Dungortheb 『Waiting For Silence』 (2008年 – Great Dane Records)

Dungortheb 『Waiting For Silence』 (2008年 – Great Dane Records)

1 Lethargy 2:59
2 Another Way To Die 4:32
3 Intended To Fal 3:02
4 Addicted 5:33
5 Waiting For … 3:01
6 Silence 4:58
7 Only Way To Die 4:54
8 N.D.E. 4:37
9 Trip Into Obscurity 4:32

5年振りのリリースとなったセカンド・アルバム。新たに同郷のレーベルGreat Dane Recordsと契約して制作された本作は、ギタリストがJean-MarcからArkhasisを脱退したばかりだったJérémy Durinにスウィッチ、新たにベーシストSamuel Baudoinが加入し、5人体制でレコーディングされている。前作同様、溢れんばかりに詰め込まれたギターのリード・パートがDungorthebサウンドを支配、インストゥルメンタルの楽曲を挟みながらじりじりとボルテージを高めながら展開する、燻し銀の作品。

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2003 – Intended to…
2008 – Waiting For Silence
2014 – Extracting Souls

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Dungortheb 『Intended to…』 (2003年 – Perennial Quest)

Dungortheb 『Intended to…』 (2003年 – Perennial Quest)

Twisted Reality 4:31
Two Faces 6:00
Fate Of Humanity 4:02
Place Of Alienation 5:49
Twilight 4:28
The Only Rest 5:21
Illusion 5:09
Beyond The Darkness 5:06

1996年フランス北東部のカパヴニール・ボージュで結成。バンド名は「ロード・オブ・ザ・リング」からの引用だ。ボーカル/ベースGrégory Valentin、ギターのJean-Yves MottéとJean-Marc Werly、ドラムスHervé Jolyの4人体制でレコーディングを行った。ヒロイックなリード・パート&ギターソロが豊富で、メロディック・デスメタルに接近しながら、Grégoryの邪悪なスクリームが残忍さを醸し出している。やや一本調子なのは否めないが、派手さのない整ったサウンド・プロダクションは良い意味で彼らのサウンドにフィットしている。

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2003 – Intended to…
2008 – Waiting For Silence
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Amoeba 『Counterweight』 (2014年 – Independent)

Amoeba 『Counterweight』 (2014年 – Independent)

  1. Mind Coercion 03:02
  2. A Wretched Domain 03:04
  3. Depths of Deceit 03:26
  4. In Loathsome Avarice 03:44
  5. Outrageous 01:24
  6. Plague Mongers 03:02
  7. Abnegate 02:13
  8. Martyrdom 03:41
  9. By Lawful Violence 04:58

2010年フランス北東部に位置するストラスブールで結成。本作は、2011年にデビューEP『Day in Black』のリリースを経て発表された最初で最後のフルアルバム。ボーカルLucas Hahl、ギター/ボーカルMarius Philippi、ベース/ボーカルSimon Reiss、ドラマーLouis Schmidtの4人でレコーディングが行われ、Fleshgod Apocalypseなどを手掛けたStefano Morabitoがプロデュースを担当している。安定感のあるブラストビートに絡みつくチェーンソーリフがAmoebaの魅力で、まるで生き物のように楽曲のテンションの起伏を演出している。

7th Nemesis 『Deterministic Nonperiodic Flow』 (2010年 – Great Dane Records)

7th Nemesis 『Deterministic Nonperiodic Flow』 (2010年 – Great Dane Records)

  1. Distorted Mass (Of Unformed Matter) 10:25
  2. Seeding Devolution 05:02
  3. Legacy of Supremacy 06:04
  4. Reverse Engineering 06:45
  5. The Sarcastic Maze 06:17
  6. Random Ascension 05:08
  7. Ashes of a New Era 05:25

2001年ル・ペルー=シュル=マルヌにて結成。メロディック・デスメタル・バンドInward Mindの解散をきっかけに生まれ、活動をスタート。”エクストリーム・プログレッシヴ・メタル”を自称し、本作までに2枚のフルアルバムをリリースした。同郷のGreat Dane Recordsと契約、Pitbulls in the NurseryのFrancescoをプロデューサーに迎えた本作は、デスメタルを基調に、テクニカルでプログレッシヴなフレーズが嵐の如く炸裂。時折ニューメタルにも近いフレーズを差し込むなど、独創的なスタイルを見せてくれる。

視聴URL : https://greatdanerecords.bandcamp.com/album/deterministic-nonperiodic-flow

Kronos 『Arisen New Era』 (2015年 – Unique Leader Records)

Kronos 『Arisen New Era』 (2015年 – Unique Leader Records)

 

Infernal Abyss Sovereignty
Zeus Dethroned
Soul-Voracious Vultures
Rapture In Misery
Klymenos Underwrath
Aeons Titan Crown
Brotherlords
Purity Slaughtered
Hellysium

 

Michaël、Christopheが脱退、オリジナルメンバーがJérômeだけとなった彼らの8年振り4枚目フルレングス。本作からAtaraxis,、Diluvian、Antropofago、Mehtnakrissなどで活躍したボーカルTrivetteが加入、4人体制で制作された。Kronos最大の魅力であるJérômeとRichardコンビの美しいギターワークは健在で、荘厳なメロディを巧みに奏でている。タイトなドラムワークも迫力満点で、怒涛のリフワークに食らい付くパワフルさに溢れている。ブルータルでありながら美しく、どこか『Colossal Titan Strife』を彷彿とさせる雰囲気がある。

 

[arve url=”https://www.youtube.com/watch?v=wXO6ckyyvrI” /]

 

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2001 – Titan’s Awakening
2003 – Colossal Titan Strife
2007 – The Hellenic Terror
2015 – Arisen New Era

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Kronos 『The Hellenic Terror』 (2007年 – Xtreem Music)

Kronos 『The Hellenic Terror』 (2007年 – Xtreem Music)

The Road Of Salvation… 4:00
Bringers Of Disorder 4:04
…Until The End Of Time 4:53
Suffocate The Ignorant 3:29
A Huge Cataclysm 4:36
Tricephallic Hellkeeper 3:40
Petrifying Beauty Part 1. Divine Vengeance 3:19
Petrifying Beauty Part 2. The Murderous Reflection 3:52
Ouranian Cyclops 5:06
Maze Of Oblivion 4:16

4年振りのリリースとなった3枚目フルレングス。これまで驚異的な迫力を見せてきたドラミングはやや落ち着き、整合感を重視。本作はスタンダードなテクニカル・デスメタル・スタイルによって浮き彫りになったモダンな才能が開花したように感じる。ボーカルChristopheは初期のブラックメタルな歌唱スタイルから、力強いローガテラルを操るパワースタイルもそつなくこなす。「The Road Of Salvation…」や「Ouranian Cyclops」など新たなKrosisらしさ感じる楽曲が目白押し。2009年にはデモやデビュー作をコンパイルした『Prelude to Awakening』を発表。

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2001 – Titan’s Awakening
2003 – Colossal Titan Strife
2007 – The Hellenic Terror
2015 – Arisen New Era

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Kronos 『Colossal Titan Strife』 (2003年 – Extreem Music)

Kronos 『Colossal Titan Strife』 (2003年 – Extreem Music)

Mythological Bloodbath 0:40
Colossal Titan Strife 3:36
Submission 2:18
Opplomak 4:17
With Eaque Sword 4:47
Aeternum Pharaos Curse 4:09
Haterealm 2:55
Monumental Carnage 4:43
Phaeton 6:06
Kronos 3:30
Infernal Worms Fields 5:49

前作に続きギリシャ神話の巨神族Titanをテーマに制作されたセカンド・アルバム。本作からギタリストがRichardにスウィッチ。バンドの中心メンバーであるギタリストJérômeとドラマーMichaëlのコンビネーションが素晴らしく、メロディック・デスメタルの影響を強く感じるリズムセクションが強化され、キャッチーな仕上がりとなっている。新加入Richardのギターワークも素晴らしく、狂気を孕んだデスメタリックなソロパートが随所に盛り込まれ、洗練されたKronosの世界観の重要部分を担う役割を果たしている。印象的なアートワークはMichael Briotによるもの。

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2001 – Titan’s Awakening
2003 – Colossal Titan Strife
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2015 – Arisen New Era

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Kronos 『Titan’s Awakening』 (2001年 – Second Side)

Kronos 『Titan’s Awakening』 (2001年 – Second Side)

Mashkhith (Descent Into Evil Wrath) 3:52
Sysiphe (Renewal Eternal) 2:47
Enslaved By The Madness (Spiritual Dedale) 4:10
Bloodtower (Architect Of Our Grave) 3:53
Eternal Mindtrap (Labyrinth Of Time) 5:03
Outrance 0:05
Sadistik Retribution (Under My Domination) 4:49
Warmaggedawn (Ancestral War Supremacy) 3:19
Dismember 2:56
Disease Of God (Ode To The Mighty Battlelord) 4:08
Demence Of The Gnomish Warriors 0:42
Supreme Nordik Reign (Conquerors Of The Dark Age) 3:13

1994年ロレーヌで結成。本作はボーカルChristophe Gérardin、ギタリストの
Jérôme GrammaireとNicolas、ベーシストThomas、ドラマーMichaël Saccomanの5人体制で制作された。結成当初からギリシャ神話をテーマに楽曲制作を行い、オールドスクールなサウンド・プロダクションを基調にドラマティックな世界観を演出。リバーブの効いたドラム・サウンドが印象的で自由自在にテンポを操りながら楽曲を牽引、ハーモニー豊かなギターのリードもまたセンスを感じる。アートワークはJaromír Bezručによるもの。

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2001 – Titan’s Awakening
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Deivos 『Emanation From Below』 (2006年 – Empire Records)

Deivos 『Emanation From Below』 (2006年 – Empire Records)

1997年ポーランド東部に位置しウクライナ、ベラルーシと接するルブリンを拠点に結成。ギタリストのTomasz Kołconを中心に、ドラマーKrzysztof “Wizun” Sapan、ベース/ボーカルJaroslaw Pieńkoś、AbusivenessのギタリストMścisławの4人体制で本作の制作をスタート。タイトなドラミングが変幻自在にグルーヴを演出。「Battle for Dominance」や「Divine Defilement」などカウベルが効果的に挿入された楽曲が多く、面白いアクセントになっている。リフの一つ一つにコクがあり、聴けば聴くほど味わい深くなっていく。

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2006 – Emanation From Below
2010 – Gospel of Maggots
2011 – Demiurge of the Void
2015 – Theodicy
2017 – Endemic Divine
2019 – Casus Belli

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Deivos 『Gospel of Maggots』 (2010年 – Unique Leader Records)

Deivos 『Gospel of Maggots』 (2010年 – Unique Leader Records)

4年振りのリリースとなったセカンドアルバム。前作『Emanation From Below』はワールドワイドな人気を獲得し、バンドはUnique Leader Recordsとの契約を果たした。プロダクションは同郷にあるHertz StudioのWiesławski兄弟が手掛けている。前作でDeivosサウンドの最も個性的な要素であったカウベルをたっぷりと盛り込み、よりブルータルな気概溢れるエナジーを感じる。「Wretched Idolatry」や「Kept in the Dark」はアルバムの中でもキーとなる楽曲で、彼らのテクニックを十二分に堪能することが出来る。

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2006 – Emanation From Below
2010 – Gospel of Maggots
2011 – Demiurge of the Void
2015 – Theodicy
2017 – Endemic Divine
2019 – Casus Belli

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Deivos 『Demiurge of the Void』 (2011年 – Unique Leader Records)

Deivos 『Demiurge of the Void』 (2011年 – Unique Leader Records)

“僅か1年足らずで発表されたサード・アルバム。ベース/ボーカルを担当していたJaroslawが脱退。新たにUlcerのボーカリストHubert Banachとベーシスト
Kamil Stadnickiが加入し5人体制となっているアートワークからも分かるように前作『Gospel of Maggots』の延長線上にある本作は、暴虐的なスピードを見せるドラミングが素晴らしく、緻密なシンバルワークとカウベルのアクセントが絶妙なグルーヴィーな仕上がりとなっている。そのスピードとグルーヴが同居するサウンドに必要なテクニックがしっかりと備わっており、前作以上にカオスに暴れ回るDeivosサウンドが炸裂する。”

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2006 – Emanation From Below
2010 – Gospel of Maggots
2011 – Demiurge of the Void
2015 – Theodicy
2017 – Endemic Divine
2019 – Casus Belli

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Deivos 『Theodicy』 (2015年 – Selfmadegod Records)

Deivos 『Theodicy』 (2015年 – Selfmadegod Records)

4年振りのリリースとなった本作は、同郷のエクストリーム・メタル/ハードコア・パンク・レーベルSelfmadegod Recordsと契約して発表された。これまでと打って変わり灰色のダークなアートワークを持つこの作品は、前作『Demiurge of the Void』で絶頂に達したDeivosのエナジーを一度整理するような作品になっているように感じる。これまで通りパワフルでスピーディではあるものの、プログレッシヴな趣を僅かに取り入れたことで、グルーヴを生み出すテクニックの妙を聴き取りやすくリスナーに提示する。パワーでなくセンスで勝負した作品。

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2006 – Emanation From Below
2010 – Gospel of Maggots
2011 – Demiurge of the Void
2015 – Theodicy
2017 – Endemic Divine
2019 – Casus Belli

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Deivos 『Endemic Divine』(2017年 – Selfmadegod Records)

Deivos 『Endemic Divine』(2017年 – Selfmadegod Records)

2年振りのリリースとなる本作は、デビュー作からギタリストを務めてきたMścisławが一時的にバンドを離れた為、SphereのJakub Tokajが参加している。本作では初めてエンジニアが変更されており、ポーランドの様々なメタルバンドを手掛けるTomasz Zalewskiがミックスからマスタリングまでを担当した。オープニングを飾る「Daimonion」からKrzysztofの個性的なドラミングを軸に展開されるDeivosらしい究極のグルーヴがスピーディに駆け抜けていく。後半の3曲を除く楽曲は2〜3分前後で聴きやすいのもポイントだ。

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2006 – Emanation From Below
2010 – Gospel of Maggots
2011 – Demiurge of the Void
2015 – Theodicy
2017 – Endemic Divine
2019 – Casus Belli

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Deivos 『Casus Belli』(2019年 – Selfmadegod Records)

Deivos 『Casus Belli』(2019年 – Selfmadegod Records)

コンスタントにリリース続けるDeivosの通算6枚目フルレングス。Ulcerから加入したHubertとKamilもすっかりDeivosスタイルに溶け込み、不動のポリッシュ・テクニカル・デスメタルを鳴らし続けてきた。これほどまでにスタイルチェンジしないバンドも珍しいが、彼らの場合ファンがそれに飽きることはないだろう。アルバムのタイトルトラックである「Casus Belli」から、ソリッドで残忍なリフが織りなす整合感のあるブルータル・デスメタルが駆け抜けていく。キャリア史上最高に美しいアートワークは同郷のMaciej Kamudaによるもの。

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テクニカル・デスメタル 2021年の名盤15選

 

なんだかんだ数十年と追いかけ続けているプログレッシヴ/テクニカル・デスメタル。近年は全体的な演奏技術、サウンド・プロダクションが向上し過ぎてて、テクニカルとそうでないものの線引きが非常に難しい。そもそもテクニカル・デスメタルという言葉がかなり曖昧で、誕生からそれなりに時代を経過していることもあって、一度整理して考えないといけないタイミングだと思う。

 

今回リストアップした作品はプログレッシヴ・デスメタル、ブルータルデスメタルの中から特にテクニカルなスタイルにフォーカスしている作品を中心にピックアップしている。そしてそのテクニカルとは、ブラストがスピードとかリフのスピードとかだけでなく、演奏技術が優れていればテクニカルとして考えている。〜デスメタルというサブジャンルがそれぞれにあり、その中でテクニカルなものを選出しているので、総合的に見てブルータルデスメタルであったりプログレッシヴデスメタル、はたまたメロディックデスメタルであるものもある。現代におけるテクニカル・デスメタルを考えたときに大元のジャンルがなんであれ、テクニカルとタグ付けすることが出来ればそれはテクニカル・デスメタルになる、と思う。そういう視点で今回15枚の作品を選び、レビューしてみた。

 

 

第15位 : Cathexis 『Untethered Abyss』

Release : Willowtip Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Cathexis/3540360378

 

今年結成10周年を迎えたテキサス州オースティンのテクニカル・デスメタル中堅、Cathexisの8年振り通算3枚目のフルレングス。Scattered RemainsのIan Bishopがボーカルを務め、Sam KangとChris Hillamがギタリスト、Tony Montana’s Last Standなどで活躍したベーシストOscar Martinez、BallgagのドラマーFelix Garzaの5人体制で活動しており、Willowtip Recordsとの契約を勝ち取ってのリリースとなった。

 

プログレッシヴとアヴァンギャルドの中間をいくミドルテンポの楽曲が中心で、ガリガリとリフを刻みつつもメロディアスであるのがCathexisの魅力だ。Willowtip Recordsらしいサウンドであるので、レーベルのフォロワーでまだチェックできていない方がいたら年末に向けて聴き込んでいただきたい。おすすめの曲は「Mortuus in Perpetuum」。

 

 

 

 

第14位 : Path to Kalinin 『Lineage』

Release : Independent
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Path_to_Kalinin/3540491761

2021年テネシー州ナッシュビルを拠点に結成されたテクニカル/メロディック・デスメタルバンド。While You Were Asleepで活躍するベーシストTommy FireovidとドラマーRikky Hernandez、Kryptik EmbraceのギタリストだったRikk Hernandez、そして伝説のサタニック・デスメタルバンドNunslaughterのギタリストとして2014年から活躍するNoah Nuchananがリード・ボーカルを務める。

基本的にはメロディアスなギターを携えブラストしまくるファストなテクニカルサウンドが売りであるが、雄大なクリーン・パートも組み込むあたりはなかなかオルタナティヴな感覚があるのだなと感心。楽曲も聴き込むにつれ味わい深さを増し、EPというサイズでありながらその世界観は一級品。

 

 

 

 

第13位 : Alustrium 『A Monument to Silence』

Release : Unique Leader Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Alustrium/3540314183

ペンシルバニア州フィラデルフィアを拠点に活動するプログレッシヴ/テクニカル・デスメタルバンド、Alustriumの6年振り通算3枚目のフルレングス。非常に地味な存在であるが演奏技術は確かで、覆面バンドGalactic Empireの”中の人”も在籍している。ギタリストのMike DeMariaとChris Kellyがプロダクションを担当、ミックスまでを行い、Ermin Hamidovicがマスタリングを務めた。

 

雄大なリフ、そしてデスメタリックでありながらエレガントなメロディも巧みに弾きこなすMikeとChrisのギターだけでも抜群の聴きごたえ。Prosthetic Recordsが得意なメロディック・デスメタル/デスコア感をややテクニカルに寄せたスタイル、と言えば分かりやすいかも知れないが、現在の人気以上に凄いことをやっているバンド。じっくりと聴き込めば聴き込むほどに味わい深いアルバムだ。

 

 

 

 

第12位 : Unfathomable Ruination 『Decennium Ruinae』

Release : Willowtip Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Unfathomable_Ruination/3540315635

2010年からイングランド/ロンドンを拠点に活動するテクニカル・ブルータルデスメタルバンド、Unfathomable RuinationのEP。2019年のフルアルバム『Enraged & Unbound』は良い意味で無機質なテクニカル・マシーンっぷりを見せつけ、特にブルータルデスメタルシーンで高く評価された。

 

本作は限りなくブルータルデスメタルと言える残虐なフレーズが次々と繰り出されるがテクニカルな美的感覚が見事で、アヴァンギャルド、プログレッシヴとは明らかに違う「テクニカル・ブルータルデスメタル」のピュアなパッションが感じられるだろう。誰にも止められない暴走列車の如く叩きまくるドラミング、アクセルとブレーキを自由自在に操るリフ、これほどまでに見事な転調を繰り返すデスメタルバンドは他にない。

 

 

 

 

第11位 : Ominous Ruin 『Amidst Voices that Echo in Stone』

Release : Willowtip Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Ominous_Ruin/3540397429

 

2010年からカリフォルニア州サンフランシスコで活躍するテクニカル・ブルータルデスメタル中堅、Omnious Ruin待望のファースト・アルバム。これまでEPのリリースはあったものの2015年以降は新曲が出ていなくて、ややマイペースな活動スタイルがネックではあったが、本作はゲスト・ミュージシャンとしてFallujahのドラマーAndrew BairdやゲストボーカルにSymbioticのKris、Arcane ExistenceのJadeなどが参加。

 

プログレッシヴに刻まれるリフ、そしてメロディのバランス感覚も鮮やかで、疾走するマシーンのようなドラミングに食らいついていく様は見事だ。NileやDeeds of Flesh、Spawn of Possessionといった知的かつ感情の起伏が少ないテクニカル・サウンドが好きな方におすすめ。

 

 

 

 

第10位 : Hannes Grossmann 『To Where the Light Retreats』

Release : Independent
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Hannes_Grossmann/3540374264

 

ObscuraやHate Eternalで活躍し、Alkaloidのドラマーとして活躍する有名ドラマーHannes Grossmannの2年振り4枚目フルレングス。本作はゲストにDark FortressのVictor Bullok、Alkaloid、Dark FortressのFlorian Magnus Maier、Alkaloid、ObscuraのChristian Münzner、Alkaloid、AbhorrentのDanny Tunker、Alkaloid、Eternity’s EndのLinus Klausenitzerが参加しており、Alkaloidの新譜と言ってもおかしくない。明確に違うのは、Hannesは全てのソングライティングを担当しているという点とやはりドラマー視点で作られたプログレッシヴ・デスメタルであるというところだろう。

 

リードトラック「The Sun Eaters」はChristianのギターソロが炸裂、Victorのボーカルもインパクトが強く聴きどころと言えるが、やはりHannesのドラミングが最も輝いて聴こえる。このドラミングが他を牽引しながら楽曲が展開しているように感じるのは、ソロの楽曲だという先入観を抜きにしても感じられるはずだ。Hannesの叩きっぷりを感じながらアルバムに酔いしれて欲しい。

 

 

 

 

第9位 : Aeon 『God Ends Here』

Release : Metal Blade Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Aeon/327

 

スウェーデン/エステルスンドを拠点に活動するプログレッシヴ・デスメタル・ベテラン、Aeonの9年振りとなる通算5枚目のスタジオ・アルバム。名作『Aeons Black』以降に脱退したギタリストDaniel Dlimiがバンドに復帰したことをきっかけに息を吹き返し、Dark FuneralやDespite、ImperiumやBloodshot Dawnで活躍したドラマーJanne Jalomaが2020年に正式加入し制作活動がスタート。

 

Ronnie Björnströmをプロデューサーに迎えた本作は、漆黒のオーケストレーションをまとったデスメタル・サウンドをベースに、プログレッシヴなエレメントを要所要所に散りばめたベテランらしい小技が光る仕上がりになっており、タイトルトラックでありミュージックビデオにもなっている「God Ends Here」では、Behemothなんかにも匹敵する悪魔的な狂気に満ちていて思わず世界観に引き込まれていく。20年以上のキャリアを持つメタル・ミュージシャンらしい引き出しの多さが聴くものを圧倒する堂々の一枚。

 

 

 

 

第8位 : Interloper 『Search Party』

Release : Nuclear Blast
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Interloper/3540480465

 

2014年カリフォルニアを拠点に結成、いよいよ本格始動となったInterloperのデビュー・アルバムはその期待の高さを感じさせるNuclear Blastからのリリースだ。2018年にRings of Saturnを脱退したギタリストMiles BakerとドラマーAaron Stechauner、Vampire SquidのメンバーでAaronと共にThe FacelessのライブメンバーであるAndrew Virruetaによるトリオ体制を取り、他のプロジェクトが落ち着いたこともあってInterloperとして本格的に動く時間がとれたのだろう。

 

本作はAndrewの兄弟であるJoeyがプロデュースを担当、ミックス/マスタリングまでを務めている。古き良きOpethを彷彿とさせるプログレッシヴ感をベースにしながらも、ダイナミックなドラミングやメロディアスなギターパートを交えながら叙情的に楽曲を展開。特にタイトルトラックである「Search Party」は、彼らのキャリアを考えるとこれまでにないバラード調の楽曲であるものの、しっかりとものにしている。

 

ミュージックビデオになっている「Drift」では、メタルコア/デスコアのアイデアも組み込みながら、新世代のプログレッシヴ・グルーヴのうねりを生み出している。バンドのヴィジュアル・コンセプトになっている大海原のように、底知れぬポテンシャルを見せたデビュー・アルバム。

 

 

 

 

第7位 : Crown Magnetar 『The Codex of Flesh』

レーベル : Independent
Link : https://www.facebook.com/crownmagnetar

 

本作は、2016年コロラド・スプリングスを拠点に活動をスタートさせたCrown Magnetarのデビュー・アルバム。2018年にEP『The Prophet of Disgust』リリース後、コアなデスコア・リスナーから支持を集め、カルト的な人気を博していた。本作もレーベル未契約で発表されたものの、クオリティは世界トップクラス。

 

卓越されたテクニックから繰り出される音速のドラミングには度肝を抜かれること間違いなし。Infant AnnihilatorやOphidian Iなど、様々なジャンルに人間離れしたドラマーがいるが、Crown MagnetarのByron Londonのプレイには久々に衝撃受けた。

 

 

 

 

第6位 : Inferi 『Vile Genesis』

Release : The Artisan Era
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Inferi/93823

 

テネシー州ナッシュビルを拠点に活動するテクニカル・デスメタルバンド、Inferiの2年振り通算6枚目フルレングス。この手のジャンルのバンドにしてはかなり多作で、近年の存在感の強さはオンラインにおいても強く感じる。本作はプロデューサーにDave Oteroを起用、ミックス/マスタリングまでを務め、アートワークはHelge Balzerが担当しているが、一部Pär Olofssonが手掛けているようだ。

 

Stevieのハイテンションなボーカルは、シンフォニックなオーケストレーションを携え疾走するメロディアスなデスメタル・サウンドにハリをもたらし、優雅に転調するサウンドの肝になっている。まるでクラシックのコンサートを観ているようなエレガントさも感じられ、グッとテクニカル・デスメタルにおける地位を高めることに成功したように感じる。

 

 

 

 

第5位 : Rivers of Nihil 『The Work』

Release : Metal Blade Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Rivers_of_Nihil/3540301156

 

ペンシルバニア州リーディングを拠点に活動するプログレッシヴ/テクニカル・デスメタルバンド、Rivers of Nihilの3年振り通算4枚目となるスタジオ・アルバム。ギタリストであり、オーケストレーションのプログラミングやキーボードを兼任するBrody Uttleyがプロデュースを担当、Galaxtic EmpireのGrantとCarsonがそれをサポートする形で制作が行われた。シーンにおける有名アートワーカーDan Seagraveが描いた幻想的な世界観はプログレッシヴ・デスメタルシーンでも特異な存在感を放つRivers of Nihilにぴったりだ。

 

本作もBurial In The Skyのサックスフォン奏者Zach Strouseをフィーチャー、アルバム収録曲の半分に彼のサックスが挿入されている。様々サブジャンルが存在するメタルの中でもサックスとの親和性があるのは、プログレッシヴなものが多い。もちろんアヴァンギャルドなシーンではNaked Cityを彷彿とさせるようなエクスペリメンタル・ジャズ、フリージャズ的なサックスは導入されてきた事例があるが、とろけるようなサックスの音色とヘヴィ・ミュージックのブレンドはセンスが必要だ。

 

アルバムのリードトラック「Clean」はミュージックビデオになっていて、公開から半年足らずで20万回再生目前だ。ずっしりと重くヘヴィなビートに力強く刻み込まれるプログレッシヴなリフ、暗く知的な歌詞世界に引き込まれそうになる。大規模なステージで彼らが演奏している光景が目に浮かぶ、ステップアップを遂げた一枚。

 

 

 

 

第4位 : Obscura 『A Valediction』

Rlease : Nuclear Blast
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Obscura/63100

 

2002年からドイツ/ミュンヘンを拠点に活動するプログレッシヴ・デスメタルバンド、Obscuraの3年振り通算6枚目のフルレングス。ベーシストJeroen Paul Thesseling、そしてギタリストChristian Münznerが復帰し制作されたアルバムだ。詳しいレビューは別記事を参照下さい! (https://riffcult.online/2021/11/19/obscura-a-valediction-2/)

 

 

 

 

第3位 : First Fragment 『Gloire Éternelle』

Release : Unique Leader Records
Link : https://www.metal-archives.com/bands/First_Fragment/3540325573

 

テクニカル・デスメタル大国カナダの本場ケベックを拠点に2007年から活動するベテラン、First Fragmentの5年振りとなるセカンド・アルバム。大幅なラインナップ・チェンジがあり、ギタリストにUnleash the ArchersのNick Miller、ベーシストにAugury、ex.Neyond CreationのDominic “Forest” Lapointe、ドラマーにex.Sollum FatailsのNicholas Wellsが加入。最強とも言える布陣で彼らが挑んだのは、”ネオ・クラシカル・テクニカル・デスメタル”と言うサウンドの確立だ。

 

彼らの持ち味とも言えるフレッドレス・ベースのうねり狂うベースラインはDominicに変わっても健在、いや鋭さをましまるで生き物のように躍動しながら、ソロを弾きまくるギターに引けを取らない存在感を見せつけていく。クラシカルに転調しながらもテクニカル・デスメタルのヘヴィネスはしっかりとキープ、美しすぎる一枚。

 

 

 

第2位 : Ophidian I 『Desolate』

Release : Season of Mist
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Ophidian_I/3540347460

 

アイスランド/レイキャビクを拠点に活動するテクニカル・デスメタルバンドOphidian Iの9年振りとなるセカンドアルバム。大幅なラインナップチェンジはないものの、2019年にLord of Warで活躍したボーカリストJohn Olgeirssonが加入。サウンドも格段にレベルアップしSeason of Mistと契約を果たした。本作はギタリストのDaníel Máni Konráðssonがプロデュースを担当、ドラムのみStephen Lockhartがエンジニアリンクを行い、CryptopsyのギタリストChristian Donaldsonがミックス/マスタリングを手掛けた。

 

まるでDragon Forceがテクニカル・デスメタルをプレイしたかのようなスタイルとなったOphidian Iサウンドは他に類を見ないオリジナリティでシーンでの存在感を確固たるものとした。銀河を音速で移動するのにぴったりなサウンドトラック、と形容したくなるほど、煌びやかなメロディワークや滑らかに疾走するドラミングが印象的。これらを高次元融合させたChristian Donaldsonのミックス/マスタリングも素晴らしい。メロディック・デスメタル/スピードメタルの美的感覚を持ちながらも、プログレッシヴ/テクニカル・デスメタルのエクストリームな魅力も兼ね備えた作品はこれまでに存在しなかった。Ophidian Iがテクニカル・デスメタルに新たな流れを作ったことは間違いない。

 

 

 

第1位 : Archspire 『Bleed the Future』

Release : Season of Mist
Link : https://www.metal-archives.com/bands/Archspire/3540326229

 

2009年からカナダ/バンクーバーを拠点に活動するテクニカル・デスメタルバンド、Archspireの4年振り通算4枚目のフルアルバム。本作はプロデューサーにSerberus、Dethronedで活躍するDavid Oteroを起用し、彼のスタジオであるFlatline Audioで録音され、Davidがミックス/マスタリングまでを手掛けている。Archspireらしい「スピード」、「エクストリーム」、そして「ショットガン・ボーカル」を存分に味わうことが出来る作品となっており、過去最高傑作と言えるだろう。アルバムの聴きどころについてはリリースのタイミングで書いたこちらの記事を参照下さい (https://riffcult.online/2021/10/29/archspire-bleed-the-future-2/)

 

Archspire : テクニカルデスメタルの歴史を変える注目作『Bleed the Future』リリース!

 

カナダ/バンクーバーを拠点に活動するテクニカルデスメタルバンドArchspireが、ニューアルバム『Bleed the Future』をSeason of Mistからリリースしました。前作『Relentless Mutation』から4年振り通算4枚目となるスタジオ・アルバムは、ギタリストDave Oteroがプロデュース、レコーディング、ミックス、マスタリングまでを手掛けている。聴いた人たちを唖然とさせる、新世代テクニカル・デスメタル・サウンドを完成させた彼らの最新作、聴きどころをまとめてみたいと思います。

 

 

ポイントその① : 唯一無二!超人的テクニカル・ボーカル

 

なんといってもArchspire最大の特徴はボーカルでしょう。ラップするかのようにグロウルで歌い上げるOliver Rae Aleronのスタイルは、”ショットガン・ボーカル”と呼ばれているそうです。先行公開された「Golden Mouth of Ruin」では、ドラミングのグルーヴと絶妙にクロスしながら、さらに強固なグルーヴを生み出しており、これはArchspire以外では聴くことが出来ないサウンドです。

 

 

ポイントその② : ボーカルだけじゃない! 全員驚愕のテクニックを披露

 

凄いのはOliverのボーカルだけではありません。アルバム中盤を盛り立てる「Drain of Incarnation」では、終始メロディアスに且つテクニカルにDean LambとTobi Morelliが爪弾くギターのメロディ、Jared Smithが操るうねり狂うベースライン、そしてなんといっても人間とは思えないマシーンぷりを見せるSpencer Prewettのドラム。楽曲の素晴らしさはもちろんですが、とにかく彼らのテクニックに空いた口が塞がらない状況のまま、何度もアルバムをスピンしてしまいます。凄すぎます。

 

 

ポイントその③ : 笑顔が素敵

 

メタルバンドは基本的にアーティスト写真で笑ったりしないですが、彼らは表情豊かでファニーな一面もよく見せてくれます。これだけ超人的なサウンドをプレイしていても、そういう一面をしっかり見せてくれるというのはファンとしては嬉しいですね。アルバムリリースに際して公開されたメンバーのお母さんたちによるリアクション動画も面白く、良いプロモーションになっていると思います。

 

 

間違いなく今年のテクニカル・デスメタルベストアルバムと言えるArchspireの『Bleed the Future』。今すぐチェックしてみて下さいね!