【2024年上半期】ポストハードコアの名盤10選 アルバムレビュー

ニュース記事としてはRIFF CULTでも頻繁に取り上げてきたが、「ポストハードコア」のタグはアクセスも少なく、Spotifyプレイリストのフォロワーも伸びにくかった。メタルコアとの境目が曖昧ではあるが、やはりポストハードコアについて発信し続けなくてはいけないと思った。それには二つの理由がある。

一つは、このジャンルのトップを走ってきたToo Close To TouchのシンガーKeaton Pierceの訃報、そしてそれに伴うバンド活動の終焉だ。このあとアルバムレビューをしているが、やはり訃報によるバンドの活動終了のニュースはダメージが大きい。Keatonが残した音楽を文章という形でこれから残していくことが重要であることは間違いないが、やはり、生きている時にその魅力を広げていくことがこのブログの役割なのではないだろうか。そういう意味でもToo Close To Touchをはじめ、ポストハードコアの魅力を出来る限り文字で残していくことを決めた。

もう一つの理由としてはRIFF CULTのチームが運営しているRNR TOURSで積極的に招聘しているポストハードコア・バンド達の存在だ。今年はSoftspokenといった現行アメリカン・ポストハードコア・シーンで高い注目を集めているバンドから、Tidebringer、Across The White Water Towerなどメタルコア/ポストハードコア・バンドなど、とても良いバンドに恵まれ、良いツアーが出来た。今でこそ、毎月のように多くの「メタルコア」バンドが来日しているが、ポストハードコア・バンドはある程度人気が確立されているバンドでないと、来日しない。共演するアーティストも国内のポストハードコア、と呼べるシーンがないことから、難しい。でも、難しいからやらないのか?RNR TOURS、RIFF CULTが良いと思ったミュージシャンならオファーがあればやるべきではないのか?その下地をしっかり作っていく意味でも、日々ポストハードコアという音楽ジャンルの今について、発信していくべきではないのか。RIFF CULTに出来ることをやってないのに、言い訳じみたことは言いたくない。個人的な思いで申し訳ないが、こうした二つの出来事がきっかけで、しっかりRIFF CULTでもポストハードコアという音楽ジャンルについて発信し直していこうと決めた。その第1弾として、2024年の上半期にリリースされたポストハードコアに分類可能な音楽の中から優れた作品をレビューしていきたいと思う。長くなってしまったが、毎日少しずつでも、レビューの作品を聴いてみて、新しいお気に入りを見つけて欲しい。

 


 

Hands Like Houses 『STRATO』 & 『TROPO』

オーストラリアを代表するポストハードコア・バンド、Hands Like Housesが2024年上半期だけで、2枚のEPをリリースした。それぞれ4曲入りの作品で、Hands Like Housesの新章幕開けに相応しい作品として印象に残っている。

2023年にオリジナル・ボーカリストとして長年に渡ってHands Like Housesのフロントマンを務めたTrenton Woodleyが脱退。バンドは新たにThe FaimというバンドのボーカリストJosh Ravenをフロントマンに迎え、活動を継続することを発表した。15年のキャリアを経て、このタイミングで新しいフロントマンを迎えるというのは、バンドにとって大きな決断であったことは間違いない。同年12月にJoshとの最初のシングル「Heaven」を発表。Hands Like Housesはこのシングル・リリースに際し「Joshとの出会いは、私たちの魂の探求の重要なポイントであり、彼は私たちの中にポジティブな変化をもたらしてくれた。 私たちは、ここに辿り着くまでの道のりを深く掘り下げ、この新鮮なエネルギーと熱意によって、どのような姿とサウンドになるかを想像した。 私たちは、創造することへの深い愛と、アイデアを共有するための前向きな環境を再発見した。 私たちは一歩引いて、そもそもなぜこれを始めたのかという根本に立ち返りました。 次の章では、私たちにインスピレーションを与え、やる気を起こさせるようなサウンドやアイデアを探求し、このプロセスを皆さんと共有できることを楽しみにしています」とコメントしており、Joshとの出会いをきっかけに更なる想像を続けたいというクリエイティヴな想いが伝わってくる。

3月に『Tropo』、6月に『Strato』とリリースされたこれらのEPは、バンドのコンポーザーであるギタリストAlexander Pearsonとオーストラリアを代表するプロデューサーでTrophy Eyes、Deez Nuts、Tonight AliveからStepsonまでを手掛けた経歴を持つCallan Orrがタッグを組んで制作された。UnderoathのAaron Gillespieをフィーチャーした「Better Before」、RedHookの女性ボーカリストEmmy Mackをフィーチャーした「BLOODRUSH」、The Getaway PlanのMatthew Wrightをフィーチャーした「Paradise」など、伝統的なHands Like Housesのエレクトロニックなポストハードコア・サウンドに彩りを添えるようなゲストが参加しており、Hands Like Housesの未知なる魅力が垣間見える楽曲がずらりと並んでいる。アルバムという形式をとらなかったのも、これらゲストの個性をより際立たせるのが狙いだったのかもしれない。それほど、楽曲ごとの個性が違った煌めきを放っているのが、『Strato』と『Tropo』だ。Joshのボーカルは、Trentonと比べるとかなり違ったタイプだが、例えばBeartoothのCalebなどにも似た声質でありながら、Hands Like Housesらしい滑らかなポストハードコアにもマッチしている。バンドが創造できる音楽性の幅もグッと広がり、これからさらに多くの音楽を生み出してくれるに違いない。彼らの再出発を歓迎したい。

 

Too Close To Touch 『For Keeps』

ケンタッキー州レキシントンで2013年に結成されたToo Close To Touchのファイナル・アルバム。2022年3月、フロントマンであるKeaton Pierceが急逝、Epitaph Recordsに所属し、ポストハードコア・リスナーで知らない人はいないという程の有名シンガーの訃報に、シーンはどよめき悲しみに包まれた。本作のタイトル『For Keeps』は、残されたメンバーであるギタリストのMason Marble、ドラマーKenny DowneyがKeatonのニックネーム「Keeps」をもじって名付けたもので、未完成の楽曲などに彼らの友人である仲間達をフィーチャーして作り上げられた、Too Close To Touchからファンへの「最後の贈り物」だ。

このアルバムは、従来のアルバムのようなものとして聴くことは難しいだろう。2023年秋、Keatonの誕生日に合わせてリリースした本作からの先行シングル「Hopeless」には、The Word AliveのTelle Smithが参加、他にもアルバムのオープニングを飾る「Novocaine」にはBad Omens、「Designer Decay」にはCane Hillがゲスト参加し、未完だったToo Close To Touchの楽曲に新たな息吹を吹き込んでいる。これまでBillboard Chartへラインクイン、さまざまなフェスティバル、ツアーでファンを魅了してきたToo Close To Touchはこのようにして活動を終了することはとても悲しいが、彼らが残してくれた音楽をこれからも大切に聴いていきたい。Keatonの書いてきた歌詞をこれからもじっくりと味わい、彼らの存在を忘れないように胸に刻みたい。R.I.P. Keaton Pierce。

 

Sienna Skies 『Only Change Is Permanent』 EP

2007年シドニーで結成され、これまで実直に活動を続けてきている実力派ポストハードコア・バンド、Sienna Skiesの久しぶりの新作。2016年にアルバム『A Darker Shade of Truth』をリリースしてからは作品のリリースがなかったので実に8年振りのカムバックとなる。個人的には、彼らの初来日ツアーを担当させてもらい、Sailing Before The Windとの全国ツアーなど2度一緒にツアーさせてもらったが、オーストラリア人らしい周りをポジティヴな気持ちにさせてくれる陽気なメンバー達で深く思い出に残っている。あれからメンバーチェンジもなく、厳しいコロナ禍を乗り越えてリリースされた『Only Change Is Permanent』はEPでありながら、これまでリリースしてきたアルバムにも引けを取らない充実感がある作品だ。

ThomasはSienna Skiesのボーカリストとして加入してから今年で10年ということで、オリジナル・ボーカリストのキャリアも超えて完璧なバンドのフロントマンへと成長した。そんな彼の歌声の持つ力強さ、繊細さが感じられるのがミュージックビデオになっている「Mess」「Don’t Let Me Go」の2曲だろう。どちらもタイプの違う曲であり、「Mess」は初期Sienna Skiesが多くのバンドと一緒に作り上げてきたオーストラリアン・ポストハードコアのクラシック・スタイルを下地にしつつ、ベテランらしいドラマ性溢れる一曲で、「Don’t Let Me Go」は胸を打つバラードだ。もちろんEP収録の全ての楽曲が素晴らしく「Cut Me Off」「Let It Burn」といったハードな楽曲もあるが、Sienna Skiesはやっぱりバラードが上手いと思う。これは、ベテラン・ポストハードコア・バンドにしか出せない魅力だ。Sienna Skiesは今年で結成17年。オージー・エモ/ポストハードコアのパイオニアとしての影響力はこれからさらに高まっていくはずだ。

 

Imminence 『The Black』

2009年スウェーデン最南端の町トレレボリで結成され、今年結成15年目を迎えるベテラン・ポストハードコア・バンド、Imminenceの前作『Heaven in Hiding』からおよそ3年振りとなる通算5枚目のフルアルバム。Arising Empireを離れ、自主制作で発表された本作は、バンドの中心人物であるギタリスト/バックボーカルのHarald Barrett、そしてボーカル/ヴァイオリンを担当するEddie Bergのタッグでプロデュースされている。

Imminenceと言えば、「Eddieのヴァイオリンの音色によって立ち上がる美麗なポストハードコア/メタルコア」というイメージが強いが、やはりメタルコア・バンドとしても非常に優れたソングライティングをしているということが、本作では今まで以上に伝わってくる仕上がりとなっている。そして、歌詞がめっぽう暗いのも印象的だった。アルバムタイトルの「The Black」は、一貫した本作のヴィジュアルイメージであり、歌詞においてもキーとなる単語である。「Desolation」ほか、この「Black」というイメージを通じて苦しみ、悲しみ、怒りなどさまざまな感情を吐き出していく。そしてそれは自然とダークで深みのある激情的なものとなり、これまで以上にパワフルなメタルコア・サウンドが占める割合も増えている。「Death by a Thousand Cuts」はアルバムの中で最も胸を打つ歌詞とサウンドで、ファンからもこの曲がアルバムの中で最も気に入っているというコメントがソーシャルメディアでも散見される。絶望の淵から、痛みや苦しみを嘆きながら、生きるとは、死ぬとは、そういう答えのない問いを溢れ出てくる感情のまま詩的に表現する歌詞世界には思わず息をのむ。

 

If Not for Me 『Everything You Wanted』

ペンシルベニア州ハリスバーグを拠点に活動するメタルコア/ポストハードコア・バンド、If Not for Meのセカンド・アルバム。前作『Eulogy (InVogue Records)』から2年振りとなる本作は、ボーカリストPatrick Glover、ベーシストZac Allen、ギタリストHayden Calhoun、ドラマーCody Frainという新ラインナップで制作され、プロデュースはIce Nine Killsのギタリストでありペンシルベニアの多くのバンドを手掛けるRicky Armellinoが担当している。

Patrickの伸びやかなクローンボーカルをスタイルのメインに据え、Until I WakeCatch Your Breathなどと比べられることが多いが、いわゆる2010年代Rise Records以降に育まれたきたサウンドがベースとなっており、If Not for Meの特徴としては、ヘヴィなメタルコア・ブレイクダウンと滑らかなクリーンパートのバランス感覚が優れていることにあるだろう。ドラマーのCodyはA Scent Like Wolvesのドラマーとしても知られ、SoftspokenやEyes Set To Killらが在籍するアメリカ屈指の美メロ・ポストハードコア・レーベルとして知られるTheoria Recordsのヘッドを務めている。InVogue RecordsからThriller Recordsへと移籍しても、同レーベルのDark DivineやRain City Driveなどと肩を並べる存在として、現在人気急上昇中だ。甘いハイトーンとヘヴィなメタルコア、どちらも好きならIf Not for Meはおすすめ。

 

A Scent Like Wolves 『Distant Dystopia』

ペンシルバニア州ランカスターのメタルコア/ポストハードコア・バンド、A Scent Like Wolvesの3年振り通算4枚目のフルアルバム。来日経験も豊富で、本作のエンディングを飾る「Escape Hatch」にはフィーチャリング・アーティストとしてSailing Before The Windがクレジットされていたり、過去にはRyo Kinoshitaをフィーチャーしたシングルをリリースしている。コロナ禍前後でメンバーチェンジが相次ぎ、一時期7人組になったりしたものの、現在は5人体制で落ち着いている。ツインボーカルのBoltz兄弟は二人ともラインナップされているが、シャウト・ボーカルを担当するNickがランカスターを離れた為、本作はオンラインベースで制作され、最近はなかなかライブも出来ていないようだ。ドラムのCodyもIf Not For MeのブレイクやTheoria Recordsの仕事で忙しそうである。

メンバーそれぞれに状況が変わりながらも、A Scent Like Wolvesが続いていることは幸せなことだ。アメリカン・メタルコアのリアルさは彼らのようなバンドにこそあるし、アンダーグラウンドであっても情熱を絶やさずにバンド、レーベル、そして友人のバンドのサポート (A Scent Like WolvesのAlは先日、Softspokenのカナダ公演でSam不在の穴を見事に埋めた) にも積極的なのは見習うべき姿勢だろう。

さて肝心の『Distant Dystapia』だが、彼らが得意とするプログレッシヴ・メタルコアのアトモスフィアと力強いブレイクダウン、そして突き抜けるようなクリーンは健在でリードシングルとしてミュージックビデオにもなっている「Sunscape」や「Spell Caster」は必聴である。特に「Spell Caster」はこれまでにないA Scent Like Wolvesのメロディメイカーとしての才能が表れた良曲であり、アルバムのプレ・エンディングを飾るに相応しい楽曲と言えるだろう。彼らが元気に活動しているということだけでも嬉しいが、やはり本作も素晴らしい出来で、とても楽しんで聴くことが出来た。「Reach Into Hell」で友情フィーチャーしているZOMBIESHARK!は彼らの地元の仲間で、初来日時に帯同していつもクルーを笑わせてくれたナイスガイ。

 

Eidola 『Eviscerate』

2011年ユタ州ソルトレークシティを拠点に結成されたEidolaの通算5枚目のフルアルバム。前作『The Architect (2021年)』から引き続きRise Records / Blue Swan Recordsからのリリースで、プロデュースはGrayWeatherのギタリストとして知られるMike Sahmが担当している。

Blue Swan Recordsと言えば、Dance Gavin Danceのギタリストであり、プログレッシヴ・ポストハードコア (=Swancore / スワンコア) の産みの親として知られるWilliam SwanがRise Recordsのレーベル内レーベルとして設立したレーベルだ。所属アーティストもWilliamのSecret Band、元Dance Gavin DanceのKurt TravisなどDance Gavin Danceをルーツに持つバンドに限られている。そんなBlue Swan Recordsの中でも一際独立した人気を持ち、Dance Gavin Danceをも凌駕するユニークな創造性を持つのがEidolaだ。

本作は、これまでEidolaが鳴らしてきたスワンコアに、元来Eidolaが持っていたプログレッシヴメタルのパワフルなアンサンブルを復活させ、高次元融合させた快作である。オリエンタルな音色が印象的なイントロ「Atman: An Introduction to Suffering」で幕を開けると、「A Bridge of Iron and Blood」「No Weapon Formed Shall Prosper」とテクニカルなタッピングフレーズが飛び交うパワフルな楽曲が続いている。続く「Who of You Will Persevere」は本作の中でも最も優れた楽曲であり、Andrew WellsとMatthew Dommer のボーカルの掛け合いも素晴らしく、エレクトロニックなエレメンツやダンサブルなビートを交えながら、ライブ映えする展開がエンディングまで途切れない。「Fistful of Hornets」「Kali Yuga」と個性的な楽曲がいくつも収録されている。特に「Kali Yuga」では女性ボーカリストChantelle Wellsをフィーチャーし、力強いボーカルワークに引き込まれる。ほとんどがDance Gavin Danceクローンとも言えるマイクロジャンル「スワンコア」の持つ可能性を拡大するEidolaの溢れんばかりの創造性が感じられる一枚だ。

 

Makari 『Wave Machine』

2011年フロリダ州オーランドで結成されたMakariのおよそ5年振りとなるフルアルバムは、InVogue Recordsを離脱しインディペンデントでリリースされた。Makariと言えば2019年、それこそデビュー・アルバム『Hyperreal』を発表した年にフロントマンのAndy Cizekがプログレッシヴ・メタルコア/Djentの著名バンドMonumentsに加入して大きな話題となった。Makariを脱退してMonumentsに加入したわけではなく、その活動は並行して行われており、Makariも2020年にEP『Continuum』を発表するなど、決して5年間音沙汰がなかった訳ではなかった。

Monumentsとは違い、Makariではポストハードコア、というよりもオルタナティヴロック/プログレッシヴロックとも言える、ソフトなスタイルへと舵を切り、アルバムからのリードシングルとしてミュージックビデオにもなっている「Closer」のようなAndyの伸びやかなハイトーンを生かした楽曲が多く収録されている。サウンドプロダクションの質感で言えば、来日が決定しているFLOYAに近いものがある。「Soulstealer」といったハードな楽曲との対比でアルバムの中では「Closer」のような楽曲がしとやかに瑞々しい輝きを放ち、まるでアートワークのようなアトモスフィアの中にいるような錯覚を聴くものに与えてくれる。Andyという優れたボーカリストが二つのバンドを同時に動かし、それぞれ違った個性でリスナーを楽しませてくれるのは幸せなことだ。彼はソロ名義でもコラボ・シングルを頻繁にリリースしているので、Makari、Monumentsとも違ったサウンドはソロ名義の楽曲をチェックしてみると面白いだろう。

 

Saving Vice 『Good Days, Dead Eyes』

バーモンド州を拠点に活動するSaving Viceのおよそ4年振りのリリースとなるセカンド・アルバム。前作『Hello There』のアートワークに登場した不気味な女性二人組は本作のアートワークにも登場。彼らが貫くホラーコンセプトを象徴するアイコンとして、そのサウンド以上に強烈なインパクトを放っている。

アートワーク、そしてヴィジュアル、ミュージックビデオに至るまで一貫したホラーテイストで貫く彼らだが、そのサウンドは逆にバラエティに富んだもので、ポストハードコアからニューメタルコアに接近するかのようなヘヴィな楽曲まで『Good Days, Dead Eyes』には収録されている。Saving Viceのバンドサウンドの根底に流れているのは、一聴すれば分かるようにMy Chemical RomanceやAlesanaといったバンドであり、それはTyler SmallとChase Paparielloのクリーンとシャウトのツインボーカルの掛け合いにも表れている。「Cry, Wolf」や「Haec Est Ars Moriendi」といった楽曲では、彼らが目指している世界観が細部に至るまで作り込まれており、特に「Haec Est Ars Moriendi」はアルバムの中でもキーリングになっていると言えるだろう。「Blood or Wine?」のようなヘヴィなテイストの楽曲も粗っぽい部分はあるものの彼らの既存曲のラインナップを考えれば、ライブで光り輝く楽曲だと言えるだろう。まだまだ彼らはこんなもんじゃないだろう。『Good Days, Dead Eyes』は、アメリカン・メタルコア/ポストハードコアの過去と未来を繋ぐ、そんな作品であるように感じる。

 

Dream State 『Still Dreaming』 EP

今年結成10周年を迎えたイギリス・ウェールズ出身の女性ボーカル・メタルコア/ポストハードコア・バンド、Dream Stateの通算4枚目のEP。2019年にアルバム『 Dream State』をUNFDからリリースしてからは、トップシーンの仲間入りを果たし、精力的な活動でファンを魅了してきた。本作は、2023年のEP『Untethered』からわずか1年足らずで完成させた作品で、インディペンデントでリリースしている。本作はプロデューサーにEnter Shikariなどを手がけたことで知られるDan Wellerを迎えレコーディングされており、DanがDream Stateサウンドに大きな変化をもたらしているようにも感じる。

この作品のラストに収録されている「Day Seeker」はダンサブルなアレンジがふんだんに施されており、エレクトロニックなビートと流麗なポストハードコアの融合がフレッシュにクロスオーバーしている。2022年に加入した女性ボーカルJessie Powellもメロディックなシャウトを交えたクリーンで聴き手の注目を一挙に集める存在感で新しいフロントマンとしてのポテンシャルを最大限に発揮している。タイトル曲でありミュージックビデオにもなっている「Still Dreaming」はJessieはDream Stateの可能性を何百倍にもしたといっていい働きをしており、全ポストハードコア・リスナーが聴くべき2024年上半期の注目トラックと言える。UNFD時代とは全く違う魅力を放つ今のDream State、必ずチェックしておいてほしい。

【2024年上半期】スラミング・ブルータル・デスメタルの名盤10選 アルバムレビュー

ブルータル・デスメタルとスラミング・ブルータル・デスメタルを意識的に分けて聴くようにしている。それは、ブルータル・デスメタルというジャンルが元来の魅力として持っているスピード、重さ、それらを掛け合わせて放たれるブルータルさを忘れないようにしたいという思いからだ。Internal BleedingやDevourment、Kraaniumといったバンドはこれらの間にあるようなバンドであるが、よりビートダウン・ハードコアやデスコアというものとの結びつきが強かったり、スラムパートに特化したソングライティングにフォーカスしているバンドをスラミング・ブルータル・デスメタルとして聴いている。そうするとやはりビートダウンの破壊力であったり、速くなくても重さであったりというところで、良さがくっきりと立ち上がって聴こえてくる。どちらも好きな音楽であり、同じジャンルの音楽であるが、その微妙な違いを意識しながら聴くことで、このジャンルがこれからどのようにして進化していくのか、どのようなバンドやそのバンドの作品、楽曲、ミュージックビデオがこれらのジャンルに影響をもたらすかがより微細に感じられると信じている。下記にアルバムレビューした作品は、どれもブルータル・デスメタルであり、中にはビートダウン・ハードコア、またはスラミング・デスコアというさらに細かくタグ付けできるものもあるが、ここではスラミング・ブルータル・デスメタルとしてまとめていく。スラミングという言葉が、ブルータル・デスメタルやデスコア、ビートダウン・ハードコアに与えている影響を感じながら、さらにはブルータル・デスメタルとの違いを感じながら、レビューを元にいろんな音楽を聴いてみて欲しい。

 


 

Ingested 『The Tide Of Death And Fractured Dreams』

イングランド・マンチェスター出身の結成18年目”Ingested”。Metal Blade Recordsと契約してリリースされた2022年のアルバムから2年振りとなる通算7枚目フルレングス。Unique Leader Records と契約したのも衝撃的だった記憶はまだ新しいが、彼らはさらに上を目指し、精力的なツアー活動、スラミング・ブルータル・デスメタルでありながらマイクロ・ジャンルを超え、メインストリームでも通用するダイナミックなサウンドを完成させ、着実にファンベースを拡大してきた。デスコア・シーンでも彼らの名は広く浸透していて、デスメタル・リスナーだけがファンベースの核を担っていないのも強みの一つなのだろう。

本作はパンデミック期からIngestedのプロデュースを担当しているNico Beninatoが再びレコーディングに参加し、エンジニアリングまでを担当。ゲスト参加しているミュージシャンも豪華で、「Expect to Fail」にはSylosisのJosh Middleton、「In Nothingness」にはChimairaのMark Hunterがフィーチャーされている。スラミング畑とはほとんど無縁な彼らを選んだのも、今のIngested人気無くしては実現しなかった興味深い選択なのでは無いだろうか。正直、彼らのポテンシャルを考えれば、「スラミング・ブルータル・デスメタル」などといったマイクロ・ジャンルで括ること自体、あまり歓迎されないことかもしれないが、このスタイルがメインストリームでも受け入れられる可能性があることを体現していること、複雑なフックは無いにしても、純度の高いスラミング・スタイルが根っこにある上で完成させられているアルバムであることはイメージしながら聴くべき作品であるだろう。シュルレアリズム画家David Seidmanの手がけたアートワークも印象的。

 

Enemy 906 『Through The Hell』

「西部の真珠」と呼ばれるメキシコ第二の都市グアダラハラ出身のEnemy 906によるデビュー・アルバム (Vile Tapes Recordsからのリリース)。2020年からボーカリストRodrigo Martinez、ギタリストのDaniel FreyとEdgar Gomez、ドラマーGerardo Lopez、ベーシストSalvador Coronaの5人で活動しており、アーティスト写真を見るに”いかにもメキシコ”というような危険な香りが漂っており、それはサウンドからも放たれている。暴力的なサンプリングから急激にビートダウンする「Deathwish」や、ダウンテンポ・デスコア最高峰Bodysnatcherをフィーチャーした「Agony」、Kraaniumが参加している「Finish You」まで血みどろのモッシュピットを展開するスラミング・ビートダウンが炸裂。危なげなストリートで撮影されたアルバムのリードトラック「Mercilessly」のミュージックビデオは必見。リアルなギャングなしでここまで危ない雰囲気なのは、さすがメキシコ。

 

Axiomatic Dematerialization 『Absolute Elimination Of Existence』

ロシア・モスクワにて2020年に結成されたトリオ”Axiomatic Dematerialization”待望のデビュー・アルバム。彼らのシングルはずっとチェックしていて、明らかに他のスラミング・バンドを圧倒するエネルギーに圧倒されてきた。そのエネルギーの源と言えるドラムを担うのは、 Humaniacに在籍し、これまでAbnormityやEnemy Crucifixionで叩いてきたKirill Chumachek。ボーカルはSergey Kulikov、ギタリストはRoman Yakushevとこれまでにキャリアのないフレッシュなメンバーであるが、彼らのテクニックはかなり高い。Romanは時折ニューメタルコアにあるようなワーミーも効かせたプレイで、卓越されたスラムリフを切り刻んでいく。それを盛り立てるようなボーカルとドラミングはパワフルで、我々がスラミング・ブルータル・デスメタルに求めるものを形にしてくれる。スタジオ・ミュージシャンが彼らの他に3人おり、音源の破壊力という意味ではしっかり作り込まれているが、ライブはどうだろうか。ライブ動画はなさそうなので、今は音源制作メインなのだろう。ぜひフォローしておきたい現代スラム注目のバンドの一つ。

 

Atoll 『Inhuman Implants』

アリゾナ州フェニックスのデスメタル・バンド、AtollがUnique Leader Records からリリースした通算5枚目のフルアルバム。Avarice、Eyes of Perdition、Grofbólに在籍するボーカリストWade Taylor、元IconocaustのMatt MarkleとSpencer Fergusonがギター、ベースはCameron Broomfieldで、Rising Pain、Searching for Reasonにも在籍するAndy Luffeyがドラマー、という一見そこまで有名とは思えない経歴からなるバンドであるが、何故かUnique Leader Records と前作から引き続き契約してアルバムをリリースしている。

一聴しても、Atollのサウンドのどこにデスメタル・リスナーを惹き続ける魅力があるのか分かりにくい。スラミング/ブルータル・デスメタルというにはやや中途半端であるし、ストレートなデスメタルとも言えない。彼らのソーシャルメディアを見てみると、かなりのライブをこなし、いくつか聞き覚えのあるフェスにもラインナップされていることから、この手のジャンルでは決して多くない貴重なライブバンドであるということが分かる。全員長髪で大きな髭を蓄え、熊のようにデカいという全体のビジュアルもインパクトがあり、ライブ映像をみるとかなりスラムリフでモッシュを煽りまくっているので、ライブに定評があるのだと思う。

それを意識して聴くとやはり、ステージ向けのスラムリフが目立つ。エクスペリメンタルな小技も随所にあり、フィンガーピッキングのベースラインも時折テクニカルに唸る。スラム主体でありながら、各パートが奇妙なことをやっている、そういうポリフォニーがAtollの魅力なのかもしれない。決して目立つ存在ではないが、”アメリカのデスメタルでライブバンド”って感じは最近のバンドには珍しいところなのかもしれない。

 

Cranial Bifurcation 『Junkie Of Necrosadism』

ロシアとウクライナに在住するデスメタル・ミュージシャンによるユニット、Cranial Bifurcation。2024年にそんなユニットは、他のジャンルには無いと思う。ギター、ベース、そしてドラム・プログラミングを担当するウクライナ出身のNazar Pashkevichは、最近Regurgitation Excrementというユニットも立ち上げて、東欧アンダーグラウンドデスメタルを盛り上げている。ロシア在住のArtem Nefedovはこの他に何かバンドをやっているわけでは無いようだ。一聴するとそこまで優れたスラミング・ブルータル・デスメタルでは無いように感じるが、ライブなんかで聴くとモッシュが起こりそうなシンプルなスラムリフがかなり強烈だ。戦争状態にある国のミュージシャンが「Limb Removal」といった楽曲をプレイしていることにデスメタル・リスナーとしては不思議な感動がある。感動というか違和感というか。アートワークもよくみると、ウクライナの国旗のカラーリングをモチーフにしているようである。レーベルのBandcampからNYPでダウンロードも可。

 

Embodiment Elimination 『Metamorphosis Incarnate Through Genetic Devastation』

ロシアのブルータル・デスメタル・シーンの実力者達によるサイド・プロジェクト”Embodiment Elimination”のデビュー・アルバムは、同郷の人気レーベルInherited Suffering Recordsからのリリース。

ドラマーのRoman Tyutinは世界最高峰のアヴァンギャルド・ブルータル・デスメタル・バンドByoNoiseGeneratorの中心人物で、ボーカルのArtem ShirmanはCovidectomyやDeprecationといったソロプロジェクトを持ち、Manifesting Obscenityというテクニカル・デスメタル・ユニットではギタリストとしても活躍する実力派。個人的にはByoNoiseGeneratorはデスメタル・シーンの幅広いマイクロ・ジャンルで評価されるべきバンドだと思っていて、このバンドのメンバーのプロジェクトは必ずチェックするようにしている。テクニック、フレーズのアイデアなどにおいて何か必ず印象に残るチャームポイントがあるのだ。

Embodiment EliminationもほとんどRomanのドラミングだけで聴く価値があるが、多くのプロジェクトを掛け持ち、日夜リリースに明け暮れるような創作意欲とテクニックを持ち合わせているArtemのボーカルとしての才能もここでは一つ聴きどころになっている。

 

Mass Killings 『The Coed Murders』

イングランド出身でBlood Rage、Clinician、Flaxといった誰も知らないデスメタル・ユニット (またはFlaxではすべての楽器を担当)で日夜創作に励むTom HughesのプロジェクトとしてスタートしたMass Killings。本作からは新たに相棒としてアメリカ出身で、1Diazidocarbamoyl5Azidotetrazole、Abducted and Brutalized、Beidl、Penectomy、Radiologist、Sodomizing Amputation、Syndactyly、Teratology、Trazodon、Vaultなどなど多数のプロジェクトに参加するLouis Simmerをボーカリストに迎え、ユニット体制で制作されたデビュー・アルバム。

殺人鬼をテーマに実際に起こった事件の写真をコラージュした物々しさ漂う作品で、決して打ち込みプロジェクトとして乱雑にリリースされ忘れ去られていくようなB級感はない。ブルータル・デスメタルといっても良いが、ブラストビートの疾走から華麗にブレイクする様は、スラミングの才能があるように思う。スラミングパート自体は少ないし、楽曲の単調さがあるものの、その中で光るスラムリフの一つ一つが持つ残忍性の高さは素晴らしいと感じる。

 

Repulsive Humanity 『Purge The Grotesque Consequences Of Humanity』

2022年、チリの都市バルパライソを拠点に結成された3人組。ドラマーMiguel Ruiz、
ギターとベースを兼任するErnesto Córdova、ボーカリストNiko SolarからなるRepulsive Humanity、今年2月にちょうどチリから来日したパンクバンドのツアーを少し担当させてもらったのですが、一人がバルパライソ出身だった。「英語はほとんど通じない街だと思うよ」と話していたが、彼らはどうだろうか。

本作でまず目を引くのがFrancisco Fez Leivaというチリ出身のアーティストが担当したアートワークだ。巨大なミキサーに向かって人間が悲鳴をあげながら降り注いでいる様はなんとも残酷な描写だ。これはYouTubeにアップされているヴィジュアライザーでも多くのブルータル・デスメタル・リスナーを惹きつける。

さて彼らのサウンドであるが、ベースドロップを随所に施し、生臭い血液のミストの中で重々しいリフを刻み込んでいくというクラシックなスラミング・ブルータル・デスメタル・スタイル。時にメンバー全員でのコーラスパートもあったり、どこかビートダウン・ハードコア的な要素も感じられる。EPというすっきりとしたサイズも聴きやすく、作品として楽しみやすいと思う。

 

Maimed 『Propagate Onslaught』

Between the Killings、Necessary Death、Severed Headshopといったバンドで一緒に活動するベーシストのIan DygulskiとドラマーJustin Wallisch、Apophatic、Solar Flare & the Sperm Whales of Passionなど、幾つものアンダーグラウンド・バンドを兼任する、同じくアメリカ出身のボーカリストKyle Messick、そして前述のMass Killingsにも在籍するイギリス出身のTom Hughesがギタリストを務めるウェブベースの4人組”Maimed”によるデビュー・アルバム。コロナ禍でこうしたプロジェクトは一気に増えて、10を超えるバンドを兼任するような、創作意欲溢れるデスメタル・ミュージシャン達が一気に増えたように感じる。彼らに関連するバンドをいくつもリリースしているレーベルSewer Rot Recordsからリリースされた本作は、紫と青を基調としたけばけばしいアートワークが目を引く。こうしたアートワークはオールドスクールなデスメタル・バンドの近作に多く見られる。彼らもそうしたオールドスクールな流れの中にあるように感じるフレーズが随所に感じられる。

例えばKyleのボーカルの湿っぽさはドロドロしたデスメタルのそれだし、乾いたスネア、ゴツゴツとしたサウンドプロダクションも決して現代的なスラミングぽさではない。ただ、そうしたプロダクションから放たれる強烈なブレイクがMaimedの場合、非常に心地良く鳴らされている。また、ほとんどの楽曲でさまざまなギタリストがフィーチャリング・ゲストとしてギターソロを提供しているのも面白い。Tomが在籍していたCrypt Rotが好きなら、Maimedもチェックしておいた方が良さそうだ。

 

Osteonecrosis 『Necrotizing Marrows Vol. I』

フィンランド出身の男女ユニット、Osteonecrosisによるデビュー・アルバム。ボーカリストのJennikaはBashedやUnearthly Ritesにも在籍していて、それらのバンドではベースを担当しているので、ボーカルとしての才能を発揮しているのはこのOsteonecrosisだけだ。ギタリストのEerikがおそらく他の楽器をすべて担当しているものと思われる。イントロからも感じられるように、Hennikaが在籍しているデスメタル、グラインドコア・バンドにはない、ギャングスタ・スラムの雰囲気が全編に渡って漂っており、ヘヴィなスラムリフが刻み込まれ続ける本作をグッと危険なスタイルにしている。その要素はアートワークからも感じられるはずだ。基本的にテンポの遅いスラミング・スタイルなのだが、それでも曲の後半部分ではさらに深部へと落とし込む強烈なパートが待ち構えている。ボーカルのスタイルもLorna ShoreのWill Ramosを彷彿とさせるものや、Knockled Looseのようなバンドにも近いものが節々にある。ハードコア・リスナーも必聴の作品と言えるだろう。

【2024年上半期】ブルータル・デスメタルの名盤 11選 アルバムレビュー

スラミング・ブルータル・デスメタルやテクニカル・デスメタル、さらにはゴアグラインドやゴアノイズ、さらに言えばメタルコアやハードコアにまで言えることだが、どのジャンルもミュージシャンの演奏技術がここ数年でとんでもなく進化している。みんな本当に演奏が上手い。もちろん、レコーディング技術の進化も音源の完成度の平均的な高さを上昇させた要因ではあるが、ブラストビートを取り入れるハードコアやデスコア・バンドも普通にいて、この手の技術がブルータル・デスメタルだけに限られたものではなくなってしまった。

隣接するテクニカル・デスメタルは例外として、やはりブルータル・デスメタルはどのジャンルよりも速く、そして重い音楽であってほしい。そうした音楽を作り出すためには高い演奏技術がいる。2024年にブルータル・デスメタルに求めることは、他のジャンルとクロスオーバーすることでも、ブレイクダウンを導入することでもなく、元来の魅力に立ち返り、簡単には理解出来ないエクストリームなデスメタルを演奏してほしいということだ。今回はそんなことを意識しながらアルバムレビューする作品を選んでみた。簡単には理解されないぞ! と言うような、確固たる信念が感じられるものを中心に選んでいるので、毎年やっているブルータル・デスメタルのレビューとは少し違ったテイストの作品も含まれているかもしれないが、上記をふまえて聴いてみて欲しい。素晴らしい作品がたくさんリリースされて、楽しい半年でした!

 


 

▶︎Brodequin 『Harbinger Of Woe』

1998年結成、テネシーのブルータル・デスメタル・レジェンドであるBrodequinの20年振りとなるニュー・アルバムはSeason of Mistからのリリースとなった。ドラマーJon Engmanが健康問題からドラムを長時間叩くことが出来なくなってしまい、一時期サンプラーを使用しそれをハンドドラムでプレイするというライブ・パフォーマンスをしていたが、残念ながらJonは2016年に脱退してしまった。

2020年にバンドとほぼ同い年、弱冠27歳のドラマーBrennan Shacklfordが加入。彼はLiturgyNacazculにも在籍し、元Cesspool of Corruptionのメンバーでもあり、Brodequinのブラスティング・スタイルを引き継ぐにはぴったりの技巧派だ。Brodequinの伝統的スタイルはほとんど変わっていないものの、メロディック・ブラックメタルの影響を感じさせる「Of Pillars and Trees」やオペラ調のサンプリングを施した「Theresiana」など新しい試みも感じられる。古代の拷問、というバンドの長年のコンセプトはそのまま。

 

▶︎Brutalism 『Solace In Absurdity』

2020年アイダホ州ボイシーにて結成。Brutalismは、ボーカリストCameron Bass、ギタリストLondon HowellとJason Taylor、ベーシストIan Dodd、ドラマーDante Haasというラインナップの若手5人組だ。メンバーはBrutalismの他にもBarn、Texas Ketamine、Bombedといったプロジェクトもやっていて、ローカルのデスメタル仲間のような雰囲気がある。デビュー・アルバムとなる本作はとにかく2024年にリリースされたとは思えないサウンド・プロダクションで、2000年代初頭のリアルなUSブルータル・デスメタルの混沌さに溢れている。これにはかなり痺れた。楽曲展開はPutridityなどを彷彿とさせる複雑で展開の予想が全くつかないブラストとリフの交錯が続き、スラップなどを取り入れながら存在感たっぷりに弾きまくるベースラインもユニークだ。アヴァンギャルドなエレメンツなども交え、決して飽きることなく最後まで楽しめる一枚。

 

▶︎Hypergammaglobulinemia 『狂』

京都出身のスラミング・ブルータル・デスメタル・トリオ、HypergammaglobulinemiaのデビューEP。異次元のピッグスクイールの使い手であるボーカリストMizuki “GoreCry” Watanabe、ギターとベースを兼任するRiku “Frenzy” Watanabe、ドラマーKaito “Strangle” Itoという編成 (人間ではないかもしれない) で、とにかくMizukiのピッグスクイールが凄まじい。加工されているとはいえ、人間の声帯から出される音が基になっているとは信じられない。あらゆるデスメタル、ゴアグラインド、ブルータル・デスメタルの歴史の中でもここまで個性的なピッグスクイールが炸裂するのは聴いたことがない。強烈なアートワーク、そしてアーティスト写真、彼らが日本国内だけでなく、世界で評価されるのは時間の問題だろう (日本人じゃないかもしれない!!!) 。もちろんサウンドも非常にレベルの高いスラミング・ブルータル・デスメタルで、サンプリングを随所に盛り込み雰囲気たっぷりだ。

 

▶︎Effluence 『Necrobiology』

アメリカ・カリフォルニア在住のソロ・プロジェクト。ほとんど詳細が不明で、BandcampによればMatt Stephensという人物が全ての楽器とボーカルを担当していて、この他にスケバンという謎のフリーインプロ・プロジェクトであったり、Tantric Bile、Neural Indentなど様々創作活動を行っているようだ。そしてそれらのほとんどが、ハーシュノイズ、ゴアノイズといったどちらかというとテクニカル・スタイルとは真逆のものばかりであるが、Effluenceではそれなりの演奏技術があることを証明している。そして何よりインプロ、エクスペリメンタル、フリージャズ/アヴァンギャルド・ジャズ、ハーシュノイズからゴアノイズまでを通過した異様な臭気がEddluence全体を包み込んでいる。これをブルータル・デスメタルとして聴くか、はたまたただのノイズグラインドやゴアノイズとして聴くかは人それぞれであるが、個人的にはNew Standard Elite系、ブラスティング・ブルータル・デスメタルが地底深くでエクストリームを極めていった結果誕生したようなサウンドであると評価したい。

 

▶︎猿轡 『曼陀羅』

東京を拠点に活動するブルータル・デスメタル・バンド、猿轡のセカンド・アルバム。「愚者共の 開かんとするは 地獄之門 大日本残虐絵巻 第二章」というキャッチの通り、全曲日本語タイトルでアートワーク、トラックリストとインパクトは絶大。このあたりのコンセプトは決してデスメタル・ファンだけでなく、アンダーグラウンドな日本語ハードコア、殺害塩化ビニールやもっと80年代ハードコアの雰囲気が好きなら興味をそそるはずだ。オープニングを飾るタイトルトラック「曼​陀​羅」は、ガテラル念仏からドゥーミーなブルータル・サウンドで恐怖感をじわりじわりと煽り、急激にアクセルを踏み込むようなブラストビートで聴くものを地獄之門へと引き込んでいく。明らかに日本国外のブルータル・デスメタルには出せない独特のジャパニーズ・ホラーテイストが随所に感じられる好盤。

 

▶︎Post Mortal Possession 『The Dead Space Between The Stars』

2023年ペンシルベニア州ピッツバーグで結成。本作は3年振りとなる4枚目フルレングスで、ベーシストにShattered SoulやVictims of Contagionで知られるBob Geisler、ドラマーにErgodicやNokturnelで活躍するMatt Francisが新加入。ボーカルのJake MunsonとギタリストのJake McMullenはスラミング・ブルータル・デスメタル・バンドRepulsive Creationでも活動しており、グループのリーダーであるギタリストBrian Cremeensを除くメンバーはそれぞれに多くのデスメタル・バンドで並行して活動しているが、その中でもPost Mortal Possessionは近年めきめきと知名度を上げており、彼らが在籍するバンドの中で最もアクティヴであると言っていいだろう。

アルバムタイトルやイントロ「2053」からも感じられるように、絶望的に向かい破滅していく世界をテーマに描いたSF風味の作品となっており、映画「Blade Runner 2049」からのサウンドクリップが挿入されていたりして面白い。決して派手さはないものの、楽曲にドラマ性を与えるような微細なテンポチェンジやDecrepit Birthを彷彿とさせるメロディアスなギターソロ、ピッグスクイールやハイとローを巧みにスウィッチするガテラルもアグレッシヴ。

 

▶︎Vertiginous 『Reek Of Putrefaction Of The Excruciating Lust』

インドネシア・東ジャワ州出身。結成年月日は不明だが、Devouring CarnageやHephaestusほか10以上のバンドを掛け持ちするギタリストHendika Dwi Prasetyoと、同じくPerverationやInnocent Decomposureといった様々なバンドで活躍するボーカリストJossi Bimaによるユニットで、これがデビュー・アルバム。

数年前までは聴いた瞬間インドネシアと分かる何かがあったが、ここ数年は本当に分からない。めちゃくちゃ良くて調べたらインドネシアであることが多い。プログラミングではあるが、変幻自在に転調、拍の調子にも細かく変化を加えながら疾走するブラストビートを軸に、ノイジーなチェーンソーリフをゴリゴリと刻み続けていく。ただひたすらにそれを繰り返し続ける残忍さがもしかしたら今のインドネシアン・ブルータル・デスメタルなのかもしれない。

 

▶︎Masticated Whores 『Meat Hook Hookers』

アーカンソーから登場したニュー・バンド。ギタリストBrandon Holderly、ベーシストZac Dunn、担当パートは不明だがDallas Howellが在籍しているトリオ編成と取っている。Masticated Whoresの基礎にあるのは打ち込みのスプラッター・テーマのブルータル・デスメタルで、一聴するとどこにでもあるようなタイプのバンドなのだが、ところどころ挿入される奇天烈なサンプリング、たとえば宇宙人の拳銃から放たれるビームのような音、執拗なホラー映画からの引用を楽曲間に挟みまくるなど、かなり変わった作りの楽曲が次々と押し寄せてくる。作り込みが足りたい部分もあるが、それでも楽しく聴くことが出来る作品だ。ラストの「WOMB TOMB」にはリック・アストリーが1秒登場するので耳を凝らして聴いてみてほしい。

 

▶︎Desecation 『Left To The Trogs』

2020年にカリフォルニア・サンディエゴでスタート。Putrid Tombを脱退したギタリストMarc NovoaとボーカリストAlex Siskoを中心に、ギタリストからドラマーへとパートチェンジしたTodd Novoaのトリオ体制をとっており、彼らはDecorticateというバンドでも一緒だったメンバーだ (*Putrid Tombはボーカル/ドラマーKian Abullhosn以外のメンバーが脱退しており、2022年に解散を発表している)。映画「トマホーク ガンマンvs食人族」のサンプリングで幕開け。雪崩のようにBPMを操り、粘着質なリフが腐った体液のとろみをあちこち飛び散らせながらスラムリフを切り刻んでいく様はまさにブルータル。スラミングとも言えるが、ブラスティングパートが軸になっているように聴こえる。

 

▶︎Genophobic Perversion 『Amassed Putrefied Remains』

マサチューセッツ州ボストン在住のColin J. Buchananによるソロ・プロジェクトで、2020年に活動を開始してわずか4年足らずで32枚もアルバムをリリースしている狂人。これに加えておかしな量のEPやシングルも発表している。ブルータル・デスメタルというジャンルは10年単位でアルバムをリリースするバンドもごろごろいる中、彼の創作意欲には驚くばかりだ。

内容はカチカチのブルータル・デスメタルというより、ブラスティング・ブルータル・デスメタルをさらにスピードアップさせ、ゴアノイズ的ハーシュノイズウォールのレイヤーを重ねまくったもので、「これはブルータルデスメタルではないだろう」というリスナーも多いかもしれない。確かにこれはゴアグラインドでもあるし、ゴアノイズでもあるかもしれないが、プログラミングドラム、輪郭のボヤけたノイジーなリフであろうと、Genophobic Perversionのサウンドの根底にはブルータル・デスメタルの血が流れているように感じる。こういう作品が広く一般的に (とはいえエクストリームメタル・シーンの中で) 楽しめるようになると、さらにブルータル・デスメタルは面白いものになっていくだろうし、他ジャンルからの影響をどんどん取り入れてクリエイティヴに拡張していってほしい。そんなことをGenophobic Perversionを聴いて思った。

 

▶︎Restlessly 『Unforeseen Consequences』

インドネシア・ジョグジャカルタのトリオ、Restlesslyのデビュー・アルバム。Anthropophagus DepravityGerogotといったブルータル・デスメタルの人気バンドに在籍するRama Maulanaがドラマーを務め、同じくAnthropophagus DepravityのギタリストであるEko Aryo Widodo、Gory、Maggoth、Necrotic Catastrophism、Vile DesolationのボーカリストYudhaによって制作されている。ここ数年、特に2024年上半期のブルータル・デスメタルを追いかけていて感じたことは、ブルータル・デスメタルにも多様性のあるスタイルを持つバンドが増え、従来のブルータル・デスメタルというジャンルの持つ固定概念をぶち壊すような作品が多くリリースされていることだ。

このリストにもあるHypergammaglobulinemia、Effluence、Masticated Whoresもそうだし、アヴァンギャルド/エクスペリメント方面では Gorgutsのベーシストとして知られ、Behold the ArctopusのブレインであるColin Marstonの存在もブルータル・デスメタルをさらにエクストリームに推し進める可能性をシーンに示し衝撃を与えてくれているように思う。とはいえ、やはりストレートなブルータル・デスメタル、つまりはブラスティング・ブルータル・デスメタルを鳴らすバンドがいないことには、彼らの存在価値はそこまで重要視されなくなってしまう。そこでRestlesslyのようなバンドは貴重であると言える。規則性のないブラストビートはそこまで大きな転調を持たず、ひたすらに、ひたすらに叩き込む。そして多少のブラッケンドなメロディは盛り込みつつも、じっくりじっくりブルータルなリフを刻む。ハイピッチなシャウトやピッグスクイールもなく、ローガテラルを吹き込んでいく。ただそれだけのサウンドがどれだけブルータルなのか、再確認させてくれた作品。

【2024年上半期】ニューメタルコアの名盤10選 アルバムレビュー

2024年の上半期にリリースされたアルバム (EPを含む) を中心に、素晴らしかった作品を10枚ピックアップし、アルバムレビューしました。「ニューメタルコア」というメタルコアのサブジャンルの中心的存在であるAlpha WolfやDarko US、Diamond ConstructやDefocusといった新たなトップバンド達の待望の新作に加え、デビューしたばかりの新しいバンドのEPなど、良質なリリースが盛りだくさんでした。ぜひ新しいお気に入りを見つけてください。

RIFF CULTでは、ウィークリーで更新しているSpotifyプレイリストで毎週新しい楽曲をまとめたプレイリストを更新しています。この機会にぜひフォローして下さい。このプレイリストをフォローすれば、トレンドが必ず掴めます!

 


▶︎Alpha Wolf 『Half Living Things』

オーストラリア・メルボルンを拠点に活動するニュー・メタルコア・バンド、Alpha Wolfのサード・アルバム。大ブレイクのきっかけとなった前作『A Quiet Place to Die』から4年、「ニューメタルコア」というサブジャンルの草分け的存在としてシーンのトップを走り続けてきた彼らが、どれだけ驚異的なスピードで成長してきたかは日本のメタルコア・ファンが良く知っているのではないだろうか。セカンド・アルバム前、Emmureの『Look at Yourself (2017年)』を発端に本格的にニューメタルとメタルコアのクロスオーバー・ジャンルが立ち上がり、その後リリースされたEP『Fault』でAlpha Wolfはニューメタルコアを確立。リリースを記念したアジアツアーは2019年に行われ、Suggestionsが帯同し、ニューメタルコア・シーンの影響を国内で最も早く取り入れたPROMPTSやPaleduskなどが出演、ヘッドライナーツアーを盛り上げた。200-300キャパで行われたこの日本ツアーから4年が経ち、再来日を果たしたAlpha WolfはPaleduskの「INTO THE PALE HELL TOUR FINAL SERIES」に出演し、SiMFear, and Loathing in Las Vegas、coldrain、PROMPTSと共演を果たしている。この飛躍的な人気の拡大は決しては日本だけでは起こったものではなく、母国オーストラリアをはじめ、アメリカ、ヨーロッパでも同様に起こった。

本作はニューメタルコアとしてシーンのトップを牽引し、後続に道筋を作り続けてきたAlpha Wolfが、更に独自性を拡大することにチャレンジした作品だと言えるだろう。いくつかの挑戦は、刺激を求めるメタルコア・リスナーにとっては受け入れられないものであったかもしれないが、ニューメタルコアというジャンルの成熟にとっても、Alpha Wolfが次のフェーズに進むためにも必要な挑戦であったと言えるだろう。中でもミュージックビデオになり、ヒップホップ・シーンの重鎮Ice-Tをフィーチャーした「Sucks 2 Suck」は、ニューメタルという音楽の核を見つめ直し、SlipknotLimp Bizkitといったクラシックなスタイルからの影響をバランスよく配合しつつも革新的なメタルコアを鳴らしている。同じくミュージックビデオにもなっている「Whenever You’re Ready」では、オーストラリアのメタルコア、Northlane初期Void of Visionの影響が色濃く反映された楽曲でニューメタルコアとは言えない楽曲にも挑戦している。

「Sub Zero」でAlpha Wolfを知り、ヘヴィでバウンシーなメタルコアを望むリスナーにとってはマイルドすぎる作品かもしれないが、彼らの現在地を考えれば、チューニングの重さとか、いかにワーミーを詰め込むかを追求かと、そういう立場にはない。このアルバムは、バンドにとって次のアルバムまでにこれまで以上の成長を遂げる、簡単に言えばスタジアムや大きなフェスティバルに出演出来る可能性を高めるものであるべきだ。そしてバンドの目的は達成されているように感じる素晴らしいフィードバックを得ているのはソーシャルメディアからも伝わってくる。どこへ辿り着くのか、彼らの初来日を企画させてもらったものとしても興味深いし応援したい。個人的な思いも含めて2024年上半期の印象的な作品。

 

▶︎Diamond Construct 『Angel Killer Zero』

2014年オーストラリア・ニューサウスウェールズ州で結成された4人組。2019年のバンド名を冠したサード・アルバム『Diamond Construct』から5年振りとなる本作は、間違いなく2024年のトップ・ニューメタルコア・アルバムに違いないだろう。2019年、Alpha Wolfが「Sub Zero」でやったこと、Dealerが「Grotesque」でやったことを、2024年にDiamond Constructが『Angel Killer Zero』でやっている。このアルバムの圧倒的な完成度、確立されたコンセプトとヴィジュアルイメージ、そして「これが2024年のニューメタルコア」だと誇示するような存在感は圧倒的だ。

アートワークは日本の漫画のようで、アルバムタイトルのロゴもカタカナでふりがながふってある。ガンダム、AKIRAなどは彼らの楽曲、ヴィジュアルイメージの重要な要素として「Switchblade OST」のミュージックビデオでも確認することが出来る。驚くべきはそれらのインプットをニューメタルコア/デスコアの感覚を非常に上手く融合出来ていることで、多彩な音楽からの影響をDiamond Construstらしく散りばめている。

もっとも優れた楽曲、といってもほとんどの楽曲がリードトラックと言っても過言でないほどのインパクトを放っているが、「I Don’t」はすべてのメタル・リスナーが聴くべき革新的な楽曲だ。エレクトロニックな装飾はもちろん、ほとんどダンス・ミュージックと言えるビートが次々と繰り出されていく。もっとも驚いたのはヘヴィ過ぎて完全にノイズとなったリフだ。Code OrangeCrystal Lakeの挑戦的なサウンド・プロダクションでさえ、ここまでノイズ化したリフは鳴らしてこなかったと思う。ずっと、メタルにとってノイズが重要になってくると思っていたが、「I Don’t」で証明されたと言っていいかもしれない。本当にこの曲を聴いた時は驚いた。アルバムすべて聴かなくても、この曲だけでもまずは聴いてほしい。そして私と同じように衝撃を受けたのであれば、今のDiamond Constructに夢中になるはずだ。

 

▶︎silverlake murder 『Still Unknown』 EP

スウェーデンの首都ストックホルムを拠点に活動する5人組、silverlake murderのデビュー作。わずか12分という短いトータルタイムの中に5曲のヘヴィなニューメタルコアが詰まっており、silverlake murderの魅力を端的に把握出来る名刺代わりの作品として100点の仕上がりだと思う。良い意味での物足りなさ、余白を感じるEPになっており、こうした作品でデビューするバンドはかなりの確率で優れたレーベルとの契約し、ステップアップしていくように感じている。先のAlpha Wolfがそうであったように。

Emmureを始祖とし、Alpha WolfやDealerをニューメタルコアの第1世代と捉えるのであれば、彼らは第3世代のトップに躍り出るポテンシャルを持ったバンドではないだろうか。Darko USやAlpha Wolf直系とも言えるDiamond Constructなどに比べれば、まだまだデビューしたばかりの新人だが、やってることはそれらのバンドに匹敵する才能溢れたものだと感じる。デスコアにも接近するヘヴィネス&ビートダウン、ほとんどハーシュノイズウォールにも聞こえる歪んだワーミー、Slipknotが下地にあることがほんのりと感じられるフレーズ、HAILROSEを彷彿とさせるハードコアテクノやガバ、ブレイクビーツといったエクストリームなエレクトロ・ミュージックからの影響など、ここ最近のニューメタルコアとタグ付けされるバンドの中では頭一つ抜きん出た才能溢れるアレンジが随所に施されている (やや一辺倒な感じがしなくもないが)。The Hate Projectのサポートとしてライブが決まっているなど、まだまだライブ・シーンにおいては始まったばかり。今後の成長が楽しみなバンドだ。今からチェックすべし。

 

▶︎Darko US 『Starfire』

Chelsea GrinのボーカリストTom BarberとドラマーJosh Millerによるユニット、Darko US。有観客のライブをしない音源制作メインの活動方針をとり、2020年のデビューから毎月のように音源リリースを続けてきた彼らのサード・アルバムとなる本作は、驚異の19曲入り、トータルタイムが71分と濃密過ぎる内容となっている。

Silent PlanetのGarrett Russellをフィーチャーした「Atomic Origin」やNorthlaneのMarcus Bridgeをフィーチャーした「Sora」、VolumesのMichael Barrやトラップメタル・シーンの代表格Scarlxrdなど、ゲストリストだけみてもニューメタルコアを軸に、さらに多くのジャンルからの影響をクロスオーバーさせていくエクスペリメンタルな側面が強いので、アルバムとしてのまとまり、ドラマ性はほとんどない。言い方を変えれば、19曲それぞれに違った魅力があり、ドラマ性がある。Darko USは度々、持ち前のヘヴィネスから完全に離れ、スローなバラードをやったりしてきた経験がある。彼らは自由であり、バンドという共同体では決して作り出せない楽曲をやるために存在している。Chelsea GrinでDarko USのような挑戦、または実験とも言うべき創作は出来ない。本作にも「Cry Baby」などといったアコースティック曲が収録されており、これはこれで素晴らしい。そうしてメタルとバラードを境なしに味わえるリスナーが2024年にはたくさんいる。Darko USが『Starfire』でやっていることが、もっとありふれたものになっていくだろう。

彼らに実験的な面白さを求めているのであれば、「Chrone Moon」をチェックしてみるのがいいだろう。微細にエディットされたチャギングリフとインダストリアルな装飾が生み出す不気味なアトモスフィアは、ミュージシャンには大きなインスピレーションを与えるはずだ。そしてScarlxrdをフィーチャーした「Virtual Function」は、メタルコアとダークなヒップホップの可能性が無限大であることを感じさせる印象的なトラックと言えるだろう。一気に全部聴くのもいいし、2,3曲ずつ聴いても楽しいアルバムだ。

 

▶︎UnityTX 『Playing Favorites』 EP

2014年にテキサス州ダラスで結成され、ボーカリストJay Webster、ギタリストAlberto Vazquez、ベーシストAustin Elliott、ドラマーMiguel Angelという不動のメンバーで活動を続けている。彼らはThe Story So Farなどが在籍するPure Noise Recordsに所属しており、「ニューメタルコア」というよりは「ラップメタル」とか「ラップコア」と呼ばれることが多い。

本作はシングル「Playing Favorites」と他3曲収録のEP (昔はこのくらいのボリュームならシングルだったかもしれない) で、プロデュースはA Day To Rememberの『Homesick』や『Common Courtesy』、そのほかThe Ghost InsideやWage Warを手掛けるAndrew Wadeが担当している。Andrewが手がけたことでも分かるように、ハードコアのパッション溢れるフックが彼らのヒップホップのDNAと化学反応を起こしている。「Playing Favorites」で言えば、ブルータル・デスコア・バンド、PeelingFleshをも彷彿とさせるヘヴィなリフとスクラッチ、クラシックなニューメタル・ワーミーを交えたシンプルでありながらブルータルなトラックの上でJayがラップする、極上のラップメタルに仕上がっている。ニューメタルコア・リスナーも見逃せないUnityTXから、ラップメタルも掘り下げてみると面白いだろう。

 

▶︎cohen_noise 『Some Things Aren’t Forever, But For A Reason: Vol. 1』 EP

アメリカ・ケンタッキー州の4人組、cohen_noise。2022年のデビュー・アルバム『HAPPY.wav』は耳の早いメタルコア・リスナーの間では話題となったが、まだまだアンダーグラウンドな存在と言えるだろう。この作品もさらっとすごいことをやってしまっていること、ソーシャルメディアでの神秘性を大事に”し過ぎている”ことから、ミュージックビデオの再生回数が公開から1ヶ月で1000回にも到達していないのは勿体無い。こうしたバンドはRIFF CULTのような小さなメディアでなく、大手メタルメディアこそ取り上げて評価するなりしなくてはいけない。しかしイメージを大切にし過ぎる昨今のソーシャルメディア戦略ではそこに届くには大金を払うかよっぽど刺激的でないと無理だ。

cohen_noiseはいわゆるニューメタルとメタルコアをクロスオーバーさせたニューメタルコアに加えて、LoatheIce Sealed Eyesといったオルタナティヴ・メタルコアの影響も感じさせてくれる。彼らのプレイスルー映像を見れば、音からだけでなく、ヴィジュアルや使用機材からもそれが感じられるだろう。「オルタナ」はずっとメタルコア・シーン全体を底上げするのに重要なキーワードであり続けているが、先にも使った神秘性を守り過ぎると、誰にも聴かれないまま終わってしまう。cohen_noiseにはその壁を打ち破れるポテンシャルがあるし、「Fantasy」のような楽曲はRise Records黄金期を感じさせるキャッチなクリーンパートがあり、とっかかりとしてキーと言える楽曲だ。次々登場する新しい、刺激的なバンドの勢いに押しつぶされないよう頑張ってほしい。かなり未来があるバンドだとこの作品で確信した。

 

▶︎Defocus 『there is a place for me on earth』

2019年ドイツ・アーレンを拠点にスタートしたDefocus、2021年の『In the Eye of Death We Are All the Same』以来、3年振りとなるセカンド・アルバム。本作はArising Empireからリリースされ、AvianaやAbbie Fallsといったヨーロッパのヘヴィ・メタルコア・バンドを多数手掛けるVojta Pacesnyによってプロデュースされた。10曲32分とコンパクトな仕上がりながら、その内容は非常に充実しており、想像以上の満足感が得られるはずだ。けばけばしいワーミーやベースドロップを削ぎ落とし、現行ユーロ・メタルコアのヘヴィネスを下地としたサウンドを展開している。だからこそ映えるブレイクビーツやエレクトロニック・パートがDefocusを特別なニューメタルコアたらしめる魅力を放っている。After the BurialCurrents、そしてPROMPTSといったバンドの系譜にあるようなヘヴィさがあり、多方面のメタルコア・リスナー、さらにはデスコア・リスナーにも引っかかるようなブレイクダウンを搭載した楽曲もいくつか収録されている。中でも「flatlines」のエンディングはブルータルだ。

シンプルでスタイリッシュな彼らのヴィジュアルが映える「crooked mind」は「flatlines」などと併せてDefocusとは一体どんなバンドかを把握するのにピッタリな入門的楽曲に仕上がっている。ドイツらしいメタルコアの伝統も感じさせつつ、何よりも新しさがある。確立したDefocusのスタイルがこれからどのように進化していくのか楽しみである。

 

▶︎SPLEEN 『It Can(‘t) Be Worse』 EP

2023年にデビューしたフランス出身の5人組。およそ1年掛けてじっくりと制作され、途中メンバーチェンジもありながら完成させたデビューEPとなる本作は、ニューメタルコアの中にプログレッシヴ/Djentな香りも忍ばせた、興味深い仕上がりで注目を集めた。

フランスでこの手のサウンドと言うと真っ先に思い浮かぶのはten 56.だろうか。ヨーロッパまで拡大すれば、thrownなどが思い浮かぶが、SPLEENは彼らよりもシンプルに「ニューメタルコア+プログレッシヴ・メタルコア/Djent」と言うクロスオーバー・サウンドを鳴らしている。本作リリース直前に公開された最後の先行シングル「Natra」は、本作の中でもプログレッシヴ感の強い楽曲で、クロスオーバーのバランス感覚も優れている。まだまだSpotifyのフォロワーやミュージックビデオの再生回数は少ないものの、オリジナリティがあるし、毎日のようにリリースされていくメタルコア・シングルの中でも印象に残ってリリースを楽しみにしていたくらい印象に残ったバンドなので、これから更なる進化が期待出来ると思う。

 

▶︎Dealer 『New Order Of Mind』

2018年にオーストラリア・メルボルンで結成され、Alpha Wolfと共にニューメタルコアのトップバンドとして注目を集めたDealerであったが、度重なるメンバーチェンジによって安定しない活動が続いた。彼らの諸問題については度々指摘されてきたものの、2024年にギタリストJack Leggett、ベーシストMatthew Brida、ドラマーBrad Lipsettが加わり遂にデビューアルバムとなる本作を発表した (これまでに11名のメンバーが脱退、再加入を繰り返していた) 。

『New Order Of Mind』は、2019年の『Soul Burn』や翌年の『Saint』 (*いずれもEP) のスタイルとほとんど一緒の楽曲構成、フックで満たされており、大きなサウンドプロダクションの変化などはない。「HYPERREAL DEATH SCENE」「THE HATE YOU TRY TO HIDE」といったリードシングルも2019年〜2020年のDealerからほとんど変わっていない。それだけ先進的なサウンドをコロナ禍前に作り出していたということも凄いが、ほとんど変わっていないにも関わらずやはり細やかなところにDealerのソングライティングの良さが感じられる。「THE HATE YOU TRY TO HIDE」は2分強の短い楽曲であるが、イントロの狂気じみたインダストリアル・サウンドからニューメタルへと自然に繋がっていくところや簡単にビートダウンしない、ひねくれたところは評価出来る。不安的な精神状況を描写するミュージックビデオの数々は見る人を選ぶが、やはり2024年、ニューメタルコア・シーンにとってDealerは無視できないと思う。

 

▶︎Bite Down 『Decolorized』 EP

2019年、スウェーデンのヨンショーピングで結成されたBite DownのサードEP。これまでアルバムリリースはなく、2020年に『Trial // Error』、2022年に『Damage Control』とコンスタントにEP (またはシングル) をリリースし続けている。常にシーンにおいて存在感があり、じわじわとその名を浸透させてきた彼らの最新作は、We Are Triumphantからのリリースされたこともあり、ヨーロッパのみならず、アメリカのアンダーグラウンド・メタルコア・シーンでも注目を集めた。

ミュージックビデオにもなっており、EPのオープニングを飾る「Ynoga」は、ファストで切れ味鋭いチャギングリフをハンマーのように打ち続けていく。そしてほとんどゼロを刻み、転調も全くしないスタイルは、同郷のHumanity’s Last BreathのようなThallっぽさがあるように感じる。「Beautiful Gloom」ではDrop Eのうねるリフに吸い込まれていくような錯覚さえ感じるが、ニューメタルコアとは言い難い、プログレッシヴメタルコアを鳴らしている。良い意味でスウェーデンらしいメタルコアであり、ニューメタルコア・フレーバーを程良くブレンドしているタイプと言えるだろう。

スペイン産メロディックパンク・バンド”ACID SNOT”、2024年8月来日決定!

スペイン・バルセロナを拠点に活動するメロディックパンク/ハードコア・バンド、ACID SNOT (アシッド・スノット) の初来日ツアーを2024年8月に開催することが急遽決定しました。

Acid Snotは、メロディックパンク、オルタナティヴメタル、Djentのリフとキャッチーなメロディーを巧みに融合させる技巧派として知られており、 アンダーグラウンドのパンクシーンの生々しく荒々しいエネルギーと、洗練されたテクニカルでプログレッシブなサウンドを併せ持つベテランとして主にヨーロッパで高い人気を持つバンドです。社会的、政治的な問題や日常に寄り添うようなリリックのバランス感覚も優れているのが印象的だ。

Acid SnotはwaterweedのOhgaをフィーチャーした最新シングル「Osaka Light」を発表したばかり。これから発表となる各地公演情報を見逃さないようにしてください!

 

▶︎TOUR SCHEDULE (詳細は随時公開予定)

 

8月9日 (金曜日) : 大阪・Yogibo HOLY MOUNTAIN

LASTEND pre. 「BROTHERHOOD」
-ACID SNOT Japan Tour 2024-

LASTEND
ACID SNOT
PLATFOAM
HANT PLACE

⏰18:30/19:00
🎫¥3,000/¥3,500/¥1,000(U-20)

チケット予約はこちら
https://forms.gle/7M6fmUdi7nFTAxty9

 

8月10日 (土曜日) : 名古屋・東山studio 246

OPEN/START : 19:30/20:00
チケット : 無料 (*ドリンク代もありません)
入場の際、ツアーサポート募金にご協力下さい。金額は自由です。

【ツアーサポート募金をお願いする理由】
元々、別会場での開催を予定しておりましたが、急遽開催が出来なくなってしまい、スタジオライブを開催することとなりました。

ツアーには移動費や宿泊費などが掛かります。入場の際ツアーへの募金をお願いさせてください。金額は問いません。

これから多くのツアーで名古屋に海外のメロディックパンク・バンドを連れて行きたいと考えております。ぜひサポートしていただけると今後につながります。何卒応援を宜しくお願い申し上げます。

チケット予約はこちら : https://tiget.net/events/336983

 


8月11日 (日曜日) : 東京・新高円寺LOFT X

Sunlight Records&304 Records pre.
「Good Old Days Vol.29 -ACID SNOT JAPAN TOUR 2024-」

ACID SNOT
STONE LEEK
NEUTRAL
LOOSER
The Fourth Brilliant Avenue
Wait For Sunlight

チケット予約 : https://tiget.net/events/335582

 

8月12日 (月/祝) : 東京・下北沢BAYD

ACID SNOT
STONE LEEK
VALVE DRIVE

OPEN/START : 17:30/18:00
Ticket : 2,000円 (ドリンク代はかかりません)

チケット予約はこちら : https://tiget.net/events/337347

 

*出演アーティスト募集中。気になる方は romanticnobitarecords@gmail.com へ連絡をお願いします。

Crystal Lakeが名門メタルレーベル「Century Media Records」との契約を発表。 同時にニューシングル「Blüdgod」をリリース

日本のメタルコア・バンド、Crystal Lakeが、老舗レコード会社 Century Media Recordsとワールドワイドの契約を結び、最新シングル「Blüdgod」をリリースした。

Crystal Lakeは、数えきれない数のツアーで鍛え上げらえた圧倒的な比類なきライブパフォーマンスと、メタルコア/ハードコアをベースに唯一無二のブレンドでエクストリーム・ミュージックの定義を更新し続け、感染度の高いメタルコアで世界中のファンを魅了している、言わずと知れた日本が世界に誇るメタルコア・バンド。

世界最高峰のエクストリーム・ミュージックの発信源である名門レーベル、Century Mediaとの契約について、Crystal Lakeの中心人物であり、ギタリストのYDは、「俺たちはCentury Mediaのバンドをたくさん聴いて育ってきました。歴代の所属バンドが素晴らしい歴史を築き上げたように、今度は自分たちがその一部となり、新しい歴史を一緒に作っていける事を嬉しく思います」と語る。

そんなCrystal LakeがCentury Mediaとタッグを組みリリースする最新シングル「Blüdgod」は、前作に引き続き、Jeff Dunne(Ice Nine Kills、Knocked Loose、Make Them Suffer、Currents)がミックス/マスタリングを担当。現在、花冷え。とツアー中のLeft To Sufferのヴォーカルで、System Of A DownのベーシストShavoの新バンドSeven Hours After VioletのヴォーカルでもあるTaylor Barberがゲスト・ヴォーカルとして参加していることにも注目が集まりそうだ。Crystal Lakeのヴォーカルのジョンは、この曲の内容について下記のようにコメントしている。

「『Blüdgod』は、俺たちが今、いかにシステムの奴隷になってしまっているかってことについて歌っている曲なんだ。俺たちは皆、生活するために社会の歯車の中で重労働を課せられて、犠牲にしないといけないものがあると思い込まされている。でも実際のところ大企業=血の神々(Blüdgod)に生贄として捧げているのは、自分たち自身なんだ。」

SiMの全米ツアー「PLAYDEAD World Tour」の全公演に帯同しアメリカで大暴れしてきたばかりのCrystal Lake
は、5月31日にドイツのベルリンで開催される「Mosh City Festival」を皮切りに、『Download Festival」、「Resurrection Fest」、 「Hellfest」など世界有数の巨大音楽フェスへの出演を含む25公演のヨーロッパツアーに突入。その後、Crystal Lakeは楽曲制作に入り、2025年初頭にCentury Mediaから待望の最新アルバムのリリースを予定している。日本が世界に誇るメタルコア・ヒーローから目が離せない!

 

配信:https://crystal-lake-band.lnk.to/BludGod
ビジュアライザー:https://www.youtube.com/watch?v=rk8vpbU3gVg

▼ツアースケジュール
Europe / UK 2024 出演予定フェスティバル
05/31/2024 (Fri) Mosh City Festival (Germany)
06/01/2024 (Sat) Spring Breakdown Festival (Germany)
06/05/2024 (Wed) Mystic Festival (Poland)
06/07/2024 (Fri) Summer Radness (Germany)
06/08/2024 (Sat) Into The Grave (The Netherlands)
06/13/2024 (Thu) Rock For People (Czech Republic)
06/16/2024 (Sun) Download Festival (UK)
06/23/2024 (Sun) Graspop (Belgium)
06/26/2024 (Wed) Resurrection Fest (Spain)
06/27/2024 (Thu) Hellfest (France)
06/29/2024 (Sat) InnField Festival (Austria)
06/30/2024 (Sun) Mighty Sounds (Czech Republic)

Japan 2024 出演予定フェスティバル
07/27/2024 (Sat) 男鹿ナマハゲロックフェスティバル
08/31/2024 (Sat) FRONTLINE FESTIVAL 2024

Nile、ニュー・アルバム『The Underworld Awaits Us All』2024年8月リリース決定! 先行シングルの公開も

テクニカル・デスメタル・バンド、Nile が10枚目のスタジオ・アルバム『The Underworld Awaits Us All』をNapalm Recordsから2024年8月23日にリリースすることを発表しました。アルバムはバンドメンバーによってプロデュースされ、ミックス/マスタリングはCannibal Corpse, Whitechapelとの仕事で知られるMark Lewisが担当している。

このアルバムからのファースト・シングル「Chapter for Not Being Hung Upside Down on a Stake」が公開され、すでに話題となっている。この曲はエジプトの死者の書の第181章を参照しているそうだ。相変わらずのオタクっぷりが炸裂している。

“The Underworld Awaits Us All” track listing:

01 – “Stelae Of Vultures”
02 – “Chapter For Not Being Hung Upside Down On A Stake In The Underworld And Made To Eat Feces By The Four Apes”
03 – “To Strike With Secret Fang”
04 – “Naqada II Enter The Golden Age”
05 – “The Pentagrammathion Of Nephren-Ka”
06 – “Overlords Of The Black Earth”
07 – “Under The Curse Of The One God”
09 – “Doctrine Of Last Things”
10 – “True Gods Of The Desert”
11 – “The Underworld Awaits Us All”
12 – “Lament For The Destruction Of Time”

Pre-order options for the album include an elaborate Anubis bust limited to 500 pieces. You can secure yourself a copy via https://lnk.to/NILE-TUAUA

SABLE HILLS主催のメタルフェス『FRONTLINE FESTIVAL』 全ラインナップ解禁!&一般発売スタート!

先週リリースされた、ドイツの名門「Arising Empire」よりリリースが控えている新作『Odyssey』からの先行シングル『Battle Cry feat. Kenta Koie from Crossfaith』も好調なSABLE HILLS。来月のアルバムリリースに向けて怒涛の快進撃を続けている彼らが、自身が主催するメタルフェス『FRONTLINE FESTIVAL 2024』の全ラインナップを解禁。併せて一般発売もスタートした。

▶︎FRONTLINE FESTIVAL 2024
2024年8月31日(土)川崎 CLUB CITTA’
OPEN 11:00 / START 12:00
【出演】
SABLE HILLS
Unearth (USA)
Bleeding Through (USA)
Crystal Lake
DEXCORE
KRUELTY
FLOYA (GERMANY)
Earthists.
kokeshi

【TICKET NOW ON SALE】https://eplus.jp/frontline2024
1階席 前売券:8,000円 (ドリンク代別途)
1階席 Tシャツ&ポスター付 前売券:13,000円 (ドリンク代別途)
【1階席 Tシャツ&ポスター付の受付は7/31(水) 23:59まで】
VIPチケット: 15,000円【SOLD OUT】

 

女性ボーカルを加え動き出したNovelists、新曲「Okapi」をリリース、MV公開

フランスを拠点に活動するプログレッシヴ・メタルコア・バンド、Novelistsが新曲「Okapi」を配信リリース、ライブ・パフォーマンス映像を公開しました。ゴスペル・クワイアをバックに、ボーカルのCamille Contrerasに加え、ダンサーのThéa Rodgoldがビデオに参加している。

2024年4月4日に南フランスのマルセイユで撮影された。バンドによると、この曲は昨年から制作中で、彼らの人生における激しい挑戦の時期に書かれたため、個人的に重要な意味を持つという。彼らはこう説明する:

「Okapi」は、2023年から2024年の初めにかけて書かれた曲で、バンドとしても個人としても、それぞれの人生に起こった多くの変化や疑問の中で書かれた、とても重要な曲なんだ。違う街への引っ越しから、家族との別れ、死、病気など。たった数ヶ月の間に、私たちの私生活でたくさんのことが起こった。そのような理由から、この曲を完成させるのに当初予想していたよりも時間がかかってしまったが、今振り返ってみると、必要な時間をかけてよかったと思うよ」。

配信URL : https://novelistsfr.lnk.to/okapi

 

 

Six Feet Under、人を殺すことを描いた新作『『Killing For Revenge』リリース

フロリダ・タンパのベテラン・デスメタル・バンド、Six Feet Underの14枚目のアルバム『Killing For Revenge』がMetal Blade Recordsから発売されました。これを記念して、バンドは収録曲「When The Moon Goes Down In Blood」のリリックビデオを公開しました。このビデオのプロデュースは、Six Feet Underの前作『Nightmares Of The Decomposed』も手がけたReino Aedmäeが担当している。

フロントマンのChris Barnesは次のように語っている:

「このアルバムの曲はすべて、何らかの形で”復讐”を扱っていると思う。だからアルバムのタイトルは『Killing For Revenge』なんだ。どの曲も、それが人間に対するものであれ、人間に対する自然に対するものであれ、それをテーマにしている。不気味な核となるテーマがあり、歌詞としてはもっとストレートで、ストーリーのトーンはもっとホラーで、一般的に言えば、人を殺すことについて歌っている。私の気分はいつも、自分自身の想像力の中に飛び込み、集中して音楽を聴く瞑想状態のようなもので、ストーリーに導いてくれる」。

ギタリストのJack Owenはこう付け加えた:

「When The Moon Goes Down In Blood」はアルバムのために書かれた最後の曲だったんだ。Chrisは “1990年代初期 “のものを提案してきた。私は初期のImmolationやSuffocationを彷彿とさせるドラム・ビートを作り、テンポはスラッシュ・ビートとブラスト・ビートの中間のものを用意したんた。当時は、シンプルなディミニッシュ・ラインにパーム・ミュートを多用したギター・リフを書き、スネア・ドラムと一緒にクランチングするだけだったよ。曲はすぐにできて、Chrisに送ると、彼はこう答えた。「俺に任せろ!」ってね。本当にそうだったんだ! アルバムの中で最高の曲になったよ。ブルータルなオールドスクールの雰囲気が最高なんだ」。

▶︎Six Feet Under 『Killing for Revenge』
配信URL : https://www.metalblade.com/sixfeetunder/

1. Know-Nothing Ingrate
2. Accomplice to Evil Deeds
3. Ascension
4. When the Moon Goes Down in Blood
5. Hostility Against Mankind
6. Compulsive
7. Fit of Carnage
8. Neanderthal
9. Judgement Day
10. Bestial Savagery
11. Mass Casualty Murdercide
12. Spoils of War
13. Hair of the Dog (Nazareth cover)

Band members
Chris Barnes (Vocals, Lyrics)
Jeff Hughell (Bass)
Marco Pitruzzella (Drums)
Ray Suhy (Guitars *lead)
Jack Owen (Guitars *rhythm, Lyrics, Songwriting)

Guest/Session
Jason Suecof (Guitar solo *track 8)

Miscellaneous staff
Chaz Najjar (Mixing, Mastering)
Vincent Locke (Artwork)

Vale of Pnath、まもなくリリースの新作からニュー・シングル「Silent Prayers」リリース

コロラド州デンバーを拠点に活動するテクニカル・デスメタル・バンド、Vale of Pnathは、来たるアルバム『Between The Worlds of Life and Death』からの3枚目のシングル「Silent Prayers」のミュージックビデオを公開しました。ニュー・アルバムは、2024年5月24日にWillowtip RecordsよりCD、レコード、デジタルフォーマットでリリースされることが決定している。

バンドは今回の新曲についてこのようにコメントしている :

「前作『Accursed』から5年。このEPはバンドにとって新たな道であり、スタイル的にはよりブラックなアプローチに傾いたんだ。このEPは、テクデスのバックグラウンドを持つ僕らのファンを次の時代へと導くためのものだと言える。『Between The Worlds of Life and Death』は、『Accursed』で始めたことの延長線上にあるアルバムだ。バンドのコア・サウンドを捉えつつ、このメタル・ブランドに、より新しく大胆なテイクをもたらした。メタル・ファンにとって最も親しみやすいアルバムにしたい。このアルバムを聴いて、すぐにその魅力に引き込まれ、さらに何度もリピートしてもらいたいと思っているよ」。

来日が決定しているSoftspoken、ニュー・シングル「I Against Me」をリリース!

2024年5月末から初来日することが決定しているアメリカ出身のポストハードコア・バンド、Softspokenがニュー・シングル「I Against Me」を配信リリース、リリックビデオを公開しました。ビデオはCult of Heavenによる編集で、シングルのアートワークはHLFMSRが担当している。

Softspokenは来日に先駆け、海外アーティストのためのエージェント、VMA (Vamprose Management Agency)と契約。このシングルのプリセーブ・プリアド(先行予約)でTシャツが当たるキャンペーンなどを実施していた (https://ss.trffm.co/iam)。また、バンドはリリース当日 (5/10) にXで配信ライブを開催する予定で、夜10時にギターのChrisが日本語でシングルについて話したり、ファンと交流する予定だ。

TOUR SCHEDULE
5月30日 (木曜日) : 東京・中野MOONSTEP
5月31日 (金曜日) : 東京・初台WALL
6月1日 (土曜日) : 名古屋・今池3STAR
6月2日 (日曜日) : 大阪・JUSO 246

▼チケット/ライブ情報はこちら▼
https://riffcult.net/2024/03/21/softspoken-japan-tour-2024/

Lee McKinney (Born of Osiris)、ソロ曲「The Garden」配信リリース

Born Of Osirisのギタリストとして知られるLee McKinneyがソロ曲「The Garden」を配信リリースしました。この曲は、近日発売予定のニュー・アルバム『To Those Who Know Pain』の収録曲。このアルバムは今年後半にリリースされる予定とのこと。『Djentガイドブック』でもプログレッシヴ・メタルコア、並びにDjentの超重要バンドとして掲載されているBorn of Osiris。そのサウンドの根幹を作るLeeのクリエイティヴな魅力が詰まった新曲は、ファンから高く評価されている。

 

来日が決定しているBleeding Through、新曲「Our Brand Is Chaos」リリース!

カリフォルニア州オレンジカウンティのメタルコア・ベテラン、Bleeding Through がニューシングル「Our Brand Is Chaos」をSharpTone Recordsから配信リリースしました。バンドは2024年SharpTone Recordsからニュー・アルバムをリリースすることが決定しており、またSABLE HILLSが、8月31日に主催するフェスティバル「FRONTLINE FESTIVAL 2024」 at 川崎CLUB CITTA’にも出演することが決定しており、Unearth、Crystal Lake、DEXCORE、KRUELTYらとともにラインナップされている。

‘Our Band Is Chaos’ – by Bleeding Through Official Visualizer
Purchase, Stream at: https://bfan.link/our-brand-is-chaos

Dark Tranquillity、Amorphis、Dimmu Borgirのメンバーからなるバンド”Cemetery Skyline”、ニュー・シングル「In Darkness」リリース!

有名メタルバンドのメンバーによるスーパーバンド、Cemetery Skylineがニュー・シングル「In Darkness」を配信リリース、ミュージックビデオを公開しました。

ボーカリストMikael Stanne (Dark Tranquility/The Halo Effect)、ギタリストMarkus Vanhala (Insomnium/Omnium Gatherum)、キーボーディストSanteri Kallio (Amorphis)、ベーシストVictor Brandt (Dimmu Borgir)、ドラマーVesa Ranta (Sentenced)からなるCemetery Skyline。Century Media Recordsから華々しくデビューし、セカンドシングルとなる本曲も多くのファンを魅力するダイナミックな仕上がりとなっている。

SABLE HILLS、ヨーロッパの ブッキングエージェント「Dynamic Talent International」 と契約を発表!

ドイツの名門「Arising Empire」より、3rdアルバム『Odyssey』のリリースが控えているSABLE HILLS。アルバムリリース前に恵比寿 LIQUIDROOM公演を成功させ、今夏8/31には、自身が主催するメタルフェス『FRONTLINE FESTIVAL 2024』の開催も控える彼らが、ヨーロッパのブッキングエージェント『Dynamic Talent International』との契約を発表。新アーティスト写真を公開した。

Dynamic Talent International : https://www.dynamictalentint.com/artists/sable-hills/

Vision Of DisorderThe Red Jumpsuit Apparatus、日本の花冷え。等も所属する同社とタッグを組むことで、今年は日本国外での活動にも期待が高まるばかりだ。

そんな飛ぶ鳥を落とす勢いの彼らが主催する「FRONTLINE FESTIVAL 2024」の2次先行は、明日5/08(水) 23:59まで受付中。券種によっては一般発売前にソールドの可能性も高いようなので、このタイミングでの購入をお勧めする。

▶︎FRONTLINE FESTIVAL 2024
2024年8月31(土)川崎 CLUB CITTA’
OPEN 11:00 / START 12:00
【出演】
SABLE HILLS
UNEARTH (USA)
BLEEDING THROUGH (USA)
CRYSTAL LAKE
DEXCORE
KRUELTY
and more!

【2次先行TICKET NOW ON SALE】https://eplus.jp/frontline2024
1階席 前売券:8,000円 (ドリンク代別途)
1階席 Tシャツ&ポスター付 前売券:13,000円 (ドリンク代別途)
VIPチケット(2階指定座席 Tシャツ&ポスター&優先入場付 前売券:15,000円 (ドリンク代別途)
2次先行受付期間: 4/26(金) 19:00 ~ 5/08(水) 23:59