ州ソルトレイクシティのデスコア・バンド、Chelsea Grinが新曲「Origin of Sin」のミュージックビデオを公開しました。バンドは現在ドラマーPablo Viverosが活動休止中であるが、オリジナル・メンバーのベーシストDavid Flinnを中心に活動中。この新曲は、2022年11月22日にONErpmからリリースされるダブル・アルバム『Suffer In Hell』、『Suffer In Heaven』の収録曲。

 

すでにアルバムのトラックリスト、アートワークがが公開されている。楽曲の中には亡くなったThe Black Dahlia MurderのTrevor Stnadの名前も。

 

『Suffer In Hell』
1. Origin of Sin
2. Forever Bloom (featuring Trevor Strnad)
3. Deathbed Companion
4. Crystal Casket
5. Flood Lungs
6. The Isnis
7. Mourning Hymn
8. Suffer In Hell, Suffer In Heaven

 

 


『Suffer In Heaven』
9. Leave With Us
10. Orc March (featuring Dustin Mitchell)
11. Fathomless Maw
12. Soul Slave
13. The Mind of God
14. Yhorm the Giant
15. Sing to the Grave
16. The Path of Suffering

 

 

 

 

Will Ramos (Lorna Shore) 、Nik NocturnalとコラボしChelsea Grinの「Recreant」をカバー!

 

Lorna Shoreのボーカリストとして知られるWill Ramosが、メタル系YouTuber Nik Nocturnalとコラボし、Chelsea Grinの「Recreant」をカバーしました。冒頭、Willの衝撃的なガテラルで幕を開けると、終始圧倒的にヘヴィーで綺麗なLowの効いたボーカルでChelsea Grinの名曲をプレイします。

 

Now streaming on all platforms: https://linktr.ee/Thewillramos

 

 

 

 

Nylist、狂気を極めたヘヴィすぎるデスコア問題作『Apart』リリース!

 

カナダを拠点に活動するワンマン・デスコアプロジェクト、NylistがEP『Apart』をリリースしました。Chelsea Grin、Oceano、Suicide Silenceのメンバーがゲスト参加した本作は、狂気的なサウンドを極め、ライトなデスコア・リスナーを寄せ付けないヘヴィすぎる仕上がりになっている。

 

 

Merch/Bandcamp: https://bit.ly/3InA8rl
Spotify: https://spoti.fi/3G1hm7Z
Apple Music: https://apple.co/314amIx

EP: Apart
Released: February 25, 2022
Genre: Deathcore
Location: Canada
Facebook: https://facebook.com/nylistofficial
Instagram: https://instagram.com/nylistofficial

Track-list:
1. No Soul (ft. Pablo Viveros of Chelsea Grin & Koko of Oceano)
2. Broken Glass (ft. Mark Heylmun of Suicide Silence)
3. Apart
4. (Sensory Overload)

Credits:
Recorded and Produced by Fred Nylist
EP Artwork by Hand Rot Art

 

RIFF CULT : Spotifyプレイリスト「All New Deathcore」

 

RIFF CULT : YouTubeプレイリスト「All New Deathcore」

Darko US、進化し続けるニューメタルコア・サウンドに注目! 新曲「Acid Inject」リリース!

 

Darko US : Chelsea Grinで活躍するTom BarberとEmmureで活躍したJosh Millerによるニューメタルコア/ニューデスコア・ユニット、Darko USが新曲「Acid Inject」をリリースしました。これまで鳴らしてきたニューメタルコア/デスコア・サウンドに加え、ダンサブルなアプローチとブルータルなエッセンスを見事に融合させた一曲。2022年も彼らの挑戦から目が離せない。

 

Music Video : https://www.youtube.com/watch?v=CxDIVaqanSI

 

 

多くのメタルYouTuberがリアクションビデオをアップしているので、そちらも合わせてチェックしてみてほしい。

 

 

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=1VWmGfD9Fng

 

Mike Portnoyの息子が在籍するUSニューメタル・バンドTallahが新曲「Vanilla Paste」のミュージックビデオを公開!

Mike Portnoyの息子で、NEXT TO NONEでも活動するMax Portnoyが在籍するペンシルバニア州拠点のニューメタルバンド、Tallahが、新曲「Vanilla Paste」のミュージックビデオを公開しました。

 

この楽曲には、Fire From The GodsのAJ Channer、Chelsea Grin/Darko USのTom Barber、Guerrilla WarfareのGarett Hoodがフィーチャリング・ゲストとして参加しており、メタルコア、デスコア、そしてニューメタルコアのリスナーもチェックしておくべき楽曲だ。

 

Darko USが「Mars Attacks」のスタジオ・ライブパフォーマンスを披露!

ニューメタルコア・ユニット、Darko USが、「Mars Attack」のスタジオ・ライブパフォーマンスビデオをCaliber TVから公開しました。

 

Darko consists of Tom Barber from Chelsea Grin and Josh Miller from Emmure.

 

Audio Mixed and Mastered by Matt Thomas of Ashtone Audio:
https://www.facebook.com/AshToneAudio/

ex-Chelsea Grin,Emmureらのメンバーの新バンドDarko USが新曲「Pale Tongue」のミュージックビデオを公開!

 

Josh “Baby J” Miller、Chelsea GrinのTom Barberによるニューメタルコア・サイドプロジェクト、Darko USは新曲「Pale Tongue」のミュージックビデオを公開しました。

 

新しいヘヴィネス (11月13日配信)


Eximperituserqethhzebibšiptugakkathšulweliarzaxułum – Utpāda
ベラルーシの長名デスメタルバンド、略してEximperitusはWillowtip Recordsと契約し、アルバム『Šahrartu』を来年1月にリリースします。すでにバンドのオフィシャルbandcampで先行公開されている楽曲もありますが、本日公開された「Utpāda」は、エモーショナルなメロディックエレメンツを雄大に散りばめたリードトラックで、Eximperitusのポテンシャルを存分に引き出す事に成功した作品と言えるでしょう。

Chelsea Grin – Blind Kings
昨今のダンサブルなデスコアが心地良いChelsea Grinの新曲は、David Marshall、Stephen Rutishauser、Pablo Viveros、Thomas Barberの4名がバンドメンバーとしてクレジットされている。

INGESTED – Butchered and Devoured
既にブルータルデスメタルシーン、特にスラミング系を好むリスナーから高い支持を集めるINGESTEDが2007年にリリースした作品のリミックス/リマスター盤をUnique Leader Recordsから発売する事をアナウンス。タイトルは『Stinking Cesspool of Liquified Human Remnants』で、来年1月15日に公開される。強烈なボーカルワークと整理されたドラミングからは、2007年当時に盛り上がりを見せていたカオティックハードコア、例えばSee You Next TuesdayやIwrestledabearonceを彷彿とさせるインパクトに溢れている。

Ambers – Empty Vessel
ドイツ/ミュンヘンを拠点に2017年から活動するプログレッシヴメタルコアバンド、Ambersの新曲。昨年8月にリリースしたEP『Covariance』以降初となる新曲は、デスコアにも接近するヘヴィネスを搭載した重量級のリフと多彩なメロディを紡ぎ出すギターワークが鮮やかな1曲。
https://ambersband.de/