スウェーデンを拠点に活動するデスコア・バンド、The Hate Projectが新作EP『Blessed With Malevolence』をリリース、収録曲「Needle Fanatic」のミュージックビデオを公開しました。この楽曲は、人間のダークサイドを掘り下げ、中毒というテーマについて探求している。
スウェーデンを拠点に活動するデスコア・バンド、The Hate Project が新曲「Blessed With Malevolence」のミュージックビデオをSeek & Strike から公開しました。ブラッケンド・デスコアとして知られる彼らですが、その枠に拘らない、キャッチーさを持ち合わせており、本楽曲も中盤から後半にかけてのダークなビートダウン、暗黒のアトモスフィアが素晴らしいです。
“ブラッケンド・デスコア”という、デスコアのサブジャンルについては、2017年に執筆した『デスコアガイドブック』の中でも触れていた。有名どころでいえばLorna ShoreやA Night in Texasなどが挙げられると思うが、バンド活動に安定感がなく、ブラッケンド・デスコアというシーンを牽引していける存在として活躍しているかと言えば疑問だ。ただ、彼らの登場に刺激を受け、アンダーグラウンドではブラッケンド・デスコアバンドとして少しずつファンベースを拡大しているバンドもいる。ここでは、2021年にニューアルバムをリリースした、または計画があるバンドを中心に最先端のブラッケンド・デスコアがどうなっているか、彼らはそれぞれにどんな特徴があるのかをチェックしていこうと思う。
Mental Cruelty – A Hill To Die Upon
2014年からドイツの都市、カールスルーエを拠点に活動するブラッケンドデスコア/スラミング・デスコアバンド。2018年にセカンド・アルバム『Purgatorium』をRising Nemesis Recordsからリリースすると、それまでアンダーグラウンドのデスコア・コミュニティ内に留まっていた人気がワールドワイドなものに拡大。2019年からはUnique Leader Recordsと契約を果たし、アルバム『Inferis』を発表。ブルータルデスメタルやデスコアという枠を超え、メインストリームのエクストリーム・メタルシーンにおいてもその名を轟かせた。彼らのブラッケンド成分は、作り込まれたオーケストレーションと、ファストに疾走するブラストパートのコントラストにあるだろう。これらは、彼らが得意とするダウンテンポ・パートの破壊力を倍増させる為にも聴こえるが、それにしてはクオリティが高い。このパートのみで楽曲を作れば、Century Media RecordsやMetal Blade Recordsのブラックメタル勢にも食らいつける実力があるようにも思う。5月にリリースが決まっている新作『A Hill To Die Upon』は、クリーン成分もあり、ステップアップのきっかけになりうる作品になることは間違い無いだろう。
イタリア/ミラノを拠点に2014年から活動するダウンテンポ・デスコア/ブラッケンド・デスコア、Drown In Sulphur (ドローン・イン・サルファー)。もともとはOceans Ate Alaskaがダウンテンポ・デスコアをプレイしたかのようなエクスペリメンタルなスタイルを得意としていたが、2019年にドラマーDomenico Francesco Tamila以外のメンバーが脱退。以降はコープスペイントを施した強烈なヴィジュアルで、ストレートなメロディック・デスコアへと傾倒していく。このメロディック感がDark Funeralなどを彷彿とさせ、彼らをブラッケンドと呼ぶ所以になっている。ところどころニューメタルコアのようなワーミー・フレーズも組み込んでいて、洗練されればなかなか面白いサウンドをプレイするようになるかもしれない。ちなみに2019年に脱退したMattia Maffioli、Max Foti、Simone Verdeは新たにDefamedを結成。こちらもデスコアシーンでは注目を集めるバンドのひとつに成長している。
スウェーデンの都市、カルマルを拠点に活動するブラッケンド・デスコア。2019年から本格始動ということで、まだまだアンダーグラウンドでの人気に留まっているが、彼らも注目しておきたいバンドのひとつだろう。今年2月にリリースされたデビューアルバム『Seize the Obscurity』は、同郷のVildhjartaやHumanity’s Last BreathにあるようなThall成分が豊富で、アトモスフェリックさも個性的。シンプルすぎるバンド名も、得体の知れない邪悪さがあってサウンドとマッチしている。