All Shall Perish、完全復活へ! 15年ぶりの新曲「Be As Kings, Be As Gods」公開、『The Price Of Existence』20周年ツアー開幕

アメリカ・カリフォルニア州のデスコア・バンド All Shall Perishが、ニューシングル「Be As Kings, Be As Gods」をリリースした。バンドにとって2011年以来、実に15年ぶりとなる新曲であり、本格的な再始動を象徴する新音源となる。

「Be As Kings, Be As Gods」のプロデュースはZack Ohrenが担当。OhrenはこれまでFallujahやMachine Headをはじめ、数多くのメタル作品に携わってきた人物で、今回の復活曲でもAll Shall Perishのヘヴィで攻撃的なサウンドをまとめ上げている。

新曲はArson Theoryを通じてリリースされた。Arson TheoryはAll Shall Perishのボーカリスト Eddie Hermidaが共同設立した新たな音楽会社で、アーティスト主体の活動を掲げて立ち上げられたプロジェクトとなる。

All Shall Perishが最後にスタジオアルバムを発表したのは2011年の『This Is Where It Ends』。その後は活動休止やメンバーの動きを経ながら長期間新曲が発表されておらず、「Be As Kings, Be As Gods」は約15年にわたる空白を終わらせる楽曲となった。

今回の新曲公開は、2006年に発表された2ndアルバム『The Price Of Existence』の20周年と重なるタイミングで行われた。同作はAll Shall Perishの代表作のひとつとして知られ、バンドは2026年に新たなリマスター版もリリースしている。

さらに9月からは『The Price Of Existence』20周年を記念した北米ツアーを開催。Carnifex、Extermination Dismemberment、Mauledが参加し、9月4日のフレズノ公演から10月3日のサンノゼ公演まで約1カ月にわたって各地を巡る。

ツアーはサンタアナ、ソルトレイクシティ、デンバー、シカゴ、デトロイト、トロント、モントリオール、ボルチモア、アトランタ、サンディエゴなどで開催される。過去作の20周年を振り返るだけでなく、15年ぶりの新曲とともに現在のAll Shall Perishを提示する機会となる。

All Shall Perishは2002年にカリフォルニア州オークランド周辺で結成。デスメタルのテクニカルなギターワークやメロディと、ハードコア由来のブレイクダウンを融合したスタイルで、2000年代のデスコア・シーンを代表するバンドのひとつとなった。

『Hate.Malice.Revenge』『The Price Of Existence』『Awaken The Dreamers』『This Is Where It Ends』と作品を重ね、後続のデスコア・バンドへ大きな影響を与えてきた。

ENTHEOS、新曲「Undone」MV公開 インダストリアルへ踏み込むニューアルバム『Empty On The Inside』は10月

アメリカのプログレッシブ/オルタナティブ・メタル・バンド ENTHEOSが、ニューシングル「Undone」をリリースし、オフィシャル・ミュージックビデオを公開した。同曲は10月23日にMetal Blade Recordsからリリースされるニューアルバム『Empty On The Inside』の6曲目に収録される。

「Undone」は、アルバム全体を象徴する中心的な楽曲のひとつ。ボーカルのChaney Crabbは、自分がかつて最も恐れていたような人間になってしまったという罪悪感と向き合うことをテーマにした曲だと説明している。

過去へ戻り、自分が壊してしまったものを元に戻すことはできないという現実に直面する悲しみも歌詞の核となっており、Crabbは非常に生々しい内容になったとコメント。その感情的な重さと楽曲のサウンドが完全に一致していると感じているという。

音楽面では、ENTHEOSが以前から取り入れたいと考えていたインダストリアル的なアプローチへ本格的に踏み込んでいる。バンドにとってはこれまでと異なる方向性を持つ楽曲でありながら、制作自体は非常に自然に進んだという。

Crabbは「Undone」について、一部のリスナーにとっては意外なサウンドに聞こえる可能性がある一方、自分たち自身に最も忠実な楽曲のひとつでもあると説明。今後もこの音楽的領域をさらに広げていきたいと語っている。

ニューアルバム『Empty On The Inside』では、Chaney Crabbとマルチインストゥルメンタリスト Navene Koperweisに加え、FallujahのScott Carstairs、AllegaeonのMichael Stancelが制作へ参加。これまで以上に全メンバーが一体となったソングライティング/レコーディングが行われた。

従来のENTHEOS作品ではCrabbとKoperweisのテクニカルな演奏力が大きな軸となっていたが、新作ではバンド全体でのコラボレーションを重視。複雑な演奏やプログレッシブな激しさを残しながら、よりタイトなソングライティング、強いフック、メロディックな要素を拡張している。

アルバム全体では、自分自身を暗闇の中で見失い、絶望と向き合った末に、以前の自分へ戻る方法が存在するのかを問いかける。タイトル『Empty On The Inside』が示すように、精神的な空虚さや自己喪失を作品の重要なテーマとして扱っている。

プロデュースはThe Black Dahlia Murder、Fallujah、Whitechapelなどを手掛けてきたMark Lewisが担当。マスタリングはSterling SoundのJustin Sturtz、アートワークはNine Inch Nails、Behemoth、Soundgardenなどとの仕事でも知られるZac Shifferが制作した。

収録曲「Tomblight」にはThe ContortionistのMichael Lessardがゲスト参加。全10曲を通してテクニカルなエクストリーム・メタルからメロディック、プログレッシブ、インダストリアルまで、ENTHEOSのサウンドをより広い領域へ展開する。

ENTHEOSは今夏、Jinjerとの北米ツアーを終えており、アルバム発売日の10月23日にはテネシー州ナッシュビルのThe ’58 at Eastside Bowlでリリース公演を開催する。Knoll、Dissonation、Vaelravynが出演し、その後のライブ日程も追加される予定となっている。

『Empty On The Inside』収録曲

1. Hell Is a Part of Me
2. Empty on the Inside
3. Hollow
4. Call My Name
5. Golden Crown
6. Undone
7. Tomblight feat. Michael Lessard
8. Pale Faith
9. Never Let Me Go
10. The Earth Will Move

『Empty On The Inside』
2026年10月23日リリース
Metal Blade Records

Pre-order

https://www.metalblade.com/entheos/

Official Store

https://entheosstore.com/

Catch Your Breath、2ndアルバム『Not Broken Enough』リリース Kami Kehoe参加曲含む全11曲

アメリカ・テキサス州オースティンのハードロック/オルタナティブ・メタル・バンド Catch Your Breathが、ニューアルバム『Not Broken Enough』を8月28日にThriller Recordsからリリースした。全11曲を収録し、これまでに発表されてきた「Blood Money」「Rewind」「[Gen]inside feat. Kami Kehoe」に加え、最新シングル「Red Alert」も収められている。

バンドは『Not Broken Enough』について、何度も期待を裏切られる世界に疲れ切り、毎日のように同じ失望を経験しながら、それでも再び立ち上がって前へ進もうとする人々のための作品だと説明している。

アルバムは「Contaminated」で幕を開け、「Red Alert」「Blood Money」「Carnivore」「Control」と続く。後半には「Rewind」「Lost」「Dark」「The Basement」、Kami Kehoeを迎えた「[Gen]inside」、ラストの「Hollow Dreams」まで全11曲が並ぶ。

最新シングル「Red Alert」は、誰かの駆け引きや策略に気付き、すぐに反応するのではなく、あえて口を閉ざして相手が自ら仕掛けた罠にはまるのを見届ける瞬間を描いた楽曲。バンドは、相手の意図を理解した上で距離を取り、状況を冷静に見極める感覚をテーマにしている。

7月に公開された「Rewind」では、すべてを捧げた相手が同じように自分のために戦ってくれていなかったことに気付いた後の後悔を描いた。失った関係そのものを惜しむというより、もっと早く自分自身を選ぶべきだったという気付きへと感情が変化していく内容となっている。

「[Gen]inside」にはKami Kehoeがゲスト参加し、Catch Your Breathのメロディックでダークなサウンドに異なるボーカルの色を加えた。『Not Broken Enough』では、こうしたゲスト参加曲を含め、バンドが得意としてきた大きなコーラス、重厚なギター、エレクトロニックな質感を組み合わせながら、内面的な苦悩や人間関係を掘り下げている。

Catch Your Breathはアルバム発売後、10月16日から「Not Broken Enough Tour」を開催する。サポートにはTX2、Arankai、Colorblindが参加し、シンシナティ、シカゴ、ミネアポリス、デンバー、シアトル、サンタアナ、アトランタ、ニューヨーク、モントリオール、トロント、デトロイト、ボルチモア、ナッシュビルなどを巡る。

ツアーは12月5日のオクラホマシティ公演まで約2カ月にわたって行われ、『Not Broken Enough』のリリース後としては大規模な北米ヘッドラインツアーとなる。

『Not Broken Enough』収録曲

1. Contaminated
2. Red Alert
3. Blood Money
4. Carnivore
5. Control
6. Rewind
7. Lost
8. Dark
9. The Basement
10. [Gen]inside feat. Kami Kehoe
11. Hollow Dreams

『Not Broken Enough』
2026年8月28日リリース
Thriller Records

Official Website

https://catchyourbreathband.com/

次世代デスコア・シーンを牽引するREV3RENT、デビューアルバム『She Let The World Run Rampant』を10月リリース決定! 表題曲MV公開

REV3RENTが、ニューシングル「She Let The World Run Rampant」をリリースし、オフィシャル・ミュージックビデオを公開した。同曲は10月30日にDeep Love Recordingsからリリースされるデビューアルバム『She Let The World Run Rampant』の表題曲となる。

「She Let The World Run Rampant」は、モダン・デスコアの重量感と攻撃性を軸にしながら、ダークで不穏なアトモスフィアを強く押し出した楽曲。単純に勢いだけで押し切るのではなく、緊張感を徐々に積み上げる構成によって、楽曲全体に独自の重苦しさを持たせている。

極端なヘヴィネスを前面に出しつつも、暗い空気感をサウンドの重要な要素として取り入れている点も特徴。破壊力のあるリフやリズムと、不穏な余白や緊張感を共存させることで、REV3RENTが今後展開していく音楽性の方向性を示している。

公開されたミュージックビデオも、デビューアルバムのビジュアル・アイデンティティを提示する内容となった。表題曲を作品の中心に据えながら、10月30日に控えるフルアルバムの世界観を映像面から補強している。

『She Let The World Run Rampant』は、REV3RENTにとって初のフルアルバム。Deep Love Recordingsのバックアップのもと、現代的なエクストリーム・ミュージックの中で自身の個性を確立していく最初の本格作品となる。

今回の表題曲では、クラッシングな重量感、ダークなアトモスフィア、緊張を途切れさせないアレンジをひとつにまとめており、デビュー作全体の方向性を示す先行曲として位置付けられている。

「She Let The World Run Rampant」
2026年9月2日公開

『She Let The World Run Rampant』
2026年10月30日リリース
Deep Love Recordings

Single

https://rev3rent.lnk.to/SheLet

Album

https://rev3rent.lnk.to/SLTWRR

マスコア・シーンの注目バンド The Callous Daoboys、新曲「Watching Us Kiss」MV公開

アメリカ・アトランタのオルタナティブ・メタル/マスコア・バンド The Callous Daoboysが、ニューシングル「Watching Us Kiss」を8月28日にリリースし、オフィシャル・ミュージックビデオを公開した。

「Watching Us Kiss」は、2026年4月に発表された「Gigantic Parasite Tongue」に続く新曲。2025年のアルバム『I Don’t Want to See You In Heaven』以降、バンドが次の段階へ進む中で発表された2曲目の新曲となる。

ボーカルのCarson Paceは「Watching Us Kiss」について、これまで人生の中で抱いてきたあらゆる疑問への答えのような曲だと表現。最後にはシンプルに「音楽へ戻ろう」とコメントしている。

The Callous Daoboysは、マスコアやメタルコアの複雑な展開を軸に、オルタナティブ・ロック、エモ、ポップ、ノイズ、実験的なアレンジを混在させるスタイルで活動してきた。2025年の『I Don’t Want to See You In Heaven』では、そうしたジャンル横断的なサウンドをさらに広げ、バンドのキャリアの中でも大きな転換点となった。

続いて発表された「Gigantic Parasite Tongue」では、アルバム後の新たなフェーズへ入りながら、攻撃的で予測不能なサウンドを継続。「Watching Us Kiss」もその流れを受け継ぎ、The Callous Daoboysらしい不規則な展開とキャッチーな感覚を共存させている。

新曲公開後、The Callous Daoboysは9月から「Heaven Across North America Tour Part II 2026」を開催。9月4日の地元アトランタ公演ではHEALTHをサポートし、その後はKaonashi、Girl Of Glass、Wielded Steelとともに北米各地を巡る。

9月18日にはシカゴで開催されるRiot Festにも出演。ワシントンD.C.、ニューヨーク、ウースター、モントリオール、トロント、バッファロー、グランドラピッズ、セントルイスなどを経て、9月24日のオクラホマシティ公演までツアーが組まれている。

11月からはヨーロッパ/UKへ渡り、Enter ShikariのツアーにHolding Absenceとともに参加。ハンブルク、ミュンヘン、ベルリン、ブリュッセル、ティルブルフ、ノッティンガム、マンチェスターなどを巡り、11月20日と21日にはロンドンのAlexandra Palaceで2公演を行う。

「Watching Us Kiss」
2026年8月28日リリース

Official Website

https://thecallousdaoboys.com/

SECRETS、新曲「Silent Strain」公開 9月18日発売の8thアルバム『Searching For The Things We Don’t Wish To Find』収録

アメリカのメタルコア・バンド SECRETSが、ニューシングル「Silent Strain」を公開し、オフィシャル・ミュージックビデオを公開した。同曲は9月18日にリリースされる8thスタジオアルバム『Searching For The Things We Don’t Wish To Find』からの最新先行曲となる。

「Silent Strain」は、SECRETSがこれまで追求してきた感情的なソングライティングとヘヴィなサウンドを組み合わせた楽曲。メロディックなパートと重量感のある展開を対立させるのではなく、ひとつの流れの中で共存させることで、緊張感のあるダイナミックな構成を作り上げている。

楽曲では、強いボーカル表現と変化に富んだインストゥルメンタルを軸に、内側に蓄積していくプレッシャーを思わせる雰囲気を展開。SECRETSが長年扱ってきたヘヴィミュージックの感情的な側面を継承しながら、より現代的なサウンドへと発展させている。

ニューアルバム『Searching For The Things We Don’t Wish To Find』というタイトルは、人が普段は目を背けようとする思考、経験、真実と向き合うことを想起させるもの。「Silent Strain」もそうした作品全体のテーマと呼応するように、内面的な緊張や葛藤を感じさせる楽曲となっている。

『Searching For The Things We Don’t Wish To Find』は、SECRETSにとって通算8作目のスタジオアルバム。キャリアを重ねる中で培ってきたキャッチーなメロディとヘヴィなソングライティングのバランスをさらに磨きながら、感情的なテーマを作品の中心に据えている。

SECRETSはこれまで、メロディックなクリーンボーカルと激しいスクリーム、ポストハードコア/メタルコア由来の重量感を組み合わせたスタイルで活動を続けてきた。「Silent Strain」は、その特徴を保ちながら新作でどのような方向へ進むのかを示す一曲となる。

『Searching For The Things We Don’t Wish To Find』
2026年9月18日リリース

「Silent Strain」ストリーミング/Official

https://linktr.ee/Secrets_Band

Turnstileのルーツを作った音楽とは? Thin Lizzy、My Chemical Romance、Frank Ocean、Minor Threatらをメンバーが選び語る

ハードコアを出発点としながら、ロック、オルタナティヴ、ポップ、ソウル、ダンスミュージックなど幅広い要素を取り込み、独自の存在へ成長してきたTurnstile。その音楽的な幅広さがどこから生まれているのかを知るうえで、メンバー自身が愛するレコードを見ていくのは興味深い。

ARTE.tv Cultureの「Turnstile Record Box」では、ベルリンを訪れたTurnstileのメンバーがレコードを選び、それぞれの作品やアーティストにまつわる思い出を語っている。

登場するのはThin Lizzy、My Chemical Romance、Frank Ocean、Minor Threat、Angel Du$t、Blood Orangeなど。ハードコアだけに限定されない選曲からは、現在のTurnstileが非常に多様な音楽の上に成り立っていることが見えてくる。

 

Thin Lizzyへの深い愛情

最初に選ばれたのはThin Lizzyの作品だった。メンバーの一人は「史上最も好きなレコードの一つ」であり、Thin Lizzyの作品の中でも特にお気に入りだと語っている。インタビュー収録の少し前にはTurnstileのツアーがダブリンから始まっており、現地ではPhil Lynottの像も訪れたという。

さらに、以前在籍していたChubby and the GangでもThin Lizzyはメンバー共通のお気に入りだったと振り返る。友人から腕にThin Lizzyをモチーフにした小さなタトゥーを入れてもらったこともあり、単に好きなクラシック・ロック・バンドという以上の思い入れがあるようだ。

選ばれた楽曲は「Waiting for an Alibi」。Turnstileのサウンドとは直接結び付きにくいように見えるThin Lizzyだが、強力なギターメロディとロックバンドとしての存在感は、メンバーにとって重要な音楽的ルーツの一つになっている。

 

My Chemical Romanceを後から理解するようになった

続いて取り上げられたのがMy Chemical Romance。

メンバーの一人は、若い頃には最初からMy Chemical Romanceを好きだったわけではなく、むしろ少し否定的に見ていた時期があったと振り返っている。しかし後になって音楽を理解するようになり、メロディやギターパート、そして「バンドとして鳴っている」感覚に強く惹かれるようになったという。

その音楽には個人的な記憶も結び付いている。

Pizza Hutで働いていた頃、厨房を掃除しながらこの作品を聴いていたことを思い出すと話し、今では非常に大切なレコードとして評価している。映像で選ばれた曲は「Cemetery Drive」。

音楽を聴いた瞬間の評価が、そのまま一生変わらないとは限らない。若い頃には理解できなかった作品が、時間や経験を重ねることで突然重要なものになる。TurnstileのメンバーにとってMy Chemical Romanceは、そのような音楽の一つだったようだ。

 

Frank Ocean『Blonde』は日常生活に溶け込むレコード

Turnstileの幅広い音楽性を象徴する選盤の一つがFrank Oceanの『Blonde』だ。この作品について、メンバーは晴れた日の午後、家事をしながら聴くのが好きだと説明している。

激しいライブやハードコア・シーンとの思い出ではなく、日常生活の中で自然に流れている音楽として選ばれている点も興味深い。

Turnstileはハードコアをバックグラウンドに持ちながら、作品を重ねるにつれてメロディ、空間的なサウンド、ポップ的な感覚などを大きく広げてきた。今回のレコード選びからも、メンバーが日常的に聴いている音楽がハードコアだけに限定されていないことが分かる。

Frank Oceanのようなアーティストも、Turnstileのメンバーにとって特別な音楽の一部として存在している。

 

Minor Threatが教えた「仲間に反抗する」という考え方

Turnstileのルーツを考えるうえで、やはりハードコアは欠かせない。そこで登場するのがMinor Threatだ。

Turnstileはメリーランド/ワシントンD.C.周辺のシーンと強く結び付いており、Minor Threatについてメンバーは当然ながら非常に影響力の大きいバンドだと語っている。しかし、ここで注目されているのは単純な音楽性ではない。

Minor Threatについて最も好きな部分として語られたのが、「社会や権力に反抗するだけではなく、自分の周囲にいる仲間にも逆らう」という考え方だった。

政府や社会制度など巨大な存在に対して反抗的な姿勢を示すことは、パンクでは珍しいことではない。しかし、自分と同じシーンにいる仲間が全員同じ方向へ進んでいるときに、自分だけ違うことをするのははるかに難しい。

周囲に合わせるのではなく、自分が本当にやりたいことを選ぶ。

動画では、それこそがMinor Threatによってハードコアやパンクの精神性に持ち込まれた重要な要素だったのではないかと語られている。この考え方は、Turnstile自身の歩みにも重ねることができる。

ハードコア・バンドだから特定の音を出さなければならないという考えに従うのではなく、自分たちが面白いと思った音楽へ進む。その結果としてTurnstileは従来のハードコアの枠を大きく越えていった。

Minor Threatから受け継いだものは、単なる速いギターやハードコアの形式ではなく、「周囲に合わせない」という精神そのものなのかもしれない。

 

Angel Du$tとJustice Trippから受けた大きな影響

より直接的にTurnstileの歴史とつながっている存在として紹介されるのがAngel Du$tだ。特にJustice Trippについて、メンバーはTurnstileに最も大きな影響を与えた人物の一人ではないかと語っている。

まだ若く、ライブへ通い始めた頃からJusticeは年上の存在として彼らを気に掛け、ライブへ連れていったり、当時組んでいた地元のバンドを応援したりしていたという。

その後、Turnstileの複数のメンバーがAngel Du$tにも参加しており、両バンドの関係は単に同じシーンから生まれたという以上に深い。

Justiceについて、音楽の世界には時折「ユニコーン」のような特別な人物がいると表現し、彼が常に他の人より10歩ほど先を進んでいるように感じるとも語っている。同時に、Baltimoreを代表する存在であり、大切な友人でもある。

今回選ばれたAngel Du$tの作品については、Turnstileのメンバーが参加していない作品であるため、純粋にファンとして外側から楽しめることも嬉しいと話している。選曲は「Space Jam」。何年もさまざまな形で聴き続けている曲であり、本人にとって生命力のようなものになっているという。

Turnstileの歴史を考えるとき、影響は有名な過去のバンドだけから受けるものではない。自分たちと同じ地域にいて、実際にライブへ連れていってくれた人物や、活動を支えてくれた仲間もまた、そのバンドを形成する大きな存在になる。

 

Blood Orangeは「音楽を作る人として深く尊敬している」

最後に強い愛情が語られるのがBlood OrangeのDev Hynesだ。

メンバーは以前からBlood Orangeの音楽を知っていたものの、ある時期から本格的に夢中になったという。現在ではDev Hynesについて「音楽を作る人として最も好きな人物の一人」と表現している。

さらに、単に憧れているアーティストというだけではなく、現在は素晴らしい友人でもあると語っている。

ここでもAngel Du$tのJusticeと同じように、「ユニコーン」という表現が使われている。音楽の進化を追うこと自体が刺激になり、常にその作品へ惹き付けられる特別な人物だという。

動画収録時には新作『Essex Honey』についても触れ、現在最も好きなアルバムだと話している。一方で、その日の気分によってお気に入りの作品が変わること自体も、音楽ファンとして楽しいと語っている。

今回選ばれた曲は「Augustine」だった。

ハードコア、クラシック・ロック、エモ、R&B、オルタナティヴ・ポップなど、まったく異なる場所から生まれた音楽を同じように愛している。その姿勢は、Turnstileが特定ジャンルのルールに閉じ込められない理由とも重なって見える。

 

Turnstileの音楽がジャンルを越えていく理由

今回の「Record Box」で選ばれた音楽を見ると、Turnstileがなぜ現在のようなサウンドになったのか、その一端が見えてくる。

Thin Lizzyから受け取ったロックバンドとしてのメロディや存在感。

My Chemical Romanceの強烈なメロディとギターパート。

Frank Oceanの『Blonde』のように日常へ自然に入り込む音楽。

Minor Threatが示した、社会だけでなく同じ仲間に対しても自分自身の考えを貫くというパンクの精神。

Angel Du$tとJustice Trippを通じて経験したBaltimore周辺のコミュニティ。

そしてBlood Orangeの絶えず変化する音楽への憧れ。

これらは一見するとバラバラだ。

しかしTurnstileの音楽自体もまた、さまざまな要素が一つに結び付いている。

重要なのは、どのジャンルに所属するかではなく、自分たちが強く惹かれる音楽を受け入れることなのだろう。

その意味で特に象徴的なのが、Minor Threatについて語られた「仲間に逆らうことの方が難しい」という考え方だ。

ハードコアの中で育ったからこそ、ハードコアの中で期待される音楽を作り続けるという選択肢もあった。しかしTurnstileは、周囲から何と呼ばれるかより、自分たちが面白いと思うものを音楽へ取り込み続けてきた。

今回選ばれたレコードは、その自由な感覚が突然生まれたものではなく、メンバーが長い時間をかけて聴いてきた多様な音楽や、身近なコミュニティの中から育ってきたことを感じさせる。

Turnstileのサウンドを作っているのは、ハードコアだけではない。

むしろ、ハードコアを中心に置きながら、そこへまったく異なる音楽を自然に受け入れる姿勢そのものが、Turnstileというバンドの大きな特徴なのかもしれない。

参照元動画

ARTE.tv Culture「Turnstile Record Box」

Polaris、新曲「Without You」リリース 2023年に亡くなったメンバーRyan Siewへの愛、痛み、喪失を描く

オーストラリア・シドニーのメタルコア・バンド Polarisが、ニューシングル「Without You」をリリースし、オフィシャル・ミュージックビデオを公開した。2023年にギタリスト Ryan Siewを亡くして以降、バンドにとって初めて発表される新曲であり、約3年ぶりの新音源となる。

「Without You」は、Ryan Siewの死によって残された悲しみ、衝撃、喪失感、心の痛みを真正面から扱った楽曲。激しいボーカル、重量感のあるビート、鋭いギターリフを軸にしながら、大きく広がるメロディックなコーラス、感情的なギターソロ、終盤の強烈なブレイクダウンへと展開する。

Polarisは今回の楽曲について、自分たちがいつかこのような曲を書く理由を持つことになるとは想像していなかったとコメント。3年が経過した現在も、計り知れない悲劇を理解しようとし続けており、その後に残された自分たちにとって何を意味するのか整理している途中だと明かした。

また、「Without You」を“圧倒的な喪失、ショック、悲しみ、心痛の音”と表現している。Ryan Siewを失ったことで抱えてきた感情を、初めて音楽として外の世界へ共有していく始まりに位置付けた。

ミュージックビデオでは、現在のメンバーが無人の大聖堂で演奏する姿を中心に構成。バンドの過去から引用された映像やイメージも随所に挿入され、Ryan Siewとともに築いてきた歴史を振り返りながら、残されたメンバーがその先へ進んでいく姿を描いている。

Polarisは2012年に結成。2017年の1stアルバム『The Mortal Coil』、2020年の『The Death Of Me』はいずれもオーストラリアのチャートでトップ10入りし、ARIA Music AwardsのBest Hard Rock/Heavy Metal Albumにもノミネートされた。

2023年には3rdアルバム『Fatalism』を発表したが、その発売を数カ月後に控えた同年6月、Ryan Siewが急逝。『Fatalism』は結果的に彼が残した演奏と創作の記録を含む作品となり、オーストラリアのARIA Albums Chartで1位を獲得した。

同作は2024年のAIR AwardsでBest Independent Heavy Albumを受賞したほか、ARIA Music Awards、J Awards、Australian Music Prizeなどでもノミネート。Ryan Siewの死後もバンドは活動を続け、彼が残した音楽をステージで演奏してきた。

2025年にはKnotfest Australiaへ出演し、Download Festival、Rock Am Ring、Rock Im Park、Jera On Air、Rock For Peopleなど世界各地のフェスティバルへ参加。2026年には自身がキュレーションするフェスティバル「Life’s A Beach」を開催したほか、Linkin Parkのオーストラリア・アリーナツアーをサポートし、Electric Callboyの北米ツアーにも参加した。

今後は9月からI PrevailのUK/ヨーロッパツアーに同行。リーズ、グラスゴー、マンチェスター、ロンドン、ブリュッセル、ティルブルフ、デュッセルドルフ、パリ、ミラノ、ウィーン、ワルシャワ、ベルリンなどを巡る予定となっている。12月にはオーストラリアのGood Things Festivalへの出演も控えている。

 

CREDITS

Produced By Polaris, Mark Williamson & Lance Prenc
Vocals Engineered By Mark Williamson
Guitars & Drums Engineered By Lance Prenc
Mixed & Mastered By Lance Prenc

VIDEO CREDITS

Director / DOP / Editor / VFX Artist – Third Eye Visuals
Co-DOP / 2nd Camera Operator – Miki Simankevicius
Producer – Todd Farley
Production Company – Radical Films
Gaffer – Corey Clement (Nice Electrics)
LX Assistants – Liam Harrington, Riley Lewis, Sophy Jin, Anaya Sandon-Gould
MUA – Steph Rose
Production Assistant / Runner – Ella Bourne

 

「Without You」
2026年9月3日リリース
ADA / SharpTone Records

Streaming

https://bfan.link/polaris-without-you

Official Website

https://polarisaus.com/

Of Virtue、新曲「Flatline」公開 父親の心臓発作と自身の健康問題をきっかけに“死への恐怖”と向き合う

Photo credit: Alexander Bemis

アメリカ・ミシガン州のメタルコア・バンド Of Virtueが、ニューシングル「Flatline」をリリースし、オフィシャル・ミュージックビデオを公開した。同曲は10月2日にArising Empireから発売されるニューアルバム『Death Of The Altar』の9曲目に収録される。

「Flatline」は、死への恐怖、自己破壊、自分自身の人生に対する責任をテーマにした極めてパーソナルな楽曲。何かを変えなければならないと理解しながらも、破壊的な行動パターンから抜け出せない無力感を描いている。

楽曲はLee AlbrechtとEvan McKeeverとの共同制作。AlbrechtはBilmuriやThe Devil Wears Prada、McKeeverはStarsetやKoe Wetzelとの仕事でも知られており、Of Virtueが持つヘヴィネスとメロディを軸に、恐怖や脆さを前面に押し出した一曲へ仕上げられた。

共同ボーカリストのTyler Ennisによれば、「Flatline」は2022年に父親が重度の心臓発作を起こしたことをきっかけに書き始められた。その出来事によって父親の人生が大きく変わっただけでなく、Ennis自身も自分の生き方や死について否応なく考えさせられることになったという。

Ennisは2016年頃から深刻な胃腸の問題に加え、精神面での苦悩とも向き合ってきたと説明。複数の医師を訪ねながらも自身の身体に何が起きているのか明確な診断を得ることができず、その不安が毎日のように心へ重くのしかかっていたと振り返っている。

その一方で、自分自身を十分にケアできていないことも理解しており、家族や友人から生活習慣を変えるよう求められても、その言葉を受け入れられない時期があったという。自分が自己破壊へ向かっていると分かっていながら、それを止めることができない感覚も「Flatline」の中心的なテーマとなった。

父親の心臓発作は、そうした状態にあったEnnisにとって大きな転機になった。人生がどれほど大切なものかを理解するためには、時として完全な限界まで追い込まれなければならない場合があるとし、自分自身の行動に責任を持ち、手遅れになる前に生き方を変える必要性を実感したと語っている。

Ennisは、自身が身体と精神の健康について発信し続ける理由にも言及。自分は命を危険にさらしかねない方法で問題へ対処し、その代償を払ったと振り返り、健康上の問題を抱える人々に対しても、身体そのものによって人生の制限を決められてしまう前に、自分自身で限界を理解しながら望む人生を生きてほしいと訴えている。

『Death Of The Altar』は2023年のアルバム『Omen』に続く作品で、全11曲を収録。『Omen』で扱われたテーマを引き継ぎながら、自分を傷つけている価値観、人間関係、依存、誤った安心感などを手放し、過去の自分を壊して前へ進む過程を描いている。

共同ボーカリストのDamon Tateは、新作をメンバー全員が経験してきたさまざまな感情的な章の集大成と説明。人が大切にしているものが、同時に最も自分を傷つける存在にもなり得るという認識を軸に、アイデンティティ、自己否定、有害な人間関係、偽りの救済などに向き合っている。

バンドは『Death Of The Altar』を自身たちにとっての“ego death”とも位置付けており、誰を信じ、何に自分のエネルギーや精神を委ねるのか慎重になる必要性を描く。望んでいたものが実際に手に入った時、それが逃げ出せない悪夢へ変わる可能性も作品全体の重要なテーマとなっている。

Of Virtueは直近ではSavage Handsとのアメリカツアーを終え、今後はIn This Momentとのピッツバーグ公演を経てヨーロッパへ移動。9月末から10月にかけてUnprocessedのヨーロッパ/UKツアーに参加し、ブリュッセル、マンチェスター、ロンドン、パリ、ティルブルフ、ベルリン、ミュンヘン、フランクフルトなどを巡る予定となっている。

『Death Of The Altar』収録曲

1. Death Of The Altar
2. Divinity
3. The End
4. Enemy State
5. What’s It Like To Be Happy?
6. Too Late
7. Welcome To Hell
8. The Art of Love
9. Flatline
10. Devotion
11. Can’t Keep Knockin Me Down

『Death Of The Altar』
2026年10月2日リリース
Arising Empire

Escape The Fate、ニューアルバム『The Last Goodbye』を10月2日リリース決定! 新曲「Paranoia」公開

アメリカのロック/メタルコア・バンド Escape The Fateが、ニューアルバム『The Last Goodbye』を10月2日にBig Noiseからリリースすることを発表した。あわせて、ニューシングル「Paranoia」を公開している。

「Paranoia」は、ボーカリスト Craig Mabbittが自身の中で継続的に存在するようになった精神状態を掘り下げた楽曲。Mabbittは、そうした感情を楽曲として形にすることで、自分の中にあるものを抑える助けになっていると説明している。

同曲は、Escape The Fateが持つヘヴィなサウンドと大きなコーラスを組み合わせながら、より切迫感のあるアプローチを取り入れた一曲となっている。すでに発表されている「Idle Potential」「Déjà Vu」に続き、『The Last Goodbye』の方向性を示す新たな先行曲として公開された。

『The Last Goodbye』は全13曲を収録。バンドがこれまで約20年にわたって築いてきたメタルコアとハードロックを横断するスタイルを継承しながら、より内面的なテーマへ踏み込んだ作品となる。

新作では単に過去のキャリアを振り返るのではなく、メンバー自身の経験、葛藤、人間関係、物事に対する考え方を歌詞へ反映。これまで以上にバンドの内側を見せる内容となっており、Escape The Fateの持つ激しさを維持しながら、よりパーソナルな一面を提示する。

アルバムにはタイトル曲「Last Goodbye」をはじめ、「Comatose」「Coffin Kingdom」「Paranoia」「Devil In Wait」「Money Power Fame」「Hurt」「Medicine」などを収録。最後は「Remedy Of Numbness」で締めくくられる。

Escape The Fateはアルバム発売前後もライブ活動を継続し、2026年秋にはVans Warped Tour Mexico City、Louder Than Life、Aftershockへの出演を予定している。また、Skilletが開催する『Comatose』20周年ツアーではBad Wolvesとともにサポートを務めることも発表されている。

『The Last Goodbye』収録曲

1. Last Goodbye
2. Comatose
3. Coffin Kingdom
4. Paranoia
5. Idle Potential
6. Déjà Vu
7. Devil In Wait
8. Money Power Fame
9. Hurt
10. Medicine
11. Other Side
12. Bedroom Wall
13. Remedy Of Numbness

『The Last Goodbye』
2026年10月2日リリース
Big Noise

Official Website

https://www.escapethefate.com/

156/Silence、新作『From A Distance』リリース Make Them SufferのAlex Reade参加の表題曲MV公開

📷: Errick Easterday

アメリカ・ペンシルベニア州ピッツバーグのメタルコア・バンド 156/Silenceが、6thスタジオアルバム『From A Distance』を9月4日にPure Noise Recordsからリリースした。発売に合わせ、Make Them SufferのAlex Readeをゲストに迎えた表題曲「From A Distance」のオフィシャル・ミュージックビデオも公開されている。

Apple Music: https://lnk.to/156Silence/applemusic
Spotify: https://lnk.to/156Silence/spotify

『From A Distance』は全12曲を収録し、156/SilenceにとってPure Noise Recordsから発表する初のフルアルバムとなる。これまでに「No Arms」「Proxy Idols」「Swept From Under (Call Of The Void)」が先行公開されており、表題曲「From A Distance」がアルバム発売と同時に新たに公開された。

「From A Distance」には、オーストラリアのメタルコア・バンド Make Them Sufferでボーカル/キーボードを務めるAlex Readeが参加。156/Silenceの持つ不穏で重量感のあるサウンドに、Readeのボーカルを加えたコラボレーションとなっている。

アルバムにはこのほか、The Devil Wears PradaのMike Hranicaが「Cannon Fodder」に、Crippling AlcoholismのTony Castratiが「Collateral」にゲスト参加。全12曲を通して異なるボーカル・キャラクターを取り入れながら、156/Silenceのヘヴィでアトモスフェリックなメタルコアをさらに広げている。

制作はミシガン州ミッドランドのRandom Awesome! Recording Studioで行われ、Josh Schroederがプロデュース、エンジニアリング、ミックス、マスタリングを担当。SchroederはLorna ShoreやThe Plot In Youなどの作品でも知られ、新作では156/Silenceの重量感と空間的なサウンドをまとめ上げている。

先行曲「No Arms」では、自分自身や大切なものを守る手段を失い、状況をコントロールできない無力感がテーマとして描かれた。ひとりで恐怖を抱えながらも、最終的には誰かに救われるまで耐え続ける感覚を楽曲へ落とし込んでいる。

「Proxy Idols」では、現代のセレブリティ崇拝や他人の人生を過剰に追い続ける文化を題材にした。次々と新しい人物が注目され、人々が実際には会うこともない他人の生活へ執着していく現状に対する苛立ちを表現している。

156/Silenceはアルバム発売直後の9月9日から北米ヘッドラインツアーを開始する。サポートにはAviana、HEAVENSGATE、Fromjoyが参加し、ウースター、ニューヨーク、フィラデルフィア、ボルチモア、アトランタ、ダラス、アナハイム、デトロイトなどを巡る。

9月20日にはケンタッキー州ルイビルで開催されるLouder Than Lifeにも出演。その後も10月3日のペンシルベニア州ニューケンジントン公演までツアーが続く予定となっている。

『From A Distance』収録曲

1. Control Burns
2. No Arms
3. Order & Entropy
4. Swept From Under (Call Of The Void)
5. An Early Exit
6. Collateral feat. Tony Castrati
7. Cannon Fodder feat. Mike Hranica
8. Secret Room
9. Proxy Idols
10. Phoenix Dies
11. From A Distance feat. Alex Reade
12. After Dusk

『From A Distance』
2026年9月4日リリース
Pure Noise Records

Official Website

https://www.156silence.com/

「あの頃」のメタルコア鳴らすロサンゼルスのバンド Buried In Spring、新曲「Dissipate」MV公開

アメリカ・ロサンゼルスを拠点とするメタルコア・バンド Buried In Springが、ニューシングル「Dissipate」をリリースし、オフィシャル・ミュージックビデオを公開した。

「Dissipate」は、重厚なギターワークとダイナミックなアレンジ、感情的な緊張感を組み合わせたモダン・メタルコア・ナンバー。激しいパートとメロディックなセクションを行き来しながら、楽曲全体の勢いを失わない構成となっている。

サウンドの中心には現代的なメタルコアの重量感を置きつつ、単純な攻撃性だけに頼ることなく、アレンジの中に余白や変化を取り入れている。強烈なギターとよりメロディックな瞬間を対比させることで、楽曲に感情的な奥行きを与えた。

Buried In Springは、オルタナティブ/ヘヴィミュージックの長い歴史を持つロサンゼルスから活動する新鋭バンド。「Dissipate」ではメタリックな重量感、メロディ、アトモスフィアを組み合わせながら、ストレートなソングライティングを展開している。

楽曲タイトルの「Dissipate」が意味する“消散する”“薄れていく”という感覚とも呼応するように、蓄積されたものを手放し、前へ進んでいくイメージをヘヴィなサウンドへと落とし込んだ一曲となった。

今回の「Dissipate」は、Buried In Springが現代のメタルコア・シーンで自身のスタイルを築いていく新たなリリース。ヘヴィネスとメロディの両方を重視するバンドの方向性を示している。

「Dissipate」
2026年リリース

Streaming / Official

https://linktr.ee/buriedinspring

Fear Factory、新ボーカルMilo Silvestro加入後初の新曲「Roboticist」MV公開 ニューアルバムは2026年末〜2027年初頭を予定

アメリカのインダストリアル・メタル・バンド Fear Factoryが、ニューシングル「Roboticist」をリリースし、オフィシャル・ミュージックビデオを公開した。同曲は、ボーカルのMilo Silvestro、ドラマーのPete Webber、ベーシストのTony Campos、ギタリストのDino Cazaresによる現ラインナップとして初めて制作されたスタジオ音源となる。

「Roboticist」は、2021年に発表された『Aggression Continuum』以来となるFear Factoryの新曲であり、2023年に加入したMilo Silvestroにとってバンドで初めて正式にレコーディングした楽曲でもある。Pete Webberも同様に今回がFear Factoryでのスタジオデビューとなった。

楽曲では、Fear Factoryが30年以上にわたって描いてきた人間と機械の対立、人工知能の進化、テクノロジーが人類の制御を離れていく未来というテーマを継承。肉体が滅びても意識だけが残るディストピア的な世界を描き、機械的なリフと攻撃的なリズムにメロディックなフックを組み合わせている。

Dino Cazaresは「Roboticist」について、未来はこれから訪れるものではなく、すでにここに存在していると説明。人間、機械、そしてその先に待つものをめぐる戦いを表現したFear Factoryの次なる進化であり、新時代の始まりを示す楽曲だと語っている。

「Roboticist」のプロデュース、レコーディング、ミックス、マスタリングはDamien Rainaudが担当。ミュージックビデオはVincente Corderoが監督し、Arion Csiharがプロデュースを手掛けた。

今回のリリース日時にもFear Factoryらしい仕掛けが施されている。「Roboticist」は8月29日午前2時14分に公開されたが、これは映画『Terminator』シリーズの世界で人工知能Skynetが自我に目覚めた日時へのオマージュとなっている。SFやディストピア的未来像から長年影響を受けてきたFear Factoryならではの演出となった。

なお、「Roboticist」自体は完全な新曲ではなく、2023年にインストゥルメンタル版の初期形が公開されていた。その後Milo Silvestroのボーカルを組み込む過程でアレンジが変更され、当初エンディングとして使われていたパートを中盤へ移動するなど、正式なFear Factory楽曲として再構築されている。

Fear FactoryはすでにMilo SilvestroとPete Webberを迎えたニューアルバムのレコーディングを完了している。Dino Cazaresによれば、新作はNuclear Blastから2026年末から2027年初頭にかけてのリリースが見込まれており、「Roboticist」も同作へ収録される予定となっている。

新曲公開後もFear Factoryは大規模なツアー活動を継続する。8月末からCrystal Lake、Hate、The Nocturnal Affairとともに「Cybernetic Domination Tour」でヨーロッパ/UKを巡り、その後10月からはMushroomheadとの北米共同ヘッドラインツアー「Soul Of A New War Machine Tour」を開催する。

さらに11月にはDarkest Hour、Brotalityを迎え、「Cybernetic Domination Tour」のアメリカ公演を実施。シアトル、ポートランド、サンディエゴ、ポモナ、ロサンゼルスなどを巡りながら、現ラインナップによるFear Factoryの新章を本格的に展開していく。

現在のラインナップ

Dino Cazares : Guitars
Milo Silvestro : Vocals
Pete Webber : Drums
Tony Campos : Bass

「Roboticist」
2026年8月29日リリース
Nuclear Blast

ストリーミング

https://fearfactory.bfan.link/roboticist

Official Website

https://fearfactory.com/

DollarosaがMade Wrongと改名し再始動!新曲「Summer Wars」公開 終末期の大切な人を支えた経験と喪失を描く

オーストラリア・ブリスベンを拠点に活動していたDollarosaが、Made Wrongへとバンド名を変更し、ニューシングル「Summer Wars」をリリースした。2018年にライブ活動から距離を置いて以降、さまざまな障害によって新たな作品の制作が遅れていた彼らにとって、本格的な再始動を告げる楽曲となる。

Made Wrongの前身となるDollarosaは、2010年代半ばにブリスベンのヘヴィミュージック・シーンで活動。CrowbarやMiami Shark Barなどの会場へ出演し、2012年にはEP『The Never Ending Unfamiliar』を発表した。

同作をきっかけに活動の幅を広げ、Story Of The Year、Funeral For A Friend、Flyleafらのサポートも経験。オーストラリア国内だけでなく日本でもライブを行うなど、活動範囲を拡大していった。

しかし、2018年には新たな作品の制作に集中するためライブ活動を休止。その後、新型コロナウイルスのパンデミックを含む複数の問題が重なったことで計画は大幅に停滞した。それでも活動を終えることはせず、長年共有してきた経験を基盤にバンド自体を再構築し、Made Wrongという新たな名前で再出発することを決めた。

その第一歩となる「Summer Wars」は、Underoath、Finch、Thriceなど2000年代のポストハードコアを思わせる生々しいエネルギーを持ちながら、静かなパートと激しい展開を行き来するダイナミックな楽曲となっている。

歌詞はボーカリスト Lachlan Dann自身の経験に基づいており、終末期の病気と闘う大切な人を介護しながら感じた悲しみや無力感を描いたもの。愛する人を危険や苦しみから守りたいと願いながらも、愛だけではすべてを救うことができないという現実との葛藤が中心に据えられている。

楽曲には悲しみ、罪悪感、苛立ちだけでなく、共に過ごした時間の喜びや、最後まで一人にはさせないという思いも込められた。誰かを失うことが避けられないと分かっていても、その人をつなぎ止めようとする感情を通じて、大切な人のために自分ができることの限界にも向き合っている。

Dannは歌詞に登場する「you are my star」という言葉について、亡くなった人物を偲んで実際にその人の名前が付けられた星と結びついていると説明している。同時に、誰かが亡くなった後も、その存在が人生を照らす光として残り続けるという意味も込めたという。

そうしたテーマは楽曲のサウンドにも反映されており、抑制されたメランコリックな場面から感情を爆発させる激しいパートへ移行する構成を採用。Made Wrongとしての新たなスタートと、バンドがこれまで積み重ねてきたポストハードコアのルーツを同時に示す一曲となっている。

Harm’s Way、Bo Lueders 追悼公演を開催 Twitching Tongues、Vein.fm、元メンバーらがステージ参加

アメリカ・シカゴのメタリック・ハードコア・バンド Harm’s Wayが、ギタリスト Bo Luedersの逝去後初となるライブを開催した。バンドは8月28日にシカゴのCasa Cafeでウォームアップ公演を行い、翌29日にはLuedersを偲ぶ公式追悼公演を開催した。

Bo LuedersはHarm’s Wayのギタリストとして長年活動し、Twitching TonguesのColin Youngとともにハードコア・ポッドキャスト HardLoreの共同ホストも務めていた。2026年4月2日に逝去したことが発表され、その後Harm’s Wayはライブ活動から離れていた。

8月28日のCasa Cafe公演ではラインナップを一部変更。これまでベースを担当していたCasey Soykがギターへ移り、Nick Gauthierとともにギターを担当した。ベースにはWeekend NachosのDrew Brownが参加し、ボーカルのJames PliggeとドラマーのChris Millsはこれまで通りのポジションでステージに立った。

翌29日にはシカゴのRamova TheatreでBo Luedersの追悼公演を開催。当日はHarm’s Wayと深いつながりを持つ複数のミュージシャンがゲストとして参加し、Luedersが残した音楽とシカゴ・ハードコア・シーンでの存在を讃える特別なセットが披露された。

Twitching TonguesのTaylor Youngは「Human Carrying Capacity」「Terrorizer」「Silent Wolf」「Temptation」「Become A Machine」に参加。元NAILSのAndrew Sabaは「Breeding Grounds」と「Scrambled」でギターを担当し、「Scrambled」にはVein.fm/FleshwaterのAnthony DiDioも加わった。

さらに元Harm’s WayギタリストのJay Janceticが「Infestation」「Amongst The Rust」に参加。セット終盤にはTwitching TonguesのColin Youngを迎え、Crowbarの「Planets Collide」をカバーして公演を締めくくった。

Luedersの逝去後には、Colin Youngが葬儀や追悼式の費用を支援するためクラウドファンディングを開始。最終的に16万4,000ドル以上が集まり、必要経費を除いた多くの資金をシカゴ地域のメンタルヘルス支援団体へ寄付する方針が発表されている。

ボーカルのJames PliggeもLuedersの死後、24年前に出会って以来、ともに音楽を演奏し、世界各地を旅してきた長年の友人だったことを明かしていた。友人や家族とのつながり以上に大切なものはないとし、Luedersとの思い出はこれからも残り続けると追悼の言葉を寄せている。

8月29日 Harm’s Way セットリスト

1. Intro
2. Human Carrying Capacity feat. Taylor Young
3. Terrorizer feat. Taylor Young
4. Silent Wolf feat. Taylor Young
5. Breeding Grounds feat. Andrew Saba
6. Scrambled feat. Anthony DiDio & Andrew Saba
7. Infestation feat. Jay Jancetic
8. Amongst The Rust feat. Jay Jancetic
9. Temptation feat. Taylor Young
10. Become A Machine feat. Taylor Young
11. Planets Collide (Crowbar cover) feat. Colin Young

Official Website

https://www.harmsway13.com/

父親になったOli Sykesが語る「20年かけて掴んだ成功」と家族――Bring Me The Horizonと人生をどう両立するのか

Bring Me The Horizonは現在、世界各地の大型フェスティバルでヘッドライナーを任される存在になった。しかし、バンドが約20年かけてその位置へ辿り着いたタイミングで、Oli Sykes自身の人生には大きな変化が起きている。

Nick Nocturnalとの長時間インタビューでOliが語ったのは、父親になったことで変化した価値観、長期間のツアーから家族のもとへ戻れない苦しさ、そしてBring Me The Horizonという「20歳の子供」と、自分自身の子供たちを同時に育てるような現在の葛藤だった。

さらに後半では、かつてバンドの成功と自分自身の価値を強く結び付けていた時期、ロックダウン中に再び精神的に不安定になった経験、そして「音楽は競争ではなく、人へ何かを与えるためのもの」という考えに辿り着くまでを振り返っている。

 

ブラジルで見つけた、バンドから離れられる生活

Oliにとってブラジルは、Bring Me The Horizonや「Oli Sykes」というパブリックイメージから距離を置き、生活の速度を落とすための場所になっている (*Oliの妻Alissaはブラジル人)。

イングランドにいると仕事を続けてしまい、バンドから精神的に離れることが難しい。一方、ビーチが身近にあり、生活そのものがゆっくり流れるブラジルでは、意識的に仕事から離れやすいという。

そして現在は子供たちもいる。

家族だけに集中し、外部の雑音から距離を置く環境としても、ブラジルでの生活はOliにとって重要になっているそうだ。

 

「もう1カ月もツアーしたくない」と感じるようになった

父親になったことで最も大きく変わったものの一つが、ツアーに対する感覚だった。

子供たちがまだ非常に幼かった頃にも家を離れることはつらかったが、成長して笑ったり遊んだり、自分の存在を認識するようになると、その苦しさはさらに大きくなったという。

今回の長期ツアーについてOliは、あまりにつらく「もう二度とこんなことはできないかもしれない」と感じるほどだったと明かしている。しかし、Bring Me The Horizonにとって現在は非常に重要な時期でもある。

20年活動してきた末に、ようやく大型フェスティバルで本格的なヘッドライナーとして信頼され始めた。MetallicaやSystem Of A Downのような長年巨大フェスティバルを支えてきた存在から、新しい世代へヘッドライナーの座を引き継ぐことは簡単ではない。

だからこそ、このタイミングで活動を減らすことにも葛藤がある。

せっかくフェスティバル主催者がBring Me The Horizonをヘッドライナーとして信頼し始めたのであれば、それを一度きりの出来事ではなく、確実なものにしたいという思いもあると話す。

 

お金を残すことと「そばにいること」は同じではない

Oliは父親として、子供たちの将来を経済的に支えたいという強い気持ちも持っている。

大きな出演オファーが届けば、それを受けることで家族へ経済的な安定を与えることができる。しかし同時に、将来子供たちが父親について振り返ったとき、本当に重要になるものはお金ではないのではないかとも考えるようになった。

20年後に子供たちが感謝するのは「たくさんのお金を残してくれたこと」ではなく、「自分のそばにいてくれたこと」なのではないか。

バンドを大切にする気持ちと、家族と過ごす時間。その両方が重要だからこそ、現在のOliにとって簡単な答えのない問題になっている。

 

Bring Me The Horizonの成功が「自分の価値」になっていた

インタビュー終盤では、Oliがさらに深い部分について語っている。

コロナ禍のロックダウン以前の彼は、自分が思っていた以上に、Bring Me The Horizonの成功から精神的な満足や自己肯定感を得ていたという。

Spotifyの月間リスナー数を確認し、ライブがソールドアウトしなければ十分ではないと感じる。グラミー賞などにノミネートされても受賞できなければ、「受賞したアーティストと自分たちの違いは何なのか」と考える。

バンドが小さな存在だった頃にはなかった考え方が、「次の巨大なロック・ヘッドライナーになるかもしれない」と言われ始めたことで徐々に入り込んできた。

成功が現実的になればなるほど、「どうすればさらに上へ行けるのか」を考えるようになり、それが自分自身の価値とも結び付いていった。

 

ロックダウンで「バンドがなければ自分は誰なのか」と気付く

しかしロックダウンによってライブもツアーも止まり、その外部から得ていた評価が突然消えた。Oliは再び薬物に陥り、非常に暗い状態になったという。

そこでセラピーを受けながら、「Bring Me The Horizonがなければ、自分は誰なのか」という問題と向き合うことになる。

バンドはいつか終わるかもしれない。人気が突然なくなる可能性だってある。

もし自分の価値をすべてバンドに預けてしまえば、バンドを失った瞬間に自分自身まで失ってしまう。そこからOliは、Bring Me The Horizonがなくても自分が幸せでいられる人生を作ることを意識するようになったという。

 

「20,000人でも10人でも同じ」――音楽は人に仕えるもの

その考えを大きく変えた経験の一つが、ブラジルでの時間だった。

Oliは妻の故郷近くにあるアシュラムを訪れ、僧侶や精神的な指導者たちの話を聞いたという。そこで印象に残ったのが、観客数についての考え方だった。

20,000人の前で演奏することに興奮してもいい。しかし10人しかいない場所でも、その10人に向けて同じように演奏する。

重要なのは自分が何人集めたかではなく、その場所にいる人へ自分の持っているものを届けることだという話だった。Oliはそこで、自分の音楽についても「人に仕えるもの」と考えるようになったという。ストリーミング数や他のバンドとの競争ではない。自分たちが巨大なバンドなのかどうかでもない。音楽によって誰かを助け、自分たち自身が本当に興奮できる作品を作る。それが重要なのだと考えるようになった。

 

 

Bring Me The Horizonを何で記憶してほしいのか

Oliは、10年後や20年後にBring Me The Horizonについて振り返ったとき、「一番大きなTikTokヒットを持っていたバンド」として記憶されたいわけではないと話している。残したいのは「とんでもない音楽を作ったバンド」という記憶だ。

自分自身がBring Me The Horizonの音楽を好きでいられること。本当に良いと思えるまで曲を完成させ、それを自分自身でも何度も聴きたくなること。現在のOliにとって、それが活動を続ける基準になっている。

20年かけて世界最大級のロック/メタル・バンドの一つへ辿り着いたタイミングで、彼はむしろ「最大になること」そのものから距離を置こうとしている。

父親としての人生を築き、バンドの外側にも自分自身を持ちながら、それでもBring Me The Horizonでは自分が最も興奮できる音楽を作る。

現在のOli Sykesにとって成功とは、以前とは少し違ったものになっているようだ。

 

 

## 参照元動画

「OLI SYKES on Count Your Blessings Repented, Sempiternal & Deathcore Era」