プログレッシヴ・メタルコアのトップを走るSilent Planet、新曲「Antimatter」のミュージックビデオを公開!

カリフォルニアを拠点に活動するプログレッシブ・メタルコア・バンド、Silent Planet (サイレント・プラネット) が新曲「Antimatter」のミュージックビデオを公開しました。バンドはこの曲に「the next chapter (次の章)」というキャッチを付け公開。ミュージックビデオはKevin Johnson (ケヴィン・ジョンソン)がディレクションを手掛けている。ヴォーカリスト/ギタリストのGarrett Russell (ギャレット・ラッセル)は、自身の治療のために制作したと話している (Garrett は目下最新アルバム『Iridescent』において、精神病院に入院中に楽曲を制作、アルバムに収録していた)。

ニュー・アルバムに関する情報はまだないが、バンドはこの秋、DayseekerとMoxy The Bandと共に再びツアーに出る予定だ。

 

Linus Klausenitzer (Alkaloid、ex.Obscura)、ソロ・デビュー作から「King Of Hearts」をリリース

プログレッシヴ・デスメタル・バンド、Obscuraの元ベーシストで現在はAlkaloid、Obsidiousで活躍する Linus Klausenitzer(ライナス・クラウゼニッツァー)が、ソロ・デビュー・アルバム『Tulpa』を2023年10月6日にリリースすると発表した。このアルバムは、1873年にドイツで出版されたEmil Besetzny (エミール・ベセツニー)の名著「Die Sphinx」にインスパイアされたもので、以下の強力なミュージシャンが参加している。また、収録曲「King Of Hearts」のビデオが公開されている。

 

Javi Perera (Obsidious): Vocals
Ian Waye (Soreption): Lead & Rhythm Guitars (all songs)
Aaron Homma (Annihilator, Killitorous): Lead & Rhythm Guitars (“King Of Hearts”), Acoustic Guitars (all songs)
Vanesa Jalife: Piano (all songs)
Hannes Grossmann (Alkaloid, Triptykon, ex-Obscura, ex-Necrophagist): Drums (All Songs)
Roland Grapow (Masterplan, Ex-Helloween) “King Of Hearts”
Phil Tougas (First Fragment, Chthe’ilist) guest solo on “Axiom Architect”
Ian Waye (Soreption) guest solo on “Our Soul Sets Sail” / “Sehraff Streaming” / “The Devil’s Tongue” / “Queen Of Hearts”
V. Santura (Triptykon) guest solo on “Sword Swallower”
Dee Dammers (U.D.O., Dirkschneider) guest solo on “Sister In Black”
Chris Hermsdörfer (Beyond The Black, Serenity) guest solo on “Dig Deeper”
Nicolas Alberny (Gorod) guest solo on “Lunar Assailant”

 

ドラマティックな世界観でファンを魅了するIn This Moment、2023年10月にニュー・アルバム『Godmode』リリース決定

カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点に活動するオルタナティヴ・メタル・バンド、In This Moment (イン・ディス・モーメント)が、2023年10月27日にBMGよりニュー・アルバム『Godmode』をリリースすることを明らかにした。このアルバムは、Ice Nine KillsのSpencer Charnasをフィーチャーした「Damaged」などを含む全10曲で構成されており、収録曲「The Purge」のミュージックビデオが公開されたばかり。

album GODMODE out October 27.
Pre-order/pre-save here: https://inthismoment.lnk.to/GODMODE

 

01. “Godmode”
02. “The Purge”
03. “Army of Me”
04. “Sacrifice”
05. “Skyburner”
06. “Sanctify Me”
07. “Everything Starts and Ends with You”
08. “Damaged” (feat. Spencer Charnas of Ice Nine Kills)
09. “Fate Bringer”
10. “I Would Die for You”

 

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新世代メタル・アイコン”Poppy”、2023年10月にニュー・アルバム『Zig』リリース決定!

マサチューセッツ州ボストンのエクスペリメンタル・ポップ/ロック・アーティスト、Poppy (ポッピー) が、2023年10月27日にSumerian Recordsからリリースされる次のフル・アルバムのタイトルが『Zig』であることを明らかにし、アルバムのトラックリストを公開。さらに新曲「Knockoff」のミュージックビデオを公開した。トラックリストは以下の通り。

01. “Church Outfit”
02. “Knockoff”
03. “Hard”
04. “What It Becomes”
05. “Flicker”
06. “1s + 0s”
07. “Zig”
08. “Linger”
09. “The Attic”
10. “Motorbike”
11. “Prove It”

 

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Skindred、新曲「Unstoppable」のミュージックビデオを公開!

イギリス・ニューポートを拠点とするレゲエメタル・バンド、Skindred (スキンドレッド)が、新曲「Unstoppable」のミュージックビデオを公開しました。この曲は、2023年8月4日にEarache Recordsからリリース予定のアルバム『Smile』の収録曲。アルバムの収録曲は以下の通りで、先に公開されている「GIMME THAT BOOM」のミュージックビデオも併せてチェックしておこう!

01. “Our Religion”
02. “GIMME THAT BOOM”
03. “Set Fazers”
04. “Life That’s Free”
05. “If I Could”
06. “L.O.V.E. (Smile Please)”
07. “This Appointed Love”
08. “Black Stars”
09. “State of the Union”
10. “Addicted”
11. “Mama”
12. “Unstoppable”

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Left To Suffer、初期の攻撃性と実験性をクロスオーバーさせた「Consistent Suffering」のミュージックビデオを公開!

ジョージア州アトランタデスコア・バンド、Left to Sufferが「Consistent Suffering」のミュージックビデオを公開しました。この曲はバンドの最新アルバム『Feral』収録曲で、現在全てのストリーミング・プラットフォームで入手可能だ。

ミュージックビデオについて、バンドは次のように語っている:

「Left to Sufferを始めた時、僕らは最もヘヴィでスラムなバンドになりたかった。時が経つにつれて、メロディーとコーラスを求めるようになった。この “Consistent Suffering “には、3分半のLeft To Sufferの猛攻撃の中に、僕らの全てが詰まっているような気がする」。

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Code Orange、「Take Shape (feat. Billy Corgan)」のミュージックビデオを公開

ペンシルバニアのメタル・バンド、Code Orange (コード・オレンジ) がBilly Corganをフィーチャーした「Take Shape」のミュージックビデオを公開しました。Billy Corganはスマッシング・パンプキンズの伝説的なメンバーで、「Take Shape」でCode Orangeの創造性をダイナミックに拡大している。

 

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Ryo Kinoshita率いるKnosis、新曲「神喰(KAMIGURAI)」を配信リリース

Ryo Kinoshita率いるKnosisが、2023年9月にリリース予定のセカンドEP『THE ETERNAL DOOM』から先行シングル「神喰(KAMIGURAI)」を配信リリースしました。この楽曲のビデオが公開されている。

オルタナティヴ/ニューメタルをベースとしつつも、Ryoがこれまで築いたメタルコアのキャリアもKnosisサウンドの重要なピースとなっている。ミックス/マスタリングをBuster Odeholmが担当していることからも分かるように、グローバル・スタンダードのダーク&ヘヴィネスをエレクトロニックなアレンジをもってして作り上げた。「You Can’t Kill Me Undead」、「Come and Kill the Undead」といったフレーズもライブにおけるフロアのボルテージを加熱させるキーリングになっている。

Streaming: https://big-up.style/byEta1kvWQ

Music and lyrics : Ryo Kinoshita and Yosh Morita
Produced and recorded : The Hideout Studios JPN
Mixed and mastered : Buster Odeholm (Odeholm Audio)
Artwork : Tom Byrne (Valiant Hearts, Galleons and Endless)

フロリダ・デスメタル伝説 Deicideが13枚目のフル・アルバムをリリースへ

フロリダのデスメタル・ベテラン Deicide (ディーサイド) が、13枚目のフル・アルバムのために、Reigning Phoenix Music (RPM)と契約したことを発表しました。

Deicideは、セルフ・プロデュースによるニュー・アルバムのレコーディングを終え、現在リリースに向けて最終調整中とのこと。発売日などは後日発表されるとのこと。2022年には新しいギタリストとしてTaylor Nordbergが加入したことを発表している。

Taylor Nordberg

フロントマンのGlen Bentonは次のように語っている:

大きな喜びとともに、数年にわたる議論の末、Deicideの最新アルバム『Banished By Sin』のレコーディングとマーケティングのために、新しく結成されたRPMと歴史的なアルバム契約を結んだことを発表したい。私たちは、RPMの音楽を創り出す才能ある厳選された人々と共に仕事をし、Deicideのカタログに最新のアルバムを加えることを楽しみにしています!

 

RPMのGerardo Martinezはコメントにこう付け加えた:

「我々はDeicideをRPMに迎え入れることを発表し、彼らの13枚目のアルバムをリリースするのが待ちきれません!私たちの多くは初期のデスメタルの時代に育ち、Deicideは多くの人のサウンドトラックに入っていました。私は高校生の時、バックプリントが危険で物議を醸すという理由でオリジナルのレギオン・シャツを着ていたため、校長室に入れられた思い出がある……。あの頃を取り戻そう!」

Josh Middleton、Architectsから脱退した理由を語る

Architectsの元ギタリストで、Sylosisの創設メンバーであるJosh Middleton (ジョシュ・ミドルトン)が、Architectsを脱退後、初めてインタビューに応じ、バンド脱退の理由について語った。

Joshが5月にArchitectsから脱退するという発表は、Metallicaとのツアーが決まっていたArchitectsの成功から考えると、非常に衝撃的なものであった。Joshは2005年ごろからArchitectsと親交があり、2016年に他界したギタリストTomの後任でバンドに加入している。

Joshによれば、別れを決断したのは、結局のところ音楽的な違いによるものだったという。目指す音楽性の違いがあったものの、彼らの間に敵意はなく、これからも友人であり続けていると説明した。コメントはこのようなものである。

「僕たちは音楽的な方向性が違っていたんだ。Sylosisの次のアルバムは、Architectsとは違い、かなりヘヴィなものだ。彼らの今後の計画は分からないんだ。前よりもっとヘヴィなことをやるかもしれないし、やらないかもしれない。パートナーシップは一巡したと言えるかもしれないけど、僕たちはまだ友達だし、ドラマもない。さっき文字通りSamと話したよ、ミームを送っただけさ」。

バンドの将来についての話し合いで、JoshとArchitectsは決別することが決まり、最後に演奏するのは、Metallicaのサポートにすることを2023年4月に決めたという。Joshは続けて、Sylosisの野望についてコメントした。

「好きなメタル・バンドはたくさんいるけど、その多くはアンダーグラウンドで広がっていて、まばらな感じがするんだよね。僕が思うにLamb of Godは、本当にビッグになった最後のメタル・バンドらしいメタル・バンドだったと思う。メタル界には、Sylosisがこれからリリースするニュー・アルバム『A Sign Of Things To Come』のようなものを求める大きなギャップがある。そのギャップを埋めたいんだ」。

グルーヴメタルの巨匠、Soulflyが「Superstition」の公式ライブビデオを公開

グルーヴメタル・バンド、Soulfly (ソウルフライ) が「Superstition」の公式ライブビデオを公開しました。この曲は2022年8月にNuclear Blast からリリースされた最新アルバム『Totem (トーテム)』に収録されている。ビデオはCostin & Olivia Chioreanuによって撮影され、下記で視聴可能。

 

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アヴァンギャルド・ジャズ Satoko Fujii Quartet が15年の「冬眠」を経て再結成、2023年夏のツアーを開催

東京都出身のアヴァンギャルド・ジャズ・ピアニストで米国のダウンビート誌評論家賞4部門を受賞するなどグローバルな舞台で活躍する 藤井郷子 率いる Satoko Fujii Quartet が15年振りに動き出し、2023年7月から「Satoko Fujii Quartet 2023年夏のツアー」を開催する。

これまでに5枚のアルバムを発表し、国内外のファンを魅了してきた彼女/彼ら。15年という時間を経て、よりいっそう深みを増した個々のミュージシャンとしての才能がどのように交わり合うのだろうか。ぜひ全国各地のコンサートで体感してみよう。

 

 

▶︎Satoko Fujii Quartet 再結成2023年夏のツアーメンバー
田村夏樹 – trumpet
藤井郷子 – piano
早川岳晴 – bass
吉田達也 – drums

 

7月19日(水)19:30 start
京都『Rag』075-241-0446
予約¥4500 当日¥5000(+2オーダー)
https://www.ragnet.co.jp/livespot/

 

7月20日(木)19:30 start
神戸『ビッグアップル』078-251-7049
予約¥4500 当日¥5000(+ドリンク)
http://bigapple.guy.jp/
配信あり
https://twitcasting.tv/c:kobebigapple/shopcart/232020

 

7月21日(金)19:30 start
名古屋『DOXY』052-242-1227
予約¥4500 当日¥5000(+ドリンク)
https://livedoxy.net/

 

7月22日(土)18:30 start
愛知県吉良町『Jazz Club インテルサット』0563-35-0972
予約¥4500 当日¥5000 (+2オーダー)
http://www.jazz-intelsat.com/

 

7月24日(月)19:30 start
江古田『Buddy』03-3953-1152
予約¥4000 当日¥4500 (+ 1 ドリンク)
https://buddy-tokyo.com/

是巨人、岩下の新生姜ミュージアムで無料ライブ 9月開催決定

日本が誇るプログレッシヴ・ハードコア・ドラマー吉田達也率いるバンド、是巨人が岩下の新生姜ミュージアムで無料ライブを2023年9月15日に開催することを発表しました。チケットは2023年7月21日午前10時から受付がスタートする。

詳細 : https://shinshoga-museum.com/event/230915-korekyojinn

 

 

2023年9月15日(金)
18:30開場、19:00開演(21:00終演予定)
入場・観覧無料
要メール予約
※ミュージアム閉館後の開催となります。予約整理番号をお持ちでない方は入場できません。
下記の「事前予約について」をご確認のうえ、メールにてご予約をお願いいたします。
※予約整理番号をお持ちの方は、閉館後も開場時間までミュージアム内でお待ちいただけます。
※フリーライブですが、演奏たっぷりの特別なワンマンライブです。
※予約人数に制限を設けております。

会場 : 岩下の新生姜ミュージアム
栃木県栃木市本町1-25
JR・東武線 栃木駅北口から徒歩12分
東北自動車道・栃木ICから車で15分
https://shinshoga-museum.com/about#access

<駐車料金無料>
※駐車台数に限りがあります
予約受付
2023年7月21日(金)午前10:00~

テクニカル・デスメタル 2023年上半期の名盤 TOP10

テクニカル・デスメタルという音楽ジャンルにとって現代メタル全体の情報量の多さ、そして消費される速さはネックでしかない。圧倒的な演奏技術の高さがあれば必ず評価されるとは限らず、その高いスキルに加え、毎週何百枚とリリースされるメタル・アルバムの中でリスナーやメディアに引っかかるキャッチーさ、ソーシャルメディアでのプロモーション戦略などを兼ね備えていなければ、数ヶ月後には誰も覚えていないし聴かれるチャンスを完全に失うということだってあり得る。

例えばデスコアは、ブレイクダウンのリアクション動画などが数秒でスワイプされていくTikTokなどの縦動画と相性が良く、ジャンルの成熟と現在ソーシャルメディアのトレンドのタイミングがハマって、スタジアム級のステージで演奏するデスコア・バンドが続々登場するほどの盛り上がりを見せている。テクニカル・デスメタルもArchspireのようにソーシャルメディアと相性の良いバンドはジャンルの壁を超えて評価されているが、大体のテクニカル・デスメタルは、数秒の動画では切り抜くことが出来ない魅力を追求していて、アンテナを張っていないと見逃してしまうような情報が多い。テクニカル・デスメタルに特化したソーシャルメディアのインフルエンサーみたいなのがいればいいが、彼らが必要とする情報需要に供給は追いつかないのが現状だろうか。

テクニカル・デスメタルは、次のアルバムまで数十年のブランクが空くなんてザラで、ずっとスタイルを変えず同じことをやり続けているバンドが普通にいる。TikTokもインスタもやってなければ、ミュージックビデオもないなんて珍しいことではない。そういうところをインフルエンサー達はしっかり見ていて、テクニカル・デスメタルの領域に踏み込んでこないのかもしれない (あくまで憶測だが)。

ただ、テクニカル・デスメタルのそういう不器用なところが嫌いじゃないし、別にダサいことじゃない。テクニカル・デスメタルでリッチになりたいと思っているミュージシャンなんてほとんどいないし、毎日違う国で何万人もの前でライブをするためにやってる訳でもない。テクニカル・デスメタルをやってるミュージシャンにとっての最大の目的は「持てる全ての技術を使って、自分たちの作りたい作品を作る」ことだ。テクニカル・デスメタル・リスナーもテクニックの博覧会だけを期待しているだけでなく、歴史の蓄積やメンバーラインナップの変遷なども調べて、とことん作品を味わいたいと思っている。アルバムを何度も何度も聴いて楽しみたいと思っているはずだ。この音楽は決して時代に合わせなくていい音楽だと思う。これだけたくさんのバンドがいるんだから、テクニカル・デスメタルはテクニカル・デスメタルに合わせた時間軸でシーンが動き続けていればいい。

2023年の上半期は、そんなテクニカル・デスメタルをコアに楽しむために聴いておきたい作品がいくつもリリースされたので、紹介していく。Cattle Decapitationはリリースされてすぐに投稿しようと記事を作成していたが、タイミングを逃してしまったので他より異常に長いが、まだ書ききれない魅力があると思っている。

Cattle Decapitation『Terraside』

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カリフォルニア・サンディエゴの巨匠 Cattle Decapitation の、前作『Death Atlas』からおよそ3年振りとなる通算10枚目のフル・アルバム『Terraside』はMetal Blade Recordsからリリースされた。本作のプロデュースは、AllegaeonやArchspire、Cephalic Carnage、The Zenith Passage、Wakeなどを手掛けるDave Oteroで、前作から引き続き共にスタジオワークを行なっている。

アルバム・タイトルの『Terrasite』は“terra-” (ラテン語 = “earth”) + “-sitos” (ギリシャ語= “food”)の造語で、アルバム・カヴァーにも登場する地球を喰らうクリーチャーを意味する。環境への負荷を続けてきた人間が荒廃した世界にこの姿で転生し、いよいよ地球を滅ぼす存在として悪行の限りを尽くす様を表しているそうで、これまでも多くの仕事を共にしたWes Benscoterが担当している。また、上記のCattle Decapitationが長年掲げてきたコンセプトとは別に、2022年4月に急逝した元メンバー Gabe Serbian への追悼の意も込められている。

前作はかなり賛否両論を巻き起こした。テクニカル/プログレッシヴでブルータルなスタイルで反人間中心主義をテーマに環境問題をテーマに取り組んできた彼らが、メロディック・デスメタルへと接近したからである。クリーンパートが導入された楽曲は、シンガーTravis Ryanの新たな魅力の一つと捉えた人もいたが、彼らにそれを期待していないデスメタル・リスナーからはバッシングを喰らっていた。Cattle Decapitationにそれは必要ない、と。

今回もメロディックであるものの、テクニカル/プログレッシヴ・デスメタルを基調としつつ、ブラックメタルのアトモスフィアを取り入れながら、シャープで切れ味鋭いリフをキーとしており、比較的長年のCattle Decapitationリスナーには聴きやすいと思う。ただ、彼らにクリーンパートを求めていないとするなら、「Terrasitic Adaptation」といったアルバムのリードトラックは微妙かもしれない。ただ、「The Insignificants」や「…And the World Will Go on Without You」といったアルバム中盤の楽曲はクラシックなCattle Decapitationの魅力が詰まった楽曲で、頭の楽曲だけで判断せず聴いてみて欲しい。特に「…And the World Will Go on Without You」、「We Eat Our Young」はグラインドな展開の妙にニヤリとしてしまう。

そしてやっぱり歌詞が凄まじい。ここ数年、メンタルヘルスに関する曲ばかりがメタル、特にメタルコア・シーンで増えている。いくつか素晴らしい歌詞があるし、精神疾患が重大な疾患であることは、私も指定難病を持っている身として感じているが、自分たちが生きているこの糞のような社会がどうにかならない限り、人は病み続けていくと思う。

どれだけメンタルヘルスに気を使ったとしても、地獄のような生活をしていたらそれは変わらない。環境保護と経済的な成長を両立させることはこの地球の長年のテーマであるが、Cattle Decapitationは愚かな人間の自己中心的な考えを否定し続け、警鐘を鳴らし続けている。「We Eat Our Young」の歌詞で印象的なフレーズである「Own world we obliterate (=自分たちの世界は自分たちで消し去る)」は、このアルバムを端的に表していて、それはアートワークからもふんわりと感じられるはずだ。この人間中心の地球の行く末、最悪の結末に向かって何も変わらない社会へのヘイトは相当のものであり、それは単なる怒りをぶちまけたものでなく、歌詞としての世界観の芸術性も高く、非常に素晴らしいと思う。ヴィーガン・デスメタルは真っ赤な怒りで塗り固められたものだけでない。その怒りを表現する手段として、彼らはテクニカル・デスメタルを武器にしている。

 

Sleep Terror 『Railroad To Dystopia』

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前作『Above Snakes』から2年という短いスパンでリリースされた本作は、Luke JaegerとMarco Pitruzzellaというタレント性の高いミュージシャンの創造性に限界がないことを証明した、今まで聴いたことのないテクニカル・デスメタルに仕上がっている。カウボーイハットを被った骸骨が印象的なアートワーク、そしてアルバムタイトルからも彼らが目指す路線ははっきりしており、サウンドにもハーモニカ、バンジョー、スチールギターの音色を巧みに絡めながら、これまで誰も作り上げることのできなかったカントリー・ミュージックとテクニカル・デスメタルのクロスオーバーを右とに実現している。

Anachronism 『Meanders』

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2009年スイス・ローザンヌで結成。本作までに2枚のフル・アルバムを発表、本作は女性ギター/ボーカルLisa Voisard、ギタリストManu Le Bé、ベーシストJulien Waroux、ドラマーFlorent Duployerの4人体制でレコーディングを行った。いわゆる「Dissonant Death Metal」に分類される彼らは、ドゥーミーに展開される楽曲に不気味なメロディの霧をしっとりと燻らせながらAnachronismのテクニカル・デスメタルへ聴くものを誘っていく。静かにうねりをあげるドラミングにも注目だ。

 

Metasphæra 『Metasphæra』

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Beyond CreationEquipoiseでの活躍で知られるベーシストHugo Doyon-Karoutを中心に、ギター/ボーカルTom Heckmann、ギタリストMatthias Wolf、ドラマーJohannes Jochsが集まり始まったMetasphæraのデビュー作。プログレッシヴなリフ映える神秘性の高いメロディック・デスメタルの中で、強烈な煌めきを放つHugoのベースラインが神がかっている。フレッドレス・ベースのクラシカルな響きは、20年代のテクニカル・デスメタルにとって非常にスタンダードなもので、Metasphæraを筆頭に驚くべき才能を持ったニューカマーがこの後も控えていると思うと、テクニカル・デスメタルの未来は明るいなと感じる。

 

Gorod 『The Orb』

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Overpowered Recordsを離れ、自主制作でリリースした7枚目フルレングス。前作『Æthra』で、これまでのスタイルとは違ったジャズ、プログレからの影響を多分に盛り込んだサウンドを作り上げたGorod。更にプログレッシヴの領域へと踏み込み、王道のテクニカル・デスメタルのスタンダードからはかけ離れた境地へと辿り着いた。アルバムのリードトラックでありミュージックビデオにもなっている「The Orb」では、長年のキャリアで培った絶妙なバランス感覚で芸術的なグルーヴを巻き上げていくGorodの現在地を耳から、そして目から感じることが出来るだろう。

 

Hellwitch 『Annihilational Intercention』

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19年振りのアルバムとなった『Omnipotent Convocation』から14年……。本作はPat、J.P.に加え、26歳のドラマーBrian Wilsonを迎えトリオ編成で制作され、地元のプロデューサーJeremy Staskaと共にレコーディングを行なった。デスメタルの進化に抗うかのように、自身のスタイルを全く崩すことなく不気味でクラシックなテクニカル・デスメタルをプレイ。オープニングを飾る「Solipsistic Immortality」から壮絶なテンポチェンジを炸裂させ、誰もがどのようなエンディングを迎えるのか予想不可能なスリルを味わうことが出来る。収録曲「Delegated Disruption」のミュージックビデオが公開されているが、このヴィジュアル、ボーカル、全てが最高としか言いようがない。

Celestial Scourge 『Dimensions Unfurled』

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2022年からノルウェーを拠点に活動を開始した超若手。本作は同郷のデスメタル中堅Blood Red ThroneのドラマーKristofferとベーシストStian、FilthdiggerのボーカルEirik、ゲスト・ギタリストとしてWormholeやEquipoiseで活躍するSanjay Kumarが参加しレコーディングしたデビュー作だ。きめ細やかなドラミングと次第に存在感を増すベースライン、バランス良く配置されたスラム・パートが上質な作りの良さを浮き彫りにする。「Moon Dweller」で顔を覗かせるスラッシュ・メタルからの影響も見逃せない彼らの魅力だろう。

 

Triagone 『Sem Papyrvs』

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2019年ベルギー・ブリュッセルで結成。女性ボーカリストLoreba Moraes、ボーカルも兼任するギタリストのLou-IndigoとLucas、ベーシストLéo、ドラマーLorenzoの4人で制作された本作は、彼/彼女らのデビュー作。終始ミドルテンポで押し続けるスタイルでありながら、奇想天外なリフとドラムパターンが蠢き続けるのがTriagone流。共にリードボーカルを取るLorebaとLou-Indigoの掛け合いも独特。収録曲「Ad Mortem Sem Papyrvs」はMVになっており彼らの特性を視覚的に感じられる。

 

Carnosus 『Visions Of Infinihility』

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2011年スウェーデン・エーレブルーで結成。ボーカルJonatan Karasiak、ギタリストのMarcus Jokela NyströmとRickard Persson、ベーシストMarcus Strindlund、ドラマーJacob Hednerで、デビュー作『Dogma of the Deceased』から3年を経て本作を完成させた。メロディックなリフを追随するかのようなガテラルは時に人間離れしたデモニックなシャウトも交え存在感抜群。初期はデスラッシュをやっていたことも感じられる、最新型Carnosusの名刺代わりとも言える快作。

 

Cause N Effect 『Validation Through Suffering』

Spotify / Apple Music / Bandcamp

フランスのHenkerに在籍していたギター/ボーカルStef、Human VivisectionのベーシストSonny、ドラマーDriesによるトリオのデビュー作 (バンド自体はベルギーを拠点としているそうだ)。デスコアの影響を感じさせるダンサブルな2ステップ・パートやブレイクダウンを交えながら、超絶技巧のタッピング・フレーズやプログレッシヴなアトモスフィアなども組み込んだハイブリッドなスタイルだが、すっきりとしたサウンドプロダクションでアルバムとしての完成度は高い。Deeds of FleshからArshspireまで飲み込み昇華した新世代テクデスのダークホース的存在と言えるだろう。

 

Moloch 『Upon The Anvil』

Bandcamp

2012年ミネソタ・ホプキンズで結成。ギター/ボーカルのRick Winther、フレッドレスベーシストBen Peterson、ドラマーErik Sullivanのトリオ編成を取り、デビューEP『Cleansed by Fire』から8年の時を経て本作を完成させた。弦楽器陣を置いてけぼりにするように猛進を続けるドラミングの重々しさになんとか食らいつくデスメタリックなリフ、その様相はまるで戦争のように忙しなく、ダークだ。さりげない存在感でネオクラシカルの香りをまとわせるBenのプレイも時に感情剥き出しに暴れ回るので面白い。

 

INUの名盤『メシ喰うな!』、米レーベルよりアナログ盤リマスターで再発へ

ポストパンク伝説、INUが1981年に発表したアルバム『メシ喰うな!』。この名盤をアメリカのレーベルMESH-KEYがアナログ盤にてデラックス・リイシュー、タイトルを『Don’t Eat Food!』として発売することを発表しました。MESH-KEYのアナウンスによると、オリジナル・テープからリマスタリングされ、Kevin Grayによってカッティングされた初の完全ライセンス盤となっており、未公開写真、英語/日本語の歌詞、Syojiro Ishibashiによる英語/日本語のライナーノーツが掲載された8ページのブックレットが付属するとのことで、2023年10月6日より発売される。現在下記のBandcampページにてpre-orderが行われている。

MESH-KEYの公式アナウンスに海外からは「このアルバムが本当に好きだ、アナログ盤で手に入れられるのが待ちきれない」、「素晴らしいレコードだ、間違いなく適切なリイシューに値する!」などとコメントが書き込まれている。またINUのサウンドについてMESH-KEYは「INUのユニークなサウンドを他のバンドと比較して説明するのは難しいが、も気弱なRichard Hell & The VoidoidsがPiLとジャムっているところを想像してみては?」と表現している。

Of Virtue、9月リリースのニュー・アルバムから新曲「Sober」のミュージックビデオを公開!

来日経験もあるミシガン州ランシング拠点のメタルコア・バンド、Of Virtueが、新曲「Sober」をリリース、ミュージックビデオを公開しました。2023年9月29日には、Arising Empireからニュー・アルバム『Omen』をリリースされることが決定している。

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