ラスベガスを拠点とするブラックンド・デスコアバンドOv Sulfurが、Slayerの「Disciple」をカバー。2026年9月10日にCentury Media Recordsからデジタルリリースし、ビジュアライザーも公開した。原曲「Disciple」は、Slayerが2001年9月11日にリリースした9thアルバム『God Hates Us All』の収録曲。今回のカバーは同作の25周年を記念して発表されたもので、Ov Sulfurの最新アルバム『Endless』と同じレコーディング・セッションで制作された。
ギタリストのChase Wilsonは、『God Hates Us All』が昔からお気に入りのSlayer作品のひとつだと説明。その中でも特に好きな「Disciple」を、自分たちなりの形で演奏できたことへの喜びを語っている。
Ov Sulfurは2026年1月16日に2ndアルバム『Endless』をCentury Media Recordsからリリース。Josh Schroederがプロデュースを担当した全10曲入りの作品で、Josh Davies(Ingested)、Johnny Ciardullo(Carcosa / AngelMaker)、Alan Grnja(Distant)もゲスト参加している。
デスコアのサブジャンルでありながら、近年枝分かれ的に注目されてきた「ブラッケンド・デスコア (Blackend Deathcore)」。今年は特に、来年以降の盛り上がりを確信するような仕上がりの作品が多数リリースされた。筆頭に挙げられるのはやはりLorna Shoreで、「To The Hellfire」のミュージックビデオ公開以降、デスコア以外のメタルリスナーからも支持を集め、Bring Me The Horizon、A Day To Rememberのツアーに帯同することも決まっている。彼らが自身の音楽をブラッケンド・デスコアだと自称しているわけではないが、ヘヴィでバウンシーなデスコアと轟音で疾走するブラッケンド・パートをブレンドしたサウンドでシーンから評価を得たことは、後続のバンドに多大な影響を与えたことだろう。
2021年から本格始動したex.SuffokateのRicky Hoover率いるネバダ州ラスベガス拠点の新星、Ov SulfurのデビューEP。Suffokateも2000年代後半からデスコアを聴いていない人にとっては、特段思い入れもないと思いますが、Mediaskare Recordsから2枚のアルバムをリリースし、Job For A CowboyやVolumesらと共にSuicide Silenceに次ぐデスコアのニューカマーとして人気を博したバンドで、Rickyのカリスマ性はSuffokateの活動が止まった2010年代中頃以降、伝説になっていた。そんな彼が再びバンド活動を再開するとあって、Ov Sulfurは今年、熱心なデスコア・リスナーから熱視線を集めた。中期Whitechapelを彷彿とさせるデスコア・サウンドに、重厚なオーケストレーションをブレンド、Rickyの存在感もさすがだが、クリーンパートも聴きどころの一つ。コテコテのブラッケンド感はないが、ブラッケンド・デスコアの入門作として非常に聴きやすい作品では無いかと思います。来年はフルアルバムを出してくれることを楽しみにしています!
カリフォルニア州サンディエゴを拠点に活動するベテランCarnifexの、通算8枚目となるスタジオ・アルバム『Graveside Confessions』は、前作『World War X』からおよそ2年振り。メンバーチェンジもなく安定期を継続する彼らの新作は、アルバムタイトル・トラックで幕を開ける。自身はブラッケンド・デスコアの元祖である自覚があるかどうかと言われれば、はっきり断定はできないがブラッケンドな疾走感と残忍なリフワークを組み合わせたデスコア・サウンドが後続にもたらした影響は計り知れない。
アルバムには初期曲の再録も収録されており、2007年のデビューアルバム『Dead in My Arms』収録曲「Slit Wrist Savior」ほか、「Collaborating Like Killers」など渋い人気曲も現代的にアップデートされていて古くから彼らを追いかけているファンにはたまらないものがあるでしょう。今も昔のほとんどブレることなく、Carnifexサウンドを追求する姿勢は見習うものがあり、ブラッケンド・デスコアのオリジネイターとして心強い。
やはり今年、ブラッケンド・デスコアを象徴する一枚として挙げたいのが新ボーカリストWill Ramosを迎え再出発となったLorna ShoreのEP『…And I Return To Nothingness』。3曲入り、EPというかシングルというか、とりあえずそんなこと関係なくこの作品が2021年デスコアシーンに与えた衝撃はデカ過ぎた。デスコアだけでなく、メタルコア、幅広いメタル・リスナーが彼らに注目したと思う。これまでの常識を覆す圧倒的なヘヴィネス、流麗なブラッケンド/シンフォニック・パート、テクニカルなドラミングにリフ、そしてなんといっても新たにLorna Shoreの顔となったWill Ramosの非人間的なボーカル・ワーク。どれをとってもネクスト・レベルであり、2022年にブラッケンド・デスコア・ムーヴメントを巻き起こすエネルギーに満ち溢れている。