オーストラリア・ブリスベンを拠点に活動していたDollarosaが、Made Wrongへとバンド名を変更し、ニューシングル「Summer Wars」をリリースした。2018年にライブ活動から距離を置いて以降、さまざまな障害によって新たな作品の制作が遅れていた彼らにとって、本格的な再始動を告げる楽曲となる。
Made Wrongの前身となるDollarosaは、2010年代半ばにブリスベンのヘヴィミュージック・シーンで活動。CrowbarやMiami Shark Barなどの会場へ出演し、2012年にはEP『The Never Ending Unfamiliar』を発表した。
同作をきっかけに活動の幅を広げ、Story Of The Year、Funeral For A Friend、Flyleafらのサポートも経験。オーストラリア国内だけでなく日本でもライブを行うなど、活動範囲を拡大していった。
しかし、2018年には新たな作品の制作に集中するためライブ活動を休止。その後、新型コロナウイルスのパンデミックを含む複数の問題が重なったことで計画は大幅に停滞した。それでも活動を終えることはせず、長年共有してきた経験を基盤にバンド自体を再構築し、Made Wrongという新たな名前で再出発することを決めた。
その第一歩となる「Summer Wars」は、Underoath、Finch、Thriceなど2000年代のポストハードコアを思わせる生々しいエネルギーを持ちながら、静かなパートと激しい展開を行き来するダイナミックな楽曲となっている。
歌詞はボーカリスト Lachlan Dann自身の経験に基づいており、終末期の病気と闘う大切な人を介護しながら感じた悲しみや無力感を描いたもの。愛する人を危険や苦しみから守りたいと願いながらも、愛だけではすべてを救うことができないという現実との葛藤が中心に据えられている。
楽曲には悲しみ、罪悪感、苛立ちだけでなく、共に過ごした時間の喜びや、最後まで一人にはさせないという思いも込められた。誰かを失うことが避けられないと分かっていても、その人をつなぎ止めようとする感情を通じて、大切な人のために自分ができることの限界にも向き合っている。
Dannは歌詞に登場する「you are my star」という言葉について、亡くなった人物を偲んで実際にその人の名前が付けられた星と結びついていると説明している。同時に、誰かが亡くなった後も、その存在が人生を照らす光として残り続けるという意味も込めたという。
そうしたテーマは楽曲のサウンドにも反映されており、抑制されたメランコリックな場面から感情を爆発させる激しいパートへ移行する構成を採用。Made Wrongとしての新たなスタートと、バンドがこれまで積み重ねてきたポストハードコアのルーツを同時に示す一曲となっている。
