このアルバムでギターとドラムを担当したBillyは、「正直、自分たち (The Dillinger Escape Plan)のサウンドを発展させただけなんだ。このアルバムでは、ギターとドラムの両方を演奏している。リズム・ギター、ベース、シンセ、プログラミングなど、複数の楽器を演奏したんだ。ビーチに行って携帯電話でアンビエンスを録音して、それを投げ入れたんだよ」と説明する。
このアルバムは、独自の世界、別世界、絶望と人間の存在の重さで空気が重い現実のモノクロームのビジョンを作成するものです。「Panopticon」, 「Dare I Say」, 「Deathbed Confessions 」のような残酷で暴力的なノイズの爆発から、「New Infinities」 や 「Lunar Waves」のような優雅で催眠的なサウンドの渦を巻き上げる。また、詩人であるマイケル・クラリティが、パンデミック初期にベトナムで立ち往生していた時にバンドのために書いた詩を朗読する、スポークンワード・トラック「Hai Un Accendino」も収録されている。時には、モノリシックで荘厳な 「Deathbed Confessions」のように、まるで世界とすべての存在のスローモーションの終わりのような、パワフルでニュアンスのある、癒しと恐ろしさが混在するサウンドがアルバムで表現されている。
thoughtcrimes 『Altered Pasts』
1. Panopticon
2. Mirror Glue
3. Keyhole Romance
4. New Infinities
5. Altered Pasts
6. Dare I Say
7. Hai Un Accendino
8. Conscience on Tilt
9. The Drowning Man
10. Deathbed Confessions
11. Lunar Waves
Lorna ShoreやShadow of Intentといったブラッケンド/シンフォニック・デスコア・バンドに代表される荘厳なオーケストレーションを組み込みつつも、基本はスラミング・スタイルで押していくのがTo Obey a Tyrant流。Crown MagnetarのDan Tuckerをフィーチャーし先行シングルとしてミュージックビデオにもなっている「Ov Fire And Sulphur」、The Stygian ComplexのKyler Cheekをフィーチャーした「Sanctus Infernum」などは彼らの魅力を凝縮した一曲としてアルバムのキートラックにもなっている。
1. Sermon Ov Serpents
2. Sanctus Infernum (feat. Kyler Cheek)
3. Goetia
4. Death Incantation
5. Ov Fire And Sulphur (feat. Dan Tucker)
6. Omnimalevolent
7. He Who Shuns The Light
8. Notari Per Malum
9. Vermillion Moon
10. Immolation
11. Perpetual Abhorrence
12. Forlorn And The Hollow
USデスコア/モッシュコア・バンド、SPITEがニューアルバム『Dedication To Flesh』を2022年8月19日にRise Recordsからリリースしました。Stay Sick Recordings (現Modern Empire Music) からリリースした前作『The Root of All Evil』から2年、大手Rise Recordsへと移籍してリリースした本作は、自身のデスコア/モッシュコアをダイナミックに表現したアルバムに仕上がっている。
彼らがどのように進化し、どこへ向かっていくのかは、アルバムの先行シングルとしてミュージックビデオにもなっているタイトル・トラック「Dedication To Flesh」を聴くことで感じ取ることが出来るはずだ。Slipknotを彷彿とさせるリフワークにアレンジを細部に盛り込み、よりブルータルでモッシャブルにアップデートされたSpiteサウンドはこれまで鳴らしてきたデスコア/モッシュコアをよりオーバーグラウンドなステージへと押し上げる力を持っている。
アルバムリリースの2日前に公開された「Proper One」はフロアが血まみれになっていくほど残忍なモッシュを巻き起こすことが目に浮かぶブルータル・チューン。「Made To Please」や「Caved In」といったリードトラックに加え、メタルコアな楽曲も差し込まれていたりとアルバムという作品としても従来のデスコア/モッシュコア・ライクなバンドの作品に比べるとよく考えられた作りになっているように感じる。とにかく死ぬほどモッシュしたい、そういう人に聴いてほしい一枚だ。
1. Lord Of The Upside Down
2. Caved In
3. Proper One
4. Made To Please
5. Some Things You Should Know…
6. Dedication To Flesh
7. The Most Ugly
8. Fear
9. The Son Of Dawn
10. Sounds For The Descent
11. Hangman
12. Crumble
2022年上半期にリリースされたブルータル・デスメタルの名盤を5枚ピックアップしレビューしました。ビッグ・リリースはなかったし、スラミング・ブルータル・デスメタルが主流になった今、直球ブラスティング・スタイルを鳴らすバンドは天然記念物並みに希少価値が高くなってしまった。今年に入ってブラスティング・スタイルのトップレーベルだったNew Standard Eliteが動かなくなってしまい、それらのバンドがゴアグラインド/ゴアノイズ系へ流れていってしまったように思う。ゴアノイズは音楽的な面白みはないけどブルータル・デスメタル・カルチャー的なジョークとして追いかけてて面白いものの、ブルータル・デスメタルはそのサウンドで喰らいたいものだ。今回ピックアップした5枚は順不同だが、ナンバーワンはSijjeel。シングルのみリリースしたバンドについては別の機会に振り返っていきたい。
2017年からロシア・モスクワで活動する2ピース・ブルータル・デスメタル・バンド、Filthed。
Lord of the Sick Recordingsと契約してリリースされたデビュー・アルバムは、古き良きアメリカン・ブルータル・デスメタルを独自に混ぜ合わせたかのような作品でなかなか聴きごたえがある。Internal Bleedingすぎるスラム・パート、さらにハードコアに寄ったモッシュ・パートで血管を膨張させながらも、ピュアすぎるブラストビートで疾走したりする。一周回ってこのくらい純度の高いブルータル・デスメタルが心地良く感じる。
アルバムリリース直後に発表されたミュージックビデオ「Berlin」では、これまでのUnprocessedとは違った魅力が詰め込まれている。Animals As Leadersを彷彿とさせる瑞々しいリフワークをエレクトロニックなアレンジに仕立て、R&Bやソウル、ポストハードコアへと接近する艶かしいクリーン・ヴォイスを絡ませていく。プログレッシヴ・メタルコア/Djentリスナーはもちろん、Dance Gavin Danceとはまた違った「プログレッシヴ・ポストハードコア」とも言うべきサウンドを見せてくれる。
アルバムを除けば、2022年上半期のデスコア・シーンは、Lorna Shoreの話題で持ちきりだった。リアクション・ビデオとして恰好の楽曲となった「To The Hellfire」(*2021年リリース)、「Sun//Eater」はデスコア・リスナーだけでなく、オーバーグラウンドのメタル・シーンにも衝撃を与えた。そこからデスコア、ブラッケンド・デスコア・シーンへどのくらい新しいリスナーが流入したかは分かりかねるが、アンダーグラウンド・デスコア・シーンは次のLorna Shoreになるべくブラッケンドなスタイルが本格的にトレンド化していった。半数くらいは正直ブラッケンド・デスコアを上手く表現しきれていないが、デスコアの中のマイクロ・ジャンルとして成立するくらいにはブラッケンド・デスコアを自称するバンドが増えてきたように思う。
このアルバムをオープニングからエンディングまで聴いた時、メンバーが現代メタルコアやデスコア、その他周辺ジャンルのトレンドをしっかりとキャッチしていることがよく分かる。NorthlaneやErraといったプログレッシヴ・メタルコアのリフ・ワーク、Lorna ShoreやShadow of Intentに代表されるシンフォニック/ブラッケンド・デスコアのオーケストレーション、加えて、日本のラウド・シーンで育まれてきたメインストリーム・ラウドの様式美、ニューメタルコアの尖ったサウンド・プロダクション。細部に至るまでこだわりを貫いたアレンジが組み込まれており、何度聴くたびに発見があり、時代の感覚をしっかりとキャッチしていることが感じられる。
シンフォニック・デスコアと言えばShadow of Intentという人も多いだろう。結成以来レーベルに所属せず、D.I.Yのスタイルを取るバンドとして他のデスコア・バンドへ与えた影響は大きい。そんな彼らの鳴らすサウンドにデスコアのトレンドが追いつき始めた2022年、この『Elegy』がもたらした衝撃は凄まじいものがあった。デスコアにシンフォニックなエレメンツを加えたというよりは、シンフォニック・メタルとデスコアのクロスオーバーと表現するのが言い得て妙だろう。そのバランス感覚は頭ひとつ抜きん出た才能によって作られるものであり、決して簡単にフォロワーを生み出せるようなスタイルではない。アルバム収録曲で先行シングル/ミュージックビデオとして発表された「Intensified Genocide」に彼らの魅力がたっぷりと詰まっている。
アメリカン・アンダーグラウンド・デスコアの王者とでも言うべきBodysnatcher。ダウンテンポ・デスコアのポテンシャルを最大限に発揮したタフなサウンドは、これまでに幾多のフロアで殺人級のモッシュを巻き起こし、その殺傷能力に磨きをかけてきた。Lorna Shoreを筆頭に、シンフォニック/ブラッケンド・デスコア・ムーヴメントが巻き起こる今、全くメタルの影響を受けず、ハードコア・ルーツのモッシュパートを武器とするサウンド・デザインに振り切っているのが清々しい。「Absolved of the Strings and Stone」や「Flatline」といった楽曲はそんな彼らの持ち味が発揮されたキラーチューン。
数々のデスコア歴史的名盤を手掛けてきたWill Putney率いるFit For An Autopsy。オーバーグラウンドのメタルシーンのメタル勢に引けを取らないサウンド・プロダクションで他のデスコア勢を圧倒する本作は、ミドルテンポ主体かつオルタナティヴ・メタルのエッセンスを取り入れた挑戦的な仕上がりとなっている。先行シングル/ミュージックビデオとして公開された「Far From Heaven」では、雄大なコーラスワークを携えたクリーンパートとミドルテンポからでしか作り出せないダイナミックなブレイクダウン/ビートダウン・パートが印象的。
Bodysnatcher同様、長きにわたりアメリカン・アンダーグラウンド・デスコアの番長的存在感を見せてきたThe Last Ten Seconds of Life。アルバムリリース後にWyatt McLaughlin以外のメンバーが脱退するという事件が起きてしまったものの、バンドの歴史を振り返った時、この作品は歴代トップに匹敵する作品だと感じる。
Chelsea GrinやBorn Of Osirisに在籍した経歴を持つギタリスト、Jason Richardson (ジェイソン・リチャードソン) が、ソロ・アルバム『II』をリリースしました。「Threnody」を除くすべての楽曲にドラマーLuke Hollandをフィーチャーし、エンディングを飾る「Upside Down」ではPolyphiaのTim Hensonをゲストに迎えています。
Jason Richardson 『II』
1. Tendinitis (feat. Luke Holland)
2. Ishimura (feat. Luke Holland)
3. Polyrhythmic Pug (feat. Luke Holland)
4. p00mbachu (feat. Luke Holland)
5. Sparrow (feat. Luke Holland)
6. Threnody
7. Byronius Of The 4th Order (feat. Luke Holland)
8. XIV 2.0 (feat. Luke Holland)
9. Behold 2.0 (feat. Luke Holland)
10. Goodbye… (feat. Luke Holland)
11. Upside Down (feat. Luke Holland & Tim Henson)
カリフォルニア州サクラメントを拠点とし、2021年にSlavesから改名したポストハードコア・バンド、Rain City Drive (レイン・シティ・ドライヴ) が、ニューアルバム『Rain City Drive』をThriller Recordsからリリースしました。Slaves時代の印象的なボーカリストJonny Craigに変わって加入したMatt Andrewは、NBCのリアリティTV歌コンテスト「The Voice」のシーズン7に出演し、チーム・アダムの一員として準優勝したことで知られている腕利きのシンガー。Jonny Craigの幻影を脱ぎ捨て、Rain City Driveとして動き出した彼らがバンド名を冠した本作は、メロウなR&B、Soulの影響に加え、オルタナティヴ・ラップのエッセンスも加えた快作だ。
RIFF CULTとしてオススメしたいのは、「Waiting On You」と「Cutting In Close」。ぜひ聴いてみて下さい。
2009年からスタートしたVile Impregnationであるが、すでにオリジナルメンバーは脱退済み。現体制で動き出したのは2016年ごろからになる。それぞれにいくつものサイドプロジェクトを持つ若きミュージシャンらが集結、Devour the Unbornなどで知られるJosh、InfantectomyのTriston、そしてPeeling FleshをはじめStranguledにも在籍したJosephのトリオ体制で、かなりマニアックなことをやっている。いわゆる溺死系と言われるガテラルで、ゴアグラインド/ゴアノイズ的な面白さもありつつ、基本はスラムリフを刻み続けていく無慈悲なスタイル。個人的なツボとしてライブメインでなく、音源制作に重きを置いたバンドが好きで、このバンドはロゴから楽曲スタイルからツボにハマる要素がたっぷり。若干のシンフォニックなアレンジも全然良くないが良い。
先行シングルとして発表された「Parasite」は、デスコアへも接近するかのような重厚なリフが組み込まれており衝撃を受けたファンも多いだろう。ミュージックビデオにもなっている「The Collapse」や「Get Outta My Head」は過去と今を繋ぐ楽曲としてアルバムのキーになっている。再びシーンのトップに躍り出た彼ら、新作を引っ提げたジャパンツアーの開催が待たれる。
Motionless In White – Scoring the End of the World
独特の存在感を放つペンシルバニアのMotionless In White (モーションレス・イン・ホワイト) の通算6枚目となるフル・アルバムは、2019年にリリースした前作『Disguise』よりもコンセプチュアルであり、まるで映画のような世界観で聴くものを引き込む超大作だ。Bullet For My ValentineやIce Nine Kills、A Day To Rememberを手掛けたDrew Fulkによるプロデュースで、新たにバンドへ加入したVinny MauroとJustin Morrowにとってはデビュー作となる。
この作品には多くのゲストが参加しており、Knocked LooseのBryan Garris、Cradle of FilthのLindsay Schoolcraft、BeartoothのCaleb Shomo、そしてMick GordonがMotionless In Whiteのフィルターを通じ個性を発揮している。バンドの元々の持ち味といえば、そのヴィジュアルからもわかるようにゴシック・メタルやインダストリアル・メタルを通過したメタルコア・サウンド。多彩なゲストによってそれらは異なる輝きを放っている。
約1年をかけ、丁寧にプロモーションされたきたテキサスのメタルコア・レジェンド、Memphis May Fire (メンフィス・メイ・ファイヤー) 4年振り通算7枚目のニューアルバムは、2012年にリリースされた彼らの代表作『Challenger』に肩を並べる堂々たる快作となった。
「Blood & Water」からは変わらぬRise Records系メタルコア/ポスト・ハードコアの香りが漂い、どこか懐かしい気持ちにもなる。バンドのギタリストKellen McGregorによってプロデュースされていることから、あらゆる楽曲にアルバムのキーとなるリフが組み込まれており存在感を見せる。彼らのサウンドから漂うアメリカン・ロックのルーツはやはり、このKellen McGregorにあると言えるだろう。Memphis May Fireが他のメタルコア/ポスト・ハードコアにない、言葉では言い表せない個性はここにあると感じる。Kellenのリフにフォーカスしてアルバムを聴いてみるのも新しい発見があるはずだ。
「Make Believe」のようなメタルコア・バラードは、後期Memphis May Fireが得意としてきたスタイルで、『Remade In Misery』においてもアルバムにハリを持たせてくれる。王者の貫禄、といえば簡単ではあるが、その貫禄が出る理由をたっぷりと詰め込んだ最新作、聴くたびに味わい深くなっていく。
ミシガン州グランドラピッズを拠点とするメタルコア・バンド、Hollow Front (ホロー・フロント) が、UNFDと契約してリリースしたセカンド・アルバム『The Price Of Dreaming』は、Memphis May FireやSecretsが好きなら絶対にチェックしておきたい2022年上半期のメタルコア傑作だ。
2020年にアルバム『Loose Threads』をリリース、ポテンシャルの高さは耳の早いリスナーの間で話題になっていたが、ここまで化けるとは想像もしていなかった。一聴すると、Memphis May FireやSecretsといった2010年代メタルコア/ポスト・ハードコア・サウンドをベースにしたバンドとだけ感じる人もいるかもしれないが、至る所に現代的なエレメンツが散りばめられている。プログレッシヴ・メタルコアの浮遊感はバンド・グルーヴを豊かに、そしてバウンシーに仕上げHollow FrontにあってMemphis May Fireにない魅力と言える。そして全体的に漂うメロディック・ハードコア/ポスト・ハードコアの刹那はHollow Frontをスタイリッシュに魅せている。全ての楽曲が必聴級であるが、「Running Away」は非常にHollow Frontの魅力の根源とも言えるサウンドが分かりやすく伝わってくると思う。
近年、バンドのギタリストであるJon Deileyの存在感は強まっており、彼が作り出すエレクトロニックなアレンジが高く評価されてきた。アルバムのタイトルトラック「Obsidian」を聴いてみれば、エレクトロニックなアレンジが楽曲の肝となっていることが分かるだろう。それは時にMeshuggahやAnimals As Leaders、Vildhjartaにも接近するプログレッシヴ感に溢れており、アートワークのインダストリアルな雰囲気にもマッチしている。「Dark Solitaire」や「Nova」といった楽曲も新しいNorthlaneの魅力がたっぷりと感じられる良曲。これからどんなバンドになっていくのか、楽しみになってくる本作、2022年にリリースされたことは後々重要になってきそう。
オハイオのクリスチャン・メタルコア・バンド、Wolves At The Gate の通算5枚目となるフル・アルバムは、変わらずSolid State Recordsからリリースされた。日本ではあまりクリスチャンであることで他のバンドと区別することはほとんどないが、クリスチャン・チャートなどが存在するアメリカではクリスチャンでああること、そうでないことは重要な要素だ。クリスチャンだから聴かないとか、クリスチャンだから聴くという文化がある中で、「彼らはまるでクリスチャンでなかったけど、彼らが好きだからクリスチャンになる」というきっかけにすらなりそうなほど、素晴らしいメタルコアを本作で鳴らしている。
2016年の結成からサード・アルバムとなる本作まで、彼らの存在は「ダークホース」的ポジションで、アンダーグラウンド・メタルコア・シーンで注目を集めてきた。イングランドで静かに育まれたInVisionsサウンドは、本作でグッと本格的なものになったように思う。「Annihilist」や「Half Life」あたりは、同郷のトップバンドWhile She SleepsやArchitectsを彷彿とさせる。サウンドもそうだが、かなりの影響を受けていると感じるのはボーカリストBenの歌い方がArchitectsのSam Carterを彷彿とさせるからだろう。
モダンなメロディック・デスメタル、メタルコアのエレメンツというのは、日本のメタルコアにおいてはSailing Before The Windを筆頭に、日本メタルコアの美学のひとつのようにして育まれてきた。特にSable Hillsはドメスティックなメタルシーンと幅広くクロスオーバーしながら、自身のスタイルに磨きを掛け、コロナ禍であってもその成長を止めなかった。
The Black Dahlia MurderやDevilDriver、Unearthなどを手掛けたMark Lewisがプロデュースを手掛けた本作は、稲妻のようなリードが楽曲を牽引するようにして展開、ライブ・パフォーマンスではお馴染みとなったヘッドバンギングを誘うようにグルーヴを司るKeitaとUedaの存在も大きい。この夏、この作品を引っ提げた「DUALITY」TOURをはじめとする国内外のライブで、ボーカルTakuyaが躍動する姿も目に浮かぶ、壮大なスケールを持つ一枚、必聴です。
Lorna Shore加入前のWill Ramosが在籍したことで知られるニュージャージーのメタルコア・バンド、Monument of A Memoryのデビューアルバム。これまでのシングル、EPでこのバンドが持つポテンシャルというところは非常に評価されてきたと思う。新体制となってもそれは変わっていないし、オープニング・トラックの「Atrophy」を聴けば彼らに才能があることは確信に変わるだろう。
オリエンタルなアレンジも絶妙でMonument of A Memoryのスタイルに合っていると思う。ただ、欠点をあげるとすればサウンド・プロダクション。キックとベースが潰れてしまっているのが残念で、もちろんここはメタルコア・リスナーひとりひとりに好きなサウンドがあることは分かるが、リマスタリングすれば格段に良くなり、グッとバンドを取り巻く環境もよくなっていくはず。
1. Black Hole
2. Pressure
3. Embers
4. Mirror
5. Swan Song
2008年からフランス・パリを拠点に活動する Betraying the Martyrs の3年振りとなる新作は、Sumerian Recordsからフランスの新鋭レーベルOut of Line Musicへと移籍してリリースされた。これまでバンドのフロントマンとしてバンドをメインストリーム・メタルコア・シーンへと導いてきたボーカリスト、Aaron Mattsが2021年に脱退。新たに加入したボーカリストRui Martinsのデビュー作として注目が集まっている。
Aaron脱退後にリリースされた最初のシングル「Black Hole」は、雄大なメタルコア・ビートにシンフォニックなアプローチを交えながら、これまで培ってきたBetraying The Martyrsのスタイルを聴かせてくれる。新しいと感じるのはやはり、Ruiのボーカルで、クリーン・パートもそつなくこなしている。ややプログレッシヴなエレメンツが増えたかなと感じたものの、続く「Pressure」は燃えるようなメタルコア・チューンで作品のキラーチューンとして存在感を見せる。
エンディングを飾る「Swan Song」はミュージックビデオとして公開されており、彼らがどこに向かっていくのかを感じさせる仕上がりとなっている。メロディは深みを増し、メロディック・デスメタルやオルタナティヴ・メタルのスケール感を持つこの楽曲は、Betraying The Martyrsを次のステージへと押し上げてくれるはずだ。
1. Paradise
2. Dead Inside
3. Flames
4. Locked
5. Heads Up
6. Sleep Tight
7. Defeating Gravity
8. Roses
9. Wounds
10. A World in Tears
11. Loco Loco
12. Fever
彼女/彼らが所属するArising Empireといえば、ヨーロッパのポストハードコアのトップに君臨するレーベルであり、IMMINENCE、AVIANA、THE OKLAHOMA KIDなどといった今の時代を代表するバンドらが所属。Future Palaceも既にArising Empireを代表するバンドと肩を並べるほどの人気を誇り、「Defeating Gravity」では、ポストハードコアの枠をこえ、オルタナティヴ・ロックへも通ずるポテンシャルを見せている。現に彼女/彼らはBring Me The HorizonやPVRISといったアーティストに影響を受けていると公言している。
アルバムのオープニング・トラックで、昨年11月にミュージックビデオとして発表された「Paradise」からは、中期Bring Me The Horizonの疾走感、ダークで煌びやかなサウンド・デザインを感じずにはいられない。Mariaのボーカルはもちろん、Manuel、Johannesのソング・ライティングもセンス抜群だ。2022年のポスト・ハードコアを代表する作品になるだろう『Run』の快進撃はこれから始まる。
1. Endless Waves
2. Buried Beneath Scars
3. The Masquerade
4. Into the Underworld
5. Wandering White Halls
6. Return to the Dream
7. Heart of the Inferno
8. Ending the Ritual
カリフォルニア州ベイエリアのプログレッシヴ/テクニカル・デスメタル・バンド、Inanimate Existence が、前作『Clockwork』以来3年振り、通算6枚目のスタジオ・アルバム『The Masquerade』をThe Artisan Eraからリリースしました。
結成以来幾度かのメンバーチェンジはあるものの、ライブにレコーディングと精力的に活動を続ける彼ら。ContinuumやFlesh Consumed、Rings of Saturnに在籍し、ArkaikからDisgorge、Brain Drillのライブ・サポートを行ってきた実力派ドラマーRon Caseyを中心に、Flesh ConsumedやColonize the Rottingといったブルータル・デスメタルのアンダーグラウンドで存在感を見せるボーカルCameron Porras、Desecrionに在籍したベーシストScott Bradleyのトリオ編成で、メンバーラインナップだけ見てもシーンでの知名度は抜群の彼らであるが、そのサウンドもまた独特だ。
ミュージックビデオになっている「Into the Underworld」は、彼らがどんなサウンドを鳴らすのか、端的に表現したフックの効いたキラーチューン。緩急をみせながら、ブルータルな小技が光るブラストビートにガテラルが印象的、オーケストレーションをふんだんにまとい、First Fragmentなどを彷彿とさせるネオ・クラシカルなギターソロをたっぷりと組み込んでいく。どこか「テクニカル・プログレッシヴ組曲」のような上品さが彼らの最大の魅力と言えるだろう。
1. The Artificial North
2. The Forever Born
3. Prophet
4. Each Death More Hollow
5. A Story Never Told
6. The Chasm
7. The Nether Realm’s Machinery
8. Död jord
スウェーデン・スンツバルを拠点に活動するテクニカル・デスメタル・バンド、Soreption (ソレプション) が、前作『Monument of the End』から4年振り、通算4枚目のスタジオ・アルバム『Jord』をUnique Leader Recordsからリリースしました。本作はミックス/マスタリングを同郷のVildhjarta、Humanity’s Last BreathのBuster Odeholmが手掛け、SYN:DROMのRoger Bergstenがエンジニアリングを務めた。
スウェーデンといえばSpawn of PossessionやVisceral Bleedingといったタイプのテクニカル・デスメタルを思い浮かべると思うが、彼らはそんなバンドの現代版後継者と言えるだろう。前作ではSumerian Recordsと契約するなどオーバーグラウンドのメタルリスナーにもその名を知らしめ、コンスタントに音源リリース、ライブと精力的。「Each Death More Hollow」はプログレッシヴなエレメンツ、キーボードのオーケストレーションも交え、独自のサウンド・デザインで聴くものを魅了してくれる。
RIFF CULT : Spotifyプレイリスト「All New Technical/Brutal Death Metal」
RIFF CULT : YouTubeプレイリスト「All New Technical Death Metal」