
イギリス・ロンドンを拠点に活動するマスコア・バンド、PUPIL SLICER (パピル・スライサー) が、Gear Godsを通じて、「Momentary Actuality」のベース・プレイスルーを公開しました。ベーシストのLuke Fabian (ルーク・ファビアン)が、イギリスのBoomtownとArcTanGentで開催されるフェスティバルへの出演を前に、曲の創作プロセスについて語っている。「Momentary Actuality」は、全米ビルボード・チャートにランクインした彼らのセカンド・アルバム『Blossom』の収録曲で一際異彩を放つ楽曲だ。
このプレイスルーについて、ルークはこうコメントしている:
「”Momentary Actuality”は比較的短い曲ですが、様々なパートがあり、アルバムのトラックリストにおいて慎重に配慮して配置されていると感じています。同様に、各曲のベース・パートにもそれを反映させようとしています。メインのリフにはオクターブを使って厚みを持たせ、マスコア・タイプの「ヴァース」ではスラップを使い、サビではメロディアスでアルペジオな進行を使い、中間部では不協和音のコードを使ってパニック的なギターのコードを厚くしているんだ。この曲はライヴで演奏するにも、バッキング・ヴォーカルをとるにも楽しい曲なんだ」。
この曲は『Blossom』からリリースされた3枚目の先行シングルであり、ライブにおけるセットリストの確固たる定番に成長した。このプレイスルーは、今年5月のBorisとのツアー中、オランダのハールレムのパトロナートで撮影されたもの。この5弦アーニーボール・ミュージックマン・スティングレイのチューニングはAEADGだ。(5 string Ernie Ball MusicMan Stingray, tuned AEADG.)
PUPIL SLICERの『Blossom』の主な作詞者であるKate Davies (ケイト・デイヴィス)は、別世界の物語を通して個人的な経験を伝えるストーリーを作り上げている。異星人由来の冒涜的な信号をきっかけに、アルバムは主人公が星降る夜空の下で現実を見失うところから始まる。その後に続くのは、万華鏡のような、すべてが見かけ通りではない別の存在次元を旅する物語である。物語は最終的に、終盤の静けさの中で、再出発の機会への希望の種を蒔く、という結末を迎える。
2020年の『Mirrors』は非常に生々しい、伝記的な歌詞のアルバムだったが、『Blossom』では、Kateは自分たちが生きてきた経験と10曲を通して展開される物語を巧みに融合させている。これらの物語は、ドラムのJosh Andrews (ジョシュ・アンドリュース)、ベースのLuke Fabian、そして元ライブ・ギタリストのFrank Muir (フランク・ミュア)による、激しく複雑で巧みなリズムのバックボーンによって支えられている。幻想的なフィクションのプリズムを通して語られる、直感的な表現とカタルシスをもたらすエネルギーは、これまでと同様に感じられる。
プロデューサーのLewis Johns (ルイス・ジョーンズ)との1ヶ月に及ぶスタジオでの作業は、彼らの核となるものを見失うことなく、幽玄な歌声、エレクトロニックなブレイクダウン、大胆な実験性を取り入れた、まとまりのある自信に満ちたサウンドのアルバムへと導いた。暗黒と絶望の中にあっても、彼らの活動には常に、少なくとも、”光のきらめき”がある。Nine Inch Nails (ナイン・インチ・ネイルズ)、Deafheaven (デフヘヴン)、Radiohead (レディオヘッド)、そしてBotch (ボッチ)といった様々な音楽からの影響を受けながら、PUPIL SLICERは、情熱に満ち溢れながらも、良いフックとキャッチーなコーラスから逃げないアルバムを作り上げた。