
ベラルーシ出身のポストブラックメタルバンド Dymna Lotva の音楽およびコンサート映像が、ベラルーシの裁判所により公式に「過激派資料(extremist materials)」として認定されたとバンド側が発表した。これにより、同国の法制度下でこれらのコンテンツに関与したとされる行為が刑事・行政責任の対象となる可能性が生じている。
発表によると、2025年12月5日にミンスク市の裁判所で行われた決定により、Dymna Lotva の音楽やライブ映像がベラルーシ政府の「共和リスト」上の過激派資料に追加された。同国文化省および情報省が定期的に公表しているこのリストには、ベラルーシ国内で違法とされる多数の著作物が含まれている。
同バンドはこの決定を受け、公式声明の中で所有するビデオや音源の一部が過激派資料と認定されたことを明らかにし、ベラルーシ国内に残るファンがこれらを視聴・共有・コメントした場合、それが数年前の「いいね」や投稿への関与であっても、法的な処罰の対象となる可能性があると指摘している。バンドは自身の公式プレイリスト内に、当該の「過激派」とされたコンテンツをまとめて提示している。
Dymna Lotva はベラルーシでの公演が禁止された後、幾度かの刑事告発を受け、数年前に母国を離れポーランドを拠点として活動している。一連の指定は、同国での独立した文化・芸術活動に対する圧力の一例として現地外からも報じられている。
バンドは声明の中で、過激派資料として扱われたことを「現実の問題」とした上で、自らの音楽の表現やメッセージに誇りを持っているとし、ベラルーシ国内で表現の自由が制限されている状況を強調している。彼らはポーランドでの安全な環境の下で活動を継続しつつ、抑圧される声を代弁する役割を自認している.