Acranius : ドイツ/メクレンブルク=フォアポンメルン州の都市ロストクを拠点に活動するスラミング・ブルータル・デスコアバンド、Acraniusがニューアルバム『Mercy Denied』をリリースしました。2017年にRising Nemesis Recordsからリリースしたサード・アルバム『Reign of Terror』から4年振りとなる新作は、新たにボーカリストMarcus Jasakを加えたツイン・ボーカルスタイルで制作されており、ギタリストのBjörn Frommbergerがプロデュースを務めている。
自主でのリリースでありながら、ミュージックビデオもしっかり手の込んだものを作っているのが印象的。この手のスラミング・スタイルのバンドはどこかしらレーベルに所属して様々なチャンネルからビデオを出すのが主流ですが、自分たちで全部出来るならその方がいいという選択をしたのだと思います。Disfiguring the Goddessでお馴染みのBig Chocolateをフィーチャーした「Ruthless」は極上のボーカル・ワークによって巧みに展開していくスラムを味わえる一曲。
イタリアが誇るブルータルデスメタル・レジェンド、Vomit The Soulによる12年振りのニューアルバム。オリジナルメンバーであるドラマーYcio、ギター/ボーカルMaxが再び手を組み、同郷のレーベルメイトであるBloodtruthのギタリストがベーシストとして加入し、トリオ編成で本作をレコーディング。
アルバム収録曲「The Lost Aurea」のミュージックビデオを観ればより感じられると思うが、Dying Fetusへのリスペクトは強いものがあり、演奏スタイルも影響を受けているように感じる。といってもハードコアやスラッシュメタル的なノリは皆無だが、かなりヴィンテージスタイルのスラム・ヴァイブスに溢れている。彼らのカムバックに痺れたリスナーも多いだろう。文句なしの良盤!
再生ボタンを押した瞬間に彼らがニューヨーク出身であることが分かるほどで、『Sermon of Mockery』からバンドサウンドの根底にあるスラム要素が現代的にアップデートされていて心地良さがある。Internal Bleedingと共にクラシック・スラムの代表的バンドとしてPyrexiaを捉えているリスナーも今は多いと思うし、そんな彼らが派手な装飾抜きにこうした作品を作ったことは高評価されるべきだ。
イングランド/ロンドンを拠点に2004年から活動するブルータルデスメタルバンド。「そんなにベテランだったのか」と驚く人も多いと思うが、ちゃんと動き出したのは2014年ごろ。昨年にはセカンドアルバム『A Resting Place for the Wrathful』をリリースしていて、本作は新曲4曲とライブ音源が収録されたEPとして発表されている。この4曲が本当に素晴らしくて、あまりこういう形態の作品をベストリストには入れないんですが、必聴ということでランクイン。
2004年にUnmatched Brutality Recordsからリリースしたアルバム『Methods of Execution』以降アルバムリリースはなく、2008年に活動休止。2015年に復活したものの、オリジナルメンバーであるギタリストのMikeが正式に復帰したのは最近になってのことだ。2020年にはCesspool of CorruptionやMortifying Deformityに在籍する若干24歳のドラマーBrennanが加入し、制作活動が動き出す。レーベルの公式YouTubeチャンネルには「VII Nails」のスタジオ・レコーディング・セッションがアップされていて、動くBrodequinに結構感動した。ギブソンのレスポールでブルデスやってるのは見たことないけど、意外とクラシックなスピード重視のブルデスには合うかもしれないと思ったり。奇跡の2曲だけでも聴けて幸せだが、来年2022年には何かアルバムが出たりしないのかなと気になっています。
ベルギーを拠点に活動するデスメタルバンド、Abortedが通算11枚目のスタジオ・アルバム『ManiaCult』をCentury Media Recordsからリリースしました。前作『Terrorvision』からおよそ3年振りとなる新作は、プロデューサーにKristian “Kohle” Kohlmannslehnerを起用。Kohleとは2016年からAbortedの作品を共に制作している5人目のメンバーとも言える人物だ。
トラックリストを見てみると、デスコア/メタルコアシーンで活躍する世界中のボーカリスト達がアルバムのリードトラックとも言える楽曲に参加している。先行公開されていなかった楽曲「Ceremonial Ineptitude」には日本からCrystal LakeのRyoが参加。また、デスコアのトップシーンで活躍するFit For An AutopsyのJoe、Shadow of IntentのBenの名前も。彼ら参加曲もAbortedらしいブルータルデスメタルをベースにシンフォニック、デスコア、メタルコア、ハードコア、デスメタルの影響を色濃く感じさせる楽曲で素晴らしい。
1. Verderf
2. ManiaCult (feat Joe Bad from Fit For An Autopsy)
3. Impetus Odi
4. Portal to Vacuity
5. Dementophobia
6. A Vulgar Quagmire
7. Verbolgen
8. Ceremonial Ineptitude (feat. Ryo Kinoshita from Crystal Lake)
9. Drag Me to Hell (feat Filip Danielsson from In Reverence)
10. Grotesque
11. I Prediletti: The Folly of the Gods (feat. Ben Duerr from Shadow of Intent)
デスコアシーンでブルータルなスタイルを見せるバンドはSigns of the Swarmなど名前を挙げればいくつか思い浮かぶが、ブルータルデスメタル/デスメタルシーンのベテランがデスコアの魅力を引き出している、しかも通算11枚目のアルバムで、というのは珍しいし、パッションを感じます。Abortedとか知らない若いデスメタルリスナーにこそ聴いてほしい名作!
Sven de Caluwé Vocals (1995-present)
See also: Bent Sea, ex-Anal Torture, ex-Oracles, ex-They:Swarm, Coffin Feeder, ex-Leng Tch’e, ex-System Divide, ex-In-Quest
Ken Bedene Drums (2010-present)
See also: Aerith, Fallon, ex-Blood of Cain, ex-Oracles, ex-Abigail Williams, ex-System Divide, ex-Abysmal Dawn (live), ex-Decapitated (live)
Ian Jekelis Guitars (2015-present)
See also: Metal Against Coronavirus, ex-Abigail Williams, ex-Abysmal Dawn, ex-God Dethroned (live), ex-Artisan
Stefano Franceschini Bass (2016-present)
See also: Hammer of Dawn, Hideous Divinity, Ghouls
Dave Astor Drums (2006-present)
See also: Being Killed, ex-Cattle Decapitation, ex-Parasitic, ex-The Locust
Obie Flett Vocals (2010, 2018-present)
See also: Inherit Disease, Iniquitous Deeds, ex-Hydrocephalic
Ricky Jackson Bass (2018-present)
See also: ex-Suffokate (live)
Dan Richardson Guitars (2018-present)
See also: Condemned, Fury Never Fades, ex-Lord of War
Sevared Recordsも数量限定リリースが増え、他のブルータルデスメタル・レーベルに比べ勢力は落ちてきたもののまだまだ元気。Putrid PileはSevared Recordsからリリースを続けている数少ないアーティストで、地味に2020年がプロジェクトスタートから20周年であった。前作から大きくスタイルチェンジする事もなく、淡々と自身のブルータリティを表現し続けている点だけでも評価に値するし、オープニングトラックの「Death Waits for No One」では、唐突なテンポチェンジを繰り返しながらもバウンシーなグルーヴはキープ、リフワークもメロディアスで面白いしガテラルもハイセンス。「Bonedigger」みたいな打ち込み感丸出しのB級さも個人的には好きだったりする。
第9位 : Goratory – Sour Grapes
2009年に活動休止、2016年に復帰したマサチューセッツ/ボストンのブルデス・レジェンドGoratoryの新作は、前作『Rice on Suede』からなんと16年振りとなる4枚目フルレングスで、リリースはイタリアのEverlasting Spew Recordsから発売された。
有名ミュージシャンのテクニカルすぎるアイデアのはけ口みたいなバンドで、Job For a CowboyやDespised Iconで活躍するギタリストAlanやDeeds of Flesh、Pillory、Cytolysisなどで大忙しのドラマーDarrenが在籍している。彼ら以外の2人はSexcrementというバンドのメンバーで腕前はもちろん凄まじい。特徴的なのは強烈なスラップベースで、テクニカルなブルータルフレーズに絡み付いていく。ヴィジュアルイメージからは想像もつかないテクニックがたまらない1枚。
第8位 : Post Mortal Possession – Catacombs Of Bedlam
ペンシルバニア州ピッツバーグを拠点に活動する5人組Post Mortal Possessionのセカンドアルバムは、Lord of the Sick Recordingsからのリリース。
もともとデモ音源がアンダーグラウンドシーンで話題となり、New Standard Eliteと契約している。メンバーはそれぞれにプロジェクトを抱えており、Scatology Secretionなど今年アルバムを出したプロジェクトもある。メンバーらが抱えるプロジェクトの中でもVituperateは特にスピード感重視で、まさに工事現場のような轟音が鳴り響き、リフの輪郭も曖昧。いわばハーシュノイズのようなエナジーに溢れる1枚。
前作『Desolated Realms Through Iniquity』から2年振りのリリースとなる本作は、アンダーグラウンド・ブルータルデスメタルの巣窟New Standard Eliteが発売元。レコーディングエンジニアリンク/マスタリングは同郷のOzan Yildirimが担当。彼はDrain of ImpurityやMolested Divinityのメンバーが在籍するRaven Woodsも手掛けており、バンドとも親交の厚い人物。前作とジャケットが酷似していて、最初再発かと思ったが、しっかり新作でした。New Standard Eliteらしさといえばそのスピードでしょうか。
マサチューセッツを拠点に活動するブルータルデスメタルバンド、Abnormalityが解散を発表しました。15年の活動で3枚のアルバムをリリース。Metal Blade Recordsから2019年に『Sociopathic Constructs』を発表したばかりでした。
Abnormalityからのメッセージ :
“It is with a heavy heart today we inform you that we are closing this chapter of our lives and Abnormality is no more. This was a difficult but mutual decision by all the members and there are no hard feelings. It has been going on for a while that we felt we were growing apart, and the pandemic and travel bans were the final nail in the coffin.
“We are grateful for these past 15 years of making heavy music for you all and playing stages across the country and across the globe. We will never forget the awesome memories and the friendships forged.
“A huge thank you to Metal Blade Records, and to all of our fans for the love and support over all these years. Most of us will continue making music in other projects, so rest assured you will see us individually in one form or another.”
Luc Lemay (Gorguts)
John Gallagher (Dying Fetus)
George “Corpsegrinder” Fisher (Cannibal Corpse)
Frank Mullen (Suffocation)
Matti Way (Disgorge)
Bill Robinson (Decrepit Birth)
Dusty Boisjolie (Severed Savior, ILLUMINEGRA)
Anthony Trapani (Odious Mortem, Severed Savior),
Obie Flett (Pathology)
Robbe Kok (Disavowed)
Jon Zig (Serpentian)
新作のサウンドは、初期から後期までのDeeds of Fleshサウンドをミックスしたようなものになっており、2008年にリリースした『Of What’s To Come』から2013年にリリースした『Portals to Canaan』から連なるストーリーの一部になっています。
『NUCLEUS』に収録されている楽曲はErikによって制作されており、亡くなるまでの4年間に渡ってCraig Peters、Ican Munguia、Darren Cescaと共にレコーディングが続けられていました。Erikの死後、Deeds of Fleshでベース/ボーカルを担当していたJacoby Kingstonと元ドラマーのMike Hamiltonが歌詞制作とボーカルアレンジメントのサポートを行っています。
新作についてギタリストのCraig Petersはこうコメントしています。7年前に制作をスタートさせた新作を、ようやくファンに届ける準備が出来て嬉しく思います。この作品は私にとって特別なもので、Erikと日々連絡を取り合い、ファンの為に映画のような体験が出来るような仕上がりになるよう試行錯誤を続けました。そんな中、Erikな亡くなり、私たちメンバーは深く悲しみ、このアルバムを完成させる為にどうすればいいのか分からなくなっていました。この作品はDeeds of Fleshの遺産として非常に大きな意味を持つことになったので、Erikと共にDeeds of Fleshで長きに渡り活動をしてきたMikeとJacobyの力を借り、『Of What’s to Come』でErikがスタートさせたストーリーを完結させる事が出来ました。Deeds of Fleshが鳴らしてきた様々なスタイルのサウンドを感じる事が出来る本作は、ファンにとってこれまでに聞いたことのないものになっていると信じています。リリースまで楽しみに待っていて下さい!
また、本作でボーカルを務めたJacobyはこうコメントしています。Erikが亡くなってから、このアルバムで他の誰かがボーカルを務める事は出来ないのではないかと感じ、すでにバンド活動から引退していましたが、Deeds of Fleshの為に復活することにしました。Mikeと一緒にチームを組み、『Of What’s to Come』からスタートしたストーリーから歌詞の制作に取り組む計画をスタートさせました。この作業はDeeds of Fleshの初期の作品である『Gradually Melted』や『Trading Pieces』のレコーディングの事を思い出させてくれ、すべてが新しく感じエキサイティングなものになりました。自分がこのアルバムに出来る全ての力を注ぎましたし、参加してくれたゲストボーカリスト達も夢のようなラインナップであり、彼らを迎えられた事を光栄に思っています。ファンはこのラインナップをみて、間違いなくワクワクするに違いありません。Deeds of Fleshの過去と未来を繋ぐ、新しい時代のハイブリッドサウンドを生み出すことが出来ました。これは間違いなく、Deeds of Fleshの新しいアルバムです。
バンドはすでにアルバムのトラックリストとアートワークを公開しています。
Guitars/Orchestral Programming by Craig Peters
Drums Recorded by Darren Cesca
Bass Recorded by Ivan Munguia
Main Vocals Recorded by Chad Land
Mixed & Mastered by Zack Ohren, Castle Ultimate, Oakland, CA
Music Writing:
All Music written by Craig Peters, Erik Lindmark and Ivan Munguia
All lyrics and vocal arrangements by Mike Hamilton and Jacoby Kingston