The Last Ten Seconds of Life : ペンシルバニア州マンスフィールドのデスコアバンド、The Last Ten Seconds of Lifeがニューアルバム『The Last Ten Seconds of Life』をUnique Leader Recordsからリリースしました。
いくつもピックアップしたいタイトルはありますが、「Glory be 2 Misery」は、The Last Ten Seconds of Lifeにしか作れないアメリカン・アンダーグラウンド・メタルコア/デスコアのプライド溢れる仕上がり。非常に面白いですし、普通にメタルとして新しい面白さがあります。いくつもピースをランダムに組み合わせながら一曲になっているというか、とにかく新鮮。
「Zapffe Isn’t Invited to the Party」はシンプルにダウンテンポな切れ味鋭い一曲、チューニングもボーカルもローすぎてアガります。
DIVINITIST : 日本を拠点に活動するデスコアバンド、DIVINITISTが新曲「IMITATOR OV DEITIES IN FALSE GENESIS」のリリックビデオをSlam Worldwideから公開しました。自身のサウンドを「Divinity Deathcore」と自称するDIVINITIST、ドゥーミーなガテラルが漆黒のブラッケンド・サウンドを更に黒く染め上げ、緩急の効いた楽曲展開で楽曲をドラマティックに仕立てていきます。
2021年11月16日に公開された「Chalice Ov Rebirth」のリリックビデオからは、彼らがブラックメタルバンドとしても高い魅力を持っていることが感じられるだろう。ちょうど2022年1月14日に同じタイミングでリリースされたShadow of Intent、Enterprise Earth、Fit For An Autopsyと聴き比べてみるとその違いは歴然。ブラッケンド・デスコアもそのクロスオーバーの割合でここまで変化があり、違った可能性を持っているのは面白いことだと思います。
2021年12月24日に公開された「The River Ov Knives」は、最も早いLorna Shoreフォロワー的なサウンドで結構バズるかと思ったのですが、現在までの再生回数は4万回程度。クリスマスイヴの公開というのもあって、他に話題を取られてしまったように感じますが、楽曲の完成度は非常に高く、驚きを感じながら聴くことが出来ると思います。
Fit For An Autopsy : ニュージャージー州ジャージーシティを拠点に活動するデスコアバンド、Fit For An Autopsyが、2019年にリリースしたアルバム『The Sea of Tragic Beasts』からおよそ2年2ヶ月振りとなる通算6枚目のニューアルバム『Oh What the Future Holds』をNuclear Blastからリリースしました。
本作もギタリストWill Putneyによってプロデュースされている。前作からメンバーラインナップに変更はなく、Willは制作メンバーとしてのみバンドに在籍している。こうしてコンポーザーがツアーやライブ活動に帯同しないケースは珍しいが、Willは数多くのレコーディング・エンジニアリングをこなしており、物理的にライブ活動に参加することが出来ないのかもしれませんね。それでも柔軟にFit For An Autopsyを動かし、ここまで成長させたのは素晴らしい偉業だと思います。
2021年9月25日に公開された第1弾先行シングル/ミュージックビデオは、アルバムの3曲目に収録されている「Far From Heaven」だ。オルタナティヴなクリーンパートはSlipknotやTriviumといったメインストリームのメタルバンドからの影響が強く感じられ、バンドとしてネクストレベルへ進む為に必要だった要素と言える。それでありながら、キャッチーかつドゥーミーなリフを共存させているところにFit For An Autopsyのセンスを感じます。
2021年12月4日に公開された第3弾先行シングル/ミュージックビデオ「In Shadows」は、これまでのFit For An Autopsyらしいアプローチで仕上げられたナンバー。ギター、ベースのリフ、ドラミング、ボーカルそれぞれに独創的なフック感が仕込まれているのがなんともFit For An Autopsyらしい。芸術的なサウンドデザインに圧倒されるだろう。
2022年1月7日に公開された第4弾先行シングル/ミュージックビデオ「Two Towers」は、ニューメタルのどろどろとした雰囲気を内包しながらも、しっかりとFit For An Autopsyらしいゴージャスでヘヴィなグルーヴをまとった一曲に仕上がっている。この楽曲の一番の聴きどころはやはりリフで重々しさに中にも繊細さがあり、ドゥーミーな響きが強烈な個性を放っている。
アルバムリリースから公開となった「A Higher Level of Hate」、「Savages」などの楽曲も先行公開された楽曲に引けを取らず一級品の仕上がりとなっており、アルバム後半を彩る内容となっている。ラストを飾る7分近い長尺のエンディング・チューン「The Man That I Was Not」は今のFit For An Autopsyをたっぷりと味わえるドラマティックな楽曲になっている。
デスコアのサブジャンルでありながら、近年枝分かれ的に注目されてきた「ブラッケンド・デスコア (Blackend Deathcore)」。今年は特に、来年以降の盛り上がりを確信するような仕上がりの作品が多数リリースされた。筆頭に挙げられるのはやはりLorna Shoreで、「To The Hellfire」のミュージックビデオ公開以降、デスコア以外のメタルリスナーからも支持を集め、Bring Me The Horizon、A Day To Rememberのツアーに帯同することも決まっている。彼らが自身の音楽をブラッケンド・デスコアだと自称しているわけではないが、ヘヴィでバウンシーなデスコアと轟音で疾走するブラッケンド・パートをブレンドしたサウンドでシーンから評価を得たことは、後続のバンドに多大な影響を与えたことだろう。
2021年から本格始動したex.SuffokateのRicky Hoover率いるネバダ州ラスベガス拠点の新星、Ov SulfurのデビューEP。Suffokateも2000年代後半からデスコアを聴いていない人にとっては、特段思い入れもないと思いますが、Mediaskare Recordsから2枚のアルバムをリリースし、Job For A CowboyやVolumesらと共にSuicide Silenceに次ぐデスコアのニューカマーとして人気を博したバンドで、Rickyのカリスマ性はSuffokateの活動が止まった2010年代中頃以降、伝説になっていた。そんな彼が再びバンド活動を再開するとあって、Ov Sulfurは今年、熱心なデスコア・リスナーから熱視線を集めた。中期Whitechapelを彷彿とさせるデスコア・サウンドに、重厚なオーケストレーションをブレンド、Rickyの存在感もさすがだが、クリーンパートも聴きどころの一つ。コテコテのブラッケンド感はないが、ブラッケンド・デスコアの入門作として非常に聴きやすい作品では無いかと思います。来年はフルアルバムを出してくれることを楽しみにしています!
カリフォルニア州サンディエゴを拠点に活動するベテランCarnifexの、通算8枚目となるスタジオ・アルバム『Graveside Confessions』は、前作『World War X』からおよそ2年振り。メンバーチェンジもなく安定期を継続する彼らの新作は、アルバムタイトル・トラックで幕を開ける。自身はブラッケンド・デスコアの元祖である自覚があるかどうかと言われれば、はっきり断定はできないがブラッケンドな疾走感と残忍なリフワークを組み合わせたデスコア・サウンドが後続にもたらした影響は計り知れない。
アルバムには初期曲の再録も収録されており、2007年のデビューアルバム『Dead in My Arms』収録曲「Slit Wrist Savior」ほか、「Collaborating Like Killers」など渋い人気曲も現代的にアップデートされていて古くから彼らを追いかけているファンにはたまらないものがあるでしょう。今も昔のほとんどブレることなく、Carnifexサウンドを追求する姿勢は見習うものがあり、ブラッケンド・デスコアのオリジネイターとして心強い。
やはり今年、ブラッケンド・デスコアを象徴する一枚として挙げたいのが新ボーカリストWill Ramosを迎え再出発となったLorna ShoreのEP『…And I Return To Nothingness』。3曲入り、EPというかシングルというか、とりあえずそんなこと関係なくこの作品が2021年デスコアシーンに与えた衝撃はデカ過ぎた。デスコアだけでなく、メタルコア、幅広いメタル・リスナーが彼らに注目したと思う。これまでの常識を覆す圧倒的なヘヴィネス、流麗なブラッケンド/シンフォニック・パート、テクニカルなドラミングにリフ、そしてなんといっても新たにLorna Shoreの顔となったWill Ramosの非人間的なボーカル・ワーク。どれをとってもネクスト・レベルであり、2022年にブラッケンド・デスコア・ムーヴメントを巻き起こすエネルギーに満ち溢れている。
Within Destruction : スロベニアを拠点に活動するブルータル・デスコアバンド、Within Destructionが「Self-Hatred」をリミックスした「Self-Hatred 2.0」をリリースしました。ヒップホップなアレンジが施されたことで、彼らの楽曲の根幹にあるのが、ダンス・ミュージックであることが分かりますし、デスコアのダンサブルな部分をこうして別の音楽で表現することで、デスコアの未来はもっと明るいものになると思います。
ヒップホップとの親和性で言えば、現行ニューメタルコア勢が最も上手くクロスオーバーしているように感じます。他にも先日We Came As Romansがラッパーとのコラボ曲をリリースしましたし、UNFD、Century Media Recordsはラッパーと契約したりしてます。こちらから歩み寄ってはいるので、あとはヒップホップ・ラップリスナーが面白いと感じてくれれば、シーンの規模はもっともっと大きくなるでしょう!
1. Majin – The Heretic Anthem
2. Worm Shepherd – Eyeless
3. Azazel – Snuff
4. Raze The Altar – Before I Forget
5. The World Without Us – Me Inside > Gently
6. Quazar – Left Behind
7. Switchblade Saturdays – (Sic)
8. Null Existence – Psychosocial
9. Spoiler – Everything Ends
10. Osiah – Liberate
11. Inferious – Three Nil
12. Child of Waste – Welcome
13. Sunken State – Gematria (The Killing Name)
14. Sunfall – No Life
15. Red Helen – Duality
16. Bog Wraith – Surfacing
17. $lave – Vermillion Pt.2 03:40
18. Shiva – The Nameless
19. Etheria – New Abortion
20. Saltwound – The Blister Exists
21. For Fear Itself – Spit It Out
22. Crafting The Conspiracy – Dead Memories
23. Frog Mallet – Prosthetics
24. Casketmaker – Wherein Lies Continue
25. Grimelord – Pulse Of The Maggots
26. Bleeding Spawn – Opium Of The People
27. Nitheful – Get This (Or Die)
28. Befoul – Eeyore
29. After Smoke Clears – Welcome
30. Third World Party – Surfacing
31. Ayden Wilder – Disasterpiece
32. Kio – I Am Hated
33. Patrick Teal – Duality
34. Knot Social – Before I Forget
35. Strangled & VCTMS – Disasterpiece (Bonus)
36. Desolate Blight – People = Shit (Bonus)
37. Bleeding Spawn – Liberate (Bonus)
今年最も衝撃的なブレイクダウンと断言していいだろうLorna Shoreの「To The Hellfire」。多くのリアクションビデオが投稿され、Lorna Shoreの名前は爆発的にメタルシーンに広まりました。それもあってか、Bring Me The Horizonがヘッドライナーのツアーに帯同することも決まり、これから更なるブレイクが期待される。
新しく加入したWill Ramosが、この「To The Hellfire」のワンテイク・カバーに挑戦した動画がアップされ、更なる衝撃をシーンにもたらしています。かなり作り込まれたトラックで、ボーカルもそんな感じなのかと思いきや、かなり等身大で異次元のスクリームをかましてて驚きました。。。ぜひみて下さい。
ポイント①に「デスコアからの脱却」と書いたが、実はデスコアの未来の姿をこのアルバムから感じることが出来る。Whitechapelは完全にデスコアでなくなった訳ではなく、「A Bloodsoaked Symphony」や「To the Wolves」、「Lost Boy」、「The Ones That Make Us」はこれまでのヘヴィなWhitechapelサウンドが健在だ。Wadeはこのアルバムに無限の可能性を感じると話しており、『The Valley』で確立した”デスコアから出発し辿り着いたWhitechapelのメタル”から、より多くのファンに自身の音楽を届ける為に『Kin』に様々な挑戦を詰め込んだと考えられる。
Bound In Fear : イギリスを拠点に活動するデスコアバンド、Bound In Fearがニューアルバム『Penance』をUnique Leader Recordsから10月15日にリリースしました。このアルバムにはフィーチャリングゲストにJamie Graham (Viscera)、Nick Arthur (Molotov Solution)、Kevin Muller (Aluvial)、Taylor Barber (Left to Suffer)が参加しており、そのサウンドはBodysnatcher、Distant、そしてBlack Tongueのファンにオススメなヘヴィでダークな正統派デスコアです。このアルバムの聴きどころについて解説してみたいと思います。
ポイントその① : 正統派だけどアレンジは現代的
Bound In Fearはアートワークやヴィジュアルがそこまで派手でないので、Unique Leader Recordsの中でも地味な存在。だからこそ、デスコア・スタンダードな楽曲に好感が持てます。Lorna ShoreやBrand of Sacrificeのような強烈な個性は持ち合わせていませんが、デスメタリックなリフ、ブレイクダウンの殺傷能力は凄まじいです。良い意味で期待通りのデスコア展開美を持つ楽曲がずらっと並ぶアルバムではありますが、かなりワーミー・パートが組み込まれていたり、謎めいたサンプリング・コラージュもあったりするので、そういった意味では前述のLorna ShoreやBrand of Sacrifice、そしてCode OrangeやKnocked Looseといったメインストリームでの人気を持つようなメタルコア/ハードコアの雰囲気も感じる瞬間があります。
ポイントその② : 中毒性の高いリフが結構多い
アルバムタイトルにもなっている「Penance」はミュージックビデオにもなっていて、Molotov SolutionのNick Arthurがフィーチャリング・ゲストとして参加しています。Depths of Hatredのようなメロディック・デスコアのドラマティックなスケール感を持ちつつも、強烈なリフで落としてくる後半の展開には思わず開いた口が塞がらない状態になります……。しかもウルトラ・モッシーなので、ライブのタフな雰囲気が想像出来ますね。もう一曲、「Beyond The Mire」はおそらくこのアルバムで一番のキラーチューン。2021年必聴のデスコアトラックだと思いますので是非聴いてみて下さい。
こんなバンドが好きな人にオススメ!
最初に紹介したBodysnatcherやDistant、Black Tongueといったバンドはもちろん、全てのダウンテンポ・デスコアリスナーは必聴だと思います。ちょうど新譜が出たFilthやアメリカン・アンダーグラウンドデスコアの帝王The Last Ten Seconds of Lifeなどなどこれを機にいろんなバンドをチェックしてみて欲しいです。
Filth : ノースキャロライナを拠点に活動するヘヴィ・デスコアバンド、Filthが新作『The Ignorance』をGutter Music Recordsからリリースしました。The Last Ten Seconds of LifeのJohn Robert Cをフィーチャーしたタイトルトラックのミュージックビデオは2021年6月に公開され、その危険すぎるサウンドが注目を集めました。Oceano以降のタフなモッシュコア、デスコアファンはこのアルバムで殺人モッシュして下さい。