One Eye Closed : AJ Rebollo (ISSUES) 、Яyo Trackmaker (girugamesh)を迎えての新曲「Squall」をリリース!

 

One Eye Closed : One Eye Closedが新たなシングル「Squall」のミュージックビデオを公開しました。フィーチャリング・ゲストには、ISSUESのAJ Rebollo、サウンドエンジニアリングにはЯyo Trackmaker (girugamesh)を迎えた力作で、邦楽ロック的な強みをより前面に押し出したキャッチーかつソリッドなサウンドは、ラウドフォロワーのみならずライトな音楽リスナー層にも響くこと間違いなし。

吹雪の中決して歩みを止めず、逆境に立ち向かう強い意志をテーマとした歌詞が紡がれており、現代の様々な障壁・ストレスを投影して共感することができる作品となっている。

 

 

【One Eye Closed】

One Eye Closedは東京を拠点とするロックバンド。

活動初期からSiamese、A Scent Like Wolvesなどの著名海外アーティストとの共演を果たし、2019年末に1st EP「Cain」をリリース。

その中のリードトラック「Low」はゲーム「No Straight Roads」のエンディングテーマに起用され、日本のみならず海外からも注目を集める。(Lowのオーディオビジュアライザーは2022年1月時点で100,000回再生)

 

ロンドンを拠点とする国際的なレーベル「JPU records」と契約、イギリスの歌手Nikki Simmonsとフィーチャリング作品「Never Forget」のリリース、「No Straight Roads」へ「All of Us」の追加起用など、国内外問わず精力的に活動中。

 

HP:https://oneeyeclosedjp.com
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DIVINITIST : 漆黒の闇を更に黒く染め上げる新曲「IMITATOR OV DEITIES IN FALSE GENESIS」公開!

 

DIVINITIST : 日本を拠点に活動するデスコアバンド、DIVINITISTが新曲「IMITATOR OV DEITIES IN FALSE GENESIS」のリリックビデオをSlam Worldwideから公開しました。自身のサウンドを「Divinity Deathcore」と自称するDIVINITIST、ドゥーミーなガテラルが漆黒のブラッケンド・サウンドを更に黒く染め上げ、緩急の効いた楽曲展開で楽曲をドラマティックに仕立てていきます。

 

CUBE RECORDS 「BIRTH TOUR」開幕直前! CUBE RECORDSのSeijiroに今の心境を聞いてみた

10月23日の大阪十三GABU公演からスタートするCUBE RECORDS presents 「BIRTH TOUR」。Earthists.、Sable Hills、Graupelの3バンドによるパッケージツアーで、ツアー2日目の名古屋公演はソールドアウト。最終日は渋谷DUOという大きな会場で公演を行う。このツアーを運営するCUBE RECORDSのSeijiroに開催直前の心境や「BIRTH TOUR」への想いについて聞いてみた。

 


 

いよいよCUBE RECORDS主催のツアー「BIRTH TOUR」がスタートしますね。SNSでもその盛り上がりを感じます。その中でいくつかツイートされていて、自分自身気になったのですが、Sable Hills、Earthists.、Graupelの3バンドはCUBE RECORDSに所属ということではないのですか?

 

所属ってわけではないですね。CUBE RECORDSは今、Crystal Lakeのレーベル、というイメージがあると思いますが、今回違う形でレーベル活動を展開していこうということで、Sable Hills、Earthists.、Graupelの3バンドと一緒に何かやってみようということで今回の企画が立ち上がりました。Crystal Lakeのプレイするメタルコアに関連して、その第1弾というイメージだね。

 

日本のメタルコアを盛り上げていこうということですね。

そうだね。特にジャンルにこだわりはないんですが、Crystal Lakeに近いですしね。これからシーンの中心になっていくバンドで、俺自身メタルコア好きだし、楽しみな存在だったので声をかけました。

 

日本のメタルコアが盛り上がっていくことは、Crystal Lakeにとってもプラスなことだと思いますし、何よりその道筋が後続のバンド達にとっての目標にもなっていきそうですよね。

そういう流れとか動きとかが作れたら良いよね。メタルコアとひとくくりにすることも出来るけど、それぞれ特徴を持つバンドだから、その3バンドが集まってスプリットを出せば面白いかなと。自然と日本のメタルコアを象徴するようなものになればいいね。

 

『BIRTH EP』のコンセプトは、これからも続けたいと思っていますか?

これはこれで完結というイメージがあります。CUBE RECORDSとして新しいもの、何かを生み出すという事にフォーカスして生まれたものであって、だからタイトルも「Birth」になっています。これがアーティストの糧になればいいなと考えています。

 

Crystal Lakeのレーベルとはいえ「BIRTH」という企画をやる上で、苦労したことも多かったと思います。大変だったことで特に覚えていることはありますか?

いやー、全部だね笑 新しいチャレンジだしね。バンドとの接し方とかプロモーションのやり方とか……。言い出したら切りがないですが、俺自身昔レーベルをやっていた時との違いを感じてます。海外からバンドを呼んで、ツアーして、プロモーションして……というのとは全然違う大変さがあるし、面白さがあるなと。自分自身としてもカメラマンとしてデザイナーとして新しい挑戦なので、手探り状態。

 

サブスク全盛の時代にCDとしてリリース理由は?

CDを作ってお店に置くことでしか得られないものがあるから、ですかね。店舗バイヤーとの関わりであったり、CUBE RECORDSはじめSable Hills、Earthists.、Graupelから日本のメタルコアシーンをもっとフックアップしてもらう為にもCDをきっかけにやれることがあるからね。自分達ができることは全部やってみようということでCDとして形にしました。

 

CUBE RECORDSからみた、3バンドの個性は?

1バンドずつ紹介すると、Sable Hillsは、従来のメタルコアバンドとは違った、メタルやハードコアのヴァイブスを持つバンドです。トゥルーな感じが最高ですね。

Earthists.はジャンルどうこうより、常に新しいことに挑戦してるクリエイティヴなバンドという印象ですね。ヘヴィミュージックの新しい表現に挑戦しているというか。歌メロとかも「こんな表現するんだ」と面白さがありますね。

Graupelは、個人的にファストな楽曲が好きだから、自然とそこをポイントとしてオススメしたいバンドですね。速さに特化した叙情メロディック・メタルコア的な感じ。新曲を初めて聴いた時、「こういうエッセンス入れるんだ」と驚いたんですよね。自分も同じタイプのメタルコアをやってきたし、メタルコアのメロディじゃなく、違う音楽からくるメロディがあるなと。

 

いよいよ23日からツアーがスタートしますが、今の心境はどうですか?

期待と不安が入り混じってるけど、とにかく一番はたくさんの人に来て欲しいということですね。東京公演は大きな会場でこのバンド達が観られるということを何より楽しみにしていて欲しいですね。一個上のステージで彼らのライブを観るということは特別なことだろうし、バンドをやってきた自分自身もこうしたステージがプレイした経験が今の糧になっているように感じますし、それをバンド達には味わって欲しいですね。気合の入ったステージ、楽しみにしてて欲しいです!

最後に、一番聞きたかったんですが、CUBE RECORDSの活動を、若いバンドとかこれからバンドやりたいと思ってる人たちが注目していると思います。そういう人達に対して、何かアドバイスはありますか?

何事も動いてみることが大事だと思ってます。CUBE RECORDSもCrystal LakeのYDさんに誘われて「面白いことやっていこう」と動き出しました。俺もサラリーマンやってた時期もあったけど、カメラマンの仕事をしたいと思って動き出して、今がある。気になったらCUBE RECORDSに連絡くれても全然いいし、とりあえずやってみる、動き出す事が大事だと思うよ。

 


 

VICTIMOFDECEPTION : 強固なグルーヴ光る新曲「FALSE FAME」MV公開!

VICTIMOFDECEPTION : 日本を代表するデスコアバンド、VICTIMOFDECEPTIONが新曲「FALSE FAME」のミュージックビデオを公開しました。現代的なアレンジも随所に組み込みつつ、ジリジリとバウンス・モードをチャージ、至極のブレイクダウン・パートに悶絶すること間違いなし。

 

https://twitter.com/vodjpn/status/1446807849401679877

PromptsがCrystal LakeのRyoをフィーチャーした新曲「Asphyxiate」のMVを公開!

東京を拠点に活動するメタルコアバンド、Promptsが、Crystal LakeのRyoをフィーチャーした新曲「Asphyxiate」のミュージックビデオを公開しました。このビデオは、先日契約を果たしたModern Empire Music (ex.Stay Sick Recordings)から発表されています。

 

また、Promptsは8月から「OUTERSCAPE TOUR 2021」を開催。各地強力なサポートを迎え、行われる。

 

Crystal Lakeが新曲「Curse」のミュージックビデオを公開!

東京を拠点に活動するメタルコアバンド、Crystal Lakeが、新体制となってから初となるミュージックビデオ「Curse」を公開しました。新メンバーにはHer Name in BloodのTajiが参加し、ミュージックビデオにも登場。これまでのCrystal Lakeが鳴らしてきたメタルコアに浮遊感のあるメロディを散りばめたらしさ溢れる一曲になっており、多くのアーティスト達も反応している。

 

【インタビュー】DEVDFRE$H「どっちの側にもいたいし、いたくない感じ」。

 

DEVDFRE$H : $iva / KAMU¥

 

RIFF CULT : ZORNの「All My Homies」のアレンジ・ビデオを2019年8月に公開していますよね。この歌詞はおふたりの人物像を考えていくにあたって非常に興味深いものでした。この歌詞を振り返りながらいくつかお伺いさせてください。

 

<KAMU¥>

見慣れない人達と街並み / 今までと違う1人足並み

13歳葛飾四ツ木  / 北生まれの俺は他所者だし

守られる気なんてさらさら無い / どこに居ても何も変わりゃしない

何を叫んでも満たされない / まだ生きたい理由が見つからない

でも同じような眼の街のガキ / 開けてくれてた裏口の鍵

家族は居ないがどうにかなる / 信じてくれたRockStarになる

二つ目の地元の葛飾区 / あの街と痛み背に歩き出す

今は生きる意味気づけそうで / また滑ろう渋江公園

 

 

RIFF CULT : 歌詞を読むと、お引越しをされていますよね?ご出身はどちらですか?

 

KAMU¥ : 生まれは北海道の札幌で、小学校を卒業してすぐに葛飾の四ツ木に引っ越しました。

 

RIFF CULT : どんな事情があったのですか?

 

KAMU¥ : 父親の会社が倒産して負債が3億くらいあって、子供ながらに「これはマズイぞ」と感じていました。ある時親父から号令が掛かって、家族全員が集められたんですけど、「とりあえず、お父さん明日からいなくなるから!」という宣言を受けたんですね。混乱しつつもどこか出張にいくのかなと思ったんですけど、母親が「本当の事言ったほうがいんじゃない?」と怒り出して。実際は会社が倒産してしまったという報告だったんです。一家解散宣言……。

 

KAMU¥

 

RIFF CULT : お母さんはどうされていたんですか?

 

KAMU¥ : 母親はまいってしまって、実家に帰っていたんですよ。それが、葛飾の四ツ木。小学校を卒業するまでは、札幌で生活して、中学校入学のタイミングで、母親の実家に移ったという感じですね。その頃からどこかで音楽やりたいなって思っていて、東京ならチャンスも多そうだし、兄貴も大学進学で上京する予定だったので、葛飾に行こうと決めた感じですね。

 

RIFF CULT : 北海道にいた頃の、何か強烈に記憶に残っている思い出はありますか?

 

KAMU¥ : めちゃくちゃありますよ。特に強烈だったのが、住んでいたマンションが8階にあったんですけど、エレベーターに乗り込んだ時に借金取りのにいちゃん達が一緒に乗り込んできたんですよ。僕のことは知らなかったと思うんですが、エレベーターの中で「8階がアイツの家ですね」みたいな会話が聞こえてきたんです。「やべえ、俺殺されるんじゃねえか」って思ってビクビクしていたら、「僕、家は何階?」と聞かれて、咄嗟に「4階です!」と言って、非常階段に逃げました (笑)

 

RIFF CULT : それは強烈ですね……(笑) 小学校から中学生に進学するあたりの年齢だと、環境が変わる事に対して大きな不安があったと思いますが、札幌には愛着みたいなものはなかったんですか?

 

KAMU¥ : もちろんありますよ。音楽やろうって思う前は、スキーでオリンピック出てやろうと思ってたくらいなんで。友達もいたしね。でも、一家解散になって、借金もあって…… ある意味、自分が憧れていたラッパーになったほうが面白いんじゃないかと思ったんですよね。小学3年生の時に、兄貴にエミネムの自伝映画『8 Mile』を観させてもらって。なんというか、貧乏からの逆転みたいな、暗い過去があったほうが、ラッパーに活かせるんじゃないかというようなポジティヴな感覚があった気がしますね。大きな不安はなかったですよ。

 

 

 

RIFF CULT : 明るい性格だったんですね。

 

KAMU¥ : 自分も明るいヤツだと思っていたんですけど、札幌に帰った時、ばあちゃんに「俺ってどんな子供だった?」って聞くと、「あんた全然しゃべらなかったし、情緒不安定だったよ」って言われて驚きましたね。友達にも同じ事聞いたんですが、「おまえ、めっちゃ暗いヤツだったよ」って言われて (笑) 自分の中のイメージと、見られていたイメージは違ったみたいですね。

 

RIFF CULT : $ivaさんの地元はどちらですか?

 

$iva : 大分です。20歳くらいまでいて、そこから上京しましたね。

 

RIFF CULT : きっかけはなんだったんですか?

 

$iva : 地元でもヒップホップのイベントとか出ていたんですけど、そこでやり続けていく事に少し不安があったというか。続けていく上で地元に居続ける事が言い訳みたいなものになってしまうんじゃないかという気持ちがあったし、どこかに出てみたいというような気持ちがあったんですよね。地元には友達もたくさんいるし、居心地が良かったけど。もうひとつきっかけと言えば、おばあちゃんが死んでしまった事も影響していますね。

 

$iva

 

RIFF CULT : 歌詞をみてみると、「家族もバラバラ」、「実家もねえ」みたいなフレーズであったり、Mobb Deepの名前も出てきますが、大分で過ごした時期の思い出なのでしょうか?

 

 

<$iva>

空き缶落っこちたらタイマン / 無免で廃車にしたCIMA

ギャルのキティッパ / 月2回の面会 保護観察

望んでなくても皆んな大人になる / この街の話 俺達の話

友だちの姉ちゃんがビル飛び降りたり / 必要なMoney 不確かな愛

車で拉致 遊び 理由なんかない

Mobb Deepのinst 見様見真似Rapした / 大人はDon’t give a damn

Overdoseで動けなくなって蹴った / 初めてのShowcase今も覚えてるぜ

家族もバラバラ 実家もねえけど / 全部意味があったって実感してる

殴られるよりも愛が痛え / 今のお前とも家族になりてえ

 

 

$iva : どうなんだろう。音楽を聴き始めたきっかけは、親がやっていたバンドですかね。その影響で洋楽には幼い頃から馴染みがありましたね。3つ上の兄貴もバンドをやっていて、兄貴が持っていたTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのCDとか聴いてからディグりまくって、Rage Against the Machineにたどり着きました。確か、その時ゲットしたRage Against the Machineのポスターに、Kダブシャインがコメントを書いていて、どんな人なんだろうと興味を持って聴いたら完全にハマりましたね。そこからCD300枚くらい万引きして、いろいろ聴き漁りましたね。

 

RIFF CULT : (笑)

 

$iva : Nasのポスターとか、もうとにかくめちゃくちゃ万引きしてましたね、万引き人生 (笑) 中学生までにやめたし、今はもちろんやんないけど (笑)

 

RIFF CULT : ディグり方はあれですけど、好奇心凄まじいですね。その時代の事もけっこう歌詞になっていますよね。

 

$iva : そうそう、さっきの歌詞の中に「無免で廃車にしたCIMA」っていうフレーズがあるんですけど、これも実話。どっかの半グレに車で突っ込んじゃった事があって。その半グレが「警察にいくか、100万払うか」みたいに脅してきたんですよ。車を貸してくれた先輩も同じ条件突きつけられて、「うわ、ふたりで200万かよ?!」と焦りましたね。その時17歳だったんですけど、半グレに親を呼んでこいと怒鳴られて、最悪な事に親が現場にやってきたんですが、「チンピラに搾取されるくらいなら警察にいくぞ」って激昂しちゃって……。その時、半グレと俺らで一緒に親父を止めて (笑) 落ち着いてくれよって、半グレと連携して、変なチーム感出たのは後々振り返れば、面白かったですね。それで一旦は払ったんですけど、その先輩が後日その半グレを見つけてしばいて、キッチリ回収して車も新しいシーマに変わっていました (笑)

 

RIFF CULT : 先輩、頭がいい。

 

$iva : そういう土地だったんですよ (笑)

 

RIFF CULT : 僕も田舎出身ですけど、田舎は不良が強い。

 

$iva : そうなんですよね。もう、不良になるか、勉強しまくるかしか選択肢がない。それが上京したきっかけのひとつでもありますね。自分が不良として、将来を考えた時にどうなんだろうという一抹の不安はありましたね。不良としてのスキルが使えない場所にいったら、俺どうなるのかなという事にも興味があったね。

 

KAMU¥ : 仮面ライダーみたいでかっこいい。

 

RIFF CULT : ガッツありますよね。歌詞は紛れもない本当の話なんですね。

 

$iva : まあ、思い出というか、なんというか……(笑)

 

 

RIFF CULT : KAMU¥さんは上京された後、二つ目の地元として葛飾での思い出を歌詞に綴っていますよね。この時の話は中学の頃の話ですか?

 

KAMU¥ : そうですね、中学生。四ツ木の同級生との思い出です。

 

RIFF CULT : その当時の仲間達と一緒に音楽をやっていたんですか?

 

KAMU¥ : そうそう、初めてバンド組んだのも、その中学の仲間です。何をするにも一緒にいましたね。

 

RIFF CULT : どんなバンドだったんですか?

 

KAMU¥ : パンクバンドでしたね。Sex Pistolsのカバーなんかをやっていました。でも、パンクの知識がまったくなくて。俺は万引きしなかったタイプの人間だから、友達が万引きしてきたCDをMDにしてディグってました (笑)

 

$iva : (笑)

 

KAMU¥ : 周りも家庭環境が良くない人が多かったですね。まあ、どこにでもある話だと思うんですけど。葛飾もお金ない街だし。あ、この時も強烈な印象に残っている思い出があるんですよ。当時の友達が住んでいた一軒家があったんですが、ある日いきなりそいつの親戚に乗っ取られていたんですよ。スケートして帰ったら、「家が乗っ取られてる!」みたいな。そいつ、ヤクザだった親父が死んで、母親と兄弟で住んでいたんだけど、もう母親もどこいったか分からないカオスな状況になっていて。とりあえず、家を取り戻す為にそいつは帰宅しようとしたんですけど、その親戚にボコボコにされちゃって……(笑) なんとか家は取り戻す事が出来て、俺らの溜まり場になっていきました。取り戻したのはいいんですけど、その家もけっこうめちゃくちゃで、玄関に猫のウンコとかめちゃくちゃ落ちていて (笑) 母親もうるさいし、いつも裏口の窓から家に侵入していました。それが「All My Homies」の歌詞にある「開けてくれてた裏口の鍵」というフレーズになってる。裏口の鍵を開けていてくれて、いつでも遊びに来ていいよみたいな。学校行かずにそこで遊んでいたね。

 

RIFF CULT : 改めて、初めて出会ったヒップホップのアーティスト、またはヒップホップをやりたいと思ったきっかけのアーティストは?

 

$iva : Kダブシャインですね。あの感じ、歌っぽくない歌い方というか。ものすごく憧れていました。

 

 

KAMU¥ : お金が無かったから、ほとんど人から借りたりして、いろんなアーティストには出会いましたね。その中でも2Pacとエミネムは衝撃的でしたね。兄貴が『8 Mile』のDVDを持っていて、「お前これ観ちゃダメだぞ、大人のやつだから!」って言われて隠されてた。でもそう言われたら、観ちゃうじゃないですか。それでヒップホップ良いなってなりました。それはよく覚えていますね。

 

$iva : 虐待されてた友達の母親が『8 Mile』のポスターを家に飾っていたな。なんかそれが強烈で、最初観るまでに勇気が必要だった記憶がある。

 

KAMU¥ : 初めてセックスをみたのも『8 Mile』だわ(笑)

 

$iva : (笑) 何かを変えたいっていう人が観るべき作品ではあるよね。

 

 

RIFF CULT : そんなふたりの出会い、DEVDFRE$Hが始まったきっかけはなんですか?

 

KAMU¥ : 3年前くらい前かな? 初めて会ったのって。

 

$iva : 渋谷のTSUTAYA前で出会ったんですよ、九州での大地震を受けて、募金活動する為に渋谷でサイファーしていたんだよね。それで聴いてよかったら投げ銭してくれよみたいな感じ。そこにKAMU¥が来た。

 

KAMU¥ : バンド練習の帰りだったんだよ。「お、なんかラップしてる人がいるぞ、あの人うまいな」と思ったのが$ivaくん。それで勢いでセッションしたくて参加した(笑) その時に俺が「あしたもライブがあるんだぜ」みたいにラップしたら、$ivaくんが「俺も明日ライブなんだ」って返してきて。「立川でライブだぜ」って返したら、「あれ俺も立川でライブだぜ」ってラップで返してきて。次の日対バンだったっていう (笑)

 

RIFF CULT : それが初対面?

 

$iva : それが初対面 (笑) 次の日対バン (笑)

 

RIFF CULT : 運命的すぎる……。

 

$iva : それから対バンして、もっと仲良くなって、お互いのバンドに客演で参加してフリースタイルする、という機会が増えていきましたね。

 

KAMU¥ : 対バンする機会多かったもんね。

 

$iva : そういうのを続けていく中で、「もうラップやるか!」ってなって、DEVDFRE$Hが始まった感じですね。

 

 

KAMU¥ : $ivaくんがホラー映画が好きで、Ho99o9とかGHOSTEMANEとか、そういうラッパーを教えてもらった時にラップもスクリームとかしていいんだみたいな発見がありましたね。ニューメタルとかラップコアとか。それこそRage Against the Machineもそうだけど、バンドでラップしてる人はけっこういても、ヒップホップのジャンルでロックをやってる人ってそんなにいないなって思っていたんですよね。海外にはいるんでしょうけど、うちらの周りにはいなかった。それでやってみようかなと思ったかな。

 

RIFF CULT : GHOSTEMANEとか、$uicideboy$とかそういうのに影響を受けて、DEVDFRE$Hが始まったような感じなんですね。

 

$iva : ひとつきっかけにはなっていますね。

 

RIFF CULT : 2019年4月にリリースしたEP『死了新鮮』もダークなトラップですよね。

 

KAMU¥ : そうですね。このEPのトラックは、あちこち拾ってきたフリーのトラックにラップをのせてみた感じ。とりあえず、どんな感じになるかやってみるかっつって。

 

RIFF CULT : こういうダークなトラップで、日本語のせてやってる人いなかったですよね。

 

KAMU¥ : 確かに当時はいなかったと思いますね。後から知ったのだと、Jin Doggさんとか、最近も少しずつ増えているイメージがありますね。

 

 

RIFF CULT : リリックはどんな風に書いているんですか?

 

KAMU¥ : 「All My Homies」の歌詞を制作した時は、比喩表現はなるべく使わずにストレートな感じを意識しましたね。DEVDFRE$Hのリリックに関しては、自分の気分をぐっと沈めた状態で書くようにして、比喩表現も割と使うように意識していますね。ぱっと読んだだけでは理解できないような、深読みさせられるようなもの。

 

RIFF CULT : おふたりのパートがしっかり分かれていながら、それぞれに個性もあり、スタンダードな交わりがない感じが面白いですよね。このEPリリース後のシングルも興味深いものばかりです。Marilyn Mansonの「This Is The New Shit」でラップしてみようと思ったきっかけはあるんですか?

 

KAMU¥ : あれは確か、$ivaくんが拾ってきたトラックにあわせて、マンソンのリリックを乗せてみたらめちゃくちゃフィットしたので、それをきっかけに作った感じですよね。ふたりともMarilyn Mansonは好きで聴いていたってのもありました。

 

RIFF CULT : これまで自分が作った歌詞の中で、気にいっているフレーズはありますか?

 

KAMU¥ : まだリリースしてない曲なんですけど……。hey siri、メモひらいて (笑)

 

$iva : 『死了新鮮』に入っている曲なんだけど、「ぬるいコーラ床に投げて、ソファーに沈んでおやすみ」みたいな。こういうの好きなんですよね。それ、実際に家でやったら、どうなるんだろうなみたいなね。それでいて、実際にやったことあるようなこと。そういうのをどう聴かせるか、そういうところを意識して書いていますね。

 

KAMU¥ : 「#000000 」という楽曲のフレーズなんですが、「みそこなった、それもいい / 仲間達とここにいる / きかれてるよ、それがいい / 君の人生どれがいい?」ですね。 割と自分の本心が出ているというか。未発表曲だと、「いいことがないから死んじゃうっていうヤツらが旨そうな飯を喰う」っていうリリックは好きですね。

 

 

RIFF CULT : いいですね。未発表曲、とても聴きたいです。

 

KAMU¥ : リリースする予定も近くあるんで、楽しみに待っていてもらいたいですね。一緒にやっているトラックメイカーが次作のトラック作ってくれていて、ミックスもお願いしています。Marilyn Mansonの曲も組み直して、サンプリングも新しくしてますよ。

 

RIFF CULT : DEVDFRE$Hは、普段ヒップホップ聴かないようなロックリスナーにもアプローチ出来るポテンシャルを感じるのですが、どんな音楽が好きな人達に聴いてほしいですか?

 

$iva : DEFTONESですかね。なんか、ああいう感じ。雰囲気的にはね、そういうのが好きなんですよね、僕らは。

 

KAMU¥ : そうだね。トラップ好きにオススメというよりは、90’のブーンバップが好きな人にも喰らわせる事ができると思う。僕らは亜種なんで。ヒップホップ側からもバンド側からも。どっちにも居られる。

 

$iva : FREESTYLE OUTRO’とか、あのイベントの雰囲気が理想ですね。両方あって当たり前なはずなのに、きっちり良い感じで分かれている。

 

KAMU¥ : どっちの側にもいたいし、いたくない感じ。アウェイが好きなんですよね。ライブハウスでやれば、ヒップホップ的な感じでアウェイだし。クラブでやったら、ライブハウス感あるから、アウェイだし。それが燃えますね。それでみんながモッシュしたり、良い反応があれば、めちゃくちゃ嬉しいですね。

 

 

 

DEVDFRE$H : $iva / KAMU¥

 

Sable Hillsが5月7日にニューシングル『Messiah』をリリース + 先行トラック「The Storm」が明日公開されることが明らかに

世界最大のMETALフェス「Wacken Open Air」への出演を勝ち取ったSable Hillsが、5月7日にニューシングル『Messiah』をリリースすることを発表した。また、明日4月9日 (金曜日)には、同シングルより「The Storm」を先行公開することも明らかとなった。

各オンラインプラットフォームでは、9日へと日付がかわり次第、順次公開されるとのこと。URLをフォローしておきましょう。

 

https://fanlink.to/SH_TheStorm

https://www.sablehills.jp/

 

【RIFF CULTインタビュー】Promptsの韓国出身のメンバーに、韓国メタルコア/ハードコアシーンについて聴いてみた

韓国出身のメンバーPKとPiguri、日本出身のMatsunoとHeavenの四人組メタルコアバンドPrompts。多国籍なメタルバンドは世界中に数多く存在するが、その中でもアクティヴにライブ活動を展開するバンドはほんの一握り。ましてや母国を出て、アーティスト活動の為に外国で活動しているミュージシャンは少ないだろう。世界的にも珍しい編成のPromptsに、韓国のメタルコア/ハードコアシーンを聞くと共に国境を超えてひとつのバンドとして活動する喜びや葛藤について、インタビューしてみました。想像以上に濃い内容になったので、2回に分けて公開。第一弾は、Promptsメンバーに、音楽遍歴と韓国シーンについて聞いてみました。

 


 

RIFF CULT : 韓国出身のPKさん、Piguriさんはどんな街で育ったんですか?

PK : ソウルの中心にある蚕室 (チャムシル)という街の出身です。ソウルのど真ん中にあり、大きなショッピングモールがあったり、遊園地があったり。ソウルで一番高いビルであるロッテワールドタワーなんかが有名なところですね。

蚕室 (チャムシル)

 

Piguri : 僕は京畿道の安山 (アンザン)という場所の出身です。工業地帯で日本で言うと川崎市?に似ていると思います。

安山 (アンザン)

 

RIFF CULT : おふたりは同い年ですか?

PK : 僕が24歳で、Piguriさんが3歳年上の27歳です。

 

RIFF CULT : 韓国は上下関係がしっかりしているイメージがありますが、二人の間柄はどうですか?

PK : Piguriさんと知り合って今年で6年になりますが、3歳年上だと普通に敬語ですね。韓国にいた頃から二人で遊んだり、音楽活動も一緒にしていて仲良しですが、やっぱり敬語になってしまいますね。韓国人の性 (さが) ですね。

RIFF CULT : 韓国でいうお兄さんという感じなんですね。せっかくなので、韓国出身のお二人には細かく音楽的ルーツを聴いてみたいと思います最初に聴いた音楽はなんですか?

Piguri : 最初に聴いた激しめの音楽で言うと、確かBlack Flagですかね。あんまり詳しく覚えていないですが (笑) メタルコアだと、For The Fallen Dreams?

Matsuno : いきなりFor The Fallen Dreamsは絶対うそでしょ (笑)

Piguri : いやーどうだったかな。

Matsuno : Hatebreedとか聴いてないの?

Piguri : あ、聴いてました。あとはMADBALLとかSICK OF IT ALLとか。

Matsuno : Piguriってそんなハードコアな人だったの? (笑)

Piguri : そうでしたね (笑)でも最近はあまり聴いてないですね。

PK : 僕は中学2、3年生の頃、友達にアコースティックギターをプレゼントしてもらった事がきっかけで音楽に興味を持つようになりました。最初はSTINGとかオールドポップとかが好きだったんですが、高校1年生の時に同じクラスメイトでサークルも一緒だった友人に、DisgorgeとかCannibal Corpseとかを教えてもらい、Deathとかオールドスクールなスラッシュメタルにもハマっていきました。メタルコア系だと、Lamb of Godなどから聴き始めて、Killswitch Engageあたりを一通り聴きましたね。高校3年生くらいにはAsking AlexandriaとかWe Came As Romansとかに興味が出るようになって、そちらをよく聴くようになりましたね。そこからバンドやってみたいと思いました。最初はKillswitch EngageやLamb of God直系のバンドだったんですけどね。

RIFF CULT : Disgorgeを聴いていたというのは驚きですね。

https://www.youtube.com/watch?v=i1FCVcWJW74

PK : むしろそういうジャンルのほうが聴いていた気がします。高校生のころはどっぷりメタル。Panteraとかも好きですね。

Matsuno : 2人ともぜんぜん違うね (笑)

 

RIFF CULT : はじめて買ったCDは何ですか?

PK : メタルだと中高校生の時にショッピングモールの中にあったレコードショップでいろいろ買いましたね。今もそのショップはあるんですが、ポピュラーなものばかりになってしまいました。メタル系のローカルなレコードショップ、日本で言えばNERDS RECORDSみたいなところもあって、そこにも行きましたね。

韓国のメタル/ハードコアを取り扱うレーベルとしてはDOPE RECORDSTOWNHALL RECORDSが有名。TOWNHALL RECORDSオーナーのHwang KyuseokはTHE GEEKSのKi Seok Seoと共にVICEのインタビューにも登場している。

RIFF CULT : 新しい音楽との出会いは基本的にはインターネットでしたか?

PK : そうですね。CDも買ってましたが、基本はネットでいろんな情報を調べていました。みんなiPodだったり、もっと安いmp3プレーヤーだったりを使っていましたよ。

RIFF CULT : 二人はいつからバンド活動を始められたんですか?

Piguri : はじめてのバンドはEighteen Aprilです。18歳か19歳の時だったかな。

Matsuno : いきなりEighteen Aprilだったんだ。

RIFF CULT : Piguriさんはオリジナルメンバー?

Piguri : いや、途中で加入しました。ネットでみかけたメンバー募集で連絡しました。

RIFF CULT : 同じ時期の日本だと、mixiでみんなメンバー募集してましたね。

PK : 韓国のミュージシャン達は、基本的に2つのウェブサイトが交流の場になっていました。ひとつはFacebook、それと同じくらい利用されていたのが、Mule (ミュール)という楽器のメルカリのようなサイトです。そこでみんな楽器の売り買いをしていたんですが、そのサイトにはメンバー募集できるフォーラムがあったんです。こんなジャンルで、このパートを募集をしているみたいな投稿が掲示板 (BBS)みたいなところに書き込まれていました。たしか登録制じゃなかったはず、SNSみたいなものではなく、2ちゃんねるみたいなものだった覚えがあります。最近は人が減っているけど、当時、僕たちが学生時代に主流だった音楽コミュニティですね。

Matsuno : まさに日本でいうmixi的なサイトだね。中国だとWeiboとか、ロシアだとVKとか。世界各国に同じようなものがあるみたいですね。

PK : あ、話がそれてしまいましたね……。僕のはじめてのバンドは、Scarlet ForestというDjent系バンドでした。

Matsuno : 確か、Inlayerのメンバーもいたよね?

Inlayerは、韓国出身のDjent/Progressive/Instrumentalバンド。この手のバンドには珍しく東方神起 · SUPER JUNIOR · 少女時代など所属のK-POP大手SM entertainmentが運営するYoutubeチャンネルよりMVをアップしている。

PK : そうですね。最初に話したメタル好きな友人と一緒に高校生のころに始めました。彼とは小学校から一緒だったんですが、高校のサークルで一緒にバンドを始めることになったんです。最初はギタリストだったんですが、ボーカルが見つからず、彼とじゃんけんして負けてしまい、僕がボーカルを担当する事になりました。もともとはギタリストだったし、ギター/ボーカルでスタートしたんですが、Djent系のプレイスタイルとボーカルを両立できなかったので、ボーカルに専念する事にしました。もともと三人ではじまったけど、結局二人になりました。あともうひとつ、Paydayというバンドもやってました。Scarlet Forestとは違ったタイプのサウンドです。

 

 

Matsuno : PaydayはCounterpartsとか、初期CAPSIZE, Defeater的な叙情ハードコアっぽいバンドだよね、カッコ良かった記憶が。
あと掛け持ちで他のバンドやってるメンバーもいたような。

PK : All I HaveやTurn For Ourのメンバーと一緒にやっていましたね。

RIFF CULT : 掛け持ちが多いですね。

Matsuno : 確かにけっこう多いよね。そのTurn For OurのベースのHyeong DooってやつとかもTo My Last Breathってバンドを前やってたり。

To My Last Breathは韓国最初のデスコアバンドとして知られる存在。現End These DaysのフロントマンSang Yul Songがギター兼リーダーを務めていた。

Matsuno : To My Last Breathの最初の音源が2009年とかだからかなり早いよね。日本でいうHer Name In Blood的な存在だったのかなと。Turn For OurもTERRORやTRAPPED UNDER ICEのようなストレートなハードコアを鳴らしていて音源が凄くカッコ良かった。最初聴いたとき欧米のバンドかと思ったくらい。

PK : 日本のラウドシーンは世界の国に比べて小さいと聞きますが、韓国はもっと小さいですよ。韓国でツアーしようとしたら、ソウルと釜山しかない。日本みたいな全国ツアーはできないんです。BTSのようなビック・グループくらいしか成功させることは出来ないんじゃないでしょうか。彼らもソウルと釜山の間のエリアにはあまり行かないですしね。

RIFF CULT : ソウルと釜山の間のエリアというのは、音楽シーンそのものが無いんですか?

Piguri : ほとんど無いと思います。音楽をやりたいという人はだいたいソウルか釜山に移住します。確かに若者が少ないエリアではあるんですが、正直、なぜそんなに避けられるのかは理解出来ないです。

PK : 韓国のように小さなシーンを盛り上げようと思うと、自然と掛け持ちして、いろんなバンドが誕生しがちになりますよ。バンド同士がみんな知り合いですし。サポートし合ってます。

 

RIFF CULT : コミュニティの中心人物はいますか?

PK : 間違いなく、Watchout! Recordsを運営しているカントさん(Kangto Lee)だと思います。Day of Mourningというバンドでギターもやっていますね。一時期韓国のレジェンド的なバンドVASSLINEにも在籍していました。またDay Of Mourningのもう一人のギター のマンキさんはPromptsの最新作『Magenta Smile』のエンジニアもやってくれました。韓国の多くのメタルコア/ハードコアバンドを手掛けていて彼はシーンでは一番有名なエンジニアと言えますね。

PK : あとはやっぱりEnd These Daysのユルさん(Sang Yul Song)ですね。日本のバンドシーンと最も親交が深いのはユルさんだと思います。End These Daysが2017年にリリースした「Solace」という曲のMVでは、Crystal LakeのRyo Kinoshitaがゲストボーカルとして参加して話題になりました。来日も4回していて2018年にはPaledusk主催のBlue Rose Tourに出演したり、年末のNERDS FESTに出演したりしています。また、2017年には日本からPrompts、Infection、Will You Rememberを招いて韓国ツアーを企画したりしてくれました。

 

Matsuno : 僕もユルとは7~8年前くらいからFacebookを通して連絡を取り合うようになって、家に泊めたこともあるし今もずっと親交があります。End These Days初来日は確か、RNR TOURS主催で秋葉原音楽館だったかな。

PK : この三人が、Watchout! Recordsというレーベルを始めて、日本からもMirrorsなど、いろんなバンドを韓国に呼び始めて、大きな企画を打つようになりました。Born of OsirisとかPeripheryなどが韓国でライブできるように働きかけて、Watchout! Recordsからオープニングアクトをブッキングしたりもしていましたね。

PK : それからIn Your Faceも韓国シーンにおいて重要なバンドです。彼らはJUMP OVER THE LINEという企画をやっていて、6回目から日本のバンドが参加するようになりました。韓国のシーンは小さく、いつも同じラインナップだから、日本のバンドを呼ぶ事が自然と増えていった形だと思います。これまでにAbstracts, Paledusk, Victim of Deception, Foad, Sable Hillsなどを招致していて日本と韓国の繋がりを作ってくれた大きな存在です。Vo.のミナトは現在は東京在住でよくライブハウスに遊びに来ています。

 

 

Matsuno : ミナトもそうだけどビックリしたのはメタルコアやハードコアのシーンの中で日本語ちょっと話せます、みたいな人がちょくちょく居ること。日本のバンドマンで韓国語喋れる人って言われてもほとんどいないから、すごいな~と思いましたね。あとけっこう韓国から日本にライブ観にくる人も多いんだよね。SCREAM OUT FESTIVALとかBloodaxe Festivalとかで韓国から遊びに来てる人と仲良くなったりしたなぁ。

 

RIFF CULT : 韓国でライブをやる時によく使ってたライブハウスはありますか?

Piguri : CLUB AORかな。弘大(ホンデ)っていう日本でいう原宿みたいな場所にあるライブハウスは有名ですね。

弘大 (ホンデ)

Matsuno : AORはPromptsでも行ったことがあります。2017年にETD主催のツアーで初めて行って、去年の1月には自分たちで”HYBRID YOUTH TOUR”と銘打ってPROMPTS企画を行いました。

 

Matsuno : 日本からPaledusk、From the Abyss、韓国からETD, Eighteen AprilにR4-19というメタルコアバンドが出演してくれました。韓国のメタル系の中では大成功と言われる60人くらいのお客さんが来てくれてすごく楽しい一日でしたね。コロナが落ち着いたらまた韓国でも企画をやりたいし、逆に今度は韓国のバンドを日本に招集したりしてみたいですね。あとは釜山のCLUB REALIZEとかは?

PK : REALIZEは残念ながら2020年で閉店してしまいましたね…。End These Daysが拠点にしてたライブハウスで、釜山にあったんですが。メタルコア、ハードコアの聖地みたいな場所でした。

Matsuno : CDとかも売ってたよね。PROMPTSや日本のバンドもちょくちょく取り扱ってもらってました。

PK : さっきの続きになってしまいますがオーナーのJin-su Baeという人は、釜山のメタルコア/ハードコアシーンの中心人物ですね。GWAMEGIという硬派なメタルコアバンドのボーカリストでもあります。

RIFF CULT : 釜山のバンドでいうとAll I Haveはどうですか?

PK : もちろん超重要です。 ギタリストのLee Jung MinはPaydayのメンバーでもありますね。釜山のハードコアといえば、All I Have。みんながリスペクトしています。メンバーのGeon(ゴン)さんはみんなの兄貴的な存在で、REMNANTS OF THE FALLENなど韓国の色んなバンドのアートワークやマーチデザインを作ったりもしていますね。

REMNANTS OF THE FALLENは、ソウル出身でDOMと来日経験も有るメタルコア/メロデスバンド。2017年度と2021年度の「韓国大衆音楽賞」最優秀メタル/ハードコア賞を受賞している。アルバム『SHADOW WALK』収録の”MISERY INJECTION”ではPKもゲストボーカルで参加。

 

Matsuno : ゴンちゃんはたしか昔日本の大学に通っていたこともあって日本語が異常にペラペラですね。よく日本のハードコアのライブに行っていたことから日本の多くのハードコアのバンドマンともかなり親交があるみたいです。2015年には東京のOTUS, HOLLOW SUNSを招いて韓国ツアーをやっていましたね。

 

RIFF CULT : ソウルと釜山にシーンの違いはありますか?

PK : そうですね。今と昔とでは少し変わってきていますが、ソウルはメタルコアやポストハードコアが多く、タフなサウンドは釜山に集まっているイメージです。

 

インタビュー第二弾へ続く!

Paleduskが新曲「WIND BACK」のミュージックビデオを公開!

Paleduskが、1月15日に発売する4枚目のシングル「WIND BACK」のミュージックビデオを公開しました。このビデオは彼らが所属するGreyscale RecordsのYouTubeチャンネルからアップされています。

https://twitter.com/Paledusk_jpn/status/1348041862536257536

【インタビュー】PRAISE 「GOSTRAIGHT 2020」に込めた想い (後編)

「GOSTRAIGHT 2020」各種サブスクはこちらから!

ミュージックビデオ撮影の思い出などは聞かせてください。

YU : 場所は静岡某所。朝5時に現場入りだったから、夜中に東京を出発して、ちょっとぶらぶらしたりしつつ、撮影しました。現場に着いてからいろいろとアイデアが湧いてきて、最初なんか、刀を使ったりしたよね?笑

Yuta : うん、全部カットになったけど笑

本当ですか?笑 それはどんなシーンだったんですか?

Yuta : 撮影で使える部屋に、ひとつ和室があって、小道具として模造刀が置いてあって。ちょっとこれ使ってみようって事でいろいろ撮ったんだけど、ミュージックビデオの雰囲気に合わなくて、お蔵入り笑

そんなシーンがあったとは笑 ミュージックビデオのコンセプトは企画段階からあったと思いますが、どんな事を表現しようとしましたか?

Yuta : リアルタイムな歌詞だから、PRAISEもリアルタイムな状況で表現できる事に挑戦しようと思いました。楽曲にはギターも入ってるけど、現状ギタリスト不在というバンド体制もそのままミュージックビデオに落とし込んでいます。Aoriの存在も、DTMを使って曲を作り上げていったところを表現できるように別シーンを使って撮影しました。PRAISEの今の状況が伝わるように。

 

新しい部分と変わらない部分、意識したことは?

Yuta : もともと「GOSTRAIGHT」が持っていた印象もどこかで残したいと思っていて、サビはほとんど変えずに、それ以外のところを変えてみたり。

Aori : 若干、リフの部分は変えているけど、刻みのイメージは一緒だね。

YU : 間取りはそのままで、リフォームしましたみたいな!

 

PRAISEの歌詞世界の中心にもなっているSNSを取り巻く人の影の部分。それを「GOSTRIGHT 2020」で新しく表現したいと思ったのは何故か、歌詞を書くにあたって影響を受けた事件や出来事はありますか?

Yuta : コロナウイルスの流行があって、SNSでもこれまで気にならなかった部分が見えてしまうようになりました。これは、自分達だけの感情ではないと思っていて、普段音楽を聴かない人も、ライブハウスに遊びにくる人も、なんとなく同じだと思う。嫌でも目についてしまう、見なきゃいいのに気になってしまう事。歌詞の中にもあるけど、誰かが逮捕されたとか、当事者には分からない事なのに見えてきてしまう事。そこをテーマにして曲を書いてみたかった。

この曲を届けたいと思う人は?

Yuta : 同じように考えている人がいるだろうと思う。こうしたSNSのダークな部分に対して、そうじゃないだろって。でもそれをSNSに書くだけじゃ変わらないんじゃないかって思うから、PRAISEとして音楽という形で発信しようと。それを受け取ってもらえたら。

 

ファンのみなさんの反応は気になりますか?

Yuta : もちろん、でもなんか、あまりリアクションに影響を受けすぎないようにしていますが、やっぱり気になってみてしまいますね。「そうそう、それが伝えたかったんだよ」ってうれしくなる事もあるし。

YU : 「これは道徳の教材にするべきだ」って書いている人もいたね笑

 

YouTubeのコメント欄も見てますか?

Yuta : メンバー全員、それぞれに反応はチェックしていて、うれしいコメントもありますね。良い事ばっかり書かれている訳じゃなくて、「なんか微妙だな」って反応がある事も含めて、嬉しいというか。PRAISEとしては、そういう反応も含めて形にしていってやるぞって思ってるかな。

YU : ファンのみんながコメントしてくれるのは、本当にありがたいよね。中にはPRAISEが嫌いなのにコメントする人もいるのは事実だけど、それに対して「わざわざありがとう」って思えるくらいかも。

Yuta : そこから得られる事も多いしね、「ああ、確かにそうだよな」みたいな。今まではそういうコメントに対してイライラしていたし、SNSでのくだらないトラブルも目に付いていたけれど、最近はそういうのもなくなった。そんな事にエネルギーを使っている事がもったいないとすら、思うようになれている。ライブを観せたいともね。

PRAISEのファンの中には、ギタリスト不在のミュージックビデオをみて、これからどうなっていくんだろうと気になっている方も多いと思いますが、何か伝えられる事はありますか?

jorge : けっこう気にさせてしまっているよね……。

Yuta : ひとつ言えるのは、まだまだPRAISEは終わらないよって事。次のステップに向けて準備している事もたくさんあって、実は新メンバーも決まっているんだ。だから、期待して待っててもらえたら嬉しいな。コロナウイルスの流行によって、音楽やライブシーンから離れてしまった人も少なからずいて、今までライブにもよく遊びに来てたけど、足が遠のいている人もいると思うし。その人たちがまたライブシーンに戻ってきて、「やっぱ、PRAISEやばいな」って思ってもらえる自信がある。

YU : 音楽リスナーだけじゃなくて、この自粛期間にバンドが解散したり、メンバーが脱退したり、音楽業界からいなくなった人もいる。それが良いとか悪いとかではないけどね。

Yuta : 最近思うのが、何かを続けていく勇気とか、何かから離れて新しい事に挑戦する勇気、どちらもとても大切な事だと思うよね。僕らはPRAISEを続けて、またたくさんのファンの前でライブがしたい、前よりも大きなステージでガンガンライブしていきたい気持ちに溢れている。

 

新メンバーについて、言える範囲でどんな可能性があるメンバーですか?

jorge : 新しいメンバーもPRAISEにはいない個性を持ったメンバー。いろんな個性が集まるPRAISEにとって、「これも新しいTOKYO MIXTUREだ」って思ってもらえるはず。新メンバーの出身地も含めて、面白い可能性があると思ってもらえるよ。東京っていろんな場所からいろんな人が集まる場所、いろんな人がいる東京って、MIXTUREぽいよね。

Aori : そうだね、TOKYO MIXTUREとしてもっと深みが出てくる気がする。

Yuta : 元通りになる事は出来ないけど、もっとよくしていける。もう一度盛り上げようぜって、思うね。聴く人もやる人も。

RIFF CULTインタビュー : PRAISE 「GOSTRAIGHT 2020」に込めた想い (前編)

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「GOSTRAIGHT 2020」は、2017年に発表した「GOSTRAIGHT」の2020年バージョンとして新しくアレンジされた楽曲だと思いますが、新しいバージョンを作ろうと思ったきっかけは何でしたか?

Yuta : 今年に入って、コロナウイルスの影響で予定していたツアーを全公演する事が出来なくなってしまったり、僕ら自身、生活が大きく変わったんですよね。ファンもバンドと接する機会が減って、強いて言えばSNSだけがコミュニケーションの場所になりました。SNSも良くないニュースばかりで、誰かが不倫しただの、逮捕されただの、金配りだの…。こういう言葉にインスパイアされて、曲を作ってSNSを通じて公開する事に意味を感じて、「GOSTRAIGHT 2020」として発表した、って感じです。

YU : 歌詞のアイデアから楽曲制作に入って、それが以前作った「GOSTRAIGHT」とリンクする瞬間が多かったから、これの今のバージョンを作ろうというのがきっかけですね。

エレクトロニックなフレーズのアイデアからは様々な影響を感じます。どんな音楽に影響を受けましたか?

jorge : エレクトロの要素に関しては、誰かの音楽から影響を受けたというよりは別の要因がありますね。Aoriがギターを弾く事が出来なくなってしまい、彼が力を発揮出来る事として、エレクトロニックなアイデアを組み込んだという感じですね。

Aori : そう、SNSをテーマにしたフレーズから制作を進めていくというところからスタートしているので、それをFXやシンセのパートで表現しようと思ってみました。ミュージックビデオでもそういう描写がありますが、SNSでのやり取りをエレクトロニックなフレーズで表現しています。ちなみに、前バージョンの「GOSTRAIGHT」はアウトロに向けて希望が見えてくる流れで終盤に向かって展開していきますが、今回はリフから何からダークでシリアスな雰囲気を持たせています。

SNSでのやり取りをエレクトロニックなアレンジで表現する上で影響を受けたものはありますか?

Aori : 最近だと海外の作曲家のMick Gordonに影響を受けていますね。エレクトロでラウドなテイストのゲームミュージックを多く生み出していて、最近だとBring Me The Horizonとコラボして作品を出したりしてるんですが、彼の手掛けた楽曲をよく聴いていた事もあり、自然と自分が楽曲制作を進めていく中で、このリフにはこうしたアレンジが合うんじゃないかと閃きを形にしていきました。FXを重ねていくうちに、なんだかSNSでの会話を描写するような形になりましたね。

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なるほど。もう少しメンバーのルーツ・ミュージックについてお聞きしたいのですが、それぞれに影響を受けてきた音楽などを教えてください。

jorge : ドラムを始めたきっかけまで遡るとMetallicaですね。それとKORNを筆頭にニューメタルはけっこう聴きました。バンドを始めるまでは海外の音楽が中心でしたが、Pay money To my Painやcoldrainに出会って衝撃を受けましたね、ものスゴく。今でも強く影響を受けています。

jorge

YU : 父親が音楽好きで、その影響から最初はLed Zeppelinなどを聴いていました。楽器を始めてからはRed Hot Chili Peppersや311、Nirvanaなど、どんどん昔に掘り下げていきましたね、Jimi Hendrixとかも。高校生になってSlipknotやLimp Bizkit、Linkin Park、Primusみたいに聴く音楽が広がっていきました。特にPrimusはPRAISEのベースラインをプレイする上で影響を受けてますね。あの不気味な音が凄いんですよね!

YU

Aori : 音楽を聴き始めたきっかけはたまですね。ひとつのバンドなのにメンバーがそれぞれに作曲をして、いろんなタイプの曲がある。そこに面白味を感じていました。そこからKORNなどのニューメタルやジャズなんかを聴くようになりました。とにかくいろんな音楽を幅広く。ジャズを聴き進めていく中でDjentに出会い、今のPRAISEのような楽曲制作をするようになりました。たまからの影響で豊富なバリエーションでPRAISEの楽曲を作るようになったし、その人が歌えば、そのバンドの曲になる、というような強さに憧れていましたね。

Aori

Yuta : 父親がバンドをやっていて、車ではいつもロックが流れているような環境でした。初めて行ったライブも父親に訳も分からず連れて行ってもらったThe Rolling Stonesの東京ドーム公演。とにかくロックばかりだったけど、自分が反抗期になると、そうでないものを聴きたいという気持ちが湧いてきて、ヒップホップに夢中になっていきましたね。最初はDA PUMPとかでしたけど、RIP SLYMEやKICK THE CAN CREWを聴き、もっといかついのがあるぞ! とキングギドラを聴いてみたり、アンダーグラウンドなものもチェックするようになりました。同じ頃、友達と一緒に観たGOING STEADYのライブビデオも衝撃で、青春パンクも聴くようになりましたね。海外のパンクも聴いたけど、やっぱり日本のバンドの方が好きだった。言葉の力強さが自分の中では重要だなって。青春パンクもヒップホップもそういう意味で自分のルーツになっています。

Yuta

海外のヒップホップはどうですか?

Yuta : 映画『8 Mile』を観て興味を持ったくらいで、そこまで聴いてはないですかね。みんなで移動している時にいろいろ聴いたりもしてるけど、BGMとして、かな。

ツアー中とか、みんなでいろいろ聴いたりしますか?

YU : そういうのは多いかも。最近これ聴いてるんだみたいな。

Yuta : 俺はあんまりメタルを聴かないから、メンバーに聴かせてもらって知る事が多いな。

やっぱりみんな聴いてるものが違うんですね。

YU : ほんとうにそう。なんか、ボーカル以外はメタルを聴いているから、PRAISEもバンド+ラッパーみたいな感じ。ミクスチャーから生まれたミクスチャーみたいな。

Yuta : これがヒップホップだとか、ヒップホップじゃないとか、そういう話題を見る度に、「あれ、俺ラッパーじゃないな」って思うよ。バンドマンだなと。個人的には。

jorge : だからこそミクスチャーという言葉がしっくりくるのかも。

ソングライティングにおいて”TOKYO MIXTURE”を掲げながら、新しいスタイルを作っていったり、様々なジャンルの音楽を取り入れたりしていく事に可能性や、やりがいを感じますか?

jorge : そうですね、自分達が”TOKYO MIXTURE”を掲げて活動を続けていった先に、新しい世代から”TOKYO MIXTURE”を掲げて活動を始めるバンドが出てきたら面白いなと思いますね。「俺らもTOKYO MIXTUREだぞ」って。ジャンルじゃなく、スタイルとして貫きたい。それが誰かに影響を与える事が出来れば嬉しいですね。

TOKYO MIXTUREと掲げる事で、自分達の可能性を狭めてしまっていると感じたことはない?

YU : いや、むしろ掲げてて良かったなと思います。例えば、メタルコアバンドがいきなりポップパンクな曲をプレイしたら、ファンは戸惑うだろうし、バンドも面白そうだと思っても踏み込みにくい気がする。でもミクスチャーだったら、出来るんじゃないかと。

Yuta : ミクスチャーロック、とは違って、TOKYO MIXTURE。それが一番しっくりくる。

 

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【年間ベスト】Grand Finale – Quantum Moment (Symphonic Power Metal)

Grand Finale – Quantum Moment

Azraelなどで活躍するベーシストYasuを中心とした女性ボーカルシンフォニック・パワーメタルバンドGrand Finaleの2年振りセカンドアルバム。前作『Descent with Modification』発表後にキーボーディストAOIとドラマーKenshoが加入し制作された本作は、日本のみならず海外のパワーメタルファンからも高い評価を得ている。

ヒロイックなメロディがアップテンポな楽曲に染み入るように馴染む「Silent God」や、シングルとしてもリリースされた「Fly To The Shangri-La」、多彩なキーボードワークと日本語詞が心地良い「Fly Away」など、思わず拳を突き上げたくなるような熱いナンバーがずらりと並ぶ良作!

01. Human (05:24)
02. World of Glory (05:03)
03. Fly to the Shangri-La (05:10)
04. Silent God (07:12)
05. 君は鳥 (05:02)
06. Fly Away (03:56)
07. Moment (04:34)
08. Again (04:55)
09. Unchanging Days (04:20)
10. The Last One (04:57)
11. This Is Amazing (05:30)

PaleduskがGrayscale Recordsと契約 + 新MV「HAPPY TALK」のMVを公開!

福岡を拠点に活動するPaleduskは、オーストラリアのレーベルGrayscale Recordsとの契約を発表。また、新しいミュージックビデオ「HAPPY TALK」も公開しています。

Grayscale RecordsはRNR TOURSで来日しているAlpha Wolfが所属しているレーベルで、Void of Vision他、現行オージーメタルコア/デスコアシーンと繋がりの深いレーベルです。

東京を拠点に活動するOne Eye Closedは、新ミュージックビデオ「Monster」を公開!

東京/渋谷を拠点とするポストハードコアバンド、One Eye Closedは新曲のミュージックビデオ「Monster」を公開しました。また、3曲入りのEP『Abel』も公開しています。

https://twitter.com/NSR_JP/status/1298909151435689984

【インタビュー】Earthists. (2020年6月27日)

 

新型コロナウィルスの影響で、世界中のコンサート活動は中止せざるを得ない状況となってしまった。日本も同じく、東京を中心に毎日のように行われていたコンサートは中止に追い込まれ、営業を断念するライブハウスのニュースに心を蝕まれた音楽ファンも多いだろう。そんな中、Earthists.がコロナ渦においては恐らく世界で最初のメタルコアショーをGARRET udagawaで行った。そのショーは最新鋭のVJが駆使され、これまでに見たことのない新たな形として、音楽ファンを驚かせた。今回はEarthists.のメンバーにインタビューを行い、新たなコロナ渦での音楽活動について聞いてみた。

インタビュー日時 : 2020年6月27日 (土)
アンサー : YUI & YUTO (Earthists.)
インタビュアー : TATSUWALLY (RNR TOURS)
編集&構成 : WAKI (RNR TOURS)

https://www.earthiststokyo.com/

今回のイベント開催について -今回のタイミングでライブを行おうと思った経緯について教えてください。

YUI : まず、今年の7月11日(土) 代官山UNITで行われる予定だった、Earthists./Graupel/Sable Hillsによる5周年イベントの中止を発表した直後に、大阪府がライブハウスでの有観客公演に関するガイドラインを発表しましたよね。アクリル板をステージと客席の間に設置してのイベント実施要請の内容をTVでイラスト付きで見た時に、これをVJに投影したら面白いことが出来るのではないかと感じました。

元々、今年の1月15日にマイナビBLITZ赤坂で行われたCY8ERのワンマン公演の演出で、透過のスクリーンを使ってホログラムを写していたのがめちゃくちゃかっこよくて、小規模のライブハウスでも再現できたら良いなと思っていました。 なので、アクリル板を使用した飛沫防止対策を見た時に、考えていたことの点と点が線に繋がった感覚がありました。

6月から東京都もライブハウスに対して同様のガイドラインが出そうな雰囲気があったので、こういうのって先にやったもん勝ちだと思って。やると決めてから勢いよく準備を進めました。 社会的な大義名分や、ライブハウスを助けるというのはもちろん大事ですが、今回はそれに対しての大きな意味は敢えて持たせないように、与えられた制約、器の中で自分達の自由を最大限表現していくことがアーティスト/ミュージシャンのあるべき姿だと考えて動きました。

今回のイベントも制約がある中で、自分達がいかにこの制約を利用して、自分達の長所としている部分を存分に表した演出が出来るのかなと考えた時に、こういう言い方はあまり良くないけど、一種のチャンスと捉えて、モッシーなバンドとはまた違う魅せ方が出来る、自分達なりのオリジナルなライブがこのタイミングで誇示出来るのではないかと思ったのも理由の一つです。

今の質問と重複してしまいますが、この企画で特にこだわりを持たせた部分を教えていただけますか?

YUI : 今回はソーシャルディスタンスという環境を利用したVJ投影による演出表現というのが大きなポイントになっています。イベントのタイトル、「PARALLEL WORLD (パラレルワールド)」にも関係してきますが、自分の中での裏テーマがあって、それは普段僕達が行なっているような、ライブハウスで密集してダイブなどを行なっている世界線がTRUEな世界線だとすると、今回のライブは”ウィルスが世界中に蔓延して、誰もが密集した状態で娯楽が全くできなくなってしまった20XX年のライブ会場で、誰にも見つからないように地下施設で、その時の最新の技術を駆使して特殊な演出をしている世界線”というものを表現していて。それはまさにパラレルワールドで、”IFの世界のライブハウス”を表現しました。全席着席にして、VJを使ってわかりやすいデジタルな雰囲気と近未来な演出というのを行ったのもそのコンセプトに基づいています。

そして今回、THINGS.のTakuya Oyama(以下Takuya)に協力してもらって、少ない時間の中でも何度もミーティングを重ねてVJ用の映像を作っていったというのが今回のこだわったポイントですね。後はゲームのFALLOUTの中でのライブハウスはこうなんじゃないかな、というのも想像したりしました(笑)。

映像担当にTakuyaさんを起用した経緯を教えてください。

YUI : Takuyaとは以前から知り合いで。と言っても THINGS.が大阪から活動拠点を東京に移してから関係が深まったのですが。Takuyaが以前Twitterで「VJに興味ある人いませんか?」とツイートしていたのを覚えていて今回連絡しました。そもそも僕はTakuyaの映像が本当に大好きで、話は戻りますが、それこそ彼が手掛けているCY8ERのミュージックビデオのデジタルな世界観や感覚に共鳴していましたし、僕が想像していたパラレルワールドの“もしもの世界線”であるデジタルスチームパンク / デジタルカルト感とイメージが最も近かったので、迷わずオファーをしました。

まさにYUI君の想像がリンクしていたと?

YUI : そう。今回THINGS.と約束できなければ、企画自体やめようと決めていたくらいです。

コロナウィルスによって全世界的にライブが出来ない状況でしたが、それぞれどういう時間を過ごされましたか?

YUTO : 僕は基本的には家で制作だったのですが、何かしらコンテンツを出したいなと考えていて。Footprints のリモートセッションをSNSでリレー形式でやろうよってYUIが発案してくれてやってみましたね。それと、次の新作のプリプロ、デモ音源の制作も行いました。

新しい趣味は出来ましたか?

YUTO : 音楽にまつわることしかしなかったですね…。

YUI : なんかパン作ってたよね?

YUTO : あ(笑)ホームベーカリーの機械を買って、くるみを入れたりしてパンを作ってました。

バンド界隈でカレー職人が増える中、パンを作られていたんですね (笑)

YUTO : そうです(笑) Yui君はどんな時間を過ごしましたか?

YUI : 僕はスパイスカレー作りに魅了されてましたね(笑)。結構行くとこまで行って、今でも作っていますね。あとはD.I.Y.にハマって、2×4材を柱に出来るラブリコっていうジョイントがあって、それを使って本棚を作ってて… YUTOはうちに来て現物見たから知ってると思うけど、結構完成品イカついよね(笑)?

YUTO : ヤバいよね (笑)

YUI : 壁一面が本棚みたいになってて、そこにクラフトビールを並べて(笑)。あとはYUTOと一緒で曲の制作を進めてましたね。

なるほど。ビール関連で伺いたい質問がありまして、4月18日-19日に吉祥寺で開催されるはずだった「CRAFTROCK CIRCUIT’20」(Earthists.は19日に吉祥寺Warpで出演予定だった)が残念ながらイベントの開催が中止となってしまったのですが、率直な感想を教えてください。

YUI : UNITの5周年イベントが延期になったのと同じくらい悲しかったですね…。

YUTO : めちゃくちゃ楽しみだったよね (泣)

YUI: 普段、僕達が活動するフィールドでは対バンやブッキングできないような異色な人達も多くて、そういう中で生まれるケミストリーとかも楽しみにしていたし。

YUTO : tofubeatsとかいて結構テンション上がったね。

YUI : DAOKOさんとかいてね(泣)。あとは吉祥寺WarpがCrystal Lake、Her Name In Blood、Endzweck、Versus The Nightというラウドな会場だったというのもね。

本当に残念でなりませんね。やっぱりケータリングはビールなのでしょうか?

YUI : (ビールサーバーから、ビールを注ぐ動作をしつつ) そう。もう最高なんだよね。もう飲み放題なんだよね。本当に残念です。

自宅にいることで音楽を聴く機会が増えたと思うのですが、自粛期間中よく聴いていたアーティストを教えてください。

YUI : 僕は元々、邦ロック超大好きで、邦ロックのジャンルを継続的にディグりながら、フューチャーポップやサブカルチャー的な音楽も大好きで。かなりティーンネイジャーっぽいんですが…、その中でもYOASOBIとか藤井風、Vaundy辺りをよく聴いていて、後者2名はかなり前から色々な人にオススメしてました。

YUTO : Vaundyとか完全に一人でやっていて、そういう所謂D.I.Y.な感じのベッドルームアーティストを聴き漁ってました。

なるほど!YUTO君のソロプロジェクトSkyLogicもここら辺のアーティストから影響を受けているのでしょうか?

YUTO : 影響受けましたね。元々Earthists.を始める前に活動していたプロジェクトなのですが、それをちょこちょこ引き続きやっていて、それが一層このコロナの期間で強まりましたね。もちろんメインはバンドですが、別のアウトプットを作って発信したい気持ちをソロプロジェクトの作品に反映しています。そこで得たものもバンドに還元していければとも思ってます。

別の視線でから見るというのはとても大事だと思います。

YUTO : アプローチの仕方が変わってくるのと視野が結構広がるという考えもあります。

 

『DREAMSCAPE』収録曲「Footprints」をリメイクして「FOOTPRINTS(Metropolis Mix)」としてリリースされたこの楽曲は、自粛期間中のリレー投稿の一環で、YUI君がTwitterに投稿した30秒動画が反響を呼んでのリリースだったと思うのですが、この曲をチョイスした理由はあるのでしょうか?

YUI : あーなんでなんだろう?(笑)

YUTO : なんでなんだろうね (笑)

YUI :過去に「Purge Me」をJazz Groove Remixという形で既にリリースしていて、そういうリミックスの曲をまた作りたいねという話自体はバンド内でもしていましたね。あとは個人的に「Footprints」が好きっていうが理由です。

YUTO : サビのメロがメロ〜〜っていう感じだもんね。

個人的に「Purge Me」が好きだったので少し期待をしてしまったのですが。

YUI :「Purge me」はリフが凄いバウンシーだから、アコースティックでしっとりというよりは既にリリースしているJazz Groove Remixの様なフューチャーベース感を持たせた踊れるノリの方が、楽曲のイメージを崩さずにリミックス作品としてまとまると思ったんですよね。

2月に発表され、2020年版としてリメイクされた「RESONATING LIGHT 2.0」は小林亮輔氏(a crowd of rebellion)をゲストボーカルに迎えましたね。その経緯と「Resonating Light」という選曲になった理由を教えてください。

YUI : Earthists.は今年で結成5周年を迎えます。5周年企画として開催を予定していた7月11日の3マンイベントの他にも何かしたいねという話があり、僕達の代表曲「Resonating Light」を再録することにしました。『DREAMESCAPE』収録曲用にレコーディングした時点では、良い意味でも悪い意味でも稚拙な部分があって、当時も完成に対しての満足度が正直そこまで高くなかったです。

「Resonating Light」のサビのメロディは、元々亮輔くんに影響を受けて作ったメロディで、今楽曲の本家とまでは言わないけど、リスペクトしているアーティストである彼にゲストボーカルを是非お願いしたいという想いがありました。そもそも「Resonating Light」を作った時に亮輔くんにお願いしたいというのはありましたが、バンドが始動して間もなく、お願い出来る状況じゃなかったんですよね。

今もまだまだだけど、自分達なりに経験値を積んできて、実際にa crowd of rebellionの丸山獏さんや宮田大作さんとお話する機会も増えてきて、Earthists.も5周年を迎えて腰を据えてお願いできる段階に来たと感じて、今回オファーしました。冒頭の話しに戻りますが、THINGS.がこのイベントで映像を担当してくれなかったら企画を行ってないのと同じで、亮輔くんにオファーを断られたら、別の曲を再録しようと思ってました。

5年経った現在で、作曲面で意識した部分とかあれば教えてください。

YUTO : 2016年当時は、とりあえず音源を形にしたい想いが先行していて、ライブを想定した曲作りであったり、身体が揺れ動く感じなどを意識していませんでした。今になって、もう少しリスナーに好かれるようなテイストにしたくて、リフがシンプルになってきましたね。

なるほど。伝わりやすさがあれば、より多くの人に広がるという視点は経験を積まないとわからないことですね。

YUTO : あとは単純に難しいことをやりたくないですね (笑)。 昔はテックコアみたいな感じだったのですが、今はもっとお客さんにダイレクトに伝わるように、演奏している自分が楽しく弾けるようにできたらなという感じです。

先日、中国のICHIGO Recordsとレーベル契約をされましたが、アジア方面に対してどういう風に捉えていますでしょうか?

YUI : 俺、アジア超大好きで、ツアー行った中で中国ツアーが一番楽しかったんですよね。プロモーターの人がナイスガイだったというのも大きいかな。基本的にみんな良い人達で、関わってくれる人、遊びに来てくれたファンのみんな全員リスペクトを持って接してくれて、ツアーバンドだからとか、日本人という外国人だからというのはあまり感じなくて、純粋にアーティストとしてリスペクトしてくれているというのを凄く感じました。

YUTO : 日本語でコミュニケーションを取ってくれる人が多くて。あと異常に日本語が上手な人にツアー中2人くらい出会ったりして(笑)。凄く面白かったです。

YUI : これからも様々な面で世界中に向けて活動して行き、アジアでは中国を中心に露出して、また呼ばれるように活動していきたいです。

なかなか難しい状況ですが、今後に向けてのビジョンがありましたら教えてください。

YUI : リリースはコンスタントに行う予定です。ライブ活動や、アーティストとして自分達で表現していく方法は今日のライブ然り、制約のある中でも色々あると思いますが、模索しながら僕達なりに、Earthists.だから出来る表現や活動をしていきたいです。

また、最近では配信が増えてきていますが、これが今後のライヴ事情のニューノーマルになるとは思ってないです。ただ、しばらくこの状況は続くと思うから柔軟に適応しつつ、海外のお客さんを獲得するチャンスでもある配信ライブが、この状況下でライブハウスも制作サイドも経験値を積んでいて、以前よりライヴ配信へのハードルが下がっていきていると思うのでどんどん利用していきたいと思っています。

今日のこのイベント直前に意気込みをお願いいたします。

YUI : 今日のイベントは、開催まで3週間という通常イベントではあり得ないスケジューリングで制作を行っていて、急いで会場を押さえて、機材買って、映像作って、なんとしても間に合わせるぞという気持ちでやっていましたが、その反面この状況下でお客さんが本当にくるのかとか、ガイドラインは厳守しているもののお客さんの安全面を、ウイルスの専門家でもない僕達が監修した会場状況で万全に達成できているのかとか不安はあって。実際に今日、批判の声が出ちゃうかもしれない。ただ、そういうリスクを全部背負ってでも、アーティストっていうのは常にエスカレーターを逆走しているような状態なので、止まるとどんどん下がっていくから止まる訳にはいかない、同じ速度で歩いても位置が変わらずただ足だけ痛めていずれ終わってしまう。上に登るためには、常に全力で駆け上がらないと、どんどん自分で進んでいかないといけないと思っています。

YUTO : 常に120%の気持ちでやっていければと思います。 YUI: 俺たちはアーティストだから突き進みます。

たくさんのお話しありがとうございました。最後にファンの方へメッセージをお願いします。

YUI : いつも応援してくれてありがとうございます。こんな時期だからこそ、音楽がワクチンとして実際にウイルスに作用するわけじゃないけど、精神的な助けだったり支えだったり、何かしらのトリガーだったりにはなりえると思っています。何かに挑戦するという面でも、僕達なりにも様々な挑戦とリスクを背負って活動していきます。みんなも全方向で萎縮しすぎず、様々な制約の中でもこの時期だからこそ出来る新たな一歩を進んで欲しいと思います。

YUTO : この状況下なので、ライブハウスで生で届けるのは難しいけれど、自分達なりにやり方を考えて見つけていき、コンスタントに新しい音楽を届けていくので、ついてきて欲しいです。