Fear Factory、新ボーカルMilo Silvestro加入後初の新曲「Roboticist」MV公開 ニューアルバムは2026年末〜2027年初頭を予定

アメリカのインダストリアル・メタル・バンド Fear Factoryが、ニューシングル「Roboticist」をリリースし、オフィシャル・ミュージックビデオを公開した。同曲は、ボーカルのMilo Silvestro、ドラマーのPete Webber、ベーシストのTony Campos、ギタリストのDino Cazaresによる現ラインナップとして初めて制作されたスタジオ音源となる。

「Roboticist」は、2021年に発表された『Aggression Continuum』以来となるFear Factoryの新曲であり、2023年に加入したMilo Silvestroにとってバンドで初めて正式にレコーディングした楽曲でもある。Pete Webberも同様に今回がFear Factoryでのスタジオデビューとなった。

楽曲では、Fear Factoryが30年以上にわたって描いてきた人間と機械の対立、人工知能の進化、テクノロジーが人類の制御を離れていく未来というテーマを継承。肉体が滅びても意識だけが残るディストピア的な世界を描き、機械的なリフと攻撃的なリズムにメロディックなフックを組み合わせている。

Dino Cazaresは「Roboticist」について、未来はこれから訪れるものではなく、すでにここに存在していると説明。人間、機械、そしてその先に待つものをめぐる戦いを表現したFear Factoryの次なる進化であり、新時代の始まりを示す楽曲だと語っている。

「Roboticist」のプロデュース、レコーディング、ミックス、マスタリングはDamien Rainaudが担当。ミュージックビデオはVincente Corderoが監督し、Arion Csiharがプロデュースを手掛けた。

今回のリリース日時にもFear Factoryらしい仕掛けが施されている。「Roboticist」は8月29日午前2時14分に公開されたが、これは映画『Terminator』シリーズの世界で人工知能Skynetが自我に目覚めた日時へのオマージュとなっている。SFやディストピア的未来像から長年影響を受けてきたFear Factoryならではの演出となった。

なお、「Roboticist」自体は完全な新曲ではなく、2023年にインストゥルメンタル版の初期形が公開されていた。その後Milo Silvestroのボーカルを組み込む過程でアレンジが変更され、当初エンディングとして使われていたパートを中盤へ移動するなど、正式なFear Factory楽曲として再構築されている。

Fear FactoryはすでにMilo SilvestroとPete Webberを迎えたニューアルバムのレコーディングを完了している。Dino Cazaresによれば、新作はNuclear Blastから2026年末から2027年初頭にかけてのリリースが見込まれており、「Roboticist」も同作へ収録される予定となっている。

新曲公開後もFear Factoryは大規模なツアー活動を継続する。8月末からCrystal Lake、Hate、The Nocturnal Affairとともに「Cybernetic Domination Tour」でヨーロッパ/UKを巡り、その後10月からはMushroomheadとの北米共同ヘッドラインツアー「Soul Of A New War Machine Tour」を開催する。

さらに11月にはDarkest Hour、Brotalityを迎え、「Cybernetic Domination Tour」のアメリカ公演を実施。シアトル、ポートランド、サンディエゴ、ポモナ、ロサンゼルスなどを巡りながら、現ラインナップによるFear Factoryの新章を本格的に展開していく。

現在のラインナップ

Dino Cazares : Guitars
Milo Silvestro : Vocals
Pete Webber : Drums
Tony Campos : Bass

「Roboticist」
2026年8月29日リリース
Nuclear Blast

ストリーミング

https://fearfactory.bfan.link/roboticist

Official Website

https://fearfactory.com/

DollarosaがMade Wrongと改名し再始動!新曲「Summer Wars」公開 終末期の大切な人を支えた経験と喪失を描く

オーストラリア・ブリスベンを拠点に活動していたDollarosaが、Made Wrongへとバンド名を変更し、ニューシングル「Summer Wars」をリリースした。2018年にライブ活動から距離を置いて以降、さまざまな障害によって新たな作品の制作が遅れていた彼らにとって、本格的な再始動を告げる楽曲となる。

Made Wrongの前身となるDollarosaは、2010年代半ばにブリスベンのヘヴィミュージック・シーンで活動。CrowbarやMiami Shark Barなどの会場へ出演し、2012年にはEP『The Never Ending Unfamiliar』を発表した。

同作をきっかけに活動の幅を広げ、Story Of The Year、Funeral For A Friend、Flyleafらのサポートも経験。オーストラリア国内だけでなく日本でもライブを行うなど、活動範囲を拡大していった。

しかし、2018年には新たな作品の制作に集中するためライブ活動を休止。その後、新型コロナウイルスのパンデミックを含む複数の問題が重なったことで計画は大幅に停滞した。それでも活動を終えることはせず、長年共有してきた経験を基盤にバンド自体を再構築し、Made Wrongという新たな名前で再出発することを決めた。

その第一歩となる「Summer Wars」は、Underoath、Finch、Thriceなど2000年代のポストハードコアを思わせる生々しいエネルギーを持ちながら、静かなパートと激しい展開を行き来するダイナミックな楽曲となっている。

歌詞はボーカリスト Lachlan Dann自身の経験に基づいており、終末期の病気と闘う大切な人を介護しながら感じた悲しみや無力感を描いたもの。愛する人を危険や苦しみから守りたいと願いながらも、愛だけではすべてを救うことができないという現実との葛藤が中心に据えられている。

楽曲には悲しみ、罪悪感、苛立ちだけでなく、共に過ごした時間の喜びや、最後まで一人にはさせないという思いも込められた。誰かを失うことが避けられないと分かっていても、その人をつなぎ止めようとする感情を通じて、大切な人のために自分ができることの限界にも向き合っている。

Dannは歌詞に登場する「you are my star」という言葉について、亡くなった人物を偲んで実際にその人の名前が付けられた星と結びついていると説明している。同時に、誰かが亡くなった後も、その存在が人生を照らす光として残り続けるという意味も込めたという。

そうしたテーマは楽曲のサウンドにも反映されており、抑制されたメランコリックな場面から感情を爆発させる激しいパートへ移行する構成を採用。Made Wrongとしての新たなスタートと、バンドがこれまで積み重ねてきたポストハードコアのルーツを同時に示す一曲となっている。

Harm’s Way、Bo Lueders 追悼公演を開催 Twitching Tongues、Vein.fm、元メンバーらがステージ参加

アメリカ・シカゴのメタリック・ハードコア・バンド Harm’s Wayが、ギタリスト Bo Luedersの逝去後初となるライブを開催した。バンドは8月28日にシカゴのCasa Cafeでウォームアップ公演を行い、翌29日にはLuedersを偲ぶ公式追悼公演を開催した。

Bo LuedersはHarm’s Wayのギタリストとして長年活動し、Twitching TonguesのColin Youngとともにハードコア・ポッドキャスト HardLoreの共同ホストも務めていた。2026年4月2日に逝去したことが発表され、その後Harm’s Wayはライブ活動から離れていた。

8月28日のCasa Cafe公演ではラインナップを一部変更。これまでベースを担当していたCasey Soykがギターへ移り、Nick Gauthierとともにギターを担当した。ベースにはWeekend NachosのDrew Brownが参加し、ボーカルのJames PliggeとドラマーのChris Millsはこれまで通りのポジションでステージに立った。

翌29日にはシカゴのRamova TheatreでBo Luedersの追悼公演を開催。当日はHarm’s Wayと深いつながりを持つ複数のミュージシャンがゲストとして参加し、Luedersが残した音楽とシカゴ・ハードコア・シーンでの存在を讃える特別なセットが披露された。

Twitching TonguesのTaylor Youngは「Human Carrying Capacity」「Terrorizer」「Silent Wolf」「Temptation」「Become A Machine」に参加。元NAILSのAndrew Sabaは「Breeding Grounds」と「Scrambled」でギターを担当し、「Scrambled」にはVein.fm/FleshwaterのAnthony DiDioも加わった。

さらに元Harm’s WayギタリストのJay Janceticが「Infestation」「Amongst The Rust」に参加。セット終盤にはTwitching TonguesのColin Youngを迎え、Crowbarの「Planets Collide」をカバーして公演を締めくくった。

Luedersの逝去後には、Colin Youngが葬儀や追悼式の費用を支援するためクラウドファンディングを開始。最終的に16万4,000ドル以上が集まり、必要経費を除いた多くの資金をシカゴ地域のメンタルヘルス支援団体へ寄付する方針が発表されている。

ボーカルのJames PliggeもLuedersの死後、24年前に出会って以来、ともに音楽を演奏し、世界各地を旅してきた長年の友人だったことを明かしていた。友人や家族とのつながり以上に大切なものはないとし、Luedersとの思い出はこれからも残り続けると追悼の言葉を寄せている。

8月29日 Harm’s Way セットリスト

1. Intro
2. Human Carrying Capacity feat. Taylor Young
3. Terrorizer feat. Taylor Young
4. Silent Wolf feat. Taylor Young
5. Breeding Grounds feat. Andrew Saba
6. Scrambled feat. Anthony DiDio & Andrew Saba
7. Infestation feat. Jay Jancetic
8. Amongst The Rust feat. Jay Jancetic
9. Temptation feat. Taylor Young
10. Become A Machine feat. Taylor Young
11. Planets Collide (Crowbar cover) feat. Colin Young

Official Website

https://www.harmsway13.com/

父親になったOli Sykesが語る「20年かけて掴んだ成功」と家族――Bring Me The Horizonと人生をどう両立するのか

Bring Me The Horizonは現在、世界各地の大型フェスティバルでヘッドライナーを任される存在になった。しかし、バンドが約20年かけてその位置へ辿り着いたタイミングで、Oli Sykes自身の人生には大きな変化が起きている。

Nick Nocturnalとの長時間インタビューでOliが語ったのは、父親になったことで変化した価値観、長期間のツアーから家族のもとへ戻れない苦しさ、そしてBring Me The Horizonという「20歳の子供」と、自分自身の子供たちを同時に育てるような現在の葛藤だった。

さらに後半では、かつてバンドの成功と自分自身の価値を強く結び付けていた時期、ロックダウン中に再び精神的に不安定になった経験、そして「音楽は競争ではなく、人へ何かを与えるためのもの」という考えに辿り着くまでを振り返っている。

 

ブラジルで見つけた、バンドから離れられる生活

Oliにとってブラジルは、Bring Me The Horizonや「Oli Sykes」というパブリックイメージから距離を置き、生活の速度を落とすための場所になっている (*Oliの妻Alissaはブラジル人)。

イングランドにいると仕事を続けてしまい、バンドから精神的に離れることが難しい。一方、ビーチが身近にあり、生活そのものがゆっくり流れるブラジルでは、意識的に仕事から離れやすいという。

そして現在は子供たちもいる。

家族だけに集中し、外部の雑音から距離を置く環境としても、ブラジルでの生活はOliにとって重要になっているそうだ。

 

「もう1カ月もツアーしたくない」と感じるようになった

父親になったことで最も大きく変わったものの一つが、ツアーに対する感覚だった。

子供たちがまだ非常に幼かった頃にも家を離れることはつらかったが、成長して笑ったり遊んだり、自分の存在を認識するようになると、その苦しさはさらに大きくなったという。

今回の長期ツアーについてOliは、あまりにつらく「もう二度とこんなことはできないかもしれない」と感じるほどだったと明かしている。しかし、Bring Me The Horizonにとって現在は非常に重要な時期でもある。

20年活動してきた末に、ようやく大型フェスティバルで本格的なヘッドライナーとして信頼され始めた。MetallicaやSystem Of A Downのような長年巨大フェスティバルを支えてきた存在から、新しい世代へヘッドライナーの座を引き継ぐことは簡単ではない。

だからこそ、このタイミングで活動を減らすことにも葛藤がある。

せっかくフェスティバル主催者がBring Me The Horizonをヘッドライナーとして信頼し始めたのであれば、それを一度きりの出来事ではなく、確実なものにしたいという思いもあると話す。

 

お金を残すことと「そばにいること」は同じではない

Oliは父親として、子供たちの将来を経済的に支えたいという強い気持ちも持っている。

大きな出演オファーが届けば、それを受けることで家族へ経済的な安定を与えることができる。しかし同時に、将来子供たちが父親について振り返ったとき、本当に重要になるものはお金ではないのではないかとも考えるようになった。

20年後に子供たちが感謝するのは「たくさんのお金を残してくれたこと」ではなく、「自分のそばにいてくれたこと」なのではないか。

バンドを大切にする気持ちと、家族と過ごす時間。その両方が重要だからこそ、現在のOliにとって簡単な答えのない問題になっている。

 

Bring Me The Horizonの成功が「自分の価値」になっていた

インタビュー終盤では、Oliがさらに深い部分について語っている。

コロナ禍のロックダウン以前の彼は、自分が思っていた以上に、Bring Me The Horizonの成功から精神的な満足や自己肯定感を得ていたという。

Spotifyの月間リスナー数を確認し、ライブがソールドアウトしなければ十分ではないと感じる。グラミー賞などにノミネートされても受賞できなければ、「受賞したアーティストと自分たちの違いは何なのか」と考える。

バンドが小さな存在だった頃にはなかった考え方が、「次の巨大なロック・ヘッドライナーになるかもしれない」と言われ始めたことで徐々に入り込んできた。

成功が現実的になればなるほど、「どうすればさらに上へ行けるのか」を考えるようになり、それが自分自身の価値とも結び付いていった。

 

ロックダウンで「バンドがなければ自分は誰なのか」と気付く

しかしロックダウンによってライブもツアーも止まり、その外部から得ていた評価が突然消えた。Oliは再び薬物に陥り、非常に暗い状態になったという。

そこでセラピーを受けながら、「Bring Me The Horizonがなければ、自分は誰なのか」という問題と向き合うことになる。

バンドはいつか終わるかもしれない。人気が突然なくなる可能性だってある。

もし自分の価値をすべてバンドに預けてしまえば、バンドを失った瞬間に自分自身まで失ってしまう。そこからOliは、Bring Me The Horizonがなくても自分が幸せでいられる人生を作ることを意識するようになったという。

 

「20,000人でも10人でも同じ」――音楽は人に仕えるもの

その考えを大きく変えた経験の一つが、ブラジルでの時間だった。

Oliは妻の故郷近くにあるアシュラムを訪れ、僧侶や精神的な指導者たちの話を聞いたという。そこで印象に残ったのが、観客数についての考え方だった。

20,000人の前で演奏することに興奮してもいい。しかし10人しかいない場所でも、その10人に向けて同じように演奏する。

重要なのは自分が何人集めたかではなく、その場所にいる人へ自分の持っているものを届けることだという話だった。Oliはそこで、自分の音楽についても「人に仕えるもの」と考えるようになったという。ストリーミング数や他のバンドとの競争ではない。自分たちが巨大なバンドなのかどうかでもない。音楽によって誰かを助け、自分たち自身が本当に興奮できる作品を作る。それが重要なのだと考えるようになった。

 

 

Bring Me The Horizonを何で記憶してほしいのか

Oliは、10年後や20年後にBring Me The Horizonについて振り返ったとき、「一番大きなTikTokヒットを持っていたバンド」として記憶されたいわけではないと話している。残したいのは「とんでもない音楽を作ったバンド」という記憶だ。

自分自身がBring Me The Horizonの音楽を好きでいられること。本当に良いと思えるまで曲を完成させ、それを自分自身でも何度も聴きたくなること。現在のOliにとって、それが活動を続ける基準になっている。

20年かけて世界最大級のロック/メタル・バンドの一つへ辿り着いたタイミングで、彼はむしろ「最大になること」そのものから距離を置こうとしている。

父親としての人生を築き、バンドの外側にも自分自身を持ちながら、それでもBring Me The Horizonでは自分が最も興奮できる音楽を作る。

現在のOli Sykesにとって成功とは、以前とは少し違ったものになっているようだ。

 

 

## 参照元動画

「OLI SYKES on Count Your Blessings Repented, Sempiternal & Deathcore Era」

GATES OF HOPELESS、約5年ぶりの新作『Proof Of The Years』をRETRIBUTE RECORDSよりリリース

大阪を拠点に活動するNEW SCHOOL HARDCOREバンド GATES OF HOPELESSが、約5年ぶりとなる新作MCD「Proof Of The Years」をRETRIBUTE RECORDSよりリリースした。

本作は、2021年発表の1stアルバム『In the Twilight of Nocturne』以降もライブ活動を続けてきたGATES OF HOPELESSによる新作。EDGE METAL / FURY EDGEを掲げるバンドの現在地を示す作品として発表された。

収録曲は「Eternal Echos」「GAIA」「Forever Carved」「Declaration」「One Statement」「Antagonist of Fate」の全6曲。ゲストとしてNUMBのSENTA、LOYAL TO THE GRAVEのGOD168、PALMのTOSHIがフィーチャリング参加している。

アートワークはDEROLINが担当。作品はRETRIBUTE RECORDSの通販サイトで購入できる。

【リリース情報】

GATES OF HOPELESS
New MCD
RETRIBUTE RECORDSよりリリース

収録曲:

1. Eternal Echos
2. GAIA
3. Forever Carved
4. Declaration
5. One Statement
6. Antagonist of Fate

Guest:
SENTA(NUMB)
GOD168(LOYAL TO THE GRAVE)
TOSHI(PALM)

Artwork:DEROLIN

購入はこちら
https://retribution.ocnk.net/phone/product/26563

In This Moment、9thアルバム『WITCH』リリース Dayseeker参加の新曲「I Want To Believe」MVも公開

アメリカのオルタナティブ・メタル・バンド In This Momentが、9thスタジオアルバム『WITCH』を8月28日にBetter Noise Musicからリリースした。アルバム発売に合わせ、Dayseekerのボーカリスト Rory Rodriguezを迎えたニューシングル「I Want To Believe」のオフィシャル・ミュージックビデオも公開されている。

「I Want To Believe」では、In This MomentのMaria BrinkとRory Rodriguezがボーカルを掛け合う構成を採用。Brinkは同曲について、暗闇が迫る中で守ろうとする小さな光、終わりが避けられないと分かりながらも希望を手放さない気持ちを表現した楽曲だと説明している。

また、ひとつの章が終わろうとしている中でも、やがて新たな夜明けが訪れると信じようとする静かな戦いを描いた曲でもあるという。感情的なテーマに合わせ、ミュージックビデオもIn This Momentらしいシネマティックな映像作品として制作された。

Rory Rodriguezは、前年にDayseekerがIn This Momentとツアーを行った経験について触れ、バンドから非常に温かく接してもらったと振り返った。そのため、今回音楽面で一緒に作品を作るというアイデアにも強く惹かれたとコメントしている。

『WITCH』はIn This Momentにとって通算9作目のフルアルバムであり、Better Noise Music移籍後初のアルバムとなる。Maria Brinkは本作を、自身の内面的な変化を表明する作品と位置付けている。

アルバムでは、人間の内側に存在する二面性を受け入れ、痛み、迫害、苦悩といった経験を強さや力へ変えていく過程を描いた。Brinkにとって本作における“WITCH”とは単なる魔女という存在ではなく、自ら何かを生み出し、宇宙とつながりながら自身の現実を形作っていく創造者という意味を持っている。

ゲストアーティストも複数参加しており、「I Want To Believe」にはDayseeker、「Heretic」にはKim Draculaが登場。さらにPink Floydの「Another Brick In The Wall」のカバーにはKat Von Dが参加している。

アルバムにはこのほか、「Shame」「Crawl」「Sleeping With The Enemy」「Wrapped Around Your Finger」「Father」などを収録。ラストにはNine Inch Nailsの「Something I Can Never Have」のカバーが収められている。

In This Momentは『WITCH』のリリース後もライブ活動を展開し、9月からアメリカ各地で公演を予定。ルイビルで開催されるLouder Than Lifeへの出演を含め、シャーロット、ローリー、ヴァージニア・ビーチ、ウースター、デトロイト、ミルウォーキーなどを巡る。

『WITCH』収録曲

1. Shame
2. I Want To Believe feat. Dayseeker
3. Crawl
4. Into The Dark
5. Sleeping With The Enemy
6. Wrapped Around Your Finger
7. Heretic feat. Kim Dracula
8. Father
9. Without Me There’s No You
10. Another Brick In The Wall feat. Kat Von D
11. Something I Can Never Have

『WITCH』
2026年8月28日リリース
Better Noise Music

ストリーミング/購入

https://inthismoment.lnk.to/witch

Official Website

https://inthismomentofficial.com/

Left To Suffer、新曲「STFU」公開 “売れ線になった”という批判にDrop Bのニューメタル・リフで応戦

Photo credit: Ana Massard

アメリカ・アトランタのモダン・メタル・バンド Left To Sufferが、ニューシングル「STFU」をリリースした。同曲は10月9日にHopeless Recordsから発売されるニューアルバム『Unwelcome Guest』の4曲目に収録される。

「STFU」は、バンドに対して向けられてきた「売れ線になった」「方向性を見失った」といった声への反応から生まれた楽曲。ギタリストのPeter Higgsは、「俺たちがどうあるべきか、自分たちよりもよく分かっていると思っていた全員のための曲」と説明している。

Higgsによれば、そうした批判を受けたバンドは、アトランタ出身らしい方法で応えることを選択。Drop Bまでチューニングを下げ、ニューメタルのリフを書き、「たくさんくだらないことを言う」ことで「STFU」を完成させたという。

ニューアルバム『Unwelcome Guest』は全11曲を収録し、2024年の『Leap Of Death』に続くフルアルバムとなる。2026年にHopeless Recordsと契約してから初めて発表するアルバムでもあり、これまでに「Gun In The Duffel Bag」、アルバム表題曲「Unwelcome Guest」などが先行公開されている。

収録曲「WRONG NUMBER」には、DISTANTのボーカリスト Alan Grnjaがゲスト参加。Left To Sufferがこれまで展開してきた重量級のブレイクダウンやデスコア的な攻撃性に加え、ニューメタル、メロディ、グルーヴを取り入れながら、バンド自身の方向性をさらに押し広げた作品となる。

Left To SufferはTaylor Barberを中心にアトランタで活動を開始。初期にはハウスショーなど小規模な環境から活動を積み重ね、その後Dying FetusやSanguisugaboggらとのツアーを経験してきた。ヘヴィなブレイクダウンと低音の重量感を軸にしながら、メロディやアトモスフェリックな要素も取り入れるスタイルを築いている。

『Unwelcome Guest』発売前からは再びDying Fetusとのツアーも予定されており、秋にかけて新曲の公開とライブ活動を並行して進めていく。

『Unwelcome Guest』収録曲

1. Track One
2. Therapy
3. Gun In The Duffel Bag
4. STFU
5. WRONG NUMBER feat. Alan Grnja of DISTANT
6. 404
7. Unwelcome Guest
8. Honor Amongst Thieves
9. Unrequited Dread
10. Bleeding Out
11. Gaslit

『Unwelcome Guest』
2026年10月9日リリース
Hopeless Records

「STFU」ストリーミング

https://ffm.to/stfults

『Unwelcome Guest』予約

https://ffm.to/unwelcomeguest

大阪ニュースクール・ハードコアバンド Fallen Grace、ファーストアルバムをリリース

大阪のニュースクール・ハードコアバンド Fallen Graceが、1stアルバム『Fallen Grace』を配信リリースした。

本作は、Fallen Graceにとって初のアルバム作品。サウスフロリダのハードコアを想起させるリフ、叙情的な旋律、グルーヴのある楽曲展開、ツインボーカルを軸に制作された作品として発表されている。

レコーディングは246 Namba Studioで行われ、Mix / MasteringはSelf Conviction Studioが担当。アートワークはAlfredo(SIN AGAINST SIN)が手掛けている。

『Fallen Grace』は現在、各種配信サービスで公開中。

【リリース情報】

Fallen Grace
1st Album『Fallen Grace』
配信中

Recorded at 246 Namba Studio
Mixed & Mastered by Self Conviction Studio
Artwork by Alfredo(SIN AGAINST SIN)

Streaming
https://linkco.re/4bsZqNHv

ABLAZE IN VEINS、ニューシングル「The Ghost in My Eyes」配信リリース! 9月5日にはリリースショーも開催

東京のメタルコアバンド ABLAZE IN VEINSが、ニューシングル「The Ghost in My Eyes」を配信リリースした。

本作のMixing / MasteringはTSVNAKYO SOUNDが担当。楽曲はSpotify、Apple Musicなど各種配信サービスで公開されている。

また、9月5日には東京・新宿ANTIKNOCKにて、ABLAZE IN VEINSの5周年と「The Ghost in My Eyes」のリリースを記念したイベント『ABLAZE IN VEINS 5th Anniversary & “The Ghost in My Eyes” Release Show』が開催される。

同公演にはABLAZE IN VEINSのほか、THE LAST ILLYAS、SOLITUDE A SLEEPLESS NIGHTS、UNWAVERING、GIVEN BY THE FLAMES、C-GATEが出演。チケットはLivePocketで販売されており、取り置き予約も受け付けている。

【リリース情報】

ABLAZE IN VEINS
New Single「The Ghost in My Eyes」
配信中

Mixing & Mastering:TSVNAKYO SOUND

Spotify
https://open.spotify.com/track/3qBw61zzxPQDe3DembmU1H?si=7qIkX_RNTqOPc33EvSPTpw&utm_source=copy-link

Apple Music
https://music.apple.com/jp/album/the-ghost-in-my-eyes/6806024969?i=6806024970&l=en-US

【公演情報】

ABLAZE IN VEINS
『ABLAZE IN VEINS 5th Anniversary & “The Ghost in My Eyes” Release Show』

2026年9月5日(土)
東京・新宿ANTIKNOCK

出演:
ABLAZE IN VEINS
THE LAST ILLYAS
SOLITUDE A SLEEPLESS NIGHTS
UNWAVERING
GIVEN BY THE FLAMES
C-GATE

LivePocket
http://livepocket.jp/e/ablaze5th

取り置き予約
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScMHS-9TZvpGP8-R4SyZnIKer-p44ajZFNQIMcEYkPSI4P5KA/viewform

GHØSTKID、ダークなオルタナティブとメタルコアを融合した「I DESTROYED YOU」公開! 10月2日発売の3rdアルバム『FOLLOW THE WHITE RABBIT』で“心の奥の闇”へ

ドイツのメタルコア/オルタナティブ・メタル・プロジェクト GHØSTKIDが、ニューシングル「I DESTROYED YOU」をリリースした。同曲は10月2日にCentury Media Recordsから発売される3rdアルバム『FOLLOW THE WHITE RABBIT』からの第2弾先行シングルとなる。

「I DESTROYED YOU」は、ダークなオルタナティブ・ミュージックの要素と重厚なメタルコア・リフを組み合わせた楽曲で、前作から続くGHØSTKIDのヘヴィネスを保ちながら、より内面的で陰影のある方向へ踏み込んでいる。先行シングル「IVORY」に続き、新作の世界観をさらに深く提示する一曲となった。

『FOLLOW THE WHITE RABBIT』は、Sebastian “Sushi” Biesler率いるGHØSTKIDにとって通算3作目のアルバム。2024年の『HOLLYWOOD SUICIDE』に続く作品で、2026年に入ってから以前のバンドメンバーの多くがプロジェクトを離れたことを経て、新たな体制で制作された。

Sushiはここ数年について、個人的にもプロフェッショナルな面でも大きなプレッシャーにさらされていたと振り返っている。経済的な不安、プロジェクトを率いる責任、メンタル面での葛藤、そして自分自身と向き合う時間が重なり、2026年半ばに大きな転機を迎えたという。

アルバムタイトルはLewis Carrollの『Alice’s Adventures in Wonderland』と、ゲーム『American McGee’s Alice』から着想を得たもの。Sushi自身の心の中へ降りていく旅として構成され、恐怖や違和感、混乱、自己疑念といった感情に直面していく内容となっている。

一方で、『FOLLOW THE WHITE RABBIT』は完全なフィクションによるコンセプトアルバムではなく、全11曲それぞれがSushi自身の具体的な経験や感情に根ざしている。長年の制作パートナーであるSky van Hoffが再びプロデュースを担当し、マスタリングはJens Dreesenが手掛けた。

アルバムには「IVORY」「I DESTROYED YOU」に加え、「MOTHER DEATH」「FOLLOW THE WHITE RABBIT」「PURPLE SNAKES」「GIVE YOUR KIDS A GUN TO PLAY」「UNCONDITIONALLY」などを収録。「NEON」にはMaz Univerzeがゲスト参加している。

GHØSTKIDは10月から、Dropout Kings、Stain The Canvas、Seven Bloodをサポートに迎えた「FOLLOW THE WHITE RABBIT EUROPE/UK TOUR 2026」を開催する。ニュルンベルクを皮切りに、フランクフルト、チューリッヒ、ミュンヘン、ブダペスト、ウィーン、ベルリン、ハンブルク、ノッティンガム、マンチェスター、ロンドン、パリなど18都市を巡る予定となっている。

なお、現時点ではGHØSTKIDの新たなフルラインナップはまだ発表されていない。Sebastian “Sushi” Bieslerを中心に新たなメンバーが参加しており、正式なラインナップは今後明らかにされる予定だ。

『FOLLOW THE WHITE RABBIT』収録曲

1. THE END
2. IVORY
3. MOTHER DEATH
4. I DESTROYED YOU
5. FOLLOW THE WHITE RABBIT
6. PURPLE SNAKES
7. GIVE YOUR KIDS A GUN TO PLAY
8. NEON feat. Maz Univerze
9. UNCONDITIONALLY
10. LOVELY
11. WHITE RAINBOW

『FOLLOW THE WHITE RABBIT』
2026年10月2日リリース
Century Media Records

「I DESTROYED YOU」ストリーミング

https://ghostkid.lnk.to/I-DESTROYED-YOU-Single

『FOLLOW THE WHITE RABBIT』予約

https://ghostkid.lnk.to/FollowTheWhiteRabbit

Official Website

https://ghost-kid.de/

Kamelot、新作アルバム『Dark Asylum』最後の先行曲「Sanctuary」MV公開 Clémentine Delauney&Miss World ChileのIgnacia Fernández参加

Photo Credit: Timo Maczollek / Nat Enemede

アメリカを拠点とするシンフォニック・メタル・バンド Kamelotが、ニューシングル「Sanctuary」のオフィシャル・ミュージックビデオを公開した。同曲は8月28日にNapalm Recordsからリリースされたニューアルバム『Dark Asylum』から最後に公開された先行シングルで、Visions Of AtlantisのClémentine DelauneyとDecessusのIgnacia Fernándezがゲストボーカルとして参加している。

「Sanctuary」は脈打つようなギターリフとシネマティックなオーケストレーションを軸に、Tommy Karevik、Clémentine Delauney、Ignacia Fernándezという3人のボーカルを組み合わせた楽曲。アルバムで展開されるRavenHill Asylumの物語において、暗闇を抜け出し、新たな場所へ進んでいく重要な場面を担っている。

ギタリスト/創設メンバーのThomas Youngbloodは、「Sanctuary」がRavenHillの暗闇をついに後にする瞬間を表現した楽曲だと説明。これまで経験してきたものを乗り越えた後に、希望や自由を見つけ、自分自身へ戻っていくことをテーマにしているという。

ミュージックビデオでは、その物語をRavenHillの壁の外側へと進めている。脱出後の新しい人生を垣間見せながらも、過去の記憶や傷跡が消えたわけではないことを描き、アルバムの心理的な物語に新たな章を加えた。

YoungbloodはTommy Karevik、Clémentine Delauney、Ignacia Fernándezという異なる3つの声を組み合わせたことで、暗闇から光へ向かう物語に必要な感情的な深みを加えることができたと語っている。

『Dark Asylum』は、かつて壮大な大聖堂として建てられ、その後精神科施設へ転用された架空のRavenHill Asylumを舞台とした作品。科学、信仰、狂気が不安定に共存する場所で、主人公のアイデンティティや現実感が徐々に崩れ、心理的な暗闇へと沈んだ末に変化へ向かっていく物語が描かれる。

全15曲を通してKamelotのシンフォニック・メタルをさらにシネマティックで演劇的な方向へ押し広げており、「Ashen World」にはIgnacia Fernández、「One Last Masquerade」にはAvantasiaのTobias Sammetが参加。「Beneath the Moon (Tunglið)」にはEluveitieのLea-Sophie Fischer、Rannveig Sif Sigurðardóttir、Sólveig Sara Leupoldが名を連ねている。

アルバムのプロデュースは長年Kamelotと制作を続けてきたSascha Paethとバンド自身が担当し、Paethは追加ギターでも参加。ミックスとマスタリングはJacob Hansenが手掛けた。

『Dark Asylum』のリリースと同時に、Kamelotは大規模な「Dark Asylum World Tour」をスタート。北米ツアーにはVisions Of AtlantisとFrozen Crownが同行し、オーランド、アトランタ、ダラス、フェニックス、ラスベガス、アナハイム、ニューヨークなどを巡る。

10月末からはヨーロッパへ移動し、オランダ・ティルブルフでKAMFESTを開催。その後Exit Eden、Temperanceを迎え、ロンドン、マンチェスター、クラクフ、ワルシャワ、ブダペスト、バルセロナ、マドリードなどを巡るヨーロッパツアーが予定されている。

『Dark Asylum』収録曲

1. Sanctorium
2. Ashen World feat. Ignacia Fernández
3. Dark Asylum
4. Sanctuary feat. Clémentine Delauney & Ignacia Fernández
5. Nocte Veritas
6. One Last Masquerade feat. Tobias Sammet
7. Ivy, My Dear
8. Godlike Alchemy
9. The Sleeping Mind (Orphic Paradigm)
10. Kaleidoscope
11. Enigma (Think of Me)
12. Cassandra’s Disease
13. Beneath the Moon (Tunglið) feat. Rannveig Sif Sigurðardóttir, Sólveig Sara Leupold & Lea-Sophie Fischer
14. The Puppet King
15. Sanctum Requiem

『Dark Asylum』
2026年8月28日リリース
Napalm Records

「Sanctuary」ミュージックビデオ

『Dark Asylum』ストリーミング/購入

https://lnk.to/Kamelot-DarkAsylum/napalmrecords

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2026年上半期ブルータルデスメタルの名盤13選

2026年の上半期にリリースされたブルータル・デスメタル (中にはテクニカル、プログレッシヴ・デスメタルも含まれます) の中から良かったものをアルバムレビューしました。ぜひ、新しいお気に入りを見つけてください。

RIFF CULTのSpotifyプレイリストでは、毎週新しいデスメタルの新曲、アルバムをピックアップしています。

こちらをフォローして新曲情報をGETしてください : https://lit.link/riffcult-death

 

 

▶︎Ingested 『Denigration』

活動拠点 : Manchester, Greater Manchester, England
結成年 : 2006
レーベル : Metal Blade Records
ジャンル : Slam/Brutal Death Metal/Deathcore
バンドのコンセプト/テーマ : Necrophilia, Gore (early); Murder, Vengeance, Domination (later)

ここ数年のIngestedの作品をレビューするとしたら、デスコアとしてレビューしてきたと記憶している。Metal Blade Recordsと契約してから3枚目のアルバムとなる本作は、近年の『Ashes Lie Still』や『The Tide of Death and Fractured Dreams』で見られたのスケールの大きなアンビエントなスタイルを取り込んだ方向性から離れている。初期、特にUnique Leader Records時代のIngestedが得意としてきた、ブルータル・デスコアへと回帰している。

メタルコア・バンドVarialsのボーカリストであるSkyler Conderをフィーチャーしたオープニングトラック「Dragged Apart」で幕を開けると、心地良く抜けていくスネアのブラストビートが炸裂。シネマティックなアレンジへの挑戦が控えてになったことで、生々しいブルータルでデスメタリックなIngestedの魅力が引き出されている。Varialsもメタルコアの中では非常にヘヴィでダークなスタイルを得意とするバンドであるので、ジャンルの垣根を超えて、共通するスタイルを持つ両者のフィーチャリングは素晴らしいものがある。ヒロイックなギターのソロパートも交えつつ、基本はブルータルだ。

ミュージックビデオになっている「Watch You Fold」はこの作品のスタイルを象徴するものだ。Dying Fetusを彷彿とさせるシンプルなバンガー。デスメタル・ルーツの細工が随所に見られるし、ブルータル・デスコアのノリもたっぷり詰め込まれている。この楽曲だけではないが、Josh Daviesが録音していたヴォーカルをすべて再録して、Sean Hynesと新加入のAndrew Virruetaがヴォーカルを分担したことで、低いガテラルと高音域の攻撃的なヴォーカルを重ねたメリハリのあるハーシュ・ボーカルのレイヤーが展開に迫力を持たせている。これは今後Ingestedの武器になっていくはずだろう。

これを読んでいる方は、どっちのIngestedが好きだろうか。オルタナティヴな感覚を用い、よりモダンでメインストリームへと挑戦するIngestedか、ブルータル・デスコアという言葉が徐々に出てきた頃のブルータルなIngested。どちらも魅力はあるが、ある程度キャリアを築いた彼らがここでブルータルに戻っていくというのが面白いと感じる。

Lineup :

Lyn Jeffs : Drums
*Lyn Jeffsの経歴 : ex-Dark Earth, ex-Nexus Inferis, ex-Vengeance, Mal, ex-Annotations of an Autopsy, ex-Crepitation, ex-Asphyxiated (live), ex-Decapity, ex-Trephined

Sean Hynes : Guitars, Lead Vocals
*Sean Hynesの経歴 : ex-Age of Suffering, ex-Annotations of an Autopsy, ex-Crepitation, ex-Decrepit Womb

Thomas O’Malley : Bass
*Thomas O’Malleyの経歴 : Worm Shepherd, ex-Steel Mage

Andrew Virrueta : Guitars, Lead Vocals
*Andrew Virruetaの経歴 : Interloper, Moon Twin, Pale Torch, Vampire Squid, Entheos (live), The Faceless (live), Brazen Tide, Cries ov Christ, ex-Sea of Skies

Guest / Session :
Skyler Conder : Vocals (track 1)
Damonteal Harris : Vocals (track 2)
John Gallagher : Vocals (track 3)
Kyle Medina : Vocals (track 6)

Other Staff :
Nico Beninato : Producer

Artwork :
Giannis Nakos : Artwork

 

▶︎Stabbing 『Eon of Obscenity』

活動拠点 : Houston, Texas, United States
結成年 : 2020
レーベル : Century Media Records
ジャンル : Brutal Death Metal
バンドのコンセプト/テーマ : Gore, Torture, Murder, Sexual Violence

まさかStabbingがCentury Media Recordsとの契約を勝ち取るとは誰が想像しただろうか。記憶が正しければ、デビューした当時は女性ボーカルが二人いたが、デビュー前にBridget Lynchのみとなっている。

Disgorge/SuffocationのボーカリストRicky Myersがゲストで参加するなど、将来のブルータル・デスメタル・シーンを牽引していく存在としての期待を一身に背負って放たれたこの作品は、現代ブルータル・デスメタルに求められるヘヴィネスと伝統的な美的感覚が見事に融合した作品と言えるだろう。

これまでよりもディープに、そしてヴァラエティ豊かなガテラルを手に入れたLynchのハーシュ・ボーカルの存在感は圧倒的で、うねるリフ、それに絡みついていくベースリフ、そして荒っぽさを残しながらも隙間なく叩き込まれるドラミングのカオスの中であっても、ボーカルでStabbingのサウンドを引っ張っていく力がある。それはSuffocationのファンなら良く分かると思うが、ブルータル・デスメタルでスピードやブレイクダウンに埋没しないボーカルの存在感は非常に重要。

「Ruminations」や「Nauseating Composition」では、Skinlessなどを思わせるニューヨーク・デスメタル的なグルーヴもかなり完成度が高く、アルバムの聞きどころの一つだろう。ライブも意識したモッシャブルなパートも多いのも素晴らしい。前作の可能性を発展させた優れた成長作であり、Stabbingを現代ブルータル・デスメタルの有力バンドとして定着させる作品と評価していいだろう。

Lineup :

Matt Day : Bass
*Matt Dayの経歴 : Architectural Genocide

Aron Hetsko : Drums
*Aron Hetskoの経歴 : The Xebellian Triangle, Aethereus (live), ex-The Crypt Alive, Cuiviénen, Enterprise Earth, ex-Desecation (live), ex-Dessiderium (live), ex-Fallujah (live), ex-Dorzia

Marvin Ruiz : Guitars
*Marvin Ruizの経歴 : Devourment, Myiacyst, Nephilim Grinder, Dysmetria, ex-Nephilim Terror, ex-Desecrate the Faith, ex-Sculpting Atrocity, ex-Venomous Supremacy (live)

Bridget Lynch : Vocals
*Bridget Lynchの経歴 : Pyosisified, Dystopian Reality, ex-Nephilim Grinder, ex-Animals Killing People (live), ex-Suffocation (live)

Guest / Session :
Ricky Myers : Additional Vocals(track 7)

Other Staff :
Ben Gott : Recording
Chris Kritikos : Mixing, Mastering

Artwork :
Rudi Yanto : Artwork

 

▶︎Devourment 『Pious Impiety』 EP


活動拠点 : Dallas, Texas, United States
結成年 : 1995
レーベル : Relapse Records
ジャンル : Slam/Brutal Death Metal
バンドのコンセプト/テーマ : Rape, Misogyny (early); Gore, Torture, Death, Insanity, Society

Devourmentが2019年作『Obscene Majesty』以来となる新作『Pious Impiety』を突如リリース。歓喜したリスナーも多いだろう。この作品の収録曲はわずか3曲だが、その短さを感じさせないほど内容は濃密だ。それを証明するように、Relapse RecordsのYouTubeチャンネルでは、Full EP Performance Videoが公開されており、本作を最初から最後までパフォーマンスするという映像が公開されている。「3曲12分」というサイズ感は、今のDevourmentを感じるのに、非常にピッタリなサイズかもしれない。

低く沈み込むリフ、スネアが転がるようにして叩き込まれるブラストビート、スラムグルーヴ、そしてRuben Rosasによるガテラル・ヴォーカル。彼らの基本的な武器は変わっていない。『Pious Impiety』では、これまでのDevourmentファンが期待する作品であることは間違いなく、現代スラムに向けて「スラミング・ブルータル・デスメタルとはこうである」というものをわかりやすく聴かせてくれる作品として、広く聴かれるべきであると感じる。Relapseからのリリースというのも頷ける。

 

本作で特に重要なのが、ファストなブラストビートと直角にビートダウンして打ち込まれるスラムパートの対比だ。この極端さがデスメタル的な美的感覚で展開される様々なパートと荒っぽさをそのまま残したサウンドプロダクションと相まって、スラミング・ブルータル・デスメタルらしいおどろおどろしさを醸し出している。

「Mortiferous Dependency」は、この特徴が最も分かりやすい楽曲だ。高速パートから粘着質なリフを中心としたミッドテンポへ移行し、さらに速度を落としていく。テンポが遅くなるほど一音ごとの圧力が増し、スラムそのものの破壊力が際立っている。

新たに加わったMarvin Ruizのギターも、本作の重要な要素だ。Stabbingでも活動するRuizは、Devourment本来のスタイルへ自然に溶け込みながら、粘りつくようなチャグと渦巻くチェーンソーリフを巧みにプレイしている。Dave Spencerのベースとの組み合わせも強力で、弦楽器全体が巨大な低音の塊となって楽曲を支えている。また、随所に挿入される鋭いピンチ・ハーモニクスも印象的だ。90年代のブルータル・デスメタルや初期Devourmentとのつながりも感じさせる。

最終曲「Advanced Stage Decomposition」では、スラム、ブラストビート、ハーモニクスを繰り返しながら速度を変化させ、最後まで強度を落とさない。特にスローパートではRosasのヴォーカルと低域のリフが重なり、本作でも屈指の圧迫感を生み出している。

現在のスラム・シーンにはDevourmentから影響を受けたバンドが無数に存在している。それでも『Pious Impiety』を聴けば、Devourmentが単なるパイオニアとして過去を振り返っているわけではないことが分かる。奇抜なギミックに頼らず、アクセルの踏み替え、聴けば分かるロー・ガテラル、ドラムの荒っぽさという、DevourmentがDevourmentたる基本的な要素を突き詰めることで、自分たちのスタイルをさらに深化させている。

Lineup :

Ruben Rosas : Vocals
*Ruben Rosasの経歴 : ex-Detrimental

Marvin Ruiz : Guitars
*Marvin Ruizの経歴 : Nephilim Grinder, Stabbing, ex-Nephilim Terror, ex-Myiacyst, ex-Desecrate the Faith, ex-Dysmetria, ex-Sculpting Atrocity, ex-Venomous Supremacy (live)

Dave Spencer : Bass
*Dave Spencerの経歴 : ex-Meshiha, ex-With Immortality, ex-Antikythera, ex-Her Virgin Womb, ex-Inhumanity, ex-Insatanity, ex-Psychiatric Regurgitation, ex-Rottenness, ex-Knife Cult, ex-Nightfire, ex-Trephination, ex-Protogenoi

Brad Fincher : Drums
*Brad Fincherの経歴 : Murderous, ex-Meshiha, ex-Necrocide

Other Staff :
Daniel Schmuck : Producer, Mixing, Engineering, Mastering

Artwork :
Khaos Diktator : Artwork

 

▶︎Death Vomit 『Thou Shalt Behold』

活動拠点 : Yogyakarta, Indonesia
結成年 : 1995
レーベル : Brutal Mind
ジャンル : Brutal Death Metal
バンドのコンセプト/テーマ : Brutality, Death, Hatred

結成から30年以上が経ち、今ではインドネシアのブルータル・デスメタルの王座に君臨するのがDeath Vomitだ。オリジナルメンバーは¥ドラマーのRoy Agusのみであるが、2003年から20年に渡ってDeath Vomitのソングライティングも手掛けてきたOki Haribowoが2023年からギター/ボーカルへとパートチェンジ。同時に加入した若きベーシストAri Kristionoとのコンビネーションも良く、Death Vomit新章幕開けとなるに相応しいラインナップで制作されている。

Death Vomitは、完全にクラシックなブルータルデスメタルと呼べるほど残虐なわけでもなければ、テクニカル・デスメタルと呼べるほどの技巧派ではないが、そのバランスを上手く取っているのが素晴らしい。派手さはなく、地味と言っていいかもしれないが、そこにはメロディックな面白いリフが隠れていたり、完璧なトーンで表現されていたり、熟練技と言えるグルーヴがある。Roy Agusによるドラムは、ほかの多くのインドネシアのブルータル・デスメタルバンドとは異なり、楽曲全体を支配しすぎることがないのも逆に印象的だ。こういう玄人好みと言える作品に出会い、1曲1曲味わいながら聴くことは、デスメタル・リスナーとして本当に幸せな瞬間だ。このリフが凄いとか、ここのドラミングとガテラルはDeath Vomitしかない、とか。

Lineup :

Oki Haribowo : Guitars, Vocals, Songwriting, Lyrics
*Oki Haribowoの経歴 : ex-Brutal Corpse, ex-Delusive Purity, ex-Venomed, ex-Mortal Scream

Roy Agus : Drums
*Roy Agusの経歴 : Venomed, ex-Devoured, ex-Cranial Incisored

Ari Kristiono : Bass
*Ari Kristionoの経歴 : Delusive Purity, Detritivor

Other Staff :
Devid : Engineering
Indra : Mixing, Mastering
Corna : Photography

Artwork :
Andik : Artwork

 

▶︎Vile Desolation 『Annihilating the Consciousness』

活動拠点 : East Java, Indonesia
結成年 : no data
レーベル : Comatose Music
ジャンル : Brutal Death Metal
バンドのコンセプト/テーマ : no data

デビュー・アルバム。ラインナップを見れば分かるように、それぞれに数多くのプロジェクトを持ち、特にドラマーのRamaはAnthropophagus DepravityやGerogot、Perverationなどでプレイする実力派。先に書いたDeath Vomitのドラミングを彷彿とさせる、派手すぎないがしっかり重くタイトでありつつ、ミニマルなスネアが特徴的だ。

インドネシアン・ブルータル・デスメタルの典例とも言うべきサウンドで、気持ちの良い、転がるようなスネアのブラストビート、メランコリックなメロディをひっそりと組み込みつつ、スラムリフも刻んでいく。

今インドネシアの中で一番良いバンドなのではないだろうか。注目しておきたい。

Lineup :

Hendika Dwi Prasetyo : Bass, Guitars
*Hendika Dwi Prasetyoの経歴 : Death Artery, Devouring Carnage, Disvile, Gorested, Hephaestus, Nematocyst, Putrescent, Reveals, Rhizotomy, Rotten Blood, Spastic, Vertiginous

Rama Maulana : Drums
*Rama Maulanaの経歴 : Abhorrently, Anthropophagus Depravity, Discarnage, Gerogot, Invigorate, Multiwomb, Perveration, Restlessly, Scattered Disease, Vitrectomy, ex-Depraved Murder, ex-Criminal Impact (live)

Yudha Dwi Setyawan : Vocals
*Yudha Dwi Setyawanの経歴 : Gory, Maggoth, Necrotic Catastrophism, Restlessly

Artwork :
Bvllmetalart : Artwork

 

▶︎Ecchymosis 『Thanatocorporeal Sculptures of Cryogenic Excruciation』

活動拠点 : Bangkok, Thailand
結成年 : 2014
レーベル : New Standard Elite
ジャンル : Brutal Death Metal
バンドのコンセプト/テーマ : Gore, Sickness, Pathology

タイ・バンコクを拠点とするEcchymosisによる3作目のフルアルバム。アルバムのコンセプトは、遠隔地の凍てついた荒野で行われる非人道的な凍結拷問。この拷問によって肉体と意識が徐々に崩壊していく過程を通じた絶対的な支配、理性を超えた苦痛への耐久、人間的価値の完全な剥奪を表現している。Guang Yangによるカバー・アートは秀逸だ。

Ecchumosisは最初の来日をRIFF CULTで行ったこともあり、バンドスタートからメンバーの持つ数多くのプロジェクトも含めてずっと追いかけてきた。ブラスティング・スタイルをエクストリームに追求し、スピード超過のあまりもはやハーシュノイズウォールに接近していく様は本当に素晴らしい。メンバーもノイズは好きだったと話していた記憶がある。

全体的に非常に暗く、ほとんどメロディがない。また、スラミング・ブルータル・デスメタルにほとんど接近しない (もちろんスラムに近いリフはあるものの、全体感からは感じられない) 。2026年にそれを意図しないことは難しいだろう。Ecchymosisのプライドが感じられる。

Lineup :

Polwach Beokhaimook : Drums
*Polwach Beokhaimookの経歴 : ๛, A Good Day for Killing, Biomorphic Engulfment, Cadavoracity, Genocidal Sodomy, Sewage, Smallpox Aroma, Urged, Arboreal, Audduekhon Ausswad, Chamber of Tapeworms, Corporal Stains, Cystgurgle, Epiploenterocele Pusliquid Wormchunk, Fermenting Gastroduodenoblennorrhagous Waste, Gonococcus, Polwach Beokhaimook, Red Tiles, Unsignified Death, ex-Theurgy, ex-Fecal Sac, ex-Parasitic Infestation, ex-Shark Pussy Shock, ex-Vomitoma

Twish Kulsu : Guitars
*Twish Kulsuの経歴 : Atheism, Masochist, Pathological Sadism, Savage Deity, Skewer, Torturation, Chainfight, Cystgurgle, Inequality, ST89, ex-Nocturnal Damnation (live), ex-Lack of Insight

Weerasak Kitthammapirak : Vocals
*Weerasak Kitthammapirakの経歴 : Bodysnatch, Skewer, Splattered Orgasm, ex-Masochist, ex-Villainous

Wasumit Wongwai : Bass
*Wasumit Wongwaiの経歴 : Deviated, Intricated, ex-Dismal Dissonancy, ex-Splattered Orgasm

Jeeraset Paemongkol : Guitars
*Jeeraset Paemongkolの経歴 : Intricated, Skewer, Splattered Orgasm, Chainfight, ST89, ex-Shark Pussy Shock, ex-Failure Trace of Human Race (live)

 

▶︎Eximperituserqethhzebibšiptugakkathšulweliarzaxułum 『Meritoriousness of Equanimity』

活動拠点 : Minsk, Belarus
結成年 : 2009
レーベル : Willowtip Records
ジャンル : Brutal/Technical Death Metal
バンドのコンセプト/テーマ : Sumerian/Babylonian mysticism, Occultism, Anti-Cosmic, Annihilation, Death

ベラルーシのバンド、通称Eximperitusの3枚目となるフルアルバム。デビュー当時は長すぎるバンド名だけが注目を集めたが、アルバムを1枚、また1枚と発表し続け、Eximperitusらしさとその挑戦について、リスナーも向き合うことが出来ているように感じる。Willowtip Recordsからのリリースというところからも分かるように、いわゆるブラストビートやチェーンソーリフのスピード・コンペティションではなく、テクニカル/プログレッシヴ・デスメタル寄りの作品である。

前作『Šahrartu』で進めた洗練と実験性はそのままに、中東音楽のようなオリエンタルなメロディさらに芳醇に燻らせている本作は、ダブル・ハーモニック・スケールやアラビア音階的なフレーズが全編に渡って繰り広げられており、古代文明、砂漠、神秘主義を連想させる異世界的な雰囲気を作り出している。これはだんだん明確になってきたEximperitusの魅力で、彼らがベラルーシという国を拠点としていること、Nileに比べ、そのオリエンタルなアトモスフィアは暗く、神秘的で、暗い。

「Golden Chains for the Construction of Individual Greatness」はここでレビューするべき、アルバムの中でもファストでブルータル・デスメタルなリード曲だ。よれながら、なんとか爪弾かれるかのようなエクスペリメンタルなギターのメロディの脆さ、儚さは、砂漠の砂が風に舞い、時折小さな竜巻を起こしながら、消え去っていくかのようである。

Eximperitusにはその名前の特異さによって、すでにリスナーの中では特筆すべき点のない、一発屋バンドのような固定概念を持つ人がたくさんいるはずだが、アルバムの完成度と独自性で言えば、これほど面白いバンドはなかなかいないのではないだろうか。頭から最後までぜひ向き合って聴いてみてほしい。

Lineup :

Sergey Liakh : Guitars, Songwriting
*Sergey Liakhの経歴 : Dispersed, Relics of Humanity, ex-Ominous Scriptures

Paweł Nałęcki : Vocals, Lyrics
*Paweł Nałęckiの経歴 : ex-Ominous Scriptures, ex-Relics of Humanity (live)

Guest / Session :
Davide Billia : Drums

 

▶︎Party Cannon 『Subjected to a Partying』 [EP]


活動拠点 : Dunfermline, Fife, Scotland
結成年 : 2010
レーベル : Unique Leader Records
ジャンル : Slam/Brutal Death Metal
バンドのコンセプト/テーマ : Sociopolitical, Gore, Movies, Humour, Partying

Party Cannonの新作EP『Subjected to a Partying』は、彼らがこれまで築いてきたスラミング・デス/ブルータル・デスメタル/ゴアグラインドのスタイルを軸にしながら、より実験的な方向へ踏み込んだ一作だ。作品は4曲の新曲、3曲のリミックス、2025年にグラスゴーで録音されたライブ音源2曲という、かなり変則的な構成になっている。

まず前半の新曲4曲では、Party Cannonらしいライブの盛り上がりを意識した、ブルータル・デスメタル+ゴアグラインド、そして悪趣味なユーモアがたっぷりと込められている。

本作から加入したDaryl Boyceのヴォーカルは、ローガテラルやグロウルだけでなく、ピッグスクイールや発狂した奇声のようなものまでを次々と使い分け、Party Cannonの面白さの一つとして存在感を示している。Party Cannonの音楽には以前からコミカルな要素が多いが、演奏そのものは決してふざけているわけではない。そのギャップが、このバンド特有の個性につながっていると言えるだろう。

「Thirst Trap」は、さらに混沌とした方向へ進む。スラムを中心としながら、グラインド/デス的な荒々しさも感じられ、ヴォーカルのピッグスクイールも含めて、4曲の中でも特に攻撃性の強い楽曲となっている。

「Improper Use of a Speculum」は、新曲の中では比較的長め。鋭いハーモニクスや一度演奏を止めるような間、そこから再びスラムへ突入する展開など、ライブで観客の反応を引き出すことを意識していて、ライブで見てみたいと思える仕上がりだ。

そして本作最大の面白さが、後半に収録された3曲のリミックスだ。

Kmac2021による「Thirst Trap」のリミックスでは、原曲のブルータル・デスメタル的な姿はほとんど消え、テクノやドラムンベース、エレクトロ・インダストリアルに近いトラックへと変貌している。さらにFrontierによるリミックスではトラップ的なアプローチが取られ、「High Tariff Overture」ではRitualによってオーケストラ/クラシック的な方向へ大胆に再構築されている。Kmac2021もFrontierも、メタル、特にヘヴィでエクスペリメンタルなものが好きなリスナーであれば、一度は耳にしたことがあるミュージシャンだ。Party Cannonが彼らと共に、このようなリミックスを作成していることが重要であって、正直その出来は、今年の1曲というようなものに選ばれるものではないと思う。ただ、Party Cannonがブルータル・デスメタルという、デスメタルの中でも特殊なジャンルの中にいて、これまでどれだけバズってきたか、目立ってきたか、ブルータル・デスメタルというジャンルにおいて、それをメタルシーンのメジャーどころに見せつけてきた力というのは、こういう人選にもある。本当にそこには、この音楽に対する愛があると感じる。

Party Cannonは以前から、音楽だけでなくロゴ、アートワーク、楽曲タイトル、サンプルなどを含めてスラムというジャンルを独自のユーモアで扱ってきた。本作のリミックスも、その姿勢をさらに極端な形で押し進めたものと考えることができる。

最後に収録された「High Tariff Behaviour」と「Human Slime」のライブ音源では、再び本来のParty Cannonへ戻る。

特に「High Tariff Behaviour」はスタジオ音源以上にライブとの相性が良く、スラムに入った瞬間の観客の反応からも、このバンドの音楽がモッシュピットを前提として作られていることが伝わってくる。Daryl Boyceの観客を煽る能力も含め、バンドのライブ・パフォーマンスの強さがよく分かる2曲だ。

Devourment『Molesting the Decapitated』を意識したカバー・アートを含め、スラムというジャンルの歴史への愛情を見せながら、それをそのまま模倣するのではなく、自分たちなりのユーモアと過剰さで作り替えている点もParty Cannonらしい。一つの作品としての構成はめちゃくちゃだけど、Party Cannonだから特におかしいとも思わない。

Lineup :

Chris Ryan : Bass
*Chris Ryanの経歴 : Gastroschisis, Iniquitous Savagery, Laceration, Liquefied Remains, ex-Psychoanalysis, Order of Extinction, Uxoricide, ex-Gendo Ikari, ex-Hard Stare (live), ex-Freedom Fist (live)

Craig Robinson : Guitars (lead)
*Craig Robinsonの経歴 : ex-Disfigure the Insane, ex-Lycanthoropy

Martin Gazur : Drums
*Martin Gazurの経歴 : ex-Stabwound, ex-Burning the Dream, ex-Deminishion

Mike McLaughlin : Guitars (rhythm)
*Mike McLaughlinの経歴 : ex-Agonised Deformity

Daryl Boyce : Vocals
*Daryl Boyceの経歴 : Scordatura, ex-Repulsive Vision, ex-Cancerous Womb (live)

Other Staff :
Kmac2021 : Remix (track 5)

Artwork :
Guzik Art : Artwork

▶︎Gibbeting 『Execution Rampage』

活動拠点 : Argentina / Switzerland / Estonia / Netherlands
結成年 : 2025
レーベル : Pathologically Explicit Recordings
ジャンル : Brutal Death Metal/Goregrind
バンドのコンセプト/テーマ : Medieval torture, Gore, History

アルゼンチン、スイス、エストニア、オランダ在住のメンバーからなる多国籍ブルータル・デスメタル・バンド、Gibbetingの新作は、古代から中世に行われた処刑や拷問を題材したアルバムで、まさしくBrodequinファンにおすすめの作品である。Brodequinをブラスティング・ブルータル・デスメタルとカテゴライズするならば、Gibbetingはブラスティング・スラミング/ゴアグルーヴ・ブルータル・デスメタルとでも言おうか。これまでありそうでなかった、ブラスティングの上でスラムリフ/ゴアグルーヴを走らせるバンドだ。

一斗缶と聴き間違えるほどのハイピッチなピンスネアの強烈なブラストビート (ドラムプログラミングではあるがクオリティは非常に高い) は全編に渡って貫かれているが、そのバックで繰り広げられているブルータル・サウンドは、スラムリフ、ゴアグルーヴと多彩で面白い。ギタリストが曲を書いて、狂ったドラマーがその上で限りなく限界に近いレベルでブラストビートをぶち込んだサウンドは、全14曲、約27分と短いアルバムでありながら、満足感がある。

Lineup :

Aivar Keermann : Bass
*Aivar Keermannの経歴 : Hebephrenia, Hymenotomy, Molecular Fragmentation, Swag Fight, Vomitrocious, ex-Mortophilia, ex-Baalsebub

Livio Wellinger : Drum programming
*Livio Wellingerの経歴 : Bodysnatch, Corpseification, Debilitated, Delirious Compulsion, Deprecatory, Folterknecht, Secret Mutilation, Septizin, Slamentation, Swag Fight, Vomitrocious, ex-Corpus Domini, Mephitic Torso, ex-Awaken the Misogynist

Floor van Kuijk : Guitars
*Floor van Kuijkの経歴 : Acidwound, Carnifloor, Engulfed in Repugnance, Focal Dystonia, FxOxExS, Korpse, Malicious Combat, Scorbutus, Sijjeel, ex-Dark Reign, ex-RÁN, ex-Ungraceful, ex-Fermented Masturbation, ex-Cannibal Camel, ex-Odiado

Aníbal Rodríguez : Vocals
*Aníbal Rodríguezの経歴 : Infectious Algorithm, Into the Ashes, Sentencia de Odio, ex-Municion, ex-Spiritual Kaos

Artwork :
José Antonio Vives : Artwork

 

▶︎Despoilment 『Vindicated Retaliation』

活動拠点 : Tokyo, Japan
結成年 : 2019
レーベル : New Standard Elite
ジャンル : Brutal Death Metal
バンドのコンセプト/テーマ : no data

Hostile Eyes、StrangulationのメンバーらによるDespoilmentのデビュー作。Despoilmentは、2016年、StraingulationのTomonoriと同じ大学に通っていたTomohisaが立ち上げたバンドで、1st Demoののち、Hostile EyesのKonashiが参加し、トリオ体制となった。

ニューヨーク・ブルータル・デスメタルにあるアグレッシヴでバンガーなリフと、マシーンのように正確にそして力強いドラミング、加えて血液が沸騰しているようなガテラルの凄まじいコンビネーションがDespoilmentの聴きどころだ。一目でGuang Yangと分かるアートワークも秀逸だ。

Lineup :
Tomohisa : Vocals

Konashi : Drums
*Konashiの経歴 : Hostile Eyes, ex-Urobilinemia

Tomonori : Guitars, Bass, Vocals
*Tomonoriの経歴 : Deviated, Dismal Dissonancy, Strangulation

Artwork :
Guang Yang : Artwork

 

▶︎Torsofuck 『Erotic Diarrhea Fantasy + As Semen Blends To Rot』

活動拠点 : Harjavalta, Satakunta, Finland(初期); Espoo, Uusimaa, Finland(後期)
結成年 : 1995
レーベル : New Standard Elite
ジャンル : Slam/Brutal Death Metal/Goregrind
バンドのコンセプト/テーマ : Gore, Perversion, Misogyny, Necrophilia, Zoophilia, Sick humour

2009年に活動休止してから2022年に復活したゴアグラインド・マスターTorsofuck。この復活はシーンに大きな衝撃をもたらしたはずだ。強烈なジャケでお馴染みの代表作『Erotic Diarrhea Fantasy』は当時プログラミングドラムで制作されたゴアグラインドの名作のひとつで、「内容は覚えていないがジャケットは忘れることが出来ない」という人は多いかもしれない。本作はその再録で、オリジナルはプログラミングされたドラムであったが、生ドラムで再びレコーディングされている。しかもドラマーとしてラインナップに追加されたのは、このバンドの首謀者であるMikko Fribergの息子であるMiroだ。

中心メンバーであり続けてきたMikko Fribergがギター/ボーカルを担当し、Miroがドラム。そしてMiroとともにいくつかバンドをやっているベーシストTarmo Ahoが加入しトリオ体制で再び動き出している。親子でゴアグラインド/ブルータル・デスメタルとは驚きだ。

昨今のNew Standard Eliteサウンドとも言えるブラスティング・ブルータル・デスメタルとしての迫力があるこの作品は、ゴアグラインド・リスナーはもちろん、ダークでカオスなブルータル・デスメタルが好きならおすすめだ。ここ数年はライブ活動も精力的で、幾つもライブビデオがアップされているのでチェックしてみてほしい。

Lineup :

Mikko Friberg : Vocals, Guitars
*Mikko Fribergの経歴 : Limbless, Torso, ex-Eruption, ex-Putrefaction

Miro Friberg : Drums
*Miro Fribergの経歴 : Limbless

Tarmo Aho : Bass
*Tarmo Ahoの経歴 : Limbless, Vasari

Other Staff :
RD Audio : Mixing, Mastering
Kimmo Tyni : Recording

Artwork :
Jon Zig : Artwork

 

▶︎Mastication of Brutality Uncontrolled 『The Epoch of Anthropogenic Deities』

活動拠点 : Aschaffenburg, Bavaria, Germany
結成年 : 2007
レーベル : Show No Mercy Records
ジャンル : Technical Slam/Brutal Death Metal
バンドのコンセプト/テーマ : Apocalypse, Misanthropy, Science fiction, Humanity, War

下に書いてあるメンバーラインナップを見ると分かるように、メンバーは皆Despondencyに在籍しており、DespondencyではRemo Hoffmanがドラムをやっていて、Mastication Of Brutality UncontrolledではFlorianがドラム/ギターを担当している。Florian以外のメンバーが総入れ替えとなり現体制となっているが、まさか全員Despondencyからとは驚き。

前作『Preemptive Space Warfare』と聴き比べると、Sci-fiコンセプトはそれほど強くないが、テクニカルなフレーズからスラムパートへと直角に転調するスタイルは誇示している。おどろおどろしさや荒っぽさはそのままに、Florianのドラミングも良い意味で譜面通りではない強弱やよれが味わい深い。最も強烈なのは、Kieren Allanのベースで、随所に差し込まれるハーモニクスや弦を千切るほどの不協和音のタッピングなど、とても面白い。これを聴くためだけにアルバムを聴いても良いと思えるほどだ。

前振りなしで突如やってくるスラムパートの嵐は、聴き込むたびに味わい深くなるはず。

Lineup :

Florian Mayer : Drums, Guitars
*Florian Mayerの経歴 : Despondency, Omegavortex, Contra Omnes, Exterminate Mankind, ex-Blood Vengeance, ex-Incesticide, ex-Honey, I Kill You (live), ex-Cervet, ex-Provocation

Kieren Allan : Bass
*Kieren Allanの経歴 : Despondency, Imperial Execration, ex-Amputated, ex-Anoxide, ex-Basement Torture Killings, ex-Bloodshot Dawn, ex-Carnivore Diprosopus, ex-Goreinhaled, ex-Crepitation (live)

Eduardo Camargo : Guitars
*Eduardo Camargoの経歴 : Decarabion, Despondency, Imperial Execration, Molested Divinity, ex-Ataud, ex-Carnivore Diprosopus, ex-Goreinhaled, ex-Relics of Humanity

Konstantin Lühring : Vocals
*Konstantin Lühringの経歴 : Despondency, Resection, ex-Defeated Sanity, ex-Funeral Procession, ex-Gallery of Darkness, ex-Precognitive Holocaust Annotations, ex-Revulsed

Artwork :
Sheila Franco : Cover Art

 

▶︎Delirious Compulsion 『Erratum of Dysphoria』

活動拠点 : United Kingdom / United States / Czechia / Switzerland
結成年 : 2024
レーベル : Pathologically Explicit Recordings
ジャンル : Technical/Brutal Death Metal
バンドのコンセプト/テーマ : no data

ブルータル・デスメタル・プログラミング・ドラマーの中でも多くのプロジェクトを持つLivio Wellingerやチェコ在住の弱冠19歳で数々のブルータル・デスメタル・プロジェクトを立ち上げているFilip Rybaなど、それぞれに本当に多くのプロジェクト、バンドを持っている彼らのデビューアルバム。

世界中どこにいても、年齢、国籍関係なくブルータル・デスメタルはバンドが出来るし、クオリティも年々高まってきている。彼らが音楽で生計を立てているかは分からないが、趣味としてバンドを20個やって、毎年3枚も4枚もアルバムを出しているとなると、かなり充実した音楽人生ではないかと思う。もはや、たくさんバンドに在籍している、してきたことがこのシーンにおいてステータスみたいなものはある。立ち上がっては止まり、数十年後にもう一度集まってアルバムを作る…。これもまた最高のミュージシャン・ライフだと思う。

Livioのプログラミングするドラムは、時々完全にプログラミングの音がするのが良い。硬めな音質もテクニカルなプレイによく合っているし、Dakota Riveraの深いガテラル、グロウルが、作品の残虐性を支える大きな要素となっている。Joe Mortimerのベースもミックスの中で比較的聴き取りやすく、ギターやドラムとは異なるローの効いたもので、奇怪な動きを加えている。最後まで楽しく聴ける一枚。

Lineup :

Joe Mortimer : Bass
*Joe Mortimerの経歴 : Awaken the Misogynist, Bodysnatch, Chronicynic, Corpseification, Crepitation, Deprecatory, Fisted, Gorpulent, Pithy, Septizin, Colpocleisis, Eye-Gouge, ex-Cancerous Womb, ex-Neuroma, ex-Sadistic Undertorture, ex-Ogun, ex-Corrupt Moral Altar (live), ex-Exhumation (live), ex-Impurist (live), ex-Turin (live), ex-Splattered (live), ex-Kastrated (live), ex-Intravenous Contamination (live), ex-The Gribble Report

Livio Wellinger : Drum programming
*Livio Wellingerの経歴 : Deprecatory, Folterknecht, Gibbeting, Mephitic Torso, Secret Mutilation

Filip Ryba : Guitars
*Filip Rybaの経歴 : Arcanat, Blood Nature, Carcass Rapist, Debilitated, Foul Deformation

Dakota Rivera : Vocals
*Dakota Riveraの経歴 : Abducted and Brutalized, Bitchsectomy, Blood Nature, Carcass Rapist, Crypt Ripper, Debilitated, Goremaculate, Hellthorne, Intracranial Bludgeoning, Putrified Degradation, Sadistic Butchering, Suntold, Inherit Obscurity, Spectral Phlegmesis, Torturous, ex-A Scarlet Gospel, ex-Forged in Gore, ex-Inanimate Prognosis, ex-Vomitrocious

Guest / Session :
Corey Athos : Vocals (track 3)
Aníbal Rodríguez : Vocals (track 6)
A.V. : Vocals (track 8)

Other Staff :
Filip Ryba : Mixing, Mastering
Tom Dring : Re-amping

Artwork :
Tony Koehl : Artwork

 

 

▶︎そのほか2026年上半期にリリースされたアルバム/EP

Vomit Forth – In the Name of the Father [EP]
活動拠点 : Pittsfield, Massachusetts, United States
結成年 : 2018
レーベル : Pure Noise Records

 

Bayonet Dismemberment – Skull Crushed by a Tank [EP]
活動拠点 : Vancouver, British Columbia, Canada
結成年 : no data
レーベル : Unsigned/independent

 

Dysmorfectomy – Black Hole of Intertwined Corpses
活動拠点 : Carhaix-Plouguer, Brittany, France
結成年 : 2015
レーベル : Amputated Vein Records

 

Acranius – Whiteout
活動拠点 : Rostock, Mecklenburg-Vorpommern, Germany
結成年 : 2009
レーベル : Rising Nemesis Records

 

Corpse Maggot Crew – Family Neighbourhood [EP]
活動拠点 : Perth, Western Australia, Australia
結成年 : 2021
レーベル : Unsigned/independent

 

Subjugated – Inherent Belligerence
活動拠点 : Bilbao, Basque Country, Spain
結成年 : no data
レーベル : Amputated Vein Records

 

Desecation – Despoiled Ethereal Purity
活動拠点 : San Diego, California, United States
結成年 : 2020
レーベル : New Standard Elite

 

Acid Ingestion – Hallucinatory Homicidal Compulsions
活動拠点 : Rockford, Illinois, United States
結成年 : 2025
レーベル : Unsigned/independent

 

Necrobutcher – Establishment and Inauguration Ceremony
活動拠点 : Kediri, Java, Indonesia
結成年 : 2010
レーベル : Pathologically Explicit Recordings

 

Priapism – Ascending to the Vortex of the Dead
活動拠点 : Lanzarote-Córdoba, Spain
結成年 : 2003
レーベル : Pathologically Explicit Recordings

 

Visceral Explosion – Altar of Asphyxiated Existence [EP]
活動拠点 : South Korea
結成年 : 2020
レーベル : Brutal Mind

 

Purulence – Resurrected in Agony [EP]
活動拠点 : Wigan, Greater Manchester, England
結成年 : 2010
レーベル : Reality Fade Records

 

Open Flesh Wound – Through the Septic Cavity [EP]
活動拠点 : York, Pennsylvania, United States
結成年 : 2022
レーベル : Inherited Suffering Records

 

Fear the Dark – Inherited Suffering [EP]
活動拠点 : Saint Paul, Minnesota, United States
結成年 : 2024
レーベル : Maggot Stomp

 

Gaffed – Thinning the Herd [EP]
活動拠点 : Brick, New Jersey, United States
結成年 : 1994
レーベル : CDN Records

 

Regurgitation Excrement – One Percent Bloody Awareness [EP]
活動拠点 : Ukraine
結成年 : 2023
レーベル : SBDC Records

 

Submerged – Resurfacing Nautical Ruin [EP]
活動拠点 : San Diego, California, United States
結成年 : 2023
レーベル : New Standard Elite

Walls Of Jericho、新曲「Agency」公開 11月13日発売の復活作『System Error: Humanity』で自由と自己決定を訴える

Photo Credit: Mateo Torres

アメリカ・デトロイトのハードコア/メタルコア・バンド Walls Of Jerichoが、ニューシングル「Agency」をリリースし、オフィシャル・リリックビデオを公開した。同曲は11月13日にNapalm Recordsからリリースされるニューアルバム『System Error: Humanity』の8曲目に収録される。

「Agency」は、冒頭から高速のスラッシュメタル的な展開で突き進み、その後に大規模なブレイクダウンへと落ち込む攻撃的な楽曲。ボーカルのCandace Buckinghamは、自由や自己決定、人間が本来持つ権利を守ることをテーマにした曲だと説明している。

Buckinghamは「Agency」について、「自由についての曲」とコメント。それは自分の内側に存在し、誰にも奪うことができないものであると同時に、毎日守るために戦わなければならないものだと語っている。

『System Error: Humanity』では、こうした自己決定や人権に関するテーマが作品全体を通して扱われる。「Agency」に加え、「Borrowed Ground」「Last Judgement」などでも、自分自身の人生や権利を取り戻し、より良い世界のために行動することを促すメッセージが込められている。

アルバムは全15曲を収録。「Broken Mouths Can’t Speak」にはLamb Of GodのRandy Blytheがゲスト参加し、Candace Buckinghamと激しいボーカルの掛け合いを披露する。「Humanity」にはThe Red ChordのGuy Kozowykが参加するほか、「A Brighter Fire」にはPatsy PuopoloとMatthew Rubyが名を連ねている。

プロデュースはConvergeのギタリスト Kurt Ballouが担当。NAILS、The Dillinger Escape Plan、Code Orange、Every Time I Dieなどを手掛けてきたBallouが、Walls Of Jerichoのライブ感の強い攻撃性を保ちながら、各楽器を明瞭に捉えたサウンドへ仕上げている。

『System Error: Humanity』は、Walls Of Jerichoにとって長いブランクを経て発表される本格的な復活作となる。先行シングル「The Ascent」に続いて公開された「Agency」では、ハードコアの重量感だけでなく、スラッシュメタルの加速感や鋭いギターソロも前面に押し出されている。

現在のWalls Of JerichoはCandace Buckingham、Aaron Ruby、Dustin Robert、Bobby VaLeu、Kyle Gailey、Chris Towningの6人編成。新作では初期から続くハードコアの攻撃性を軸にしながら、スラッシュ、メタルコア、重厚なブレイクダウンを組み合わせた全15曲を収録する。

『System Error: Humanity』収録曲

1. True Til’ Death
2. Beginning
3. The Flame
4. The Ascent
5. Broken Mouths Can’t Speak feat. Randy Blythe
6. Untouchable
7. Rise
8. Agency
9. Unchained
10. The End Before
11. Humanity feat. Guy Kozowyk
12. Borrowed Ground
13. Last Judgement
14. A Brighter Fire feat. Patsy Puopolo & Matthew Ruby
15. The Reckoning

『System Error: Humanity』
2026年11月13日リリース
Napalm Records

Official

https://www.napalmrecords.com/

Courtney LaPlante、「Keep Sweet」をワンテイクで披露 Spiritboxのボーカルチェインを再現したMixWave新プラグインを実演

Spiritboxのボーカリスト Courtney LaPlanteが、MixWaveと共同開発した自身専用のボーカル・プラグインを使用し、「Keep Sweet」をワンテイクで披露するパフォーマンス映像を公開した。同曲はSpiritboxが2025年に発表した2ndアルバム『Tsunami Sea』に収録されている。

今回の映像では、Courtney LaPlanteのクリーンボーカルとスクリームを一度のテイクで収録。すべてのボーカル処理にMixWaveと共同開発した専用プラグインが使用されており、彼女のボーカルサウンドを形成するシグネチャー・チェインを実際のパフォーマンスで確認できる内容となっている。

プラグインにはコンプレッション、サチュレーション、ピッチ処理、コーラス/ディレイ、リバーブ、ラインアンプ、EQなどを搭載。Courtney LaPlanteの音色やキャラクターを再現することを目的に設計されており、スタジオ制作だけでなくライブでの使用も想定されている。

LaPlanteはSpiritboxのサウンドにおいて、繊細なクリーンボーカルから極端なハーシュボーカルまでを行き来する幅広い表現力を担ってきた。今回のワンテイク映像は、そうしたダイナミックレンジをそのまま披露すると同時に、専用プラグインがどのようにボーカルへ処理を加えるのかを示すデモンストレーションにもなっている。

「Keep Sweet」は『Tsunami Sea』収録曲のひとつで、Spiritboxのヘヴィなサウンドとアトモスフェリックな要素を組み合わせた楽曲。今回の映像ではバンド演奏を前面に押し出すのではなく、Courtney LaPlanteのボーカルそのものに焦点を当てた構成となった。

Spiritboxは直近までEvanescenceの「Sanctuary」ワールドツアーでサポートを務め、9月からはJinjerとDying Wishを迎えたUK/ヨーロッパツアーを開催する。グラスゴー、ノッティンガム、マンチェスター、ロンドン、ベルリン、プラハ、ウィーン、アムステルダム、パリなどを巡る予定となっている。

Official Website

https://spiritbox.com/

The Browning、新曲「Obsolete.Delete.Repeat.」公開! エレクトロニックにデスコアとメタルコアを交差させる最新シングル

アメリカのエレクトロニック/メタル・バンド The Browningが、ニューシングル「Obsolete.Delete.Repeat.」を公開した。バンドが長年展開してきたインダストリアル、EDM、メタルコア、デスコアの要素を組み合わせた最新曲で、9月から始まる北米ツアーを前にリリースされた。

「Obsolete.Delete.Repeat.」では、機械的なビートとシンセサイザー、重低音のギターリフ、激しいハーシュボーカルを組み合わせ、The Browningらしいサイバー/インダストリアル色の強いサウンドを展開している。タイトルが示すように、反復や消去、時代遅れになっていく感覚を想起させる無機質な世界観も楽曲の印象を強めている。

The BrowningはJonny McBeeを中心に活動し、エクストリーム・メタルとクラブミュージックを融合するスタイルを継続してきた。近年もシンセサイザーや電子的なビートを前面に押し出しながら、ブレイクダウンや低くチューニングされたギターを組み合わせたサウンドを展開している。

新曲公開後、The Browningは北米ツアーへ参加する。ツアーにはFallujah、Vulvodynia、Humanity’s Last Breathらが出演し、9月から10月にかけてアメリカとカナダ各地を巡る予定となっている。

The Browningはこれまで『Burn This World』『Hypernova』『Isolation』『Geist』『End Of Existence』などのアルバムを発表。メタルとエレクトロニック・ミュージックの融合を一貫して追求し、独自のサウンドを築いてきた。

Official Website

https://www.thebrowningofficial.com/

スウェーデンのメタルコア・バンド Imminence、新曲「If Not Now, When?」MV公開 90年代グランジ/シューゲイズの空気感を取り入れた10月発売の新作『Axis Mundi』収録曲

Photography by @szulcworks

スウェーデンのメタルコア・バンド Imminenceが、ニューシングル「If Not Now, When?」をリリースし、オフィシャル・ミュージックビデオを公開した。同曲は10月2日にSumerian Recordsからリリースされるニューアルバム『Axis Mundi』の6曲目に収録される。

「If Not Now, When?」は、Imminenceが新作で取り入れた新たな音楽的要素を象徴する楽曲のひとつ。Sumerian Recordsは、耳に残るギターリフにシューゲイズを思わせる質感があり、90年代グランジから影響を受けた雰囲気も備えていると紹介している。バンド自身も、過去の「Infectious」のように制作段階から特別な手応えを感じた楽曲であり、すぐにお気に入りのImminence楽曲のひとつになったという。

ミュージックビデオは、これまで「The Sword That Never Bends」「False Light」の映像を手掛けてきたPavel Trebukhinが再び監督を担当。新作に合わせて展開されている中世を舞台とした物語を継続する内容となっており、単独のミュージックビデオではなく、『Axis Mundi』全体の物語世界を構成する一章として制作されている。

『Axis Mundi』はImminenceにとってSumerian Records移籍後初のフルアルバム。バンドは6月に同レーベルとの契約を発表し、「The Sword That Never Bends」を公開。その後「False Light」を発表すると同時に、全11曲入りのニューアルバム『Axis Mundi』を正式にアナウンスした。

新作では、Imminenceがこれまで築いてきたストリングスを取り入れたシネマティックなメタルコアを軸にしながら、楽曲ごとに異なる新たなアプローチを導入。「Crestfallen」ではEddie Bergのクリーンボーカルとストリングスを中心にした幻想的なサウンド、「False Light」ではアルバムでも特に激しいアレンジを展開し、「If Not Now, When?」ではさらに異なる方向へ踏み込んでいる。

アルバム発売後の11月からは、Dying WishとGaereaを迎えた北米ヘッドラインツアーを開催。ウースター、ニューヨーク、フィラデルフィア、アトランタ、ロサンゼルス、トロント、モントリオールなどを巡る。続いて2027年1月から2月にはAugust Burns Red、House Of Protectionとともにヨーロッパ/UKヘッドラインツアーを行う予定となっている。

『Axis Mundi』収録曲

1. Twisting In The Wind
2. The Sword That Never Bends
3. Devil May Try
4. Crestfallen
5. False Light
6. If Not Now, When?
7. Didn’t Think About You (Lately)
8. Leviathan
9. Shed Your Skin
10. Power Divine
11. Exodus

『Axis Mundi』
2026年10月2日リリース
Sumerian Records

Pre-order/Pre-save

https://sumerian.lnk.to/axismundi

Official

https://sumerianrecords.com/collections/imminence