異彩を放つテクニカル/プログデス”Artificial Brain”、宇宙的恐怖と人間の変容描くニューアルバム『Antillia』11月リリースへ! 新曲「Quantum Malignancies」公開

Artificial Brainが、4thフルアルバム『Antillia』を2026年11月13日にProfound Lore Recordsからリリースすることを発表した。あわせて、アルバムからの第1弾シングル「Quantum Malignancies」を公開している。

『Antillia』は2022年のセルフタイトルアルバム『Artificial Brain』以来、約4年ぶりとなるフルアルバム。これまでニューヨークを中心に活動してきたバンドは現在、ヴァージニア州リッチモンドへ新たな拠点を置き、Inter Armaでも活動するMike Paparoをヴォーカル、BattlemasterのAlex Tomlinをドラムに迎えた新体制へ移行した。

現在のラインナップには、ギターのDan GargiuloとOleg Zalman、ベースのSamuel Smithも参加。2014年作『Labyrinth Constellation』、2017年作『Infrared Horizon』、2022年作『Artificial Brain』で築いてきた一連のSF的世界観を経て、『Antillia』から新たな章へ踏み込む。

バンドは新作を、これまでで最も短く、最も攻撃的なアルバムと説明。テクニカル/プログレッシブなデスメタルを軸に、ブラックメタル的な質感、激しいブラストビート、錯綜するギターソロ、霞がかったようなアンビエント要素を組み合わせながら、作品全体にはメランコリックで喪失感を帯びた空気が流れているという。

全9曲では、宇宙的恐怖、侵略、汚染、病、変容などが繰り返し描かれる。空から降り注ぐ未知の病、土壌や水を汚染する物質、癌を引き起こす医療用ナノボット、地球上の政府へ干渉する異星の存在などを通して、人類が宇宙という未知の領域の中で変質していく姿を描いた。

第1弾シングル「Quantum Malignancies」について、ベーシストのSamuel Smithは、『Antillia』における変化と、これまでのArtificial Brainから続いている部分の両方を表している楽曲だと説明している。

冒頭にはMiasmatic NecrosisのPaulo Paguntalanによるガテラルヴォーカルが入り、中盤にはArtificial Brainらしい物悲しいアルペジオを配置。新加入したMike PaparoとAlex Tomlin、そしてIan Jacyszynによるミックスによって、これまで以上に即時性のあるサウンドが生まれ、終盤では2本のギターによるソロへと展開する。

Paparoは歌詞について、『Antillia』では宇宙とその恐怖、未知なるものに対する人間の闘いを描きたかったとコメント。「Quantum Malignancies」では、人類社会をより良い方向へ変え得る技術が登場するものの、権力者によって歪められ、最終的に計画的な大量人口減少へ利用されていく物語が描かれる。

本作のレコーディングとミックスはIan Jacyszynが担当し、マスタリングはKrallice、Gorgutsなどでも知られるColin Marstonが手掛けた。アートワークはFleshfliesが制作している。

また、Paulo Paguntalanは過去のArtificial Brain作品にも継続して参加してきた人物で、今回の『Antillia』にもゲストヴォーカルとして登場。「Quantum Malignancies」の冒頭から、新体制とバンドの過去をつなぐ役割を担っている。

2014年の『Labyrinth Constellation』から始まった作品群を経て、新たなメンバー、新たな拠点で制作された『Antillia』。これまでの宇宙的デスメタルという核を残しながら、より攻撃性と即時性を強めた全9曲が収録される。

『Antillia』収録曲

1. The Wandering Star Prion
2. Quantum Malignancies
3. Obsidian Agents
4. Deciphering the Anachronistic Tongues of the Relic Satellites
5. Planet: Carrion
6. Against the Furthest Reaches of the Light
7. Cosmic Death Church
8. Solar Ark
9. Antillia (in Chromatic Aberration)

「Quantum Malignancies」
2026年9月21日リリース
Profound Lore Records

『Antillia』
2026年11月13日リリース
Profound Lore Records

Pre-order

https://linktr.ee/artificialbrain

Bandcamp

https://artificialbrain.bandcamp.com/album/antillia

テクニカル・デスメタル 2022年の名盤TOP11 (後編)

2022年にリリースされたテクニカル・デスメタル (Technical Death Metal) の中から年間ベスト・アルバムをピックアップしアルバムレビュー。前編に続き後編です。どうしても合計20枚に絞ることが出来ず、21枚という中途半端な数字ですが、全部チェックして欲しいくらい、今年は名作が多かったです! 過去に執筆したテクニカル・デスメタルの年間ベストもお時間ありましたら読んでみて下さい。

 

テクニカル・デスメタル 2022年の名盤TOP10 (前編)

テクニカル・デスメタル 2021年の名盤15選

テクニカル・デスメタル 2020年の名盤 10選

 

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Psycroptic — Divine Council

4年振りのリリースとなった8枚目フルレングス。近年のPsycropticはダイナミズムを追求しようとせず、ミニマルなスタイルへと静かにアップデートを続けてきた。派手な装飾をそぎ落とし、スラッシュメタルやオールドスクール・デスメタルの持つ純然たるグルーヴを老練のテクニックでスタイリッシュに生み出してきた。アルバムのオープニングを飾る「Rend Asunder」に代表されるようなスラッシーな刻みを主体とした楽曲が大半を占めており、聴き心地を徹底的に追求したテクスチャーの良さは格別。エンディングの「Exitus」までPsycropticの持てる才能を発揮したベテランならではの仕上がり。

 

 

 

Deathbringer — It

2001年ベラルーシ・グロドノで結成。AmentiaやDisloyalなどにも在籍するギタリストArtem Serdyukによって立ち上げられ、セカンド・アルバムとなる本作までにボーカリストMario、Posthumous Blasphemerに在籍した経歴を持ち、AmentiaでArtemとバンドメイトだったAlexander、Disloyalなどで活躍したドラマーKrzysztofというラインナップになり、Unique Leader Recordsと契約。一般的なデスメタルの展開の概念をぶち壊し、ドラマ性を徹底的に排除。アヴァンギャルドでテクニカルな不協和音をふんだんに散りばめ、暴力的に駆け抜けていく。

 

 

 

Origin – Chaosmos

1997年からカンサス州を拠点に活動するテクニカル・デスメタル・バンド、Origin が通算8枚目のスタジオ・アルバム。Nuclear Blast Blast/Agonia Records からリリースされ、Robert Rebeckがミックス、Colin Marstenがマスタリングを務めている。アルバムのタイトルトラックはミュージックビデオにもなっており、これぞOriginとも言うべきサウンドに圧倒されるだろう。やはりなんと言ってもドラマーJohn Longstrethのプレイは独特。絶妙に揺れるリズムの妙も取り入れ、細やかなシンバルワークとスネア、ソフトなタッチで叩き込まれるJohnの高等技術は素晴らしい。

そしてPaul Ryanのリフは粘着質で現行のブルータルデスメタルやデスコアといったヘヴィ系ジャンルとは逆をいくクラシックな仕上がり。それでこそ際立つメロディの粒立ちの良さはJohnの細やかなシンバルワーク、そしてMikeのフィンガースタイルのベースプレイとうまく絡む。やはり彼らがテクニカル・デスメタルを極めてきた中で、このプロダクションが最良だと感じているのだろう。「Ecophagy」は『Antithesis』以降のOriginらしい一曲。デスメタリックなメロディにエモーショナルな香りは一切感じない、ただどこかクラシカルに響く瞬間があり面白い。圧倒的なブラストビートの上にスウィープを炸裂させるスタイルはOrigin節と言える。

全体的に派手さはなく、目新しいこともしていないが、聴けば誰しもがOriginであると一発でわかる確かなオリジナリティは健在。なかなか個性を発揮するのが難しいジャンルの中でクローンと呼ばれるようなスタイルを持つバンドは思い浮かばない。

 

 

 

Artificial Brain — Artificial Brain

2011年ニューヨーク・ロングアイランドで結成。この作品が3枚目のアルバムで、RevocationのギタリストDan Gargiulo、ベーシストSamuel Smith、ドラマーKeith Abrami、ギタリストのJon LocastroとOleg Zalmanの5人で制作された。それぞれにFawn Limbs、Pyrexia、Pyrrhon、Severed Saviorなどで活躍した腕利きのミュージシャンであり、それぞれの驚くべき造詣意欲が生み出すサウンドは、デスゲイズ的な開放感にテクニカルなプログレッシヴ・フレーバーがふわりと覆い被さる、アーティスティックな仕上がり。

 

 

 

Soreption — Jord

4年のスパンでコンスタントにアルバムリリースを続ける彼らの4枚目フルレングスは、再びUnique Leader Recordsと契約して発表された。Mikaelが脱退し、ギタリスト不在の3ピースとなっているが、Ian Wayeを中心に多彩なゲストが参加し、メロディックなSoreptionサウンドに華を添えている。Archspireを彷彿とさせるショットガン・ボーカルは、リードトラック「The Artificial North」を筆頭にアルバムの中でもキーと言える存在感を放っている。心地良いグルーヴは確かなテクニックによって生み出され、後続のバンドにも大きな影響を与えている。

 

 

 

Exocrine — The Hybrid Suns

3年振りのリリースとなった4枚目フルレングス。プロデュースはギタリストのSylvainが担当、前作までに築き上げた「Exocrineサウンド」を一つ上のレベルへと押し上げる内容で、トータル34分とスッキリとした収録時間も上手く作用している。ミュージックビデオにもなっている「Dying Light」ではMatrassの女性ボーカルClémentineをフィーチャーし、ブラッケンド・デスコアにも接近。知的な神秘性を持ちつつ、バウンシーでフックの効いたリフやドラミングがファストに繰り広げられていく、自信に満ちた作品だ。

 

 

 

Inanimate Existence — The Masquerade

3年振りのリリースとなった通算6枚目フルレングス。メンバーチェンジもなく、アートワーカー、エンジニア共に前作から同じ布陣で量産体制に入ったInanimate Existence。インスピレーションの泉がこんこんと湧き出す彼らのアイデアは、ブルータルな小技が光るブラストビートとガテラルが印象的。First Fragmentを彷彿とさせるネオ・クラシカルなギターソロをたっぷりと組み込み、どこか「テクニカル&プログレッシヴ組曲」のような上品さが感じられる。「Into the Underworld」は彼らの魅力を端的に表現したフックの効いたキラーチューン。

 

 

 

Deadsquad — Catharsis

2006年からジャカルタを拠点に活動する中堅、DeadSquadの通算4枚目フルレングス。本作から新体制となり、元BurgerkillのボーカルViky、ギタリストのStevieとKaris、ベースShadu、元GerogotのドラマーRoyの5人で、オリジナルメンバーはStevieのみ。DeadSquadにとって大きな変革期を迎え放たれるサウンドは、うねるように奔放で波打つリフが華麗にテンポチェンジを繰り返し、スラムからテクニカルと目まぐるしく横断していく。親しみやすいフックの効いたブルータル・デスメタルの基本形を確かなテクニックで表現。

 

 

Darkside Of Humanity — Brace For Tragedy

Sleep Terror、Six Feet Underなど20を超えるバンドでドラムを務めるMarco Pitruzzellaと、同じくSix Feet Underに在籍し、Brain DrillやRings of Saturnでも活躍したギタリストJeff Hughell、元Severed SaviorのボーカリストDusty Boisjolieというアンダーグラウンド・スーパースターらのデビュー作。火炎放射器のように放たれるギターのタッピングの嵐、ベース、ピアノを兼任するJeffがグルーヴィなデスメタルの上で発狂するかのように繰り広げていく。ユニークで飽きない展開は流石だ。

 

 

Sonivinos — Sonicated Intravaginal Insemination In Numbers

フランス/ベルギーを拠点に活動するデスメタル・バンドHenkerに在籍していたギター/ボーカルStefとRyanのコンビが、テクニカル/ブルータル・デスメタル・シーンきっての多忙ミュージシャンであるベーシストJeff HughellとドラマーMarco Pitruzzellaの4人による多国籍バンドSonivinosのデビュー作。世界最高峰の技術を詰め込んだ音速ブラストビートとピッタリと寄り添いながらメロディアスに炸裂するベースの音色に驚愕。StefとRyanもそれを追い越すようにして咆哮しリフを刻み続けていく。これが人力とは俄かに信じ難い作品。

 

 

Brute — Essence Of Tyranny

1998年からプレショフを拠点に活動するベテラン、Bruteの通算4枚目フルレングス。唯一のオリジナル・メンバーであるŠtefan Tokárがギターを務め、本作から新たに加入したDominikがボーカル、Jaroがベースを担当し、ゲストドラマーにBatushkaやBelphegorのライブドラマーであるKrzysztof Klingbeinを迎えレコーディングされた。血濡れたブルータルなチェーンソーリフがデスメタリックに刻み込まれ、雪崩のように叩き込まれるドラミングとディープなガテラルが奥深いデスメタルの世界を演出。まるでアートワークをそのままサウンドキャンパスに描いたような仕上がり。