オーストラリア・パースを拠点に活動するメロディックパンク・バンド、The Decline (ザ・ディクライン) の来日ツアーを2026年9月30日から10月4日にかけて開催することが決定しました!バンドはこれまでに来日経験がありますが、今回が初のヘッドライナーツアー。そして、結成20周年を迎えたメモリアル公演となります。
90年代スタイルのメロディックパンクをベースにしたサウンドで、Frenzal Rhomb、NOFX、Lagwagon、Descendents、Less Than Jake、初期Propagandhiといったバンドからの影響を受けております。
▶︎TOUR SCHEDULE & TICKETS
9月30日(水曜日) : 初台WALL
10月1日(木曜日) : 鶴舞DAYTRIP
10月2日(金曜日) : 大阪・Yogibo HOLY MOUNTAIN
10月4日(日曜日) : 高円寺ROOTS
▶︎MUSIC VIDEOS
▶︎詳細なバイオグラフィー
THE DECLINE(ザ・ディクライン)は、オーストラリア西部の都市パースを拠点に活動するスケートパンク/メロディック・パンク・バンド。高速で疾走感のあるビート、キャッチーなメロディ、複数のメンバーによるボーカルとコーラス、ユーモアを交えながら社会や日常生活を描く歌詞を特徴としている。
Frenzal Rhomb、Bodyjar、NOFX、Lagwagon、Descendents、Less Than Jake、Propagandhiといった、1990年代を中心に活躍したパンク/スケートパンク・バンドから強い影響を受けており、オーストラリアのパンクシーンに根差しながら、アメリカ、ヨーロッパ、イギリス、日本、メキシコ、中南米など、世界各地でツアーを行ってきた。
結成と初期の活動
THE DECLINEは2005年、西オーストラリア州パースで結成された。中心となったのは、学生時代からの友人だったPat Dolin(のちのPat Decline)、Dan Cribb、James “Doody” Daviesの3人である。
なお、バンドの公式Bandcampでは結成年を2006年としているが、所属レーベルPee Recordsと詳細な活動記録では2005年結成とされているため、本稿では2005年を結成年として扱う。
結成当初のTHE DECLINEは、パース周辺の小規模なパンク・ショーに数多く出演しながら経験を積んでいった。初期の重要な出来事のひとつが、2007年12月8日にパースのClub Capitolで行われたFrenzal Rhomb公演への出演である。当時、メンバーは全員未成年だったが、年齢を偽って出演したという逸話が残されている。
2005年から2008年にかけては、John KnowlesやJames Bajrovicがギタリストとして参加。2008年4月にはNathan Cooperが加入し、同年、バンド初のEP『The Same Kind』を自主制作で発表した。
『I’m Not Gonna Lie To You』と本格的な活動の開始
2009年8月、THE DECLINEはアメリカ・コロラド州フォートコリンズへ渡り、名門スタジオThe Blasting Roomでデビュー・アルバムのレコーディングを行った。
制作を担当したのは、Descendents/ALLのドラマーとして知られるBill Stevensonと、The Blasting RoomのJason Livermore。数多くのパンク作品を手がけてきた両者とのレコーディングは、THE DECLINEの高速かつメロディックなサウンドを形作る重要な経験となった。
完成したファースト・アルバム『I’m Not Gonna Lie To You』は、2010年3月19日に自主リリースされた。同作の発表をきっかけに、バンドはパース以外の都市にも活動を広げ、本格的なオーストラリア国内ツアーを開始する。
アルバム発売直前の2010年3月、オリジナル・ドラマーのJames Daviesが脱退。彼にとって最後の公演は、パースのAmplifier Barで行われたNo Fun At AllとThe Flatlinersのサポート公演だった。その後、Harryが新ドラマーとして加入し、2010年4月に行われた『I’m Not Gonna Lie To You』のリリースツアーからバンドに参加した。
同年6月から7月にかけては、ニューカッスルのスケートパンク・バンドLocal Resident Failureとともに「The Pinkeye Tour」を開催。南オーストラリア州、ビクトリア州、ニューサウスウェールズ州を巡り、大都市だけでなく地方都市でも公演を行った。
Pee Recordsとの契約と海外進出
2011年、THE DECLINEはオーストラリアのパンク/ハードコア・レーベルPee Recordsと契約。同年9月23日、セカンド・アルバム『Are You Gonna Eat That?』を発表した。
同作では、Pat DeclineとDan Cribbによる掛け合いのボーカル、スピード感のある演奏、攻撃性と親しみやすさを併せ持ったメロディが、より明確な形で打ち出された。レビューでは、両者のデュアル・ボーカルが楽曲に力強さを与えている点や、初期The Offspringを思わせるギターとダークなトーンなども指摘されている。
『Are You Gonna Eat That?』の発表後、バンドは大規模なオーストラリア国内ツアーを展開。2013年には初の本格的な海外ツアーを行い、ヨーロッパに進出したほか、Useless IDやImplantsとともに日本でもツアーを行った。同年11月には、地元西オーストラリア州の音楽賞West Australian Music Awardsで「Punk Act of the Year」にノミネートされ、パースを代表するパンク・バンドのひとつとして評価を高めていった。
Soundwave Festival出演と『Can I Borrow A Feeling?』
2014年3月3日、THE DECLINEはパースで開催された大型フェスティバルSoundwave Festivalに出演。Less Than JakeやAlkaline Trioらと同じステージに立った。
この公演でバンドは、クラウドファンディングによって制作する新作EP『Can I Borrow A Feeling?』を発表し、「Yahweh or the Highway」「Cool Kids Can’t Die」といった新曲を披露した。『Can I Borrow A Feeling?』は2014年4月18日にリリースされ、バンドは同作を携えたオーストラリア全国ツアーを行った。
大幅なメンバー交代と『Resister』
2015年1月、バンドに大きな転機が訪れる。結成メンバーであり、ベースとボーカルを担当していたDan Cribbと、2008年からギターを担当していたNathan Cooperが脱退した。
その数日後、Pat Declineは、以前からバンドと親交のあったBen ElliottとRay Chiu、通称Ray Rayが、それぞれギター/ボーカルとベースを担当することを発表。Pat Decline、Harry、Ben Elliott、Ray Rayという新体制で、サード・アルバムの制作を開始した。このメンバー構成は2015年以降、THE DECLINEの中心的なラインナップとなっている。
新体制による最初のシングルとして「Giving Up Is A Gateway Drug」を発表し、続いてBodyjarのCameron Bainesをゲスト・ボーカルに迎えた「I Don’t Believe」をリリース。Local Resident Failure、Guttermouth、Frenzal Rhombらとの公演を含むオーストラリア国内ツアーを行った。
2015年6月12日、サード・アルバム『Resister』をPee Recordsから発表。同作はアメリカではBird Attack Records、ヨーロッパではFinetunes、日本ではBells On Recordsを通じて流通し、THE DECLINEの存在を国際的に広める作品となった。
『Resister』ワールドツアー
『Resister』発表後、THE DECLINEは世界規模のツアーを開始した。
ヨーロッパではPunk Rock Holiday、Brakrock EcoFest、KNRD Fest、Dumb & Dumber Fest、Resurrection Fest、Rebellion Festivalなど、数多くのパンク/ロック・フェスティバルに出演。Teenage Bottlerocketのヨーロッパ公演にも参加した。
アメリカではフロリダ州ゲインズビルの大型パンクイベントThe Festを含むツアーを行い、日本ではUseless ID、Versus The Worldらと共演。メキシコではA Wilhelm Screamのツアーをサポートし、その後、オーストラリアでも同バンドのサポートを務めた。
2015年にはWest Australian Music Awardsの「Best Punk/Hardcore Act」にノミネート。翌2016年には「I Don’t Believe」がWAM Song of the Yearの「Punk Song of the Year」に選出候補としてノミネートされた。また、2016年3月にはPat Declineが、Strung Outとのオーストラリアツアー中のPEARSにサポート・ベーシストとして参加している。
2016年夏には『Resister』に伴う2度目のヨーロッパ/イギリス・ツアーを実施。The FlatlinersやFair Do’sらと共演したほか、その後はMakeWarとのアメリカツアー、Local Resident Failureとのオーストラリア東海岸ツアー「The Pinkeye Tour: Round 2」へと続いた。同年にはTeenage Bottlerocketの故Brandon Carlisleに捧げられたトリビュート作品に参加し、「Can’t Quit You」をカバーしている。
2017年にはシングル「Can’t Have Both」がWAM Song of the Yearのパンク、メタル、ポップの3部門にノミネートされた。同年6月にはオランダのJera On Airに出演し、ドイツとオランダでCJ Ramoneをサポート。8月にはDirect Hitとのオーストラリア共同ツアーを行い、その後はアメリカ西海岸を巡った。さらに同年10月には「We Are One Tour」に参加し、Face To Face、Ignite、The Fullblast、Much The Sameらとともに、ブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルー、コロンビア、コスタリカを巡回。活動範囲を南米にまで広げた。
『Flash Gordon Ramsay Street』
2019年、THE DECLINEは次のアルバムに向けた活動を本格化させた。同年に発表されたシングル「Verge Collection」には、Bad Cop/Bad CopのStacey Deeがゲスト・ボーカルとして参加。この時期、ドラマーのHarryがマウンテンバイクの事故で腕の骨折と肩の脱臼を負ったため、オーストラリア国内ツアーではThe Bob GordonsのJosh Barkerが代役を務めた。
2019年8月30日、4枚目のスタジオ・アルバム『Flash Gordon Ramsay Street』をPee Recordsからリリース。アルバム・タイトルは、アメリカン・コミックのキャラクター「Flash Gordon」、イギリスの料理人Gordon Ramsay、オーストラリアの長寿テレビドラマ『Neighbours』の舞台「Ramsay Street」を組み合わせた、THE DECLINEらしい言葉遊びとなっている。収録曲「War」には、A Wilhelm ScreamのNuno Pereiraがゲスト・ボーカルとして参加した。
同作はヨーロッパでBearded Punk Records、イギリスでDisconnect Disconnect Records、北米でThousand Islands Recordsから流通。これに伴い、それまでアメリカで作品を扱っていたBird Attack Recordsとの契約は終了している。アルバム発表後、Nerdlingerをサポートに迎えたオーストラリアツアーを開催。翌2020年にはヨーロッパのフェスティバル出演やLagwagonのサポートが予定されていたが、新型コロナウイルスの世界的流行により延期を余儀なくされた。
パンデミック期の活動
2020年、THE DECLINEはデビュー・アルバム『I’m Not Gonna Lie To You』を初めてアナログレコードとして再発。また、アメリカのSic Waitingとのスプリット7インチ『Year Of The Crow / Stay Awake』を発表し、両バンドがそれぞれ2曲ずつ提供した。2021年には『Are You Gonna Eat That?』の発売10周年を記念し、12インチのピクチャー・ディスクとして再発している。
延期されていたヨーロッパツアーは2022年8月に実現。Lagwagon、Mad Caddies、Get Dead、Useless ID、Belvedere、Anti-Flag、The Flatlinersらの公演に出演し、THE DECLINEにとって初めてとなるスカンジナビア公演も行われた。このツアーでは、No Use For A Nameの中心人物Tony Slyの死去から10年を迎えたことを受け、毎晩「The Answer Is Still No」をカバー。後にスタジオ録音版もデジタル配信された。
Nerdlingerとの“クリスマス曲騒動”
2022年12月23日、THE DECLINEと同じくPee Recordsに所属するNerdlingerは、それぞれ同じ歌詞を使ったクリスマス・シングルを発表した。
その後、両バンドはSNS上で、自分たちこそが歌詞の本来の作者であり、相手が盗用したと主張する投稿を展開。オーストラリアの歌手Shannon Nollまで登場し、双方に仲直りするよう呼びかける映像が公開された。
最終的には2023年1月、Pat DeclineとNerdlingerのScott McNairnが握手する写真が投稿され、両者は「再び友達になった」と発表した。実際には、両バンドとレーベルによるユーモアを交えたプロモーション企画だったと考えられる。
『Magical Misery Tour』
2023年8月25日、THE DECLINEは『Magical Misery Tour』をPee Recordsから発表した。
本作は通常の完全新作アルバムというよりも、2015年から2023年にかけて発表されたアルバム未収録シングル、スプリット作品、コンピレーション提供曲、パンデミック中に録音された楽曲などを集めたコレクション・アルバムである。
タイトルはThe Beatlesの『Magical Mystery Tour』をもじったもので、「魔法のミステリー・ツアー」ではなく、「魔法のように悲惨なツアー」を意味するTHE DECLINEらしい皮肉とユーモアが込められている。
Pat Declineは制作背景について、州境が封鎖されて退屈していたため、ポテトチップス、危うい人生の選択、自分の飼い猫などについて曲を作り、レコーディングすることにしたと説明している。
アルバムには、Sic Waitingとのスプリットに収録された「Year Of The Crow」、非接触型の料理配達を題材とした「Fast Food」、Nerdlingerとの騒動につながった「I Never Cared About Christmas…」などが収録された。
新曲「Hillsong Of The Damned」には、バンドが結成当初から大きな影響を受けてきたFrenzal RhombのJay Whalleyがゲスト・ボーカルとして参加している。
大部分の楽曲はBrody SimpsonとMark McEwenがUnderground Studiosでプロデュース、ミックス、レコーディングを担当。Daniel Antix、Adam Round、Sam Allenらも一部楽曲の制作に携わり、アルバム全体のマスタリングはDaniel Antixが担当した。
2023年11月には「The Most Expensive Chips I’ve Ever Had」のミュージックビデオを公開。世界各地のスケートパンク・バンドがカメオ出演する、国際的なパンクコミュニティとのつながりを象徴する作品となった。
近年の活動
2024年5月、THE DECLINEはカナダのスケートパンク・バンドBelvedereのオーストラリアツアーをサポートした。2025年には、Holden Sheppardの小説を原作とするオーストラリアのテレビドラマ『Invisible Boys』に、THE DECLINEの「A Crash Course In Emotional English」と「The More You Know」が使用された。これにより、バンドの楽曲はライブハウスやパンクシーンの枠を越え、映像作品を通じても紹介されることになった。
2026年2月にはAuthority Zeroのオーストラリアツアーをサポート。このツアーではFrenzal RhombのDal Failureがギター/ボーカルの代役として参加した。
音楽性と歌詞
THE DECLINEの音楽的な基盤となっているのは、1990年代型のスケートパンクとメロディック・パンクである。
テンポの速いドラム、細かく刻まれるギター、短い時間の中で次々と展開する楽曲構成、耳に残るメロディ、複数のボーカルが交差するコーラスワークを特徴としている。Frenzal RhombやBodyjarといったオーストラリアの先輩バンドに加え、NOFX、Lagwagon、Descendents、Less Than Jake、Propagandhiなど、北米のパンク・バンドからの影響も公言している。
一方で、単に1990年代のスタイルを再現しているだけではない。社会的な問題、宗教、政治、消費文化、人間関係、精神的な疲労、日常生活での失敗や違和感などを扱いながら、深刻になりすぎないユーモアと自虐的な視点を加えている。
曲名やアルバム・タイトルにも、映画、テレビ番組、ポップカルチャー、インターネット文化などを題材とした言葉遊びが多い。シリアスな社会意識と、くだらなさを恐れないユーモアが同居していることが、THE DECLINEを特徴づける重要な要素である。
世界各地で築いた評価
THE DECLINEは、オーストラリア国内で長年活動を続けるだけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、イギリス、日本、メキシコ、コスタリカ、ブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルー、コロンビアなどを巡り、国際的なスケートパンク・シーンとの関係を築いてきた。
これまでにFace To Face、Ignite、CJ Ramone、A Wilhelm Scream、Lagwagon、The Flatliners、Teenage Bottlerocket、Useless ID、Belvedere、Direct Hit、Much The Same、Versus The World、Local Resident Failure、MakeWarなど、世界各国のパンク・バンドとツアーや共演を重ねている。
大手レーベルやメインストリームの音楽産業を中心とするのではなく、各地域のインディペンデント・レーベル、ライブハウス、フェスティバル、バンド同士のネットワークを通じて活動範囲を広げてきた点も、THE DECLINEの歩みを象徴している。
地理的に他の主要都市から離れたパースを拠点としながら、継続的なツアーと作品発表によって世界各地に支持を広げたTHE DECLINEは、現代のオーストラリアン・スケートパンクを代表する存在のひとつである。
主な作品
スタジオ・アルバム
* 『I’m Not Gonna Lie To You』(2010年)
* 『Are You Gonna Eat That?』(2011年)
* 『Resister』(2015年)
* 『Flash Gordon Ramsay Street』(2019年)
コンピレーション/コレクション・アルバム
* 『Magical Misery Tour』(2023年)
EP
* 『The Same Kind』(2008年)
* 『Can I Borrow A Feeling?』(2014年)
主なスプリット作品
* 『4 Way WA Punk Split 7″』(2013年)
* 『Great Thieves Escape 3』(2016年)
* 『Local Resident Failure Vs The Decline』(2017年)
* 『Year Of The Crow / Stay Awake』(Sic Waitingとのスプリット、2020年)
