Bound In Fear : 殺傷能力Sランク! 話題の新作『Penance』の聞きどころを解説!

 

Bound In Fear : イギリスを拠点に活動するデスコアバンド、Bound In Fearがニューアルバム『Penance』をUnique Leader Recordsから10月15日にリリースしました。このアルバムにはフィーチャリングゲストにJamie Graham (Viscera)、Nick Arthur (Molotov Solution)、Kevin Muller (Aluvial)、Taylor Barber (Left to Suffer)が参加しており、そのサウンドはBodysnatcher、Distant、そしてBlack Tongueのファンにオススメなヘヴィでダークな正統派デスコアです。このアルバムの聴きどころについて解説してみたいと思います。

 

ポイントその① : 正統派だけどアレンジは現代的

 

Bound In Fearはアートワークやヴィジュアルがそこまで派手でないので、Unique Leader Recordsの中でも地味な存在。だからこそ、デスコア・スタンダードな楽曲に好感が持てます。Lorna ShoreやBrand of Sacrificeのような強烈な個性は持ち合わせていませんが、デスメタリックなリフ、ブレイクダウンの殺傷能力は凄まじいです。良い意味で期待通りのデスコア展開美を持つ楽曲がずらっと並ぶアルバムではありますが、かなりワーミー・パートが組み込まれていたり、謎めいたサンプリング・コラージュもあったりするので、そういった意味では前述のLorna ShoreやBrand of Sacrifice、そしてCode OrangeやKnocked Looseといったメインストリームでの人気を持つようなメタルコア/ハードコアの雰囲気も感じる瞬間があります。

 

 

ポイントその② : 中毒性の高いリフが結構多い

 

アルバムタイトルにもなっている「Penance」はミュージックビデオにもなっていて、Molotov SolutionのNick Arthurがフィーチャリング・ゲストとして参加しています。Depths of Hatredのようなメロディック・デスコアのドラマティックなスケール感を持ちつつも、強烈なリフで落としてくる後半の展開には思わず開いた口が塞がらない状態になります……。しかもウルトラ・モッシーなので、ライブのタフな雰囲気が想像出来ますね。もう一曲、「Beyond The Mire」はおそらくこのアルバムで一番のキラーチューン。2021年必聴のデスコアトラックだと思いますので是非聴いてみて下さい。

 

 

こんなバンドが好きな人にオススメ!

 

最初に紹介したBodysnatcherやDistant、Black Tongueといったバンドはもちろん、全てのダウンテンポ・デスコアリスナーは必聴だと思います。ちょうど新譜が出たFilthやアメリカン・アンダーグラウンドデスコアの帝王The Last Ten Seconds of Lifeなどなどこれを機にいろんなバンドをチェックしてみて欲しいです。

 

Sleep Token : 人気急上昇中! 大注目のニューアルバム『This Place Will Become Your Tomb』は何が凄いのか


 
Sleep Token : イギリス/ロンドンを拠点に活動する覆面オルタナティヴ・メタルバンド、Sleep Tokenが通算2枚目のスタジオ・アルバム『This Place Will Become Your Tomb』をSpinefarm Recordsからリリースしました。
 

 
彼らの魅力は一体なんだろうか。日本ではまださほど人気が出ている感じではないが、本国イギリスでは人気急上昇中。絶対にチェックしておかなければいけないバンドの一つだろう。
 
先行シングルとしてリリースされた「Alkaline」は公開から3ヶ月で60万回再生を突破。そのサウンドはR&Bやソウルミュージックのメロディラインを用いたオルタナティヴメタルとでも形容できようか。圧倒的なスケール感はライブ映えし、ライブをみてその魅力に取り憑かれている人たちが多いようです。覆面、メンバーの正体を明かさないというヴィジュアル・コンセプトも謎めいていて惹かれます。
 

いわゆるメタルコアやデスコア、ポストハードコアといった音楽の肝になっているグルーヴというものとは違いますが、LoatheやHolding Absenceが好きならきっとこの魅力に気づけるはずです。
 

TesseracT 、ライブ・アルバム『PORTALS』をリリース!

 

TesseracT : イングランド/ミルトン・キーンズを拠点に活動するプログレッシヴ・メタル/Djentバンド、TesseracTが、ライブ・アルバム『PORTALS』をKscopeからリリースしました。バンドは2015年に『Odyssey/Scala』というライブ・アルバムをリリースしており、これが2枚目のライブ・アルバムとなる。

 

この作品は、2020年の12月に、孤立した時代からの脱出を提供するために企画されたイベント「P O R T A L S」が基になっており、多彩なライトニングをはじめとする演出効果を用い、映画のようなライブ・パフォーマンスを披露する目的で開催された。セットリストはこれまでにリリースされたアルバムからのベスト的な選曲になっており、のべ14曲、2時間にわかるパフォーマンスとなった。

 

これらは映像作品として、今年7月にTesseracTのYouTubeチャンネルからも公開されている。ライブとは思えない完成度の高さに圧倒される仕上がりとなっており、このライブ・アルバムも目を閉じればそこにTesseracTがいるかのような迫力をパッケージしたものになった。

 

 

 

 

 

 

Sleep Tokenが新曲「Alkaline」のミュージックビデオを公開!


イギリスを拠点に活動するオルタナティヴメタル/ポストハードコア、SleepTokenが、新曲「Alkaline」のミュージックビデオを公開しました。彼らはイギリスを拠点とするロック・コレクティヴとして、覆面バンドで活躍。今年のDownload Pilotにも出演して話題になっています。メタルコアとも言い難い不思議なサウンドですが、非常にスタイリッシュで面白いです。Loatheが出てきた時の雰囲気に似ています。
 

Loatheがコンセプトアルバム『The Things They Believe』をリリース!

 

イギリスを拠点に活動するLoatheがニューアルバム『The Things They Believe』をSharpTone Recordsからリリースしました。この作品は全編インストで構成されており、昨年発表されたアルバム『I Let It In And It Took Everything』が大きな話題になった事に刺激を受け、制作されたもの。まったく新しいアルバム、というよりは、『I Let It In And It Took Everything』を生み出すにあたり、Loatheがサウンドスケープに取り入れたアイデアのみにフォーカスして、アルバムとして構築したもの、と解釈するのが良いかと思います。眠れない夜のBGMにぴったり!

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Loathe 『I Let It in and It Took Everything』 (2020年 – SharpTone Records)

 

Loathe – I Let It in and It Took Everything

 

前作『The Cold Sun』から3年振りのリリースとなったセカンドアルバム。2019年にはCrystal Lake主催のTrue North Festivalで来日し、RNR TOURSで日本全国をツアーし、話題をかっさらった。(残念ながらTrue North Festivalは台風の影響で中止となってしまった)

 

 

来日時、Loatheのライブを観た人なら分かると思うが、彼らの圧倒的なライブ・パフォーマンスの衝撃は凄まじかった。来日公演でも本作に収録されている楽曲のいくつかをプレイしていたが、ジャンルという枠を超えたLoatheサウンドで圧倒した。

 

 

アルバムという形で聴けば、Loatheの芸術性をじっくりと味わう事が出来るだろう。彼らのサウンドを表現する時に必ず引き合いに出されるDeftonesの存在も、正直考えなくてもいいと個人的には思う。Deftonesも今年アルバム『Ohms』をリリースし、年間ベストチャートでもよく見かけるが、DeftonesよりLoatheを聴いてくれとすら思う。そのくらい突出した存在感を持っている。

 

 

少し落ち着いて、このアルバムの楽曲群を見つめつつ、整理していこう。リードトラックとして発表された「Aggressive Evolution」によって、このアルバムは混沌としたヘヴィサウンドによって幕を開ける。この楽曲は「Gored」他、Loatheサウンドの根底にあるパワフルなスタイルを味わう事が出来る。「Two-Way Mirror」もアルバムのリードトラックに対するブレイク的な役割も担っているが、これもひとつリードトラックとして存在感を持っているから凄い。シューゲイズとメタルコアのクロスオーバー、と表現するには無理があるが、Loatheが挑戦している事は2020年代のメタルコアシーンを未来を予感させるものであり、これからフォロワーも生まれだしてくると思う。この作品については、これから数年は強い影響力を持つだろうし、Loathe自身もこのアルバムに囚われてしまうだろう。ただ、それをも超越した活動を展開していくだろうし、期待もある。今年、このアルバムに出会えてとても興奮したし、救われた部分も多かった。RNR TOURSとして彼らの再来日を手掛けたいのはもちろん、日本であればSuggestionsあたりにこの影響が及んでいると思うので、Loatheファンはチェックしてほしい。とにかく衝撃的な1枚だった。

 

 

01. Theme
02. Aggressive Evolution
03. Broken Vision Rhythm
04. Two-Way Mirror
05. 451 Days
06. New Faces In The Dark
07. Red Room
08. Screaming
09. Is It Really You?
10. Gored
11. Heavy Is The Head That Falls With The Weight Of A Thousand Thoughts
12. A Sad Cartoon
13. A Sad Cartoon (Reprise)
14. I Let It In And It Took Everything…

 

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【年間ベスト】PMX – Ctrl Art Del (Progressive Melodic Punk)

PMX – Ctrl Art Del

拠点 : スコットランド
レーベル : Independent

EP『Dark Days』から2018年のライブ盤『Clochridgestone』を挟んでおよそ5年振りの新作となる『Ctrl Art Del』は、ソングライティングからレコーディング、ミックス/マスタリング、そして流通まですべてをメンバー自らが行った完全D.I.Y.作。 ソリッドなリフワークや目まぐるしいタッピングフレーズなど、ギター・テクニックはおそらく現行メロディックパンクシーンでトップレベルだ。IntervalsやPliniといったプログレッシヴ・メタルコアも通過したそのサウンドは唯一無二のオリジナリティを持っていると断言出来る。ミュージックビデオになっている「Television」や先行公開された「Passengers」は言わずもがな、「Words」は2020年を代表するメロディックパンクの名曲。

PMXはRNR TOURSで2度来日を果たしている。今年の3月、コロナウイルスで国外への渡航が制限させるギリギリにツアーファイナルを終え、フライトチケットを変更してなんとか出国できたのは今思えば間一髪だったが、コロナウイルスの影響がここまでひどくなるとは予想もしてなかったことが懐かしいとすら感じる。厳しい状況下でも決して笑顔を絶やさなかった彼ら、きっとこの先もこのアルバムを聴くとこのツアーを思い出すだろう。

1.Falling Apart 02:55
2.Scrape The Tray 01:47
3.Pictures 03:21
4.The Fear 02:14
5.Who Are We To Pray 02:48
6.Words 03:21
7.Television 03:13
8.Tongue Tied 02:46
9.One Act 00:53
10.Passengers 04:45
11.Leave Me Be 03:12
12.Curtain Call 03:22

【年間ベスト】Laughing In The Face Of – Here Lies The Ordinary

Laughing In The Face Of – Here Lies The Ordinary

拠点 : イギリス
レーベル : Lockjaw Records

2020年3月に来日を予定していたLaughing In The Face Of。もちろんこのツアーもアルバム『Here Lies The Ordinary』を提げて行われる予定であったが、コロナウイルスの影響により泣く泣くキャンセルとなってしまった。2021年にスケジュールを変更して開催する為、メンバーとは日常的にやり取りを行っている。なんとか実現させたい。

個人的な思い入れはこれくらいにして、やはりRNR TOURSとして日本でツアーを企画したいと思うキッカケは最新作がかっこいいことが何よりも大切だ。Laughing In The Face Ofはキャリアも10年以上あるが、長らくヨーロッパのアンダーグラウンドで活動を続けてきた。Lockjaw Recordsのディストロによって世界中に広まった事から、世界中のファスト/テック・メロディックリスナーに届けられるようになり、日本でもDarko来日時にLockjaw RecordsオーナーRobによってアルバムの流通が行われたことも彼らの名を国際的なものへとフックアップしたひとつの要因だろう。

今ではテック・メロディックと言っても様々で、A Wilhelm Screamを筆頭にスラッシーでメタリックな要素が強い。彼らもそれらに影響を受けたFair Do’sやDarkoと同系統に語られる事が多いが、よりメタル要素の薄いピュアなテック・メロディックフォロワーに感じる。ミュージックビデオにもなっている「Bullshit With A Smile」や「Running With Coffee」を筆頭に、「The Insane Continue」や「Looks Can Be This Evening」といったエモーショナルなメロディが光る楽曲も多い。

再びスケジュールを調整して来日を実現させるまでに再び長い道のりがあるが、2021年この素晴らしいアルバムを生で体験する機会を作る為に尽力したいと思う。

1.The Regression Session 02:02
2.Projectile Dysfunction 02:22
3.Bullshit With A Smile 02:00
4.Running With Coffee 02:22
5.Modus Operandi 03:00
6.The Insane Continue 02:11
7.Rationalisation Of Stupidity 02:16
8.Looks Can Be This Evening 03:05
9.Helldweller 02:06
10.Penguins 02:29
11.Reasons & Reminders 04:24
12.From The Ground Up 03:33

【年間ベスト】Memories of Old – The Zeramin Game (Epic Power Metal)

Memories of Old – The Zeramin Game

2017年にイギリスで結成されたニューカマー。注目すべきは2020年に加入したボーカリストTommy Johanssonの存在で、彼はこれまでにMajesticaやSabatonで活動してきた実力派。同時期に加入したギタリストErwin Febriantoを含む5人体制となり、本格的に動き出したと言えるだろう。

本作はバンドのコンポーザー兼ギタリストのBilly Jeffsと、Power Questで活躍したボーカル/ギタリストAlessio Gravelloがプロデュースを務めており、ファンタジックな世界観はPower Questファンならたまらないものがあるだろう。多彩なキーボードワークがファスト/ミドルテンポの楽曲を駆け巡り、まるでRPGの主人公になったかのような気分でアルバムの世界に没入できる。Tommyのボーカルは言わずもがな、今後の活躍に期待!

01. In Exordium
02. Overture
03. The Land of Xia
04. Zera’s Shadow
05. Some Day Soon
06. Destiny
07. Across the Seas
08. Arrival
09. A Hooded Traveller
10. Fowlen’s Revenge
11. The Zeramin Game
12. Finale

Line Up:
Billy Jeffs – Guitars
ex-Grimgotts, ex-Nightmare World

Anthony Thompson – Keyboards, Keytar
Alastria, ex-Nightmare World

Erick Tekilla – Bass
ex-Neuronspoiler, ex-Headless Cross

James Chapman – Drums
Collapse, Scandelion, ex-Alareiks, ex-Gravil

Tommy Johansson – Vocals
Majestica, Sabaton, Symphony of Tragedy, ex-Hulex, ex-Megin, ex-Charlie Shred, ex-Golden Resurrection, ex-ReinXeed, ex-TS, ex-Heroes of Vallentor, ex-Royal Jester, ex-Twilight Force (live), ex-Majestic Vanguard, ex-Arized